【ワーキングメモリとは】3つの種類〜子どもが起こり得る困りごとまで解説
ワーキングメモリと聞いたことがあるけど概要が分からない人もいるのではないでしょうか。また、生活での困りごとが多く、ワーキングメモリが低いと言われて内容を知りたい人もいるでしょう。
この記事では、ワーキングメモリの詳しい内容と種類、起きる困りごとや調べ方をまとめました。発達障がいとの関連性や弱い人のサポート方法も合わせて解説したので参考にしてください。
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もくじ
ワーキングメモリとは「短い時間に情報を記憶する能力」
ワーキングメモリとは「短い時間に情報を記憶する能力」を指します。そして、記憶した情報をもとに瞬時に処理して行動や言動へと移すことがワーキングメモリの役割です。
ワーキングメモリとは、作業や問題解決を図るときに必要な機能のことです。料理や洗濯などの家事はもちろんのこと、仕事をする際にも必要となる機能です。
会話や学習面、物事の判断など日常生活全般で、全ての人間がワーキングメモリを使って処理しています。そのため、計算や読み書きが早い子どもはこの能力が高い傾向にあり、瞬時の判断も得意です。
また、ワーキングメモリはそもそもの容量が少なく、短い時間でしか記憶できません。伝言を聞いていざ伝える時にメモをしていないと忘れるように、古い情報は削除されていきます。
ワーキングメモリの度合いは個人によって異なる
ワーキングメモリの度合いは個人差があり、容量が大きかったり小さかったりします。例えば、容量が大きい人は空いたスペースを使って整理しながら瞬時の処理が可能です。
逆に小さい場合、脳の容量がオーバーしてしまうため、古い情報はどんどん削除されていきます。そのため、情報量が多すぎると処理できないまま時間がかかったり忘れてしまったりするのです。
成長過程や訓練によってワーキングメモリは鍛えられますが、容量が小さい子どもは日常生活で困りごとが周りの友達に比べて多いかもしれません。
何の要素がある?ワーキングメモリの3つの種類
ワーキングメモリの理解を深めるためには、3つの種類を知ることがスタートです。まずは、以下を見ていきましょう。
- 音韻ループ
- 視空間スケッチパッド
- エピソーディック・バッファ
上記の3つは中央実行系という脳の司令塔を使って制御しながら指示を与えます。そして、ワーキングメモリを使って記憶した情報を処理していくといったイメージです。それぞれで役割と使われる場面が異なるため、以下で詳しく解説します。
音韻ループ
音韻ループとは、言語や音韻を処理する能力になり、音に関する情報を一時的に保管する役割があります。例えば「算数」という言語を記憶する際に、頭の中で一度「さんすう」と音に変換しているはずです。また、耳にした際にはそのまま音として記憶しているでしょう。
このように、人は目で見たり耳にしたりした情報を音に変えて記憶しているのです。また、音韻ループを使う際には、短い単語の方が処理しやすく、音が同じだったり似ていたりすると記憶しづらいことが研究で分かっています。
視空間スケッチパッド
視空間スケッチパッドは、言語化ができない情報の処理に使われる能力で、視空間をイメージする際に使います。文字の書き写しで大きさやバランスをイメージする際や、部屋のレイアウトを変えるためにどこに何を置こうか位置や色などを頭の中でイメージする際が主な例です。
一時的に情報を保存しながら、合わせて処理も行う力となっています。2つ同時の事柄を視・空間スケッチパッドを使って情報を処理するのは困難だといわれています。
エピソーディック・バッファ
エピソーディック・バッファとは、長期保存されたエピソードをもとに処理する能力です。音や視覚などの過去の情報を一時的に脳内に保存し、文章を書いたり人と会話したりする際に使います。
音韻ループや視空間スケッチパッドの情報も過去の記憶となるため、保存されている場合は1つにまとめて統合して使うのもエピソーディック・バッファの役割です。
困難はある?ワーキングメモリが低くなると起きる困りごと
ワーキングメモリが低くなると日常生活や学習面において困りごとが出てきます。起こり得る困りごとは以下の3つです。
- 勉強に集中できない
- 読み書き・計算ができない
- 忘れ物をよくする
生活全般における判断や行動はワーキングメモリが大きく関わっています。日常の困りごとと以下で解説する内容を見比べながら見ていきましょう。
勉強に集中できない
ワーキングメモリが低くなると勉強に集中できない困りごとが出てきます。音韻ループの例でいうと、言語が多くなれば記憶するだけでなく内容を理解するのが困難になるため、先生の話や文章が長くなると何を言っているのか分からなくなるでしょう。
内容が分からなければ勉強自体が面白くなくなり、興味すらわきません。人は興味のない物事には関心が低下するため、結果的に勉強に集中できないケースが増えてしまいます。
読み書き・計算ができない
ワーキングメモリの低下すると読み書き・計算ができない困りごとが出てきます。勉強は情報を処理しながらその都度記憶していきますが、新しい情報が多くなりすぎると最初に聞いた内容を思い出せないかもしれません。
読み書きであれば視空間スケッチパッドも関連し、意味が理解できても書くのが困難になる可能性があります。計算だと、過去の長期記憶と新しい情報を統合できず、計算式が上手くかみ合わないケースもあるでしょう。
また、記憶していても処理が困難であれば理解できなくなるため、脳内で整理できずに読み書きや計算が分からないといった困りごとが増えてきます。
