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小学校に行きたくないと泣く子どもへ|親がまずできる対応と相談先

  1. 1 1. 小学校に行きたくないと泣く子どもの気持ちを受け止める
  2. 1-1 1.1 泣くほど行きたくないのは子どもからの大切なサイン
  3. 1-2 1.2 無理に登校させようとしないほうがよい理由
  4. 1-3 1.3 朝に泣く子どもへ親がかけたい言葉
  5. 2 2. 小学校に行きたくないと泣く主な理由
  6. 2-1 2.1 友達関係やいじめへの不安
  7. 2-2 2.2 先生との相性や教室での困りごと
  8. 2-3 2.3 勉強の遅れや授業についていけない悩み
  9. 2-4 2.4 集団生活や音・においなどの刺激による疲れ
  10. 2-5 2.5 生活リズムの乱れや体調不良
  11. 2-6 2.6 母子分離不安や家庭内の変化
  12. 3 3. 親がまずできる対応
  13. 3-1 3.1 子どもの話を途中で否定せずに聴く
  14. 3-2 3.2 原因を急いで聞き出そうとしない
  15. 3-3 3.3 休みたい気持ちと登校への不安を言葉にする
  16. 3-4 3.4 朝の登校だけにこだわらず選択肢を増やす
  17. 3-5 3.5 子どもが安心できる家庭での過ごし方を整える
  18. 4 4. 登校を促すときに避けたい親の対応
  19. 4-1 4.1 「みんな行っている」と言って比較する
  20. 4-2 4.2 甘えや怠けと決めつける
  21. 4-3 4.3 泣いていても無理に学校へ連れて行く
  22. 4-4 4.4 学校の話題を毎日何度も問い詰める
  23. 5 5. 学校と連携してできる支援
  24. 5-1 5.1 担任の先生へ伝えておきたいこと
  25. 5-2 5.2 保健室登校や別室登校を相談する
  26. 5-3 5.3 スクールカウンセラーにつなぐ
  27. 5-4 5.4 登校時間や教室での過ごし方を段階的に調整する
  28. 6 6. 小学校に行きたくない状態で相談できる窓口
  29. 6-1 6.1 学校の担任や養護教諭
  30. 6-2 6.2 スクールカウンセラーとスクールソーシャルワーカー
  31. 6-3 6.3 教育支援センターと適応指導教室
  32. 6-4 6.4 児童相談所虐待対応ダイヤル189
  33. 6-5 6.5 よりそいホットライン
  34. 7 7. 受診を検討したい心身のサイン
  35. 7-1 7.1 腹痛や頭痛、吐き気が繰り返される
  36. 7-2 7.2 眠れない、または朝起きられない状態が続く
  37. 7-3 7.3 食欲の低下や強い落ち込みがみられる
  38. 7-4 7.4 自分を傷つけたいなどの発言がある
  39. 8 8. まとめ

朝になると「小学校に行きたくない」と泣く我が子を前に、どう対応すればよいのか戸惑っていませんか。この記事では、泣くほど登校を嫌がる子どもの気持ちの受け止め方をはじめ、友達関係や勉強、母子分離不安などの主な理由、親がまずできる対応と避けたい声かけを具体的に解説します。さらに、担任やスクールカウンセラーとの連携方法、教育支援センターや児童相談所などの相談窓口、受診を検討したい心身のサインも紹介します。泣くことは子どもからの大切なサインであるため、無理に登校させることが適切とは限りません。読み終えるころには、今日から何をすべきかが見えてくるでしょう。

1. 小学校に行きたくないと泣く子どもの気持ちを受け止める

不登校で疲れる親が抱えやすい心と体の限界サインのイメージ図

朝になると「学校に行きたくない」と泣く我が子を前に、どう声をかければよいのか分からず、戸惑う保護者は少なくありません。まずは、泣くという行動そのものが、子どもからの精いっぱいの訴えであることを理解し、その気持ちを受け止めることが大切です。ここでは、泣くほど登校をつらがる子どもと向き合うための基本的な考え方を整理します。

