エンジニアとプログラマーの違いって何？ITエンジニアの仕事内容を網羅解説！

現代の働き方が変わりつつある中で、「ITエンジニアやプログラマーとしてのキャリアを築きたい」と感じる人々が増加しているのを感じますね。

だけど、真っ先に「エンジニアって、具体的に何をするの？」と思われるかもしれません。

この記事では、エンジニアの役割や、よく似ている「プログラマー」との違い、そしてエンジニアとしてのキャリアを築くためのスキルや準備についてご紹介します。

ITエンジニアって一体何？

エンジニアは、IT関連の技術的な職務を担当するプロフェッショナルのことを言います。彼らは、現代社会において、私たちの日常生活やビジネスをスムーズに進行させるための重要な役割を果たしています。

情報処理推進機構の最新のデータによれば、2018年から多くのビジネスがテクノロジーを活用して経営改革を進めているとのこと。

それによると、大企業から中小企業に至るまで、全ての組織の約6割がデジタル戦略やテクノロジー活用の取り組みを実施しています。

このような背景から、エンジニアへの期待はどんどん高まっており、今後、各組織での優秀なエンジニアの確保が重要なテーマとなりそうですね。

ITエンジニアの日々の役割とは？

ITエンジニアは、エンジニアのカテゴリーの中でも、情報技術に特化したプロフェッショナルを指します。彼らは「ITの世界」における各種システムの構築や管理を担当しています。

さて、もう少し身近に感じるために、ある例を挙げてみましょう。「大型ショッピングモールの顧客管理システム」の構築を想像してみてください。

こんな場合、ITエンジニアがどのような役割を果たすのでしょうか？以下に、その具体的な業務内容を簡単に解説します。

システムの基盤を築く: 全体設計のプロセス

プロジェクトがスタートする時、一般的には組織内の担当者や外部のクライアントから具体的な要望やニーズが提起されます。ここでの要望は、たとえば「ショッピングモールの来場者の様々なデータを使って、効果的なビジネス戦略を構築したい」というものであると想像してみましょう。

このような要望を受けて、ITエンジニアは最初に「データのボリュームはどれくらいか」や「そのデータを処理・分析するためのシステムの規模や機能は？」といった基本的な質問を自らに投げかけます。

例えば、年間の来場者数が50万人とすると、これらの来場者をどういうカテゴリーや属性に分けてデータを集め、分析すればよいのかを考慮します。

さらに、そのデータには何人のスタッフがアクセスできるのか、どのような権限を持っているのか、といったセキュリティの側面も忘れてはなりません。

そして、この全体設計のフェーズで非常に大切なのが、適切なソフトウェアやツールの選定です。「どのプラットフォームやツールを使用すると、効率よくデータの収集・処理・集計ができるか」という観点での選択が求められます。そして、このすべての考えを明確にした上で、フローチャートや設計書として整理・まとめ、次のステップに進む準備を整えます。

実践へのステップ: スケジューリングと人員の配分

一度全体の設計が出来上がり、それをクライアントに提示したら、次は実際の作業に取り掛かる段階へと移行します。

この際、設計内容をクライアントにしっかりと伝え、合意を得るためのプレゼンテーションが必要となります。

このプレゼンテーションは、時にはエンジニア自身が行ったり、営業担当やプロジェクトマネージャーが行ったりと、組織やプロジェクトによって異なる場合があります。

ただ、いくら熱意を持って「さあ、始めよう！」と意気込んでみても、ただの熱意だけではプロジェクトを成功に導くことはできません。

ここで非常に重要なのが、スケジューリングと人員管理です。具体的には、期限までにどれだけの人数が必要で、それぞれのタスクや作業にどれくらいの時間がかかるかなどの詳細な計画を策定することが求められます。

このスケジューリングや人員の配分作業は、プロジェクトマネージャーやディレクターが中心になって行うことが多いです。

しかし、エンジニアも実際の作業の詳細や予想される時間、必要なリソースに関しての意見やアドバイスを求められることが頻繁にあります。

したがって、彼らの役割は単に技術的な部分だけではなく、プロジェクト全体の進行やマネジメントにも密接に関与していると言えるでしょう。

資金のナビゲーション: 予算管理の役割

プロジェクトを成功させるためには、ただ技術だけでなく、それを適切に実現するための資金計画も欠かせません。ここで、ITエンジニアの役割として、システムの構築や運用に必要な予算を見積もるタスクがあります。

