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通信制サポート校は不登校の子どもにおすすめ?メリットや学校選びのコツを紹介

「通信制高校」と「通信制サポート校」の違いはなんだろう?

そんな疑問をお持ちではありませんか?
この記事では、通信制高校と通信制サポート校の仕組みの違いや、通信制サポート校の特徴である学習の遅れを取り戻せる個別指導やメンタルケアといった具体的なメリット、気になる学費やデメリットまでを解説します。

通信制サポート校とは

通信制サポート校でのレポート作成指導、メンタルケア相談、ソーシャルスキルトレーニング、プログラミングなどの専門スキル授業の様子

通信制サポート校とは、通信制高校に在籍する生徒が、3年間で確実に高校を卒業できるよう学習面や生活面を支援する民間の教育施設のことです。一般的に「サポート校」と呼ばれており、その役割は学習塾や予備校に近い性質を持っています。

通信制高校での学習は、基本的に自宅での自学自習(レポート作成)が中心となりますが、独力で学習計画を立ててレポートを期限内に提出し続けることは、決して容易ではありません。そこで、生徒が途中で挫折することなく高校卒業資格を取得できるよう、日々の学習進捗の管理やレポート作成の指導を行うのが通信制サポート校の主な役割です。

また、近年では単なる学習支援にとどまらず、不登校経験者のためのメンタルケアや、発達障害を持つ生徒へのソーシャルスキルトレーニング、さらには大学進学対策や専門スキル(プログラミング、美容、芸術など)の習得に特化したコースを持つ学校も増えています。

通信制高校とサポート校の決定的な違い

通信制サポート校を検討する際、最も重要かつ誤解されやすいのが「通信制高校」との法的な位置づけの違いです。この違いを理解していないと、将来の進路に大きな影響を与える可能性があります。

通信制高校は、学校教育法第1条に定められた「高等学校」であり、卒業すれば全日制高校と同じ「高校卒業資格」が得られます。一方、通信制サポート校は学校教育法上の「学校」ではないため、サポート校だけを卒業しても高校卒業資格は得られません。

そのため、サポート校に通う生徒は、必ず提携している「通信制高校」にも同時に入学(在籍)する必要があります。これを「ダブルスクール」と呼びます。仕組みとしては、通信制高校で「高校卒業のための単位」を取得し、サポート校で「その単位を取るための勉強」を教わるという形になります。

具体的な役割分担は以下の通りです。

■通信制高校:レポートの採点、スクーリング(面接指導)の実施、単位認定試験の実施、高校卒業証書の授与。

■通信制サポート校:レポート作成の補助、基礎学力の学び直し、生活習慣の改善サポート、進路指導、カウンセリング。

つまり、法的な「学校」としての機能を持つのが通信制高校であり、そこでの学習を円滑に進めるための「補助機関」がサポート校であると認識しておきましょう。

不登校の生徒が多く在籍している現状

現在、通信制高校およびサポート校には、不登校を経験した生徒が非常に多く在籍しています。文部科学省の調査などからも、通信制高校を選択する生徒の相当数が、小・中学校時代に不登校を経験していることが分かっています。

文部科学省の資料によれば、広域通信制高校に在籍する生徒の約6割に小・中学校での不登校経験があり、現在の通信制高校は不登校経験者を含む多様な背景を持つ生徒にとっての重要なセーフティネット、および学びの場としての役割を担っているとされています。
▼参考資料:文部科学省「『令和の日本型学校教育』の実現に向けた通信制高等学校の在り方に関する調査研究協力者会議(審議まとめ)」(令和4年8月)

全日制高校のような「毎日朝から夕方まで集団で授業を受ける」というスタイルが合わなかった生徒にとって、自分のペースで通学頻度を選べるサポート校は、安心して過ごせる居場所となっています。多くのサポート校では、不登校の生徒を受け入れることを前提としたカリキュラムや環境作りがなされており、集団生活への不安を取り除くための配慮が徹底されています。