1.1 泣くほど行きたくないのは子どもからの大切なサイン

子どもが涙を流してまで登校を嫌がるのは、言葉ではうまく説明できないほどのつらさや不安を抱えているサインです。特に低学年の子どもは、自分の気持ちを的確な言葉で表すことが難しく、その苦しさが涙となってあらわれることがあります。泣くという行動を、わがままや甘えではなく、心が助けを求めているサインとして受け止めることが第一歩です

「どうして泣くの」と責めるのではなく、「つらかったんだね」と気持ちに寄り添う姿勢を示すことで、子どもは自分の感情を否定されずに済み、少しずつ安心を取り戻していきます。泣くほどの状態を軽く考えず、心と体の両面で無理をしていないかを丁寧に確認しましょう。

1.2 無理に登校させようとしないほうがよい理由

泣いている子どもを無理に学校へ送り出すと、一時的には登校できたとしても、根本にある不安やつらさは解消されません。むしろ、「気持ちを分かってもらえない」という思いが強まり、状態が悪化することもあります。文部科学省も、登校を無理強いするのではなく、子どもの状況に応じた休養や支援の必要性を示しています。

無理な登校を続けることで心身のエネルギーが消耗し、回復により長い時間がかかってしまうこともあります。まずは子どもが安心して過ごせる環境を整え、心のエネルギーを回復させることを優先しましょう。休むことは後退ではなく、次の一歩に向かうための大切な準備期間と捉えることが重要です。

1.3 朝に泣く子どもへ親がかけたい言葉

慌ただしい朝に子どもが泣き出すと、親も焦りや不安から強い口調になりがちです。しかし、こうしたときこそ落ち着いて、子どもが安心できる言葉をかけることが大切です。朝に泣く子どもへかけたい言葉と、避けたい言葉の例を整理しました。

かけたい言葉 避けたい言葉
「つらかったね。話してくれてありがとう」 「なんで行けないの」
「今日はどうしたいか一緒に考えよう」 「早くしないと遅刻するよ」
「無理しなくて大丈夫だよ」 「みんな頑張っているのに」
「あなたのことを一番に考えているよ」 「そんなことで泣かないの」

まずは「あなたの味方だよ」という安心感を、言葉と態度で伝えることが、子どもの心を落ち着かせる支えになります。原因を問い詰めたり登校を急かしたりする前に、子どもが安心して気持ちを話せる雰囲気をつくりましょう。親自身も深呼吸をして気持ちを落ち着かせてから声をかけると、その落ち着きが子どもにも伝わりやすくなります。

2. 小学校に行きたくないと泣く主な理由

不登校で疲れる親が抱えやすい心と体の限界サインのイメージ図

子どもが小学校に行きたくないと泣く背景には、本人なりの理由があります。ただし、子ども自身が理由をうまく説明できないことも多く、原因が一つとは限りません。ここでは、泣くほど登校をつらく感じる子どもにみられやすい主な理由を整理します。いくつかの要因が重なり、「行きたくない」という気持ちにつながっているケースが多いことを踏まえて、それぞれの背景を確認していきましょう。

2.1 友達関係やいじめへの不安

小学校生活において、友達関係は子どもにとって大きな意味を持ちます。仲のよかった友達とけんかをした、グループに入れず孤立している、悪口を言われたといった出来事は、大人が思う以上に深く子どもの心を傷つけます。特に、からかいや仲間外れ、暴力などのいじめが背景にある場合、子どもは恐怖や不安から登校前に泣くことがあります。学校の何が嫌なのかをうまく説明できなくても、友達関係の悩みが隠れている可能性を考えておくことが大切です。

