【ADHD(注意欠陥・多動性障がい)とは?】原因や症状、治療方法や子どもへの5つの接し方も解説

我が子が周囲の子どもと比べて成長が遅れているのではないか、と不安に思っている親は多いのではないでしょうか。年齢を加味しても疑問が残る場合、ADHD(注意欠陥・多動性障がい)である可能性も考えられます。

ADHDの子どもには周囲の理解とサポートが必要です。この記事では、ADHD(注意欠陥・多動性障がい)の具体的な症状と親の接し方などについて解説します。



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ADHD(注意欠陥・多動性障がい)とは?発達障がいの一種

ADHD(注意欠陥・多動性障がい)は、年齢に見合わない程度の不注意・落ち着きのなさ・衝動性が社会活動や学校生活に影響が出ている状態のことを言い、発達障がいの一種です。

子どもに多いと思われがちですが、大人のADHDも珍しくありません。また、ADHD以外の発達障がいと症状が似ているものもあるので、医師でも判断は難しいと言われています。

完治を目指すというよりは生涯にわたって上手に付き合っていく必要があるため、ADHDの症状・原因・治療法など全般の知識を備えることは大切です。そして、家族だけでなく学校・職場など周囲の方々の理解と協力は欠かせません。

ADHD(注意欠陥・多動性障がい)の原因

ADHD(注意欠陥・多動性障がい)は、生まれた時からの脳の機能障がいが原因であると言われています。詳細は明らかにはなっていませんが、考えられている脳の障がいは下記の2つです。

  • 大脳にある前頭前野の機能調節の偏り
  • 神経伝達物質の不足

それぞれについて詳細をご紹介します。

大脳にある前頭前野の機能調節の偏り

人間の前頭前野は大脳のおよそ3割を占めています。前頭前野は猿では1割、犬においては1割未満です。動物にはできない思考・判断・注意・自己抑制・協調性などの人間らしい行動は、前頭前野の大きさの違いが関与していると言われています。

このため、大脳にある前頭前野の機能調節に偏りがあるとADHDの特徴が出やすくなると考えられているのです。

神経伝達物質の不足

もう一つの原因は、脳内の神経伝達物質が不足して神経伝達の調節に異常が生じることです。神経伝達物質の中にはノルアドレナリン・ドーパミンといった興奮・意欲を刺激するものと、セロトニンなどの気持ちの抑制に重要な役割を果たすものがあります。神経伝達物質が少ない・あるいは問題があるとADHDの特性を引き起こすと考えられています。

ADHD(注意欠陥・多動性障がい)の主な症状・特徴

ADHD(注意欠陥・多動性障がい)の主な症状・特徴は下記の3つです。

  • 不注意・注意欠陥
  • 多動性
  • 衝動性

3つ全ての特徴を持っている人もいれば、1つだけが際立っている方もいます。また、幼少期の頃は目立たなかった特徴が成長とともに目立ってくるなど、人によって症状の現れ方は様々です。

それぞれについて詳細を説明します。

①不注意・注意欠陥

不注意・注意欠陥の症状は、特に幼少期は誰にとっても当たり前に起こることなので気づきにくいと言われています。具体的に現れるのは下記の症状です。

  • 集中力が続かない
  • 忘れ物が多い
  • 整理整頓が苦手
  • 機嫌を守れない

大人になり、より複雑で細かい作業が必要な機会が増えることでADHD特有の上記のミスが顕著になるケースがあります。社会生活で困難が生じ、二次的にうつ病・パニック障がい・対人恐怖症などを伴うことがあるので周囲の理解が大切です。

②多動性

多動性の症状は、落ち着きがなくじっとしていられないという特徴があり、注意されても何度も繰り返してしまいます。具体的に現れるのは下記の症状です。

  • 落ち着きがない
  • 身体のどこかを常に動かしてしまう
  • 授業中に離席して歩き回る
  • 好きなこと以外への興味・関心がない

多動性の行動は分かりやすく、子どもの時に指摘され気づく可能性が高いです。大人になると多動症状はおさまってくることが多いですが、手足や内面の落ち着きのなさが残ることがあります。