例えば、クラス制ではなく個別指導を基本としたり、午後からの登校を認めたりするなど、生徒の心身のコンディションに合わせた柔軟な対応が可能です。また、同じような悩みを持つ同世代の生徒が集まるため、お互いの事情を理解しやすく、人間関係のトラブルが起きにくいという側面もあります。このように、サポート校は単なる学習の場としてだけでなく、不登校からの社会復帰や再スタートを切るための重要なステップとしての役割を担っています。

不登校の子どもに通信制サポート校をおすすめする理由とメリット

通信制サポート校のメリットを図解。柔軟な登校スタイル、個別指導、メンタルサポート、友達作りの4つの特徴を解説

全日制高校への通学が困難になったり、中学校時代から不登校が続いていたりする生徒にとって、通信制サポート校は単なる「高卒資格を取るための場所」以上の価値を持ちます。通信制高校単体では卒業率が低いというデータもありますが、サポート校を併用することで、学習面と精神面の両方から手厚い支援を受けることが可能です。

ここでは、なぜ不登校経験のある子どもたちに通信制サポート校が選ばれているのか、その具体的なメリットを4つのポイントに絞って解説します。

毎日の登校が必須ではない柔軟なカリキュラム

不登校の生徒にとって最大のハードルとなるのが「毎日の決まった時間の登校」です。通信制サポート校の最大のメリットは、生徒一人ひとりの体調やペースに合わせて登校スタイルを柔軟に決められる点にあります。

多くのサポート校では、以下のようなコース設定や配慮がなされています。

  • 週1回からの登校でスタートし、慣れてきたら週3回、週5回と増やしていく
  • 朝が苦手な生徒のために、午後からの授業開始を選択できる
  • 集団授業が苦手な場合は、完全個別指導やオンライン受講を組み合わせる

特に、不登校の原因として多い「起立性調節障害」などで朝起きられない生徒にとって、午後から登校できるシステムは大きな救いとなります。「行かなければならない」というプレッシャーから解放されることで、結果的に登校できるようになるケースも少なくありません。

勉強の遅れを取り戻す個別指導や学び直し

不登校の期間が長いと、「授業についていけないのではないか」という学力への不安がつきまといます。通信制サポート校は、通信制高校のレポート(課題)作成を支援するだけでなく、中学校や小学校の内容まで遡って学び直し(リメディアル教育)ができるカリキュラムを用意している学校がほとんどです。

全日制高校のように一斉授業で進むのではなく、習熟度別クラスやマンツーマン指導を行うため、周囲と比較して劣等感を抱く必要がありません。「分数の計算からやり直したい」「英語を基礎から学びたい」といった要望にも応えてくれるため、「わかった!」という成功体験を積み重ね、学習意欲を取り戻すことができます。

カウンセラー常駐など手厚いメンタルサポート

学習面だけでなく、精神的なケアが充実しているのもサポート校の大きな特徴です。多くの学校でスクールカウンセラーや臨床心理士が常駐、あるいは定期的に訪問しており、生徒だけでなく保護者の悩み相談にも応じています。

また、教員自身が不登校生徒への対応に関する専門的な研修を受けている場合が多く、生徒の些細な変化に気づきやすい環境が整っています。「学校に行けない自分」を責めることなく、ありのままを受け入れてくれる大人がそばにいる安心感は、社会復帰への大きな足がかりとなります。

友達作りやコミュニケーションの練習ができる

「通信制だと友達ができないのではないか」と心配されることもありますが、実際にはサポート校は「同じ悩みを持つ仲間と出会える場所」でもあります。周りの生徒も不登校経験者や、人間関係に躓いた経験を持つ子が多いため、お互いの痛みを理解し合える優しい空気が流れていることが一般的です。

学校行事やイベント(文化祭、eスポーツ大会、修学旅行など)も用意されていますが、全日制と違って参加は強制ではなく、自分の意思で自由に参加・不参加を決められるのがポイントです。

まずは先生との会話から始め、次に少人数のグループワーク、そしてイベント参加へと、無理のないスモールステップで対人コミュニケーションの練習ができる環境が整っています。