2.2 先生との相性や教室での困りごと

担任の先生の指導を厳しく感じたり、大きな声で叱られた経験があったりすると、子どもは先生や教室そのものを怖いと感じるようになることがあります。また、発言を求められる場面や、みんなの前で間違いを指摘される状況が強いストレスになる子どももいます。先生との相性や教室内での小さな困りごとが積み重なり、学校に行きたくないという気持ちや朝の涙につながる場合があります。

2.3 勉強の遅れや授業についていけない悩み

授業の内容が理解できない、周囲についていけないという焦りは、子どもの自信を大きく損ないます。特に、音読や計算、漢字など、人と比べられやすい場面でつまずくと、「自分はできない」という思いが強まり、学校がつらい場所になってしまうことがあります。勉強が分からないことへの不安は、子どもが自分から口にしにくい理由の一つであり、成績表やテストの結果だけでは気づきにくい点にも注意が必要です。

2.4 集団生活や音・においなどの刺激による疲れ

大勢の子どもが過ごす教室は、音やにおい、光などの刺激が多い環境です。感覚が敏感な子どもや、集団の中で気を張りやすい子どもにとっては、学校で過ごすだけでも大きな体力と気力を消耗します。給食のにおいや教室のざわめき、チャイムの音などを苦痛に感じることもあります。こうした刺激による疲れが積み重なり、朝になると「行きたくない」と涙が出る場合があります。

2.5 生活リズムの乱れや体調不良

就寝時間が遅い、睡眠時間が足りていないといった生活リズムの乱れは、朝の不調や登校しぶりの要因になります。夜更かしや朝食を食べられない状態が続くと、心身のバランスが崩れ、登校への意欲も低下しやすくなります。また、風邪などの体調不良の前後は、いつもより気持ちが不安定になり、泣いて登校を嫌がることもあります。

2.6 母子分離不安や家庭内の変化

特に低学年の子どもでは、保護者と離れることへの強い不安、いわゆる母子分離不安から泣いてしまうことがあります。さらに、弟や妹の誕生、引っ越し、家族の入院や別居、両親の関係の変化など、家庭内で大きな出来事があったときにも、子どもの気持ちは不安定になりやすくなります。家庭での変化が、学校に行きたくないという形で表れることもあるため、学校だけに原因を求めず、生活全体を見渡す視点が役立ちます。

主な理由を整理すると、次のようになります。

理由の分類 主なきっかけ・背景
友達関係・いじめ けんか、仲間外れ、からかい、悪口、暴力など
先生・教室 叱られた経験、先生との相性、発言を求められる場面への緊張
勉強・学習 授業についていけない、人と比べられる場面でのつまずき
刺激・疲れ 音やにおい、集団生活での気疲れ、体力の消耗
生活・体調 睡眠不足、生活リズムの乱れ、体調不良の前後
家庭・分離不安 保護者と離れる不安、弟妹の誕生、引っ越し、家庭内の変化

大切なのは、原因を一つに決めつけないことです。子ども自身も理由がはっきり分からないまま、ただ「行きたくない」と涙を流していることは珍しくありません。理由を無理に特定しようとするより、まずは子どもがサインを出している事実を受け止めることが、次の対応につながる第一歩になります。

3. 親がまずできる対応

不登校で疲れる親が抱えやすい心と体の限界サインのイメージ図

子どもが小学校に行きたくないと泣くとき、親が最初にすべきことは、原因を突き止めることではありません。子どもが安心して気持ちを出せる関係と環境を整えることが大切です。ここでは、朝の混乱した状況でも取り入れやすい具体的な対応を紹介します。

3.1 子どもの話を途中で否定せずに聴く

子どもが「行きたくない」と口にしたとき、「そんなこと言わないの」「大丈夫だよ」とすぐに否定したり励ましたりすると、子どもは「気持ちを分かってもらえない」と感じ、心を閉ざしてしまうことがあります。まずは、子どもの言葉を遮らず、うなずきながら最後まで聴く姿勢を大切にしましょう。「そうだったんだね」「つらかったんだね」と気持ちをそのまま受け止める言葉を返すと、子どもは自分の状態を話しやすくなります。