③衝動性

衝動性の症状は、一度考えてから動くのではなく衝動的に行動をしてしまうという特徴があります。具体的には下記のような症状です。

  • 待てない
  • 思ったことを考えずにすぐに行動してしまう
  • 話の途中で口を挟んでしまう

思ったことをそのまま発言してしまったり、待てずに行動してしまったりするので団体行動が不得意です。周囲の理解なしでは単に勝手であると判断され、社会生活に影響が出ることがあります

ADHD(注意欠陥・多動性障がい)の診断リスト

ADHD(注意欠陥・多動性障がい)の診断は、アメリカ精神医学会の「DSM-5」に記述されている項目が診断基準とされています。

下記が基準に基づいて作成された症状チェックリストです。

【不注意症状】

  • 学業やその他の活動を行う際にケアレスミスをする
  • 学校での課題または遊んでいる時に注意を維持することが困難である
  • 直接話しかけられても聴いていないように見える
  • 指示に従わず課題を最後までやり遂げない
  • 課題や活動を順序立てることが困難である
  • 持続的な精神的努力の維持を要する課題に取り組むことを避ける・嫌う
  • しばしば学校の課題または活動に必要な物を失くす
  • 容易に注意をそらされる
  • 日常生活でもの忘れが多い

【多動性・衝動性症状】

  • 手足をそわそわと動かしたり、身をよじったりすることが多い
  • 教室内またはその他の場所で席を離れることが多い
  • 不適切な状況で走り回ったり高い所に登ったりすることがよくある
  • 静かに遊ぶことが困難である
  • じっとしていることができず、エンジンで動かされているような行動を示すことが多い
  • 過度のおしゃべりが多い
  • 質問が終わる前に衝動的に答えを口走る
  • 順番を待てない
  • 他者の行為を遮ったり、邪魔をしたりすることが多い

上記の中で6つ以上あてはまる場合はADHDの可能性が考えられます。しかし、それだけで診断が確定されるわけではないので必ず医師による問診や検査が必要です。

自分の悩みの原因がADHDであることを確信することで、対処法を知れたり周囲の協力を得やすくなります。一方で、個人の性格によっては診断結果を受け入れられずに、引きこもりになったり鬱になったりすることもあるので、本人の希望を考慮して受診するようにしましょう。

ADHD(注意欠陥・多動性障がい)の診断を受けるメリット

環境やストレスが原因で発症してしまううつ病などとは違い、ADHDはうまれもった脳の機能障がいが原因とされています。

診断を受けることによって、自分自身の障がいについて深く理解し、生活する上で起こる様々な問題に対処しやすくなるという点は大きなメリットといえます。

薬で治る病気とは違いますが、服薬することで症状を抑える効果が期待できるものもあるため、正しく診断を受けることで、より生きやすい生活を手に入れられるのもポイントです。

しかし、障がいがあると診断されてしまうことでショックを受けたり傷ついてしまう方も少なくありません。

ADHDを含む発達障がいは、それぞれ重症度は大きく異なるため、どの程度を障がいとするかはとても難しいのが現状です。

子どもの頃は落ち着きがなくやんちゃでも、大人になってからは生活する上で特別な困難がないという方もいれば、逆に大人になってから生きづらさを強く感じるケースもあります。

本人だけでなく、その周囲の人に影響を及ぼしているかどうか、さらに、障がいがあると診断することでメリットが得られるかという点を考えて区別するようにしていきましょう。

ADHD(注意欠陥・多動性障がい)の治療方法

ADHD(注意欠陥・多動性障がい)は先天的な発達障がいのため、完治するということはありません。しかし、一部の症状や仕事・生活での困難は治療をすることで改善ができます。ADHDの治療方法は一般的に下記の2つです。

  • カウンセラーによる心理社会的治療
  • 薬物治療

心理社会的治療を試みて様子を伺い、必要に応じて薬物治療を施す方法が多くの場合に用いられます。

カウンセラーによる心理社会的治療

ADHDの治療は、一般的にカウンセラーによる心理社会的治療から始めるケースが多いです。

最初にADHDの症状が起きやすい状況をカウンセラーとともにチェックしながら、客観的に自らの症状を把握します。直面している困難が、ただの努力不足ではなくADHDによるものであると理解することが改善のための第一歩となるでしょう。

