閉じる

校内フリースクールとは|不登校の子どもが安心して過ごせる“学校内の居場所”

最近、このような校内フリースクールを設ける学校が全国で増えています。文部科学省も、「不登校は誰にでも起こりうること」として、一人ひとりに合わせた多様な学びを応援しています。お子さまの状態に合わせて、少しずつ前に進むためのステップを一緒に考えていきましょう。

最近、このような校内フリースクールを設ける学校が全国で増えています。文部科学省も、「不登校は誰にでも起こりうること」として、一人ひとりに合わせた多様な学びを応援しています。お子さまの状態に合わせて、少しずつ前に進むためのステップを一緒に考えていきましょう。

校内フリースクールってどんな場所?

■校内フリースクールの概要

主な機能 どんな存在・活動? 期待できること
安心できる居場所 ほっと一息つける休憩スペース、感覚に配慮した環境、好きなことをする時間など 気持ちが落ち着き、安心感が生まれる
友だちとのつながり 先輩・同級生のメンター制度、少人数のグループ活動など 人との関わりを少しずつ実践できる
無理のない復帰 教室での授業に短時間だけ参加、個別計画に基づいた柔軟な時間割など 「できた!」という小さな成功体験を重ねられる
主な機能 どんな存在・活動? 期待できること
安心できる居場所 ・ほっと一息つける休憩スペース
・感覚に配慮した環境、好きなことをする時
間など
気持ちが落ち着き、安心感が生まれる
友だちとのつながり ・先輩や同級生のメンター制度
・少人数グループ活動など
人との関わりを少しずつ実践できる
無理のない復帰 ・教室での授業に短時間だけ参加
・個別計画に基づいた柔軟な時間割など
「できた!」という小さな成功体験を重ねら
れる

文部科学省の考え方と新しい学びのカタチ

これを受けて、多くの学校や教育委員会が、校内フリースクールの機能を強化し、出席や評価の運用を整え始めています。

■不登校支援の動き

どのような動きがある? 注目キーワード 私たちにどう関係する?
不登校支援の明確化 多様な学び、個別最適、合理的配慮 学校での別室支援や、保護者への丁寧な説明が求められている
GIGAスクール構想 1人1台端末、クラウド活用 オンラインでの課題や面談が広がりつつある
オンライン学習の整理 出席扱い、評価のエビデンス 学習計画や記録をしっかり残すことで、学びが評価につながる
校内フリースクールや教育支援センターの充実 関係機関との連携、復帰支援の多様化 校内フリースクールと教育支援センターを併用するなど、柔軟に通える
どのような動き? 注目キーワード 私たちにどう関係?
不登校支援の明確化 多様な学び、個別最適、合理的配慮 学校での別室支援や、保護者への丁寧な説明
が求められている
GIGAスクール構想 1人1台端末クラウド活用 オンラインでの課題や面談が広がりつつある
オンライン学習の整理 出席扱い評価のエビデンス 学習計画や記録をしっかり残すことで、学び
評価につながる
校内フリースクールや教育支援センターの充実 関係機関との連携復帰支援の多様化 校内フリースクールと教育支援センターを併
用するなど、柔軟に通える

ICTと「ハイブリッド型授業」

「Chromebook」や「Google Classroom」「Microsoft Teams」といったICTツールは、校内フリースクールを物理的な部屋であると同時に、「オンライン上の学びの場」に変えてくれます。

登校と在宅、対面とオンラインを自在に組み合わせることで、たとえ学校にいる時間が短くても、学びの連続性や先生、友だちとのつながりを保つことができるのです。

■ICTを活用した不登校支援の例

活用シーン どんなツールを使う? どんなことが可能に?
別室からの授業参加 Google Classroom、Meet、Microsoft Teamsなど 別室から教室の授業を視聴したり、チャットで発言したりする
在宅からの課題継続 学習eポータル、デジタルドリルなど 家で課題に取り組み、学習の記録を残したり、達成感を可視化したりする
先生との面談 ビデオ会議システムなど 自宅から先生と顔を見て話したり、支援計画を共有したりする
活用シーン どんなツールを使う? どんなことが可能に?
別室からの授業参加 Google Classroom、Meet、Microsoft Teamsなど 別室から教室の授業を視聴したり、チャットで発言したりする
在宅からの課題継続 学習eポータル、デジタルドリルなど 家で課題に取り組み、学習の記録を残したり、達成感を可視化したりする
先生との面談 ビデオ会議システムなど 自宅から先生と顔を見て話したり、支援計画を共有したりする