話を聴くときは、内容が正しいかどうかを判断するのではなく、子どもが感じている気持ちに寄り添うことを意識します。受け止めてもらえた経験が、子どもにとって「家は安心できる場所だ」という感覚につながります。

3.2 原因を急いで聞き出そうとしない

親としては、何があったのかを早く知りたくなりますが、子ども自身も理由をうまく言葉にできないことがあります。「どうして行きたくないの」と繰り返し問い詰めると、かえって子どもを追い詰めてしまう場合があります。原因は一つとは限らず、友達関係や勉強、体調など、複数の要因が重なっていることもあります。

すぐに答えを求めず、「話したくなったら、いつでも聞くよ」と伝えて待つ姿勢が大切です。安心して過ごせる時間が続く中で、子どもが少しずつ気持ちを話し始めることもあります。

3.3 休みたい気持ちと登校への不安を言葉にする

子どもの中には、「休みたい」という気持ちと、「休んだら勉強が遅れる」「友達に何か言われるかもしれない」という不安が同時に存在していることがあります。子ども自身も整理できていない気持ちを、親が代わりに言葉にすると、心が落ち着きやすくなります。

たとえば、「今日は学校に行くのがしんどいんだね」「行きたい気持ちもあるけれど、怖い気持ちもあるんだね」と、相反する気持ちの両方をそのまま認める言葉をかけてみましょう。気持ちを言葉にしてもらうことで、子どもは自分の状態を理解しやすくなり、少しずつ安心を取り戻していきます。

3.4 朝の登校だけにこだわらず選択肢を増やす

「朝、決まった時間に、みんなと同じように登校する」という形だけを目標にすると、子どもも親も追い詰められてしまいます。登校にはさまざまな形があると考えることで、気持ちに余裕が生まれます。子どもの状態に合わせて、無理のない方法から始めることが大切です。

選択肢 具体的な内容
登校時間をずらす 朝の混雑を避け、少し遅い時間に登校する
短時間だけ登校する 数時間や午前中だけ登校し、早めに帰宅する
別室で過ごす 保健室や別室など、教室以外の落ち着ける場所を利用する
付き添って登校する 校門や昇降口まで保護者が一緒に行く
その日は休む 心身の負担が大きい日は、休養を優先する

これらの選択肢は、担任やスクールカウンセラーと相談しながら組み合わせるとよいでしょう。「行くか休むか」の二択ではなく、その間にある柔軟な過ごし方を用意することが、子どもの負担を減らします。

3.5 子どもが安心できる家庭での過ごし方を整える

学校を休む日や家で過ごす時間は、子どもが心身を回復させるための大切な時間です。休んでいることを責めたり、罪悪感を抱かせたりせず、家庭を安心して過ごせる場所として整えることを優先しましょう。十分な睡眠や食事、安定した生活リズムは、心の落ち着きにもつながります。

一方で、昼夜逆転や長時間の動画・ゲームだけの生活が続くと、生活リズムが乱れ、さらに登校しづらくなることもあります。子どもの気持ちを尊重しながら、朝はある程度決まった時間に起きる、日中は少し体を動かすなど、無理のない範囲で生活の土台を保つことを意識しましょう。親子で穏やかに過ごす時間や会話を重ねることも、次の一歩につながります。

文部科学省も、不登校の子どもへの支援では休養の必要性を認めつつ、子どもの状況に応じた多様な学びの場や支援につなげることの重要性を示しています。家庭だけで抱え込まず、学校や相談機関と連携していくことが大切です。

4. 登校を促すときに避けたい親の対応

不登校で疲れる親が抱えやすい心と体の限界サインのイメージ図

子どもが泣くほど学校に行きたくないと訴えているとき、親は焦りや不安から、つい子どもを追い詰める言葉をかけてしまうことがあります。しかし、その対応によって子どもがさらに心を閉ざし、状況が長引いてしまうことも少なくありません。ここでは、登校を促す際に逆効果になりやすい親の対応を整理します。良かれと思ってしていることが、子どもにとって大きな負担になっていないか振り返ってみましょう。