通信制サポート校を検討する際のデメリットと学費

通信制サポート校のメリット・デメリットや学費の仕組みについて、タブレットを使って生徒に説明する先生

不登校の経験がある子どもにとって、通信制サポート校は精神的な安心感や学習の遅れを取り戻すための最適な環境となり得ます。しかし、入学してから「想定外だった」と後悔しないためには、あらかじめデメリットや費用面について正しく理解しておくことが重要です。

ここでは、保護者の方が最も懸念される「学費の仕組み」と、自由な環境ゆえに生じる「自己管理の難しさ」について詳しく解説します。

通信制高校とダブルスクールになるため費用がかかる

通信制サポート校を検討する上で最も大きなハードルとなるのが、学費の問題です。サポート校はあくまで「学習塾」や「予備校」に近い位置づけであり、法的な「学校(高校)」ではありません。そのため、高校卒業資格を取得するには、通信制高校とサポート校の両方に同時に入学(在籍)する必要があります。

この「ダブルスクール」という仕組み上、以下の2種類の費用が同時に発生することになります。

  • 通信制高校の学費:入学金、授業料(単位制が一般的)、施設設備費、教育充実費など
  • サポート校の学費:入学金、授業料、指導費、施設利用料など

一般的な私立の全日制高校と比較しても、サポート校に通う費用は同等、あるいはコースによっては割高になるケースがあります。特に、手厚い個別指導やカウンセリング、専門的なスキル(プログラミングや芸術など)が学べるコースを選択すると、その分費用は高くなる傾向にあります。

就学支援金の適用範囲に注意が必要

国が授業料の一部を負担してくれる「高等学校等就学支援金制度」は、多くの家庭にとって大きな助けとなります。しかし、この制度が適用されるのはあくまで提携している「通信制高校」の授業料に対してのみであり、サポート校の学費には適用されません。

つまり、サポート校にかかる費用は基本的に全額自己負担となります。学費の総額を計算する際は、支援金で相殺できる部分と、実費で支払う必要がある部分を明確に分けてシミュレーションすることが大切です。

自由度が高いため自己管理が必要になる場合もある

通信制サポート校の最大のメリットである「登校日数や時間を自由に選べる」という点は、裏を返せばデメリットにもなり得ます。全日制高校のように毎朝決まった時間にチャイムが鳴り、先生が出欠を厳しく管理してくれる環境ではないため、生徒自身の「学習意欲」や「自己管理能力」がある程度求められるからです。

「行かなくてもいい」が家からでるきっかけを少なくする

不登校の生徒にとって「毎日行かなくてもいい」という環境はプレッシャーを軽減させますが、一方で「今日は休もう」という選択が容易にできてしまいます。特に自宅学習中心のコースや、登校日数が極端に少ないコースを選んだ場合、生活リズムが乱れたまま改善されず、結果としてレポート提出が滞り、単位修得が難しくなるケースもゼロではありません。

しかし、サポート校はこの「自己管理の難しさ」を補うために存在しているとも言えます。多くのサポート校では以下のような対策を行っています。

  • 担任の先生が電話やメールで起床確認や登校の呼びかけを行う
  • 家庭訪問を行い、生徒の悩みを聞き出す
  • 最初は週1回の午後登校から始め、徐々に日数を増やすスモールステップ方式をとる

学校選びの際は、単に「自由であること」だけを重視するのではなく、子どもの現状に合わせて、どこまで管理・サポートしてくれる学校なのかを見極めることが重要です。完全に自由放任な学校よりも、適度な距離感で伴走してくれる学校を選ぶことが、不登校からの復帰と高校卒業への近道となります。

このように、サポート校の価値は、単なる勉強の補助だけでなく「生活のリズムを整え、社会とつながるきっかけを無理なく作れること」にあります。金銭面や自己管理といった課題を十分に理解した上で、それぞれの生徒の特性に寄り添った独自の支援を展開している学校を選ぶことが大切です。

