【ディスグラフィア(書字表出障がい)とは】原因〜訓練方法について解説
ディスグラフィアは発達障がいの一種で、主に文字の書字において困難が生じるものです。しかし、「字が汚いだけで意識すれば改善する」と誤解される子どももいます。また、本人も自覚していないケースも少なくありません。
本記事では、字の読み書きで悩んでいる子どもを持つ親御さまやその周りの方に向けて、ディスグラフィア(書字表出障がい)の原因や訓練方法などを詳しく解説します。ぜひ参考にしてください。
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もくじ
ディスグラフィア(書字表出障がい)とは「書字に問題が生じる障がい」
ディスグラフィア(書字表出障がい)とは、文字を書く動作(書字)に何らかの問題が生じる障がいです。発達障がいの一種で、中でも学習障がい(LD)に大別され、小学生〜中学生のタイミングで自覚するケースが多いでしょう。文部科学省での学習障がいは以下で定義されています。
学習障害とは、全般的に知的発達に遅れはないが、「聞く」「話す」「読む」「書く」「計算する」「推論する」といった学習に必要な基礎的な能力のうち、一つないし複数の特定の能力についてなかなか習得できなかったり、うまく発揮することができなかったりすることによって、学習上、様々な困難に直面している状態をいいます。
授業の板書や自習などにおいて、文字を正しく書けずに困るのが特徴です。しかし、本人のやる気や性格の問題とされてしまうケースも多く、自覚できていても周囲の理解が得にくいケースが少なくありません。
ディスグラフィア(書字表出障がい)の症状・特性
ディスグラフィアは、文字の書きが著しく困難になる特徴があります。具体的には、部首をよく間違える、鏡文字を書く、ノートのマス目に合わせて字を書けないなどです。具体的な概要は以下の通り。
【具体的な症状・特性】
- 書いた文字がマス目からはみ出す
- 鏡文字や部首間違いなど、筆記ミスが多い
- 文法が正しくない文章を書く
- 句読点を適切に使用できない
- 読めないほど崩れた文字を書く
また、文法が正しくなく、句読点の打ち方をよく間違えるのも、代表的な症状・特性と言えます。漢字や数字等の書字の書き取りに不安が残りつつも、読んだり、声に出したりするには大きな問題がないのも特性でしょう。
ディスグラフィア(書字表出障がい)の治療法はない
ディスグラフィアの治療法は、現在確認されていません。書字の障がいは、主に脳の異常によって引き起こされる発達障がいの一種と考えられていますが、明確に原因が特定できておらず、そのため治療法も確立されていないのです。
ただし、昨今はある程度原因が解明されており、改善のためのトレーニング方法も確立されつつあります。完治するのは難しいケースも少なくありませんが、日常生活で大きな問題がない程度まで克服できる希望もあるでしょう。
脳が影響している?ディスグラフィア(書字表出障がい)の3つの原因
書字を書けない原因は、脳のメカニズムに異常が生じて発生するとされています。ただし、脳以外にもさまざまな原因があると考えられており、子どもによっては視覚以外の部分に問題があるケースもあるでしょう。ディスグラフィアの主な原因とされているのは、以下の3つです。
- 視覚情報処理に問題がある
- 音韻処理に問題がある
- 発達性協調運動障がいの関与している
以下の項目で、3つの原因について詳しく解説します。発達障がいに関して理解を深めたい方は、ぜひご覧ください。
視覚情報処理に問題がある
目で見た情報を処理する「視覚情報処理」に問題があると、ディスグラフィアのケースがあります。視覚情報処理とは、視覚から見た文字のパーツや位置関係、大きさなどの情報を認識し、処理する働きを指します。
文字を書くためには、目で見て正しい位置に正しい形で文字を書く必要があるため、視覚情報を処理する能力が必要です。視覚情報処理に不全があると、マス目に合わせて文字を書いたり、お手本通りに文字を書くのに困難が生じます。