避けたい対応 子どもが受け取りやすい気持ち
「みんな行っている」と比較する 自分だけができない、認めてもらえない
甘えや怠けと決めつける 本当のつらさを分かってもらえない
泣いていても無理に連れて行く 安心できる場所がない、逃げ場がない
学校の話を何度も問い詰める 家にいても休まらない、責められている

4.1 「みんな行っている」と言って比較する

「みんな行っているのに、どうしてあなただけ行けないの」という言葉は、子どもを励ますつもりでも、強いプレッシャーを与えてしまいます。ほかの子と比べられることで、子どもは自分がダメな存在だと感じ、自己肯定感をさらに下げてしまうことがあります。

子どもが学校に行きたくないと感じる背景には、その子なりの事情や苦しさがあります。周囲と比べるのではなく、目の前の子どもの気持ちに目を向けることが大切です。「あなたはあなたのままで大丈夫」という姿勢が、子どもの安心感につながります。

4.2 甘えや怠けと決めつける

登校をしぶる子どもに対して、「ただの甘え」「怠けているだけ」と決めつけるのは避けたい対応です。泣くほど行きたくないという状態は、子ども自身もうまく言葉にできない不安や疲れを抱えているサインであることが少なくありません。甘えや怠けと決めつけると、子どもは本当のつらさを話せなくなり、心を閉ざしてしまうおそれがあります。

腹痛や頭痛など、体の不調を伴っている場合もあり、目に見えないところで心身が限界に近づいていることも考えられます。まずは「何かつらいことがあるのかもしれない」という前提で受け止めましょう。

4.3 泣いていても無理に学校へ連れて行く

泣き叫ぶ子どもを無理に車へ乗せたり、手を引いて校門まで連れて行ったりすることは、その日の登校につながる場合があっても、根本的な解決にはなりにくいものです。かえって子どもの不安を強めてしまうこともあります。強い恐怖や不安を抱えた状態で無理に登校させると、学校への拒否感が強まり、翌日以降さらに行きづらくなる可能性があります。

文部科学省も、不登校への対応では登校という結果だけを目標にするのではなく、子どもが自らの進路を主体的に考えられるよう支援することの重要性を示しています。まずは、子どもが安心できる状態を取り戻すことを優先しましょう。

4.4 学校の話題を毎日何度も問い詰める

「今日は行けそう?」「どうして行きたくないの?」と、学校の話題を毎日何度も繰り返すことも、子どもにとっては大きな負担になります。本来は安心できるはずの家庭でも学校の話ばかりされると、子どもは気持ちを休める場所を失ってしまうからです。

原因を早く知りたいという親の気持ちは自然ですが、問い詰められることで、子どもはさらに口を閉ざしてしまうことがあります。子どもが自分から話したくなったときに、いつでも受け止められる雰囲気をつくることが、本音を聞くための近道です。学校の話題から少し離れ、家庭で穏やかに過ごせる時間も大切にしましょう。

5. 学校と連携してできる支援

不登校で疲れる親が抱えやすい心と体の限界サインのイメージ図

子どもが小学校に行きたくないと泣くとき、家庭だけで抱え込む必要はありません。学校には、子どもの困りごとを支えるための仕組みがあります。担任の先生をはじめとする教職員と連携することで、子どもが少しずつ安心して過ごせる環境を整えていくことができます。ここでは、学校と協力しながら進められる具体的な支援について整理します。

5.1 担任の先生へ伝えておきたいこと

子どもの状態を学校と共有するうえで、最初の相談先となるのが担任の先生です。家庭で見られる様子や、子どもが訴えている不安を具体的に伝えることで、先生も教室での対応を考えやすくなります。「朝になると泣いて登校をしぶる」「登校前にお腹が痛いと訴える日が増えている」など、いつ、どのような様子が見られるのかを事実として伝えると、状況を共有しやすくなります。