忘れ物をよくする
ワーキングメモリが低くなると忘れ物をよくするという困りごとは少なくありません。聞いてすぐは覚えていたのに、友達に話しかけられて古い情報が削除されたり、必要な物が多すぎて記憶できなかったりします。
また、例えばプールの授業で何が必要と判断する際に、見えない空間をイメージできずに忘れ物をしたというケースも多いです。忘れ物をしないためにはメモを取る習慣と確認を怠らないことが大切になります。
検査可能!ワーキングメモリを調べる3つの方法
ワーキングメモリはテストや知能検査を受けて調べられます。代表的なテストは以下の3つです。
- AWMA
- HUCRoW
- ウェクスラー式知能検査
ワーキングメモリの何が低くてどのような場面で困りごとが起きやすいのかまで調べることが可能です。それぞれ申し込みが必要となりますが、受ける前に以下の内容を一度参考にしてください。
AWMA
AWMA(Automated Working Memory Assessment)とは、イギリスのピアソン社が提供しているテストです。ワーキングメモリーを4つの側面からテストでき、言語性や視空間まで結果が分かります。
合計12課題からコンピュータベースのテストとなっており、海外で販売されているためテストを受けるまでに若干時間がかかります。国立研究開発法人科学技術振興機構にてAWMAを小学生向けに実践した考察は以下の通りです。
本研究の成果は,クラスでワーキングメモリが相対的に小さい児童は,発達障害などの問題がなくても,授業に参加しにくいこと,そのような児童をワーキングメモリのアセスメントによって早期に見いだし,本研究で示唆したような授業参加の支援を教師が行うことで,授業に参加しやすくなることを示唆したことである。
ワーキングメモリが弱い子どもの場合は、授業への参加がしづらくなるが、周りの人がサポートが必要することで、学習にも関心を示すようになるようです。
HUCRoW(フクロウ)
HUCRoW(Hiroshima University Computer-based Rating of Working Memory)はEWMOという一般社団法人ワーキングメモリ教育推進協会日本が提供しているテストであり、8つの課題を受けてゲーム感覚で検査できます。
主な対象者は、幼稚園の年長児〜小・中学生でも実施可能です。練習と本番を合わせて30分程度の時間で検査が完了します。課題だけ受験できたり結果から解説書付きの報告書が送付されたりする複数のプランもあります。
ウェクスラー式知能検査
ウェクスラー式知能検査は、1939年に刊行されたウェクスラーの知能検査をもとにして作られた歴史ある検査方法です。ワーキングメモリーからIQまで調べられ、日本語版も用意されています。下記はウェクスラー式知能検査の種類です。
- WPPSI(Wechsler Preschool and Primary Scale of Intelligence):幼児向け 2歳6カ月〜7歳6カ月まで
- WISC(Wechsler Intelligence Scale for Children):児童向け 5歳〜16歳まで
- WAIS(Wechsler Adult Intelligence Scale):成人向け 16歳〜90歳まで
幼児〜成人に向けて利用できるテストとなっており、各種類によって指標が異なります。定期的に刊行されており、研究が進むにつれて、指標が変化する場合もあります。
ワーキングメモリに関するよくあるQ&A
ワーキングメモリのよくある質問を2つ回答します。ここで紹介する質問は以下の通りです。
- ワーキングメモリーが弱い人へのサポートは?
- 発達障がいとの関係は?
ここで紹介する質問は、本人に関することから親が子どもに対して疑問に感じている内容を集めました。気になる質問がある場合はぜひ参考にしてください。
ワーキングメモリーが弱い人へのサポートは?
ワーキングメモリが弱い人には指示を具体化して伝える内容を最小限に抑えることが大切です。例えば勉強に集中できていない場合は、内容が理解できて興味が持てるように1つずつ学習できる環境を作ってあげる良いでしょう。
また、読み書き・計算ができないなら、タブレット教材を使って自分のペースで視覚的要素も取り入れながら学習するのも方法の1つです。忘れ物も同様で、本人に直接伝える際には短く具体的にし、なるべくメモを取る習慣を身につけながらサポートしてあげてください。
発達障がいとの関係は?
ワーキングメモリと発達障がいに関係性はありません。なかにはワーキングメモリが低いからと発達障がいを疑う人もいますが、生活面での困りごとが似ているからだと考えられます。
特に集中力の低さや忘れ物の多さはADHDの特性と類似しているため、関係性が疑われる原因となるのでしょう。ただし、発達障がいはワーキングメモリが低い人が多いケースもあり、どこかの指標が偏っている場合があります。
まとめ
日常生活で忘れ物が多かったり集中力が続かない人は、ワーキングメモリの低さから困りごとが増えているかもしれません。特に、ワーキングメモリは個人差があるため、気になる方は一度調べてみた方が良いでしょう。
また、検査結果後に低かったとしても、トレーニングを積んでいけば勉強や生活における困りごとは減らせます。日常生活ではなるべく伝える内容を具体的にして、1つずつ取り組めるよう本人のペースを大切にしてあげてください。
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