では、実際にどのようなサポート校が、ICT教材などを活用しながら不登校経験者の歩みを支えているのでしょうか。ここでは、学習フォローの厚さや柔軟な通学スタイルで定評のある、具体的な通信制サポート校の事例を紹介します

おおぞら高等学院 ―― 「なりたい大人」を目指す手厚いサポート校

おおぞら高等学院は、それ単体では「高等学校」ではありません。法律上の区分は、通信制高校に通う生徒の学習や生活面を助ける「教育支援施設(サポート校)」です。

通信制高校は、自学自習が基本のため「一人ではレポートが進まない」「友達ができない」といった壁にぶつかりがちです。おおぞら高等学院は、そうした生徒たちがキャンパスへ通い、先生(マイコーチ)や仲間と関わりながら卒業を目指せる「居場所」の役割を果たしています。

■提携する通信制高校:屋久島おおぞら高等学校

おおぞら高等学院に入学する生徒は、同時に提携校である「屋久島おおぞら高等学校」にも入学します。

  • 屋久島おおぞら高等学校: 単位の認定や、高校卒業証書の発行を行う「学校」。
  • おおぞら高等学院: 日々の勉強の指導、進路相談、体験活動を行う「サポート拠点」。

この2校がセットになることで、通信制の「自由さ」と、通学型高校のような「手厚いフォロー」の両立を実現しています。

■ おおぞら高等学院の3つの特徴

① 選べる担当講師「マイコーチ®」

おおぞらでは、先生のことを「コーチ」と呼びます。生徒が自分で自分に合うコーチを選べる制度があり、学習面だけでなく、趣味や進路、メンタル面の相談まで、一人の大人として寄り添ってくれるのが最大の特徴です。

② AI教材「すらら」による基礎学力フォロー

多くのキャンパスでICT教材「すらら」を導入しています。

  • さかのぼり学習: 中学校や小学校の範囲でつまずいている生徒でも、すららを使って自分のペースで復習が可能です。
  • レポート対策: 高校のレポート課題に取り組むための「基礎体力」としての学力を、ゲーム感覚で楽しく身につけることができます。

③ 多彩な体験プログラム「みらいの架け橋レッスン®」

勉強以外にも、ネイル、イラスト、プログラミング、スポーツ、農業など、多様な体験講座が用意されています。「何が好きかわからない」という生徒でも、様々な体験を通じて自分の「なりたい大人」像を見つけるきっかけが得られます。

おおぞら高等学院について詳しく見る

まとめ

通信制サポート校は、不登校経験のある生徒にとって、無理なく高校卒業資格の取得を目指せる有力な選択肢です。柔軟な登校スタイルや手厚いメンタルサポート、基礎からの学び直しができる環境は、再スタートを切るための大きな支えとなります。

もちろん、通信制高校との併修による学費の負担などは考慮すべき点ですが、お子様の性格や目標に合った学校を慎重に選ぶことで、将来への可能性は大きく広がります。まずは資料請求やオープンキャンパスへ足を運び、実際の雰囲気を肌で感じてみてください。焦らず一歩ずつ、お子様が安心して過ごせる居場所を見つけましょう。

執筆者
佐々木章太 (ささきしょうた)
株式会社すららネット 子どもの発達支援室 室長/あした研究室 編集長
ICTを活用した家庭学習支援の専門家として、不登校・発達障害・学びづらさを抱える子どもと保護者に寄り添った支援メソッドを構築してきた。2015年より「出席扱い制度」の普及に取り組み、文部科学省への提言、自治体との連携、申請書支援などを通じて、延べ2,000名以上の出席認定支援に携わる。現在は、教材開発、保護者支援、コーチ制度の設計などを担い、学習の継続と自己肯定感の回復を両立する家庭学習の仕組みづくりを推進。教育現場や家庭の声をもとにした発信にも注力し、「あした研究室」編集長として不登校支援に関する実践的な情報を届けている。デジタルと人の力をかけ合わせた、“子どもが前を向く学びの場”の創出をライフワークとしている。