情報セキュリティやプライバシーに配慮し、「やってみよう」と思える心の安全を何より大切にしています。

出席や成績、内申書の考え方について

校内フリースクールでの活動は、学校の教育活動の一部です。原則として出席としてカウントされます。また、在宅やオンラインでの学習も、校長先生の判断で出席扱いになることがあります。

校内と校外のフリースクールの違い

不登校支援には、校内フリースクールのほかに、校外のフリースクールや教育支援センターなど、さまざまな選択肢があります。子どもの状態に合わせて、「どこで」「誰と」「どんなペースで」学ぶかを柔軟に設計することが大切です。

■不登校支援の選択肢例

項目 校内フリースクール 校外フリースクール(民間) 教育支援センター(適応指導教室) 別室登校
場所 在籍校の中 学校の外にある施設やオンライン 市区町村などが運営する施設 在籍校の中(教室、図書室など)
目的 教室に戻るための準備や学校以外の居場所づくり 学校以外の居場所づくり、多様な学び 生活リズムを整え、学校復帰を目指す 教室の授業が難しいときの代替の居場所
費用 原則なし 会費や授業料が必要 原則なし 原則なし
出席 出席として認められやすい 学校長の判断で出席扱いになることも 出席扱いになるのが一般的 出席として認められやすい
選択肢 校内フリースクール 校外フリースクール(民間) 教育支援センター(適応指導教室) 別室登校
校内フリースクール 在籍校の中 教室に戻るための準備や学校以外の居場所づくり 原則なし 出席として認められやすい
校外フリースクール(民間) 学校の外にある施設やオンライン 学校以外の居場所づくり、多様な学び 会費や授業料が必要 学校長の判断で出席扱いになることも
教育支援センター(適応指導教室) 市区町村などが運営する施設 生活リズムを整え、学校復帰を目指す 原則なし 出席扱いになるのが一般的
別室登校 在籍校の中(教室、図書室など) 教室の授業が難しいときの代替の居場所 原則なし 出席として認められやすい

どの選択肢においても、子どもの安全と安心を最優先に、学校、ご家庭、外部機関が共通の目標を持って支えることが大切です。

校内フリースクールの具体的な過ごし方

ここでは、愛知県岡崎市の中学校で取り組まれている「校内フリースクールF組」の事例をご紹介します。

愛知県岡崎市「校内フリースクールF組」の事例

F組での一日

「Free・Fly・Future」の頭文字から生まれた「F組」。F組は、安心できる環境の中で、子どもたちが自分で決め、楽しみながら成長していく場所です。ここで得た経験が、社会に出て自立していくための力につながることを目指しています。

また、外から入りやすい教室を使用し、教室内の動線も考慮するなど、抵抗感の少ない教室作りを大切にしています。丸みのある机やソファー、パーティションを用いた個別学習スペースなど、子どもが過ごしやすく、心安らぐ空間となるような環境づくりをしています。

  • 登校・自習時間: 決まった登校時間はありません。好きな時間に登校し、自分のペースで学習を始めます。全教職員が子どもの学習支援を行うため自由にF組に足を運ぶことで、F組の子どもの学びを支えています。また、一人一台のタブレット端末を使って、苦手な教科を学び直し、得意な教科は先の学習に挑戦できます。
  • 技能教科の時間: 卓球やバドミントンなどの体を動かす活動や調理実習、ものづくりなどを通して、友だちと自然とコミュニケーションを取る機会があります。また、子ども自身が自分の「できること」「やりたいこと」を探すことにもつなげています。
  • 授業への参加: 授業に参加したいという気持ちがある時は、F組の教室からオンラインで在籍学級の授業に参加できます。また、他の学年へのオンライン参加もできるため、学び直しをすることも可能です。
  • コミュニケーションの場:カードゲームやボードゲームで遊びながら、先生や友だちと気兼ねなくおしゃべりして過ごします。

自宅で学びを継続するという選択肢

そんなときには、まず自宅で安心して学べる環境を整えることが大切です。学校や教育委員会、保護者が、ICTなどのさまざまな方法を使って連携し、子どもの安心できる居場所と学びの機会を確保していきましょう。