まず、ハードウェアのコストを考慮する必要があります。例えば、必要な端末の台数や、サーバのレンタル料、その他の周辺機器の価格などを明確にし、それに基づいて全体のハードウェアコストを算出します。

次に、人的リソースに関するコストを精査します。これには、プロジェクトに参加するスタッフの人件費、外部からの技術者やプログラマーを派遣・協力してもらう場合の契約料などが含まれます。

これらの費用を合計し、さらに緊急時や不測の事態に備えた予備の予算も加味して、全体のプロジェクト予算を確定させます。

多くの場合、この予算管理タスクはプロジェクトマネージャーや財務部門が中心に行いますが、技術的な詳細や特定のコストに関して、エンジニアの意見や知見が求められることもしばしば。エンジニアはただ技術を実行するだけでなく、その背後にある資金計画や予算管理にも繋がりを持っていることを理解しておくと良いでしょう。

プロジェクトのコンパス: 工程管理の役割

プロジェクトの全貌が見えてきたら、次のステップとして、各工程の進行状況を綿密に追いながら、目標として設定された「スケジュール通り」と「予算内」での完成を目指す工程管理が必要となります。

ITエンジニアの役割は非常に多岐にわたり、その中でも工程管理は特に重要なタスクの一つです。プロジェクト全体の進行を見守り、各部分の進捗を確認し、必要に応じてリソースの調整や方針の変更を行います。

もちろん、一人のエンジニアが全ての工程を担当するわけではありません。しかし、プロジェクト全体の流れや各工程の進行状況を把握しておくことで、必要なときに迅速かつ的確な判断や提案をすることが可能となります。

プロジェクトの中で各メンバーからの質問や意見を受ける際に、確かな知識と経験をもとに適切なアドバイスや指示を出すことができるエンジニアは、プロジェクトの成功にとって非常に価値のある存在となるでしょう。

ITエンジニアの色々な顔: そのバリエーションと役割

ITエンジニアという職種は、一見すると一つの職種のように感じますが、実際には様々な役割や専門分野に分かれています。ここでは、その中から代表的なエンジニアの役割を一つご紹介します。

システムエンジニア (SE)

システムエンジニアは、プロジェクトの初期段階、いわゆる「上流工程」を主に担当するエンジニアのことを指します。彼らはクライアントからの要望やニーズをしっかりとヒアリングし、それをもとにシステムの要求仕様を明確にします。そして、その要求を具体的なシステム設計に落とし込むための仕様書の作成や基本設計を行います。

システムエンジニアの役割は、顧客との間に立ち、彼らのニーズや課題を正確に理解し、それを技術的な視点で具体的なソリューションに変えていくという点にあります。

この段階での適切なヒアリングや設計は、システム開発の成功の鍵を握る非常に重要な役割となっています。

プログラマー

プログラマーは、文字通り「プログラムを作成する専門家」を指します。彼らはプログラミング言語の知識とスキルを駆使し、様々な命令や機能をコードとして表現し、システムやアプリケーションの実際の動作を作り出します。

システム開発の現場においては、プロジェクトの規模や内容に応じて役割が細分化されることが多いです。

例えば、大規模なプロジェクトでは、ITエンジニアがシステムの全体像や設計を明確にし、その設計に基づいてプログラマーが具体的なコードを実際に書き進めていく、というような役割分担が行われることが一般的です。

また、特に大きな開発プロジェクトになると、一人や少数のエンジニアが設計や管理の役割を持ちつつ、実際のコーディング作業には多数のプログラマーが携わることがよくあります。

このような場合、プログラマーのチームは数十人から、非常に大規模なプロジェクトでは数千人を超えることも考えられます。このように、彼らの役割はシステムを具体的に動かすためのコードを生み出す、非常に中心的な役割を果たしているのです。

ネットワークエンジニア

ネットワークエンジニアとは、情報通信の動脈であるネットワークの設計、構築、運用を担当する専門家を指します。

現代のビジネス環境において、コンピューターやサーバー同士のスムーズな通信は絶対的な要求となっています。

ネットワークが切断されたり、通信障害が発生すると、それは企業活動において巨大な障壁となり、損失や業務停止につながる可能性が高まります。

ネットワークエンジニアは、このようなネットワークに関連する問題を予防・解決するための要となる存在です。彼らは、有線や無線などの異なる接続方法を選択し、それに基づいて最も効率的なネットワークの設計や構築を行います。