そして対人関係を良好にするための訓練や社会性を身につけるための練習を行い、徐々に一人で行動が変えられるように自然に後押しをしていきます。

薬物治療

ADHDは、脳の機能異常により神経伝達物質に偏りが生じていることが原因の一つと考えられているため、ノルアドレナリンやドーパミンなどの働きを調整して作用するように薬物治療が施されます。

心理社会的治療で効果が出ない場合に薬物治療に移るケースが一般的ですが、日常生活にきたす支障が大きい場合には早期から薬を併用することも可能です。

精神刺激薬(コンサータなど)

代表的なのがコンサータです。ADHDへの適用が認められており、下記の症状を緩和させる効果が期待できます。

【コンサータで緩和できる症状】

  • 過活動
  • 衝動性
  • 集中力の無さ
  • 疲労感
  • 日中に襲われる眠気
  • 抑うつ状態

コンサータは、処方医として登録されている医師のみが処方可能となっており、どの病院へ行ってももらえるとは限りません。

適切な範囲内での服用であれば薬物依存などのような大きな副作用の危険も少なく、安心できると報告されていますが、子どもへの服薬を行う場合、適量をしっかりと守れるように保護者がしっかりと管理するようにしてください。

非精神刺激薬(ストラテラなど)

2009年よりストラテラが発売されるようになり、大人への服用は2012年に認められました。
アドレナリンの働きを強めるストラテラは、コンサータより効果もマイルドで流通管理がないのが特徴です。しかし、副作用として吐き気が出ることもあるため、服用する場合はまず少量からのスタートになります。
また、ストラテラは効果を実感するのにも時間を有します。2017年からADHDの薬として保険適用になったインチュニブ錠の場合、効果が出るのが早く依存性リスクも少ないなどのメリットがありますが、他と比較すると効果がとても緩やかなものとなるため、治療が上手くいかないケースも少なくありません。

その他のお薬(気分安定薬や抗精神病薬など)

ADHDだけではなく、他の病気も併発している方の場合、気分安定薬や抗精神病薬などを処方することもあります。ADHDを治療するための薬だけで治療を行うのが一般的ですが、障がいを抱えている1人1人の状態などに合わせ、最も一番症状が抑えられる薬を探しながら使用することが基本となります。

ADHD(注意欠陥・多動性障がい)のある子どもとの家族や周りの5つの接し方

ADHD(注意欠陥・多動性障がい)の子どもは学校生活に支障をきたすことも多く、人間関係の構築にも悩まされるケースがあります。特に周囲の理解がなく自身でも自覚がないうちは、自信を失うような悲しい経験をしている可能性があるでしょう。

そのため、ADHDの子どもへ接する際には以下の5つのポイントに気をつけてみてください。

  • 子どもができることに目を向ける
  • 子どもの強みに着目する
  • 失敗をしないようにサポートする
  • 時間のメリハリをつける
  • 失敗への対策を一緒に考える

それぞれについて詳しく解説します。

子どもができることに目を向ける

意識的に子どもができていることに注目してみましょう。欠点ばかりを指摘していると、子どもは「自分は何をやってもできない」と自信を失いチャレンジする意欲をなくしてしまします

できることに目を向けてたくさん褒めることで、子どもは自信を取り戻し苦手なことにも積極的に取り組めるようになるでしょう。

子どもの強みに着目する

ADHDの子どもは興味のない分野には一切関心を示しませんが、好きなことに関しては際立った集中力で取り組み、秀でた成果をあげる可能性があります。実際にスポーツ選手や芸能人でもADHDであることを公表している人は国内外にたくさんいます。

子どもの強みを見つけ、得意を伸ばすサポートをすることで本人も自信を持って行動できるようになるでしょう。

失敗をしないようにサポートする

忘れることの多いADHDの子どものためには、時間に遅れたり忘れ物をしたりしないよう声がけをして、失敗をしないサポートをしましょう。また、衝動性が出ていて待てない子どもには「次だよ」と順番をはっきりと教えてあげてください。

