病気や障害を持つ子どもの支援は、医療、教育、福祉など多岐にわたりますが、これらの分野が分断されている現状があります。この課題は、子どもや家族の孤立を生み、時に不登校という形で表面化することもあります。今回お話を伺ったのは、ご自身の経験から、支援の分断をなくし、すべての子どもと家族が安心できる社会を目指して活動する「親子に寄り添う連携支援プロジェクト(おこぷろ)」を立ち上げたお二人です。
プロジェクト代表の大澤裕子さんは、重い心臓病を持つ娘さんの母親として、また長年子どもの居場所づくりに携わってきた経験から、制度の狭間にある家族の孤立を強く感じてきました。
そして、産婦人科医として周産期医療に携わる中で、医療的ケア児を持つ母親たちの苦悩を目の当たりにし、プロジェクトへの参画を決めた柴田先生。
お二人の原体験と専門的な視点が交差することで生まれたこのプロジェクトは、どのような背景から立ち上がり、何を目指しているのでしょうか。当事者の声、そして専門家の視点から、見えてきた課題と未来への展望を深く掘り下げていきます。
親子に寄り添う連携支援PRJを聞く ——すららコラム編集部インタビュー
プロフィール
Japan居場所作りプロジェクト 代表
大澤裕子 さん
自身の娘が重い心臓病を患った経験から、医療や教育、福祉の分断を強く感じてきた当事者の母 。長年、子どもの居場所づくりに携わった経験を活かし 、「親子に寄り添う連携支援プロジェクト」を発足 。家族の声を起点に各分野の連携を促し、すべての親子に安心を届ける活動を行っている 。
Japan居場所作りプロジェクト 代表。親子に寄り添う連携支援プロジェクト(おこぷろ:https://jidp.net/oyakopj/)共同代表
プロフィール
淀川キリスト教病院 産婦人科 医長
柴田綾子 さん
産婦人科医として、妊娠前から出産後の女性の健康支援に12年間携わる。地域周産期母子センターで妊婦健診や分娩を扱う中で、退院後の医療的ケア児を持つ家族が社会で孤立している実情を知る。専門的な知見と現場の声を結びつけ、医療・教育・福祉の連携を促す活動に取り組んでいる。親子に寄り添う連携支援プロジェクト(おこぷろ:https://jidp.net/oyakopj/)共同代表
親子が体験した「居場所がない」が活動の原点に
佐々木:本日は「親子に寄り添う連携支援プロジェクト(おこぷろ)」について、代表の大澤裕子さんと、産婦人科医の柴田先生にお話を伺います。お二人の自己紹介と、プロジェクトを立ち上げた経緯について、お伺いしてもよろしいでしょうか。まずは、大澤さんからお願いします。
大澤:はい、承知いたしました。大澤裕子と申します。高校1年生と中学2年生の娘がいます。上の子が重い心臓病を持って生まれてきたこともあり、私自身が子育ての中で、医療や教育、福祉といった分野の間で分断を強く感じる場面が非常に多くありました。
特に感じたのが「居場所がない」という感覚でした。そうした経験から、地域で子どもたちが楽しく過ごせる「居場所づくり」を始めたんです。放課後等デイサービスと共同で、子ども食堂や工作、劇団を招くなどの活動を6年間ほど続けていました。
佐々木:そうだったんですね。長年にわたるご活動、素晴らしいですね。まさにそのご経験が、今のプロジェクトの原点になっているということでしょうか?