また、システムが円滑に稼働するよう、ネットワークの維持・管理や、必要に応じての最適化提案も彼らの重要な役割の一部です。

要するに、ネットワークエンジニアは、私たちのデジタル生活やビジネスをサポートする裏でのヒーローと言えるでしょう。

データベースエンジニア

データベースエンジニアは、企業や組織が日々蓄積する膨大な情報を、整理し、効率的に保存・取り出し可能な状態に保つ専門家です。

今日のビジネス界において、情報は貴重な資産の一つとなっています。それは顧客の詳細、商品の履歴、業務の過程と結果など、様々な形でのデータとして蓄積されているものです。

データベースエンジニアは、これらの情報をシステマティックに管理し、求められたときに迅速に情報を提供できるようなシステムを設計・構築します。

しかし、彼らの役割は、データを保存するだけでなく、収集された情報を解析し、その中から有益なインサイトを引き出すことにも及びます。これにより、新しい商品の開発や、既存業務の更なる効率化などの戦略的な決定をサポートします。

要するに、データベースエンジニアは、情報の海の中から真の価値を引き出す役割を持ち、それを組織の成長や革新のために活用することができるのです。

サーバーエンジニア

サーバーエンジニアは、デジタル空間の「バックボーン」、つまりサーバーの設定、運用、最適化を行う専門家です。彼らはクライアントの具体的な要望や業務の要件、ネットワーク環境などを総合的に考慮し、最も効果的なサーバー環境を提供します。

サーバーという一つの言葉の背後には、実際にはさまざまな種類と役割を持つサーバーが存在します。例えば、Webサーバーはウェブサイトのデータをホストし、ユーザーのブラウザに情報を提供する役割を持っています。

一方、データベースサーバーは情報の格納や取得を担当し、ファイルサーバーは文書やメディアファイルなどのデータ共有のための中心的な役割を果たします。

このように、サーバーエンジニアはそれぞれのサーバーの特性や役割に合わせて、適切な設定や管理を行い、確実な運用をサポートします。彼らの仕事は、日常的な業務からビジネスの核心に至るまで、様々な情報やサービスが確実に提供されるための基盤を構築・維持することで、組織全体の情報インフラを支えているのです。

Webエンジニア

Webエンジニアは、オンライン空間で私たちが日常的に利用するウェブサイトやアプリケーションの制作・運営を行う専門家です。彼らは、美しいデザインや使い勝手の良いインターフェースの裏側で、プログラムやコードを駆使してサイトやアプリの動きを実現します。

この役割は多岐にわたり、フロントエンドのデザインやユーザーエクスペリエンスの最適化、バックエンドのシステム設計やデータベースの管理など、多くの要素が絡み合っています。

また、時にはマーケティングの視点からの最適化や、新しい技術トレンドのキャッチアップも求められます。そのため、Webエンジニアは広範な知識と技術を持つ必要があります。

セキュリティエンジニア

セキュリティエンジニアは、情報の安全性を最前線で守る専門家です。今日、企業や組織は膨大な情報を保持・運用しており、その中には個人情報や業務上の重要なデータなど、非常にセンシティブな情報も含まれています。

このような価値ある情報を外部の脅威から守るため、セキュリティエンジニアは防御策の構築やシステムの脆弱性を探し出すテスト、そして日々のシステム監視といった業務を行います。彼らは、サイバー攻撃や情報漏洩といった危機から企業を守るための要となる存在であり、その役割は日々の業務遂行やビジネスの継続にとって絶対に欠かせないものとなっています。

アプリケーションエンジニア

アプリケーションエンジニアは、私たちが日常で利用するさまざまなアプリケーションの背後にいる専門家です。彼らは、アプリのアイディアを具体的な形にする役目を持ち、ユーザーの生活や業務をより便利で効率的にするためのソフトウェアを開発・運用します。

その対象となるアプリケーションは非常に多岐にわたります。Webアプリケーションは、オンラインで提供されるサービスやショッピングサイトなど、ブラウザを通して利用されるものを指します。

一方、業務効率化アプリケーションは、企業の内部での作業を助けるためのツールやソフトウェア、例えば給与計算や勤怠管理システムなどが含まれます。さらに、スマートフォン向けアプリケーションは、私たちが日常の生活や仕事に利用するモバイルデバイス上で動作するアプリを開発します。

