【メタバース登校とは】不登校の子どもに生じるメリット・デメリットを解説
アバターを使用してオンラインコンサートに参加したり、ゲームをしたりと近年活用されているメタバースが、実は学校教育の場でも利用されています。その代表的な活用事例が、「メタバース登校」です。
名前自体は聞いたことがあるが、具体的にはわからないという人も多いでしょう。本記事ではメタバース登校とはなにか、どんなメリットがあるのか、実際にメタバース登校ができる学校があるのかなどの概要について紹介します。
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もくじ
メタバース登校とは仮想空間を利用した出席方法
メタバース登校とは、オンライン上の仮想空間に作られた学校に生徒が登校して授業を受けることです。文部科学省の問題行動・不登校調査の結果によると、全国小中学校の不登校者数は過去最高の24万4,940人となっており、深刻な事態と懸念されています。
年度 | 平成29年度 | 平成30年度 | 令和元年度 | 令和2年度 | 令和3年度 |
全国小中学校の不登校者数 | 144,034人 | 52,723人 | 181,272人 | 196,127人 | 244,940人 |
(引用:文部科学省「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」)
先生との1対1のオンライン授業と違い、集団生活を送っている認識が持てる上に、自分の分身であるアバターを介することで現実世界では難しかった他人とのコミュニケーションが気軽に取れるようになったという子どもも少なくありません。
実際の学校には通えなくても、メタバース登校をすることで出席扱いにすることを検討する学校も出てきており、メタバースは不登校生徒の新たな場所として注目されています。
メタバースとは
そもそもメタバースとはmeta(超越)とuniverse(世界)の合成語で、インターネット上に存在する仮想世界を指します。新型コロナウィルスの流行により人と人とが直接対するコミュニケーションが制限され、注目されたのが、オンラインでのコミュニケーションです。
【メタバースの活用事例】
- バーチャルオフィス
- オンラインコンサート
- ゲームでの利用
メタバースを活用すると、身体は現実にあるものの、アバターを介してメタバースを自由に行動することができます。一人でバーチャル体験を行うVRと混同されがちですが、メタバースでは同じ空間にいる人とコミュニケーションを取れる点が大きな違いといえるでしょう。
NPOカタリバでは自治体と連携しメタバース登校の取り組みを進める
2015年から家庭訪問や居場所の提供、学習支援などで不登校生との支援を実施してきたNPO法人カタリバは、自治体と連携し、仮想空間上に作った学校「room-K」を用いたオンライン不登校支援の取り組みを進めています。
【「room-K」と連携した自治体】
- 埼玉県戸田市
- 岐阜県岐阜市
- 東京都文京区
- 岐阜県大垣市
- 広島県
- 東京都世田谷区
- 東京都中野区
自治体の努力義務が求められている「不登校特例校」や「教育支援センター」は不登校の児童生徒数に対して不足しているのが現状で、このままでは公的支援が足りている地域と足りていない地域では、不登校生徒への学びの場の提供に格差ができてしまいます。
現在ではまだ7つの自治体との連携にとどまっているものの、メタバース登校を広げていくことで不登校支援を拡充できるでしょう。room-Kと連携している自治体の中には、メタバース登校を出席扱いとする自治体も出てきています。
不登校の割合が減る?メタバース登校の4つのメリット
メタバース登校を導入することで、不登校の割合が減るともいわれています。4つのメリットを見ていきましょう。
【メタバース登校の4つのメリット】
- オンラインで登校できる
- 不登校の子どもに居場所ができる
- 生活習慣が整えられる
- 社会と接点を持つきっかけになる
以下で紹介します。
オンラインで登校できる
メタバース登校であれば、不登校の子どもも自宅から一歩も出ることなくオンラインで登校できるというメリットがあります。文部科学省の調査によると、子どもが不登校になる理由は実にさまざまです。
学校に行きづらいと感じ始めたきっかけ(複数回答可) |
小学生 | 中学生 |
学校生活がきっかけ | 548(76.9%) | 1034(79.4%) |
身体の不調・生活リズム | 291(23.1%) | 573(44.0%) |
合計 | 849(100%) | 1303(100%) |
(引用:文部科学省「不登校児童生徒の実態把握に関する調査報告書」)
学校生活がきっかけには、いやがらせやいじめがあった、先生と合わなかった、学校のきまりなどの問題が当てはまります。小学生も中学生も、最初に学校に行きづらいと感じ始めたきっかけは多岐に渡ることが見て取れるでしょう。
これらを理由に学校に行きたいのにいざ行こうとすると行けないと悩む子どもにとっては、オンラインで登校できることは大きな前進への一歩となるでしょう。
不登校の子どもに居場所ができる
メタバース登校を行うことで、不登校の子どもも自身の居場所を得られます。脳科学者駒野宏人氏によれば、人の脳は人と繋がることでオキシトシンという脳内ホルモンが分泌され、それにより心を穏やかにするセロトニンが算出されるそうです。
不登校になり人との繋がりが途絶えると自分の居場所がわからず安心感を得られない子どもは多く、最終的に虚無感に襲われて自尊心の低下を招いてしまいます。メタバース登校は、人との接点が少ない不登校の子どもの新たな居場所として活用することができるでしょう。
生活習慣が整えられる
不登校になるとスマホやゲームによる夜ふかしや不安や緊張で眠れないなどを理由として、昼夜逆転の生活を送る子どもも多いようですが、メタバース登校であれば身体は自宅にあるもののオンライン上の学校に通うことになるため、生活習慣が規則正しく整えられていく可能性があります。