また、視覚過敏から文字の色合いやコントラストを過敏に感じ取り、書字に向き合えなくなるケースも少なくありません。字のバランスを取りながら書くのが難しいため、文字の書き全般が苦手になってしまうでしょう。
音韻処理に問題がある
聴覚に関する「音韻処理」に問題があるのであれば、ディスクラフィアに繋がると考えられています。音韻処理とは、大まかに言えば言葉を聞いて音として認識し、意味として理解するための能力を指す言葉です。
文字の書きに直接影響するものではありませんが、言葉の意味や文法などを理解するうえで必要な能力です。例えば、「学習」という言葉を聞いた際、通常は「が・く・しゅ・う」といった音を耳から聞き取り、構成を把握して、「学習」の意味が即座に理解できます。
しかし、音韻処理がうまくできていないと、聴覚からの情報をうまく処理できず、文字を「読めない」ことから文字を「書けない」状況につながっていると考えられています。
発達性協調運動障がいの関与している
体を動かす能力に関わる「発達性協調運動障がい」も原因となっている可能性があります。発達性強調運動障がいとは、別名、不器用症候群とも呼ばれ、両手両足などを連動させて動かす協調運動力に困難が生じます。
歩行や筆記、自転車こぎなど日常動作に影響が生じ、文字を書く際には、指先の動作や視覚からの情報を連動させる動きが苦手に感じ、字がマスからはみ出したり、思った文字を書けない傾向にあります。
協調運動は年齢とともに発達していくため、乳児期はもちろんうまくできません。しかし、小学生〜中学生、高校生になっても年齢相応の協調運動ができないと、発達性協調運動障がいの可能性があるでしょう。
【パターン別】ディスグラフィア(書字表出障がい)の具体的な訓練方法
文字を思っている通りに書けない子どもは、学習においてさまざまな困難が生じるでしょう。板書やひらがな・漢字ドリルだけでなく、その他多くの教科においてノートが取れず、勉強に苦労するケースは少なくありません。
症状を改善していくには、パターンに応じた訓練がおすすめです。いくつかのパターンは以下の通りです。
- 文字のバランスが悪い
- 文字・数字が書けない
- 似た文字を書けない
- 視覚過敏
- 鏡文字を書いてしまう
状況に合わせて訓練を重ねていくと、少しずつ文字が書けていく可能性があります。子どもによって適した訓練方法は異なるので、以下の内容を参考にしながら、子どもの症状・原因に合わせて訓練を行ってください。
文字のバランスが悪い
文字のバランスが著しく崩れてしまうなら、まず大きなマス目のノートを用意しましょう。そして、マス目を4分割して、それぞれのマスに文字を分割して覚えるトレーニングを試してみてください。
文字のバランスが悪い子どもの訓練時のポイント
- 文字のパーツを分解する(「私」→「禾編」と「ム」に分ける等)
- 書き始める箇所にマークを付ける
- マスの空間を4分割にして各場所に色を付ける
マス目のあるノート等を使い文字を分割してトレーニングをすると、どこにどの線を入れるかが明確になり、文字を覚えやすくなります。この際、それぞれのマス目を色分けするのもおすすめです。
文字・数字が書けない
文字や数字がきちんと書けないのであれば、イラストを用いた学習が効果的です。文字を書くのが極端に苦手な子どもにとって、文字や数字は不規則な線の集合体と感じてしまいます。そもそも書けない際は以下を念頭に置いてみてください。
文字・数字が書けない子どもの訓練のポイント
- 形や大きさ、読みとの連動などどこで覚えるのが苦手なのかを分析する
- イラストや写真を用いる
- 数字はリズム感覚で書いてみる
また、漢字は「へん」と「つくり」に分解したパズルを用意して訓練をすると、楽しく覚えられるでしょう。ある程度の規則性・パターンがあると感じるだけでも、漢字を覚えやすくなります。