項目 具体的にどうする?
無理のない計画学習 得意なことから始めて小さな目標を達成していく
学校との連携 オンライン面談などで、定期的に先生と話し合う
評価の確認 オンライン学習の出席扱いについて、ルールを確認する
専門家と協力 困ったときには、スクールカウンセラーや医療機関に相談する
項目 具体的にどうする?
無理のない計画学習 得意なことから始めて小さな目標を達成していく
学校との連携 オンライン面談などで、定期的に先生と話し合う
評価の確認 オンライン学習の出席扱いについて、ルールを確認する
専門家と協力 困ったときには、スクールカウンセラーや医療機関に相談する

ICT教材「すらら」は、アニメーションや対話形式で学べるオンライン教材です。不登校の子どもたちの学習支援ツールとして、多くの実績を持ち、自宅にいながら自分のペースで、楽しみながら学習を進められることが特長です。

学習の進捗は自動で記録されるため、保護者の方も、子どもの頑張りや成長を一緒に見守ることができます。また、学校の先生も学習記録を確認できるので、子どもが家で頑張ったことが評価に結びつきやすくなります。

「すらら」は、単なるドリルや映像授業ではありません。不登校の子どもが抱えやすい学習面や心理面の課題に寄り添う、独自の機能がたくさん詰まっています。

無学年式で、どこからでも学べる

不登校の期間が長くなると、特定の単元でつまずいてしまうことがあります。「すらら」は学年の壁なく学べるので、子どもが理解できていない部分までさかのぼって学び直すことができます。反対に、得意な科目はどんどん先に進めることもできて、やる気を引き出せます。

対話形式の授業で、楽しく学べる

一方的に解説を聞くだけの映像授業では、集中力が続かないこともあります。「すらら」の授業は、キャラクターが問いかけながら進むので、子どもは飽きずに取り組めます。「わからない」をそのままにしない仕組みになっています。

AIが、子どもにぴったりの問題を出してくれる

「すらら」に搭載されているAIドリルは、子どもの解答状況をリアルタイムで分析して、つまずきの原因を探し、一人ひとりに合った難度の問題を自動で出してくれます。「簡単すぎてつまらない」「難しすぎてやる気が出ない」といった気持ちを防いでくれます。

専門の「すららコーチ」が、伴走してくれる

自宅での学習では、計画を立てたり、やる気を維持したりするのが難しいですよね。「すらら」では、現役の塾講師などが務める専門の**「すららコーチ」**が、子どもの学習状況を把握して、個別の学習計画を提案してくれます。保護者の方も、子どもの学習について相談できるので、一人で悩みを抱え込む必要がなくなります。

「すらら」を活用した出席扱いについて

オンライン学習を出席扱いにできるかは、在籍校の校長先生の判断と、学校や教育委員会とルールを相談しながら決定します。

▼出席扱いについて詳しくはこちらの記事をご覧ください
不登校の「出席扱い制度(ネット出席)」とは?認定条件や成績の付け方も解説!

まずは在籍校の先生に「すらら」を使ってみたいと相談してみましょう。また、すららでは出席扱いに関する資料を無料でお送りしたり、子どもの状況に応じたご相談も随時受け付けたりしています。出席扱いに関する疑問や不安なことがあれば、いつでもご相談ください。

▼「すらら」へのお問い合わせはこちら

まとめ

ご家庭だけで抱え込まず、学校や地域の支援機関と手を取り合いながら、子どもに一番合った方法を一緒に探していきましょう。

監修者
伊藤美奈子(いとうみなこ)先生

神戸女子大学教授/臨床心理センター長

臨床心理学や発達心理学を専門とし、特に学校現場における不登校、いじめ、教員のメンタルヘルスに関するテーマに取り組む。臨床心理士・公認心理師。文部科学省「不登校に関する調査研究協力者会議」委員、子ども家庭庁「いじめ調査アドバイザー」なども務める。不登校やいじめの問題に対し、理論と実践の両面から取り組み、幅広く活動している。
著書:『不登校の理解と支援のためのハンドブック:多様な学びの場を保証するために』(ミネルヴァ書房2022年)など。

執筆者
あした研究室編集部 (あしたけんきゅうしつへんしゅうぶ)
あした研究室編集部は、(株)すららネットの子どもの発達支援室に所属するスタッフと、学び・発達支援に関心を持つ編集チームによって運営されています。教育・発達支援・子育て・学習法などのテーマについて、現場視点と実証的な知見を大切にしながら、企画・取材・執筆・編集・校正・発信まで一貫して取り組んでいます。私たちの使命は、保護者や教育関係者、子ども自身が次の一歩を見つけられるような 信頼できる知見とアイデアを届けること。読者の皆さまには、根拠ある情報と温かい視点を通じて、学びと成長を支えるパートナーでありたいと考えています。