【生活習慣が整えられるメリット】
- ホルモンバランスが整い心身が安定する
- ストレスレベルを低下させる
- 頭の回転が早く活発的になる
心身が安定して前向きになると、メタバース登校だけでなく実際の学校に行ってみようと気持ちに変化が出て不登校解消にきっかけになることも考えられます。
社会と接点を持つきっかけになる
メタバース登校は、子どもが社会との接点を持つきっかけになるでしょう。社会との接点は、他者と時を過ごすことから得られる喜びや幸福をもたらします。また人付き合いの仕方や環境の変化に対応するスキルを得られる点もメリットです。
オンライン上とはいえ、メタバース登校を行う仮想空間には他者が存在しています。はじめは不安や恐怖から仮想空間上でも孤立してしまう可能性がありますが、挨拶をしたり質問をしたりすることで少しずつ他人との関わりを増やしていけば、社会との接点を持っていけるでしょう。
考えるべきポイントもあり。メタバース登校の3つのデメリット
メタバース登校のメリットがわかったところで、反対に生じる可能性のあるデメリットについて見ていきましょう。
【メタバース登校の3つのデメリット】
- 社会的に制度が整っていない
- 現実の対人関係能力の向上しづらい可能性あり
- メタバースに対する理解が追いついていない
以下で解説します。
社会的に制度が整っていない
不登校に対する支援はさまざまありますが、メタバース登校に対する社会的な制度はいまだ整っていないのが現状です。
【不登校への支援】
- 学校の支援体制の整備
- スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーとの連携協力
- 教育支援センター
- 不登校特例校
- フリースクールなどの民間施設
- ICTを活用した学習支援
ただし、NPO法人カタリバが多くの自治体と連携してメタバース登校を実施しているように、将来的にメタバース登校は官民連携の上広がりを見せていく可能性があるため、それに伴い社会的な制度が整っていくことでしょう。
現実の対人関係能力の向上しづらい可能性あり
メタバース登校でオンライン上の人と話すことに慣れてしまうと、実際に人と会って会話をする際、表情などから相手の感情を察する力などの対人関係能力が向上しづらい可能性があります。
対人関係能力は人間関係を円滑に進めるために必要なコミュニケーション能力で、将来社会に出た際にも必要になるものです。子ども自身の興味関心や課題に応じて、ゲームやディベートなど様々な手法を取り入れながら、対人関係能力を強化する取り組みを同時に行っていくと良いでしょう。
メタバースに対する理解が追いついていない
メタバースの技術を使ったビジネスやゲームが広がりを見せつつあるものの、いまだにメタバースに対する理解が追いついていない点も、デメリットとしていえるでしょう。子どもはもちろん大人も、未知数のものに対して恐怖や不安を抱きます。
周りの人がやっている、有名人がやっているなど、先に体験をした人の話を聞かない限り一歩を踏み出すことができず、特にメタバース登校を初めて知った親もいるため、メタバース登校のメリットを得る機会を奪ってしまう可能性があるのです。
実際の事例が増えていけば解消することも考えられますが、現在ではまだ積極的な利用に至っていないのが現状です。
メタバース登校に関するよくあるQ&A
最後に、メタバース登校に関するよくあるQ&Aを見ていきましょう。
【メタバース登校に関するよくあるQ&A】
- メタバース登校のやり方は?
- メタバース登校を実施して出席扱いになる自治体は?
- メタバースで授業を実施している自治体は?
以下で紹介します。
メタバース登校のやり方は?
運営機関により多少の違いはありますが、メタバース登校のやり方は以下の通りです。
【メタバース登校】
- メタバース空間にログインする
- 自分のアバターを決める
- 教室に入り授業を受ける
メタバース登校は、インターネットに繋がったパソコンやタブレットなどの端末があれば、自宅にいながら授業を受けられます。
アバター同士がそばにいれば現実世界のようにカメラを通して顔を見ながら会話もできるため、実際に仮想空間にいる人とコミュニケーションを取ることが可能です。
メタバース登校を実施して出席扱いになる自治体は?
実際に学校に通わなくてもメタバース登校を実施して出席扱いになる自治体は以下のとおりです。
【メタバース登校を実施して出席扱いになる自治体】
- 埼玉県戸田市
- 広島県
- 埼玉県
不登校生徒の在籍する学校の校長が認めれば、メタバース登校をした場合でも学校の授業に出席したことになります。現在はまだ対応している自治体は少ないながら、今後メタバース登校への理解が広がれば増えていくことが予想されるでしょう。
メタバースで授業を実施している自治体は?
メタバース登校をして授業を実施している自治体は下記の通りです。
【メタバースで授業を実施している自治体】
- 千葉県:バーチャル修学旅行
- 愛知県:課外授業
ほかにも学習塾や大学でメタバース授業が実施されています。こちらもまだ事例として少ない状況ですが、メタバース登校が不登校解消のためのひとつの選択肢として選ばれる時代はきっと訪れることでしょう。
まとめ
オンライン上の仮想空間に作られた学校に通うメタバース登校は、不登校の子どもたちへの支援方法のひとつとして注目されています。自宅にいながら授業を受けられることで不登校の子どもにも家庭以外の居場所ができ、また社会と接点を持つきっかけになる点がメリットです。
オンラインでのコミュニケーションに慣れてしまうと現実で人と会った際の対人能力が向上しない可能性があるため、家庭の方でのフォローは必要となるでしょう。
現在は実施している自治体は数えるほどであるものの、今後不登校生徒への支援方法のひとつとして確立されていく可能性があるため、理解を深めていきましょう。
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