より親しみやすく意味がイメージしやすいイラストや写真を用いて、記憶の手助けにしてみましょう。
似た文字を書けない
「ね」と「れ」「シ」と「ツ」といった似た文字を間違えてしまうのであれば、文字の違う部分を確認するトレーニングを行いましょう。相違点に丸をつけてもいいですし、異なる箇所だけ赤く塗るのも、違いを認識しやすくなります。
似た文字を書けない子どもの訓練のポイント
- 文字の異なる部分に色や太字にする:「木」と「下」なら「木」の上の棒と左の払いの部分
- 間違い探し形式といったゲーム感覚で進める
子どもはゲーム感覚で行える学習を好むため、間違い探し形式でトレーニングをするのもおすすめです。ただし、最終的にはきちんとノートに間違いなく書くため、段階を踏むことも忘れないでください。
視覚過敏
視覚過敏によって書字に関する症状が出ているのなら、コントラストの激しくないノートを使用しましょう。ノートは、物によってはコントラストが強く、視覚過敏の子どもには利用が難しいケースがあります。真っ白の紙も視覚への刺激が強いため、割けたほうが良いでしょう。
視覚過敏の子どもの訓練のポイント
- えんぴつと彩度が近いノートを使う
- 教科書は白黒コピーで覚える
- 色付きメガネを使う
- カラフルな資料は透明の下じきを使う
また、色付きのメガネを使用するのも効果的です。パソコン用のメガネをはじめとして、目に対する刺激を和らげてくれるメガネを使用すると、視覚過敏の症状を和らげてくれます。
鏡文字を書いてしまう
鏡文字を書いてしまうなら、まず左右を正しく認識するトレーニングからスタートしましょう。字を書く手が右なのか左なのかを覚えるトレーニングや、右手・左手を指示通りに動かすトレーニングなどを通して、視覚・協調運動における左右の感覚を養います。
鏡文字を書いてしまう子どもの訓練のポイント
- 右と左の区別を日常を通して伝える
- 文字を書いているときに「左に書くよ」「右に伸ばすよ」と伝える
- ひらがな表を目のつきやすいところに置く
そして、左右を理解できれば、薄く書かれた見本をなぞるトレーニングをします。「左から右に」「右から斜め左下に」など、左右上下を言葉にしながら書いていくのも、鏡文字になってしまうのを改善するのに効果的です。
ディスグラフィア(書字表出障がい)の診断方法
ディスグラフィアを診断する際、主に『DSM-5(精神疾患の診断・統計マニュアル/アメリカ精神医学会)』における定義を基に診断されます。DSM-5における定義は、以下の通りです。
- 綴字の困難さ
- 文法と句読点の正確さ
- 書字表出の明確さまたは構成力
【引用:医学書院/日本精神神経学会「DSM-5 精神疾患の分類と診断の手引」】
字がきちんと書けるか、そして文法や句読点が正しいかなどが主な診断基準です。ただし、書字に関する障がいはまだ明確な定義がない障がいであるため、上記基準以外にも、さまざまな要素を加味して総合的に判断するケースも少なくありません。
また、ディスグラフィアは発達障がいの一種であるため、「具体的にどういった偏りがあるか」を基準に判断する軸もあります。「書字」のほかに「読字」や「算数」の障がいもあるため、どれに当てはまるか、または複数を兼ね備えているのかといった点も、診断に影響します。
まとめ
文字を書く動作は、学校生活のあらゆる場面で必要となるため、書字に困難が生じている子どもはさまざまな場面で不便を感じるでしょう。昨今はスマホやパソコンが普及したものの、文字や文法を覚える必要はあるため、社会人になっても症状に悩まされる可能性があります。
しかし、本記事でご紹介した対処法を少しずつ取り組めば、症状が改善するケースも少なくありません。ご自身の症状が、具体的に何が原因となっていて、どういった症状なのかを把握したうえで、適切な対処法を見つけて取り組んでください。
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