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【活動報告】不登校の「ネット出席」を当たり前の選択肢へ。文部科学省への要望書提出と実態調査、メディア掲載について

「学校に行けない時間を、学びの時間に変える」 私たち「あした研究室(すららネット)」は、ICT教材を活用した在宅学習が出席扱いとなる制度を「ネット出席」と名付け、その普及と啓発に取り組んでいます。 制度開始から20年が経ちますが、現場ではまだ十分に知られていないのが現状です。 この状況を変えるため、私たちは2025年11月から12月にかけて、「大規模な実態調査」および「文部科学省への要望書提出」を行いました。 その活動内容と、不登校支援にかける私たちの想い、そして毎日新聞やYahoo!ニュースなど多数のメディアで紹介された掲載実績をご報告します。

なぜ今、「ネット出席」なのか

「ネット出席(ICT等を活用した出席扱い制度)」が始まったのは2005年。私たちがネット出席を知ることとなった2015年当時でも、この制度の利用者は全国で200名ほどしかいませんでした。

私たちがこの活動に力を入れるようになったきっかけは、ある一人の保護者様からのお問い合わせでした。 「すららを出席扱いにできませんか?」 そのご家庭と協力し、学校と連携をとった結果、お子さんは出席扱いを認められました。その後、希望の通信制高校に合格し、高校1年生の最初の中間テストでは、なんと5教科ほぼ満点を取ることができたのです。

「学校が努力を認めてくれた」 その事実が、お子さんの自己肯定感を回復させ、学習を続ける力になりました。 ネット出席は単に「内申点の出席日数」を稼ぐためのものではありません。「自己肯定感の向上」こそが、この制度の本質的な価値であると私たちは考えています。

【調査結果】不登校の6割が制度を「知らない」という現実

制度の重要性を確信している一方で、現場には情報が届いていません。 2025年8月18日~2025年10月5日11月にかけて、私たちは不登校の小中学生と保護者400名を対象にアンケート調査を実施しました。その結果は衝撃的なものでした。

調査結果のハイライト

調査対象
AI教材「すらら」を活用している不登校児童生徒
AI教材「すらら」を活用している不登校児童生徒の保護者
対象年齢 小学校4年生~中学3年生 (小学生の場合は保護者がサポートを行った)
有効回答 400名(不登校児童生徒156名、保護者244名/親子とはかぎらない)
調査期間 2025年8月18日~2025年10月5日

  • 当事者の認知不足: 不登校の小中学生の63.5%が、ネット出席制度を「知らない」と回答しました。
不登校児童生徒のネット出席認知率グラフ(63.5%が知らない)

  • 学校からの案内不足: 学校から制度の説明や提案が「なかった」と回答した家庭は、子ども・保護者ともに約9割にのぼりました。
学校からのネット出席制度説明有無のグラフ

  • 制度の効果: 一方で、制度を利用できた子どもの多くが「勉強に前向きになった」「生活リズムが改善した」と回答しており、その有効性がデータでも裏付けられました。
ネット出席認定後の学習意欲の変化グラフ

この調査結果については、不登校ジャーナリストの石井しこう氏にも分析・寄稿いただいています。

参考リンク:知られていない非常階段――不登校の小中生、ネット出席制度を『知らない』6割(Yahoo!ニュース エキスパート)

国を動かすアクション。文部科学省へ要望書を提出

「知らない」で済ませてはいけない。 この調査結果を受け、2025年12月18日、私たちは文部科学省に対し、制度の周知徹底と運用改善を求める「要望書」を提出しました。

文部科学省担当者への要望書手渡しの様子

具体的には以下の点などを提言しています。

  • 保護者へ制度の情報が確実に届く仕組みづくり
  • 学校現場の先生方が迷わず運用できるためのガイドライン策定
  • 自治体単位での勉強会や研修の実施

会見には多くの記者が集まり、私たちの訴えは行政を動かす大きなニュースとして取り上げられました。

メディア掲載実績一覧

今回の一連の活動は、社会的な課題として多くのメディアで報道されました。 「ネット出席」という言葉が、不登校に悩むご家庭への希望の選択肢として広がり始めています。

▼ 2025年12月:文部科学省への要望書提出・記者会見

【全国紙・Webニュース】

▼ 2025年11月:実態調査発表・アンケート結果

【テレビ・ラジオ】

【新聞・Webメディア】


これから「ネット出席」を検討される方へ

今回の調査で、「もっと早く制度を知っていれば、子どもを追い詰めずに済んだ」「親子ともに気持ちが楽になったはず」という切実な声が多く寄せられました

あした研究室では、ネット出席(ICT活用出席扱い制度)の仕組みや、申請の方法について詳しく解説しています。また、出席扱いの要件を満たす教材「すらら」についてもご案内しています。

まずはこちらの解説ページをご覧ください。

👉 不登校でも出席扱いにできる「ネット出席」制度とは?(解説ページへ)

執筆者
佐々木章太 (ささきしょうた)
株式会社すららネット 子どもの発達支援室 室長/あした研究室 編集長
ICTを活用した家庭学習支援の専門家として、不登校・発達障害・学びづらさを抱える子どもと保護者に寄り添った支援メソッドを構築してきた。2015年より「出席扱い制度」の普及に取り組み、文部科学省への提言、自治体との連携、申請書支援などを通じて、延べ2,000名以上の出席認定支援に携わる。現在は、教材開発、保護者支援、コーチ制度の設計などを担い、学習の継続と自己肯定感の回復を両立する家庭学習の仕組みづくりを推進。教育現場や家庭の声をもとにした発信にも注力し、「あした研究室」編集長として不登校支援に関する実践的な情報を届けている。デジタルと人の力をかけ合わせた、“子どもが前を向く学びの場”の創出をライフワークとしている。