一声かけるなどのちょっとした手助けがあるだけで、未然に失敗を防ぐことができます。

時間のメリハリをつける

注意して強制的に多動性をおさえるのは逆効果なので、動ける時間と静かにする時間のメリハリをつけることがおすすめです。

例えば、課題などに取り組む際は身体を動かせるように小休憩を挟むようにしましょう。定期的に動けるようにすることで本人は活動しやすくなります。

失敗への対策を一緒に考える

ADHDの子どもは似たような場面で失敗していることが多いです。何でつまづいているのか苦手なことを探して、その失敗への対策を一緒に考えましょう。

宿題を毎回忘れるとしたら、付箋に「宿題がある」と分かりやすくメモをして見やすい場所に貼っておくだけでも思い出すのに役立ちます。ADHDの場合、本人の特性を理解してちょっとした工夫をすることが大切です。

ADHD(注意欠陥・多動性障がい)に関するよくある質問

最後に、ADHD(注意欠陥・多動性障がい)に関するよくある質問に回答します。

  • ADHDの子どもは大人になっても障がい年金をもらえない?
  • ADHDは見た目でわかる?
  • ADHDの子どもは障がい者手帳は取得できる?

知識を蓄えることで不安な気持ちが軽減されます。焦らず落ち着いて問題と向き合っていきましょう。

ADHDの子どもは大人になっても障がい年金をもらえない?

ADHDの子どもは、大人になれば障がい年金を受け取ることができます。大きく分けると下記の受給要件を満たすことで障がい年金をもらうことが可能です。

  • 初診日要件
  • 保険料納付要件
  • 障がいの程度

ADHDの認定基準に該当していれば障がい年金はもらえる可能性が高いです。働いていてもADHDの症状によって労働が制限されていたり、会社の配慮の上で仕事ができているなどの場合は障がい年金の対象になります。

ADHDは見た目でわかる?

ADHDは外見に特徴がないため、見た目で判断することはできません。落ち着きがない・身体の一部をずっと動かしているなどの目で見て分かる症状はありますが、顔の特徴だけで区別することは難しいでしょう。

ADHDであるか悩んでいる時は、自己判断せずにまずは医師の診断を受けることをおすすめします。

ADHDの子どもは障がい者手帳は取得できる?

障がい者手帳には、「身体障がい者手帳」「療育手帳」「精神障がい者保健福祉手帳」の3つの種類があります。ADHDの場合、精神障がい者保健福祉手帳に該当し、条件を満たせば取得することが可能です。

また、ADHD[だけではなく知的障がいなどを併存している場合は療育手帳も取得できます。

ADHDで障がい者手帳を取得するためには、6ヶ月以上の長期にわたって精神疾患があり、生活に制限が出てしまう方が対象です。

そのため、診断を受けたとしても6か月未満であれば障がい者手帳を取得することはできません。

また、確実に診断が下りていないグレーゾーンの場合も取得は不可能となります。障がい者手帳が取得できるかどうかの審査は、それぞれの自治体が行うため、取得できるかどうか不安な方は、かかりつけ医に一度相談してみることをおすすめします。

まとめ:ADHD(注意欠陥・多動性障がい)でも活躍できる!得意を伸ばすサポートをしよう

この記事では、ADHD(注意欠陥・多動性障がい)の特有の症状や親の接し方について説明しました。子どもがADHDであっても、周囲の協力とサポートで過ごしやすい生活環境を整えることは可能です。

ADHDと診断を受けることで親として焦る気持ちがあるのは当然ですが、大切なのは子ども自身が実際にどのような気持ちでいて、どんなサポートがあれば楽になるのかを知ることです。日頃からしっかりとコミュニケーションをとり、子どもからも素直に助けを求めやすい環境を整えてください。

ADHDの方は際立った強みを生かして活躍している例がたくさんあります。子どものプラスの面に目を向けて、本人の得意を活かせるようなサポートしていきましょう。



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