また、家庭で把握している友達関係や授業についての困りごとがあれば、あわせて相談しておきましょう。学校での様子は家庭から見えにくいため、先生からも教室や休み時間の様子を聞き、家庭と学校の情報を照らし合わせることが大切です。相談時に整理しておきたいポイントを、次の表にまとめます。

伝える内容 具体例
家庭での様子 朝に泣く、登校前に腹痛を訴える、夜眠れない
子どもが話した不安 友達とのトラブル、授業についていけない、先生が怖い
家庭で希望する配慮 登校時間の調整、席の配置、声かけの工夫
確認したいこと 教室での様子、給食や休み時間の過ごし方

5.2 保健室登校や別室登校を相談する

教室に入ることが難しい場合でも、「休むか、通常どおり通うか」の二択で考える必要はありません。多くの学校では、保健室や相談室など、教室以外の場所で過ごす保健室登校や別室登校に対応しています。子どもが安心できる居場所を校内に確保することで、学校とのつながりを保ちながら、少しずつ登校のハードルを下げられます

保健室登校では、養護教諭に見守ってもらいながら過ごし、体調に応じて教室へ戻る時間を調整できる場合があります。別室登校では、静かな環境で自分のペースで学習を進められることもあります。利用できる場所や過ごし方は学校によって異なるため、担任や養護教諭に相談し、子どもに合った方法を一緒に考えていきましょう。

5.3 スクールカウンセラーにつなぐ

子どもの気持ちの整理や、親自身の悩みについては、スクールカウンセラーに相談できます。スクールカウンセラーは心理の専門家であり、多くの小学校に配置または派遣されています。子ども本人が話すことを難しく感じている場合でも、保護者だけで相談することができます

専門的な立場から子どもの状態を見てもらえるだけでなく、家庭での接し方や学校との連携方法について具体的な助言を得られます。相談の申し込みは、担任の先生や学校を通して行うのが一般的です。文部科学省も、スクールカウンセラーを活用した教育相談体制の整備を進めています。

5.4 登校時間や教室での過ごし方を段階的に調整する

学校に行きたくないと泣く状態から、すぐに通常どおりの登校へ戻すことは、子どもにとって大きな負担になる場合があります。学校と相談しながら、登校時間や教室で過ごす時間を段階的に増やしていくことで、子どもの負担をやわらげられます

たとえば、最初は短時間だけ登校する、保護者と一緒に学校へ行く、好きな授業の時間だけ参加するといった方法があります。無理なく達成できる小さな目標から始め、できたことを認めることが、子どもの安心感と自信につながります。段階的な調整の一例を、次の表にまとめます。

段階 過ごし方の例
第一段階 放課後に短時間だけ登校し、先生と顔を合わせる
第二段階 保健室や別室で数時間過ごす
第三段階 好きな授業や得意な教科の時間だけ教室に入る
第四段階 午前中だけ教室で過ごし、少しずつ時間を延ばす

大切なのは、あらかじめ決めたスケジュールにこだわりすぎず、子どもの体調や気持ちに合わせて柔軟に見直すことです。うまく進まない日があっても後戻りと考えず、子どものペースを尊重しながら学校と情報を共有し続けることが、安定した登校への土台になります。

6. 小学校に行きたくない状態で相談できる窓口

不登校で疲れる親が抱えやすい心と体の限界サインのイメージ図

子どもが「小学校に行きたくない」と泣く状態が続くと、家庭だけで抱え込んでしまいがちです。しかし、親子だけで解決しようとせず、早めに周囲の力を借りることが、状態の悪化を防ぐための大切な一歩になります。ここでは、学校内の相談先から公的な支援機関、電話相談まで、状況に応じて利用できる窓口を整理して紹介します。

6.1 学校の担任や養護教諭

まず相談したいのは、日頃から子どもの様子を見ている担任の先生です。教室での友達関係や授業中の様子など、家庭では分からない情報を把握しているため、背景を探るうえで重要な相談相手になります。