大澤:はい、おっしゃる通りです。長年の活動の中で、地域活動の難しさを感じたこともあり、今度は居場所づくりをしている方々を応援する「JAPAN居場所作りプロジェクト」を立ち上げ、今年で3年目になります。その活動を通して、改めて感じたのが、医療的ケアやサポートが必要なご家族が、妊娠中から学齢期にかけて多くの葛藤を抱えているということでした。
特に、手術を終えて地域に戻ってきた際に、地域の中に居場所がないと感じるご家族が多く、また学校や保育園との調整の難しさを感じている方も多いと知りました。私と同じような悲しい経験や葛藤を次の世代に引き継がないために、何か具体的なサポートができないかと考えたんです。
そこで柴田先生に共同代表としてご協力いただき、家族の声を起点に社会に提言し、医療や教育などさまざまな分野の連携を促す活動として、「親子に寄り添う連携支援プロジェクト」を立ち上げました。

佐々木:なるほど。ご自身の原体験から、社会全体の課題へと視点が広がっていったのですね。そのきっかけとなった、特に印象的なエピソードがあればお伺いしてもよろしいでしょうか。
大澤:そうですね、私の活動の原点となった、すごく強烈な体験があります。娘の体調が落ち着き、地域での生活が安定してきた頃、そろそろ保育園に、と思い調べていたんですね。そこで、障害児を受け入れているという園を見つけて、見学を申し込みました 。
すると、2日後に園から電話がかかってきて、「結論から申し上げますと、お子さんはお預かりできません」と言われたんです。私はただ見学に行きたいと伝えただけだったので、言葉が出ませんでした 。福祉系の大学で社会福祉を学んでいたこともあり、日本の現状は何とかなるだろうと漠然と思っていました。ところが、実際に蓋を開けてみたら、これほどまでに受け入れてもらえないのかとショックを受け、本当に3日間泣き続けました 。
佐々木:見学の申し込みだけで、ですか…。それはあまりにも辛い体験でしたね。
大澤:はい。社会からシャッターを下ろされたような感覚が、私の原体験として非常に強く残っています 。そのとき、「居場所がないなら自分で作るしかない」と思い、放課後等デイサービスに相談し、居場所づくりを始めたんです 。
佐々木:その時の決意が、今の活動に繋がっているのですね。その後の保育園や学校生活ではいかがでしたか?
大澤:結果的に保育園には入れたのですが、命に関わる病気だったので、先生方は常に心配のまなざしを向けている状態でした。穏やかな関係性のスタートというよりは、娘が園で安心して過ごせるように先生に、常に安心感を持ってもらうように努めなければなりませんでした。
小学校に上がるときも、近所の小学校の校長先生から第一声で「保育園までと違いますから」と告げられたんです 。その言葉の意味をしばらく考え込みましたね。
佐々木:保育園、そして小学校でも、言葉の壁や温度差を感じることがあったのですね。
大澤:はい。私はA4の用紙に娘の情報をびっしり書いてお渡ししたり、先生と何度も話をしたりして、調整を試みました。しかし、日本では「申請主義」という言葉があるように、何か必要な支援があれば親が自ら動かなければならないのが現状です 。先生たちと感覚を共有しながら、娘にとって安全で安心して学習できる環境を整えるのは難航しました。
結果として、教育と医療の連携がうまくいかなかったことも影響したと気がかりだったのですが、娘は小学校で半年、中学校で2年ほど不登校を経験しました 。
親としては、もう少し連携がうまくいっていれば、娘が「中学校生活はなかったことにしたい」と思うような状態にはならなかったのではないかという後悔も正直あります 。だからこそ、他の子やご家庭には同じような思いをさせたくないという気持ちで活動しています 。
「見えていなかった世界」が交差し、未来への挑戦が始まった
佐々木:大澤さんの壮絶な原体験が、今の活動の大きな原動力になっていることがよく伝わってきました。次に、柴田先生にお話を伺いたいと思います。産婦人科医というお立場で、なぜこのプロジェクトに参画しようと思われたのでしょうか?
柴田先生:はい、よろしくお願いします。私は今、産婦人科医として12年目になります。元々は女性の健康を支援したいという思いで医師になりました 。学生時代にバックパッカーとしてインドやカンボジアを旅した際、痩せ細った女性が子どもを抱えている姿を見て、女性を支援する仕事に就きたいと思ったんです 。
佐々木:海外でのご経験が、医師を志すきっかけになったのですね。
柴田先生:はい。私が勤務している病院は、リスクのあるお母さん、例えば早産や赤ちゃんに奇形があるといった妊婦さんをを担当する地域の周産期センターです 。集中治療が必要な赤ちゃんが来るNICUも併設されています。入院中の、お母さんの支援は考えていたのですが、退院後のことは全く見えていませんでした。
しかし、SNSで女性の健康について情報発信するようになったところ、医療的ケア児を持つお母さんたちが、病院の外で毎日毎日苦しんでいることを知ったんです 。これは、私自身が今まで全く知らなかった世界でした。
佐々木:病院の中だけでは見えなかった、退院後の世界ですね。
柴田先生:はい。自分の専門である産婦人科として、女性を支援したいという思いは常にあり、「医療的ケア児を持つお母さん」を支援したい、自分にできることはないだろうかと考えるようになりました 。ただ、私自身は退院後の親子を直接診る機会が少なく、医療者として何かお役に立ちたいと思っても何もできないとモヤモヤを感じていたときに、大澤さんから「一緒にやりませんか」とメッセージをいただいたんです。この活動こそ、私がやりたかったことだと感じ、プロジェクトへの参加を決めました 。
佐々木:お二人の「見えていなかった世界」が交差したことで、このプロジェクトが生まれたのですね。お二人の熱い思いが結実したプロジェクトの理念について、改めて大澤さんにお伺いしたいのですが、いかがでしょうか?