このように、アプリケーションエンジニアは、様々なアプリケーションを通じて、私たちの日常やビジネスに新しい価値や便利さをもたらす役割を果たしています。

彼らの仕事は、技術的知識だけでなく、ユーザーのニーズや動向を正確に捉える洞察力も求められる、多面的な職種といえるでしょう。

ゲームエンジニア

ゲームエンジニアは、私たちが心から楽しむデジタルエンターテインメント、すなわちゲームを制作する中心的な役割を持つ専門家です。彼らはゲームの背後に隠れた、見えない部分の魔法を操ります。

ゲームの制作には、キャラクターの動きやゲームのロジック、さらには美しいグラフィックスや音楽、エフェクトなど、多くの要素が絡み合っています。ゲームエンジニアはその中でも、特にプログラムやシステム設計を担当し、ゲームがスムーズに動作する基盤を築き上げます。

近年、オンラインゲームやマルチプレイヤーゲームの人気が高まる中、ゲームエンジニアはインターネット接続やデータの同期、リアルタイムのマルチプレイ対応といったネットワーク関連の知識も必要とされるようになりました。

また、ゲームのアップデートや追加コンテンツのリリースなど、時代とともに変わるユーザーの要求に応えるための新しい技術や手法も継続的に学んでいく必要があります。

つまり、ゲームエンジニアは、テクニカルな側面だけでなく、クリエイティブな面やユーザー体験にも深い洞察を持つ、幅広いスキルセットを持ったプロフェッショナルといえるでしょう。

AIエンジニア

AIエンジニアは、人工知能技術の開発・応用を担当する技術者として、今日のデジタル技術の最前線で活躍しています。彼らは、膨大なデータを活用し、機械が自ら学び成長する能力を持つAIを創り上げます。

現代の生活の中では、推薦アルゴリズムや音声認識技術、さらには自動運転車といったさまざまな分野でAI技術が活用されています。AIエンジニアはこれらの技術の背後にあり、私たちの生活をより便利で効率的にする革新を推し進めています。

エンジニアとプログラマー

しかし、ITの世界では、「エンジニア」と「プログラマー」という呼称の間には明確な境界線がないことも多いです。企業やプロジェクトの規模や文化、そして求められる役割によって、その定義は微妙に異なることがあります。

例えば、小規模なスタートアップや特定のWebサービス企業では、少人数のチームで多岐にわたる業務を担当することが一般的です。このような環境では、一人の技術者が「エンジニア」としてシステム全体の設計から、実際のプログラミング、テスト、運用までを手がけることが求められることも珍しくありません。

一方、大企業や大規模プロジェクトでは、より細分化された役割が存在することが一般的です。そうした場面では、「ディレクターや「プロダクトマネージャー」といった役職の人々がプロジェクトの方向性を決め、具体的な技術的な実装は「エンジニア」や「プログラマー」が担当する、といった役割分担が行われます。

エンジニアとしての魅力と必須スキル：成功への要因

エンジニアは技術的な仕事を担当するだけではなく、多くのスキルや資質が求められる職種です。では、エンジニアとして成功を収めるためには、具体的にどんな能力が必要なのでしょうか。

エンジニアというのは、単に技術者というだけではなく、多岐にわたる能力や知識を持つプロフェッショナルです。このような多様なスキルセットを持つことで、より多くの価値を提供することができるのです。

エンジニアのキャリアパス：スタートから成功への道のり

エンジニアになるためには、特定の道筋や必要な資格は決まっていません。多くのエンジニアは情報工学のバックグラウンドを持っていますが、それだけがエンジニアのルートではありません。

総じて、エンジニアになるための「正しい道」は存在しません。あなたの情熱、興味、そして目標に応じて、最適なキャリアパスを見つけてください。それが、エンジニアとしての成功の鍵となるでしょう。

エンジニアとしてのメリット・デメリット

エンジニアを目指すための学習方法

まとめ

エンジニアは、情報技術を用いてソフトウェアやハードウェアの設計、開発、テスト、導入などを行う専門家です。彼らの役割は多岐にわたり、プログラムの作成やシステムの設計、ネットワークの構築、データベースの管理など、多様な業務を担当します。

要するに、エンジニアは技術革新の最前線で活躍するプロフェッショナルであり、そのキャリアは多岐にわたります。自らの適性や興味を元に、様々な分野や役割に挑戦することができるのがエンジニアの魅力です。