【ママパパコラム】「褒める」とは何か ―― 正解を求めていた私が見つけた、一つの確信
投稿者:あっくんママ(神奈川県30代)

「ゲームの時間を守れないのは、将来の生活リズムに影響するのではないか」 「私が今しっかり向き合わなければ、この子の勉強が取り返しのつかないことになる」 ……夜遅く、スマートフォンの画面で「不登校 解決策」を検索しては、答えのない不安を募らせていたのは、つい数ヶ月前のこと。
先が見えない日々を過ごしてきた母親として、あんなにギスギスしていたわが家が、いかにして穏やかな「笑い声」を取り戻したのか。どうしていいか分からず立ち止まっていた私が見つけた、解決の小さな糸口を綴ります。
※あした研究所編集部でママパパコラム内の画像の追加や編集をしております。

わが家の息子は、少し個性的で、とても繊細な性質を持っています。小学校の半ばで学習面に行き詰まったことをきっかけに、学校への足が止まりました。
当時の私は、あまりにも「責任感」に縛られていました。「宿題はやるのが当然」「時間は守って当然」。その「当たり前」という物差しで、身動きが取れなくなっている息子を一方的に測っては、「なぜできないのか」と問い詰めていたのです。私自身が子どもの頃、比較的器用に物事をこなせていたことが、かえって息子の苦しさを理解する妨げになっていました。今振り返れば、私の掲げていた正義感は息子にとっての「プレッシャー」となり、「当たり前」という物差しが、息子を追い詰めていたのかもしれません。
理屈だけでは届かない「褒め言葉」の壁

「子どもを褒めて育てましょう」という助言は、いろいろな場所で何度も目にしました。しかし、現実はそう簡単ではありませんでした。
本に書いてある通りに「結果ではなくプロセスを褒めよう」と言葉にしてみても、私の心が疲れ切っていて、顔が強張っていることは、息子にすべて見透かされていました。それはどこか取ってつけたような、形だけの言葉だったからです。「褒めるのが大切だとは理解している。でも、具体的にいつ、何を言えばいいのか。そもそも、今のこの子のどこを褒めればいいのか」と、私は完全に、どう褒めればよいのか分からなくなっていました。
「見張ること」を辞めて得られた、心の余白

行き詰まっていた私を救ってくれたのは、意外にも「物理的な距離」を置くことでした。
ある仕組みを生活に取り入れたのを機に、私は「自分が教えなければ」という重い役割を一度下ろすことに決めたのです。それまでは、隣にぴったりと張り付き、間違いを指摘し、常に見張るような態度を続けていました。しかし、それを思い切って辞めてみたのです。リビングのソファで静かに本を読んだり、ベランダの花に水をあげたりと、あえて自分のための時間を過ごすようにしました。
すると、不思議な変化が訪れました。私という「厳しい視線」が外れた途端、息子の肩から力が抜けたのが見て取れたのです。「私がそばで管理しようとしなくても、この子は自分の力で進む力を持っている」。少し離れた場所から息子の背中を眺めて、ようやくそう思えたとき、私の心にようやく「余裕」という隙間が生まれました。
良い変化は、当たり前の日常の中にあった

心に余白ができたことで、ようやく新しい「関わり方の知恵」が、生きた言葉として心に染み込んできました。それは、特別な成果を挙げた時ではなく、食器を自分で下げようとした時や、椅子に座りペンを手に取ろうとした時、ふと目が合って少しだけ表情が和らいだ時など、「行動を起こそうとした、その瞬間」を拾い上げることでした。
そんな、今まで見過ごしていた当たり前の瞬間を「いいね」と肯定する。同じ悩みを持つ方々の姿に励まされ、専門のサポーターから「そのタイミングが大切です」と背中を押してもらううちに、私の中の「こうあるべき」という頑固な思いが、少しずつ解けていきました。他人と比較することを手放したとき、息子の今の姿を、そのまま受け入れられるようになったのです。
一人では下ろせなかった「重荷」を分かち合うこと

かつての私と同じように、今この瞬間も暗いトンネルの中にいると感じている方がいらっしゃるかもしれません。毎日を一生懸命に過ごしているからこそ、解決の糸口が見えない不安は本当によく分かります。魔法のような解決策はすぐには見つからないかもしれませんが、まずは「私がなんとかしなければ」という肩の力を、少しだけ抜いてみることから始めてもいいかもしれません。
誰かに、あるいは何かの仕組みにそっと委ねてみることで、「見張る」という苦しい役割を卒業し、一息つける時間を自分に許してあげること。その小さな変化が、わが家の止まっていた時間を少しずつ動かしてくれました。子どもが自分らしさを取り戻し、親子で「今日はいい日だったね」と笑い合えるようになること。それこそが、何より大切な一歩になると信じています。
【あした研究室 編集部より】
体験談で語られた「教える役割の卒業」を支えたのがオンライン教材「すらら」であり、心の余裕の中で実践されたのが、親の関わり方講座「ほめビリティ(ほめビ)」のメソッドです。「教えるのを手放す」と「関わり方を知る」。この2つのステップが家庭に好循環をもたらしました。具体的な内容に興味がある方は、ぜひ詳細をご覧ください。