大澤:はい。立ち上げた背景には、やはり病気や障害がある子どもを育てていると、制度や支援の狭間を親御さん一人で抱え込んでしまう状況があると感じているからです 。声を上げたくても届きにくく、何に困っているのかを言語化することすら難しいのが現状です 。
そこで、当事者の保護者の方々と一緒に、どうすればすべての人が暮らしやすい、安心できる社会になるのかを考えながら、声を上げていきたいと思っています 。

分断された支援をひとつに。「子ども版ケアマネジャー」構想
大澤:私たちの理念は、「すべての子どもと家族に安心を」です 。妊娠期から学齢期、そして成人まで、切れ目なく支援していくことを目指して活動しています 。
佐々木:素晴らしい理念ですね。しかし、その実現には相当な労力が必要になるかと思います。現時点では、どのあたりまで進んでいるのでしょうか?
大澤:正直なところ、山に登るための装備を揃えている段階だと感じています 。その中で、第一段階として「仮説を立てる」ということを行っています。
私自身の経験を言語化する中で、どうしたらいいのかという仮説として、例えば「子ども版ケアマネジャー」の必要性を提唱しています 。高齢者や障害のある方々をサポートするケアマネジャーの機能を、子ども向けに落とし込み、担当者が頻繁に変わるのではなく、10年スパンで長く寄り添ってくれる人がいたら良いのではないか、と考えています 。
佐々木:子ども版ケアマネジャー、非常に画期的なアイデアですね。具体的な活動として、どのようなことをされているのですか?
大澤:はい。現在は、私たちが感じている課題を検証し、社会に伝えていく活動と、医療者や教育者の方に参画していただき、具体的な課題や必要なことを浮き彫りにするためのセミナーを定期的に開催しています 。*次回は2025念11月24日に開催予定(https://jidp.net/oyakopj/)
直近では8月に、在宅医療や小児看護の専門家、そして柴田先生と私でセミナーを開催したのですが、その中で共通の概念として出てきたのが、「コーディネートしてくれる存在」の必要性でした 。
佐々木:コーディネートしてくれる存在ですか。やはり、当事者である保護者の方の負担が大きいということでしょうか?
大澤:その通りです。現状では、保護者が病院や学校との調整役を担っているため、大きな負担となっています。また、担任の先生と話がうまくかみ合わないと、お子さんに影響が出てしまうという課題もあります 。
私達は、こうした課題を整理し、どうすれば保護者の方が学校や病院の先生にうまく情報を伝えられるか、また何を聞けばよいのか、といった情報提供の部分から着手できると考えています 。そのため、学校と医療の情報連携を円滑にするためのツールやフォーマットの開発を検討しています 。

専門家と当事者がフラットに議論できる場へ
佐々木:専門家の方々が参画していることで、プロジェクトがより大きな意味を持っているように感じます。大澤さんの視点からは実際の活動についてお聞きしましたが、その支援の方向性について、より専門的な部分を今度は柴田先生にお伺いしたいです。このプロジェクトに必要だと考える支援やアプローチは、どのようなものがありますか?
柴田先生:そうですね。先ほど大澤さんがおっしゃったように、医療的ケアや配慮が必要な子どもたちが地域で暮らしていくには、医療と教育現場をうまく繋げ、保護者の負担を減らすことが最も重要な目標だと考えています 。
佐々木:医療と教育の連携が、鍵になるということですね。
柴田先生:はい。今まで、連絡や調整のほとんどを保護者の方が担っていましたが、その負担を減らせるようなツールを作るには、医療者と教育者が一緒に考えることが不可欠です 。現場が使いやすいツールの開発には、専門家と現場と当事者の声が必要だと思っています 。
医療的ケア児の支援では、医療の提供だけでなく、子どもの成長や発達に沿った教育を提供することが非常に大切です 。病気の治療だけするのではなく、その子が持つ可能性や学びを増やしていくことが親子の支援には非常に重要です 。
佐々木:ただ病気を治すだけでなく、その子の人生全体を支える視点ですね。
柴田先生:はい。そのために、医療者と教育者が一緒に話し合える場を作っていきたいと思っています 。特に小児科医、そして妊娠期から関わる産婦人科医にも参画していただき、そこに教育現場の先生方も加わり、フラットな関係性で意見を言い合えることが大切だと考えています 。
佐々木:フラットな関係性、という点は非常に重要ですね。専門家と当事者が対等な立場で話せる環境が必要ということでしょうか?
柴田先生:その通りです。8月に開催したオンラインセミナーに、医療的ケア児の在宅支援をされている高橋明彦先生をお招きしたのですが、先生から「支援者と当事者みたいな格差を作らないのが大事だよ」というアドバイスをいただきました 。「支援者」という上からの目線ではなく、一緒に社会で暮らす仲間として当事者の話をしっかり聞ける、フラットに議論できる場を、このプロジェクトで作っていきたいと思っています 。
佐々木:なるほど。支援する側が「やってあげている」という意識ではなく、当事者と共に課題を解決していくという視点が重要ですね。

制度と人々の意識を変える、壮大なプロジェクトの課題と展望
佐々木:プロジェクトが目指す支援のあり方が少しずつ見えてきました。次に、その実現に向けた課題について、改めてお伺いしたいのですが。
大澤:はい。一つ大きな課題として感じているのが、意識の差です 。病気や障害を持つ子の話となると、どうしても「一部の限られた人の話」だと捉えられてしまう感覚が、多くの方にあるように感じています 。
本来は、もし何かあったときにも誰もが安心して暮らせる社会が大切であり、これはすべての子どもと家族の安心安全を守る議論に発展していくべきだと思います。しかし、現状では、この意識の格差が非常に大きいと感じています 。
佐々木:確かに、私自身もこのプロジェクトのお話を伺うまで、この問題の深刻さに気づけていなかったかもしれません。まずは多くの人に「知ってもらう」ことが重要ということでしょうか?
大澤:おっしゃる通りです。知ってもらうこと、そしてその上で、社会全体でこの問題に取り組む意識を醸成していく必要があります。これは当事者だけでなく、専門家の方々に対しても働きかけていかないといけない部分だと思っています 。
また、私たちが実現したい形は非常に壮大なものなので、それをいかに細分化して、確実にステップを踏んでいくかということも課題です 。
佐々木:なるほど。課題を細分化する中で、見えてきたことはありますか?
大澤:課題は大きく二つのカテゴリーに分かれると考えています。一つは、制度的な部分、つまり社会的に整備していく必要がある部分です。もう一つは、市民の意識や文化といったソフト面へのアプローチです 。
制度が変わったとしても、「それは特別扱いではないか」「やりすぎではないか」といった社会の目がまだ厳しい部分があると感じています 。もしかしたら、制度の話が進んでいくと、その社会の目によって進みにくくなる可能性があるのではないかと危惧しています 。
佐々木:制度が変わっても、人々の意識が変わらなければ、真の解決には繋がらないということですね。
大澤:はい。例えば、病気や障害のある子を産んだから「母親がずっと見るべきだ」という厳しい目が、いまだにあると感じています 。私自身も、仕事をしていない前提で学校の先生と話が進んでしまったり、「何かあればすぐ来てくださいね」と言われたりすることがありました 。
「みんなで守り育てていく」という社会の価値観の変化が、制度にも良い影響を与えていくと信じています。私たちは、両面からのアプローチが必要だと考えています。

佐々木:社会の価値観を変えること、それが最終的なゴールに繋がっていくのですね。
柴田先生:はい。加えて、このプロジェクトの実現に向けて、もう一つ大きな課題があります。それは、医療現場も学校現場も、どちらも非常に忙しいということです 。新しいことをお願いするのが大変な状況であると認識しています 。
特に学校の先生は、やるべきことが膨大にある中で、個別の配慮をさらに行うのは大変な負担だと思います。その課題を乗り越えるために、ICTツールが役立つのではないかと考えていますが、私たちのチームには、その専門家が足りていません 。
佐々木:ICTツールの専門家。それは非常に重要ですね。
柴田先生:プログラミングや技術に詳しい方で、「何か社会貢献したい」と思っている方がいらっしゃれば、ぜひ参画していただきたいと思っています 。医療者、教育者、そしてICTの専門家といった、専門性の高い方々が多ければ多いほど、このプロジェクトの解決への道は拓けていくはずです。
「同じ思いはさせたくない」未来へ向けたメッセージ
佐々木:お二人のお話を伺い、このプロジェクトが多くの人にとって必要不可欠な取り組みであると改めて強く感じました。最後に、この記事を読んでくださる方々へのメッセージや、ご協力のお願いがあれば、ぜひお聞かせください。まずは、大澤さんからお願いします。
大澤:はい。読者の皆様へのお願いとして、病気をもつ小中学生の学校連携に関するアンケートにどうかご協力いただきたいと思っています。私たちは今、学校・医療機関とより良く連携できる支援ツールを開発するために、保護者の皆様が実際に何に困っているのか、どんな不安や葛藤を抱えているのか、お一人おひとりの声を大切に反映させていただきたいのです 。私の経験はもちろんありますが、地域や病気、障害によっても見えてくる視点が異なると思いますので、お手数ではございますが、ぜひご協力いただけたら嬉しいです 。
佐々木:当事者の方々のリアルな声こそが、プロジェクトを前進させる最も重要な原動力になりますね。ぜひ、多くの方にご協力いただきたいです。ご協力いただける方は、下記よりご回答いただけますと幸いです。
佐々木:柴田先生からは、いかがでしょうか?
柴田先生:おこぷろでは、困っている当事者の声をたくさん集め、それを医療者や教育現場の専門家を交え、フラットに議論して良いプロダクトを作っていくことを目指しています 。そのため、医療者や教育現場の方で、「何かしたいけれど、何をすればいいか分からない」「少しだけ時間があって何かやりたい」という方がいらっしゃれば、おこぷろ | 親子に寄り添う連携支援プロジェクトからぜひご連絡ください(https://okopuro.jp/) 。
また、先ほどお話した通り、医療現場も学校現場も非常に多忙なため、新たなツール導入にはICTの力が不可欠です 。私たちのチームには、プログラミングやICTツールに詳しい専門家が不足しています 。技術的な知識やスキルをお持ちで、一緒に課題を乗り越えてくださる方がいましたら、ぜひご協力をお願いします 。
佐々木:医療、教育、そしてICTと、様々な専門分野の方々が力を合わせることで、プロジェクトの解決策はより早く、確実に見えてくるはずですね。本日は、貴重なお話を本当にありがとうございました。
大澤:ありがとうございました。
柴田先生:ありがとうございました。
編集後記
本日は「親子に寄り添う連携支援プロジェクト」について、代表の大澤裕子さん、そして産婦人科医の柴田先生にお話を伺いました。
インタビューを終えて感じたのは、このプロジェクトが、当事者の「声」と専門家の「知見」が、これ以上ないほどに有機的に結びついた、非常に稀有な取り組みだということです。
大澤さんの心から絞り出された「居場所がない」という叫びと、それを社会に届けるために立ち上がった強い決意。そして、柴田先生が医療現場の最前線にいるからこそ気づいた「病院の外にある課題」を解決したいという使命感。お二人の熱い思いが交差することで、このプロジェクトはただの活動ではなく、社会全体を変えていく大きなうねりになる可能性を秘めていると感じました。
私自身も、当事者の方々が抱える問題の深刻さに、正直なところ、このお話を伺うまで気づけていませんでした。しかし、それは決して一部の限られた人たちの問題ではありません。誰もがいつ、何が起きるか分からない時代に、すべての子どもと家族が安心して暮らせる社会を作ることは、私たち一人ひとりの責任であり、未来を生きる子どもたちへの最高の贈り物だと感じました。
「親子に寄り添う連携支援プロジェクト」が描く未来の社会は、私たちみんなで創り上げていくものです。このインタビューが、その第一歩となることを願ってやみません。