あわせて、保健室を担当する養護教諭も心強い存在です。体調不良を訴えて保健室を訪れる回数や、子どもが話した本音などを把握していることがあり、担任とは異なる視点から支えてもらえます

相談の際は、「何とか登校させてほしい」と依頼するのではなく、「家庭での様子を共有し、一緒に対応を考えたい」という姿勢で伝えると、連携が進みやすくなります。

6.2 スクールカウンセラーとスクールソーシャルワーカー

多くの小学校には、心理の専門家であるスクールカウンセラー(SC)が配置されています。子どもの気持ちを整理する手助けをするほか、保護者からの相談にも対応しているため、「どのように声をかければよいか分からない」という場合にも頼ることができます。

一方、スクールソーシャルワーカー(SSW)は、福祉の視点から家庭環境や生活面の課題に対応し、必要に応じて外部の支援機関につなぐ役割を担います。心理面だけでなく、家庭の事情や経済的な困りごとなどが背景にある場合は、スクールソーシャルワーカーへの相談が適していることがあります。どちらも、学校を通して面談を申し込むのが一般的です。

6.3 教育支援センターと適応指導教室

教育支援センター(適応指導教室)は、学校を休みがちな子どもが、学校とは別の場所で学習や活動を行える公的な施設です。多くは市区町村の教育委員会が設置しており、学習支援や集団活動、教育相談などを行っています。

子どものペースに合わせながら、学校復帰や社会的な自立を目指せる場として利用されており、通所した日が在籍校の出席扱いとして認められる場合もあります。利用を検討するときは、担任や在籍校、居住する自治体の教育委員会に問い合わせましょう。

6.4 児童相談所虐待対応ダイヤル189

子どもの安全や家庭環境に不安があるときに、全国共通で相談できるのが児童相談所虐待対応ダイヤル「189(いちはやく)」です。虐待の疑いを知らせるための番号として知られていますが、子育ての悩みや親子関係のつらさなど、家庭の困りごとを相談できる窓口でもあります。

「189」に電話すると、居住地域を管轄する児童相談所につながります。詳しくはこども家庭庁の児童相談所虐待対応ダイヤル「189」の案内を確認してください。

6.5 よりそいホットライン

よりそいホットラインは、24時間365日対応している無料の電話相談窓口です。子育てや家庭の問題、気持ちのつらさなど、幅広い悩みを相談できます。誰に相談すればよいか分からないときや、孤立していると感じるときにも、まず話を聞いてもらえる窓口として利用できます。

それぞれの窓口には、対応できる内容や役割に違いがあります。相談先ごとの特徴を、次の表に整理しました。

相談先 主な役割 こんなときに
担任・養護教諭 学校での様子の共有と対応の連携 教室や友達関係の状況を知りたいとき
スクールカウンセラー 心理面のケアと保護者の相談 子どもの気持ちや接し方に迷うとき
スクールソーシャルワーカー 福祉的な支援と関係機関への橋渡し 家庭環境や生活面に課題があるとき
教育支援センター 学校外での学習・活動の場の提供 学校以外の居場所を探したいとき
児童相談所虐待対応ダイヤル189 子育てや家庭の困りごとの相談 家庭環境や親子関係に不安があるとき
よりそいホットライン 24時間対応の電話相談 誰にも相談できず、孤立を感じるとき

相談することは、親としての力不足を意味するものではありません。頼れる先を早めに複数持っておくことが、子どもと保護者の双方を守り、次の一歩につながります

7. 受診を検討したい心身のサイン

不登校で疲れる親が抱えやすい心と体の限界サインのイメージ図

「学校に行きたくない」と泣く状態が続き、子どもの心や体に次のようなサインが現れている場合は、家庭で見守るだけでなく、小児科や児童精神科、心療内科などの医療機関への相談を検討したいタイミングです。不調が一時的なものか、専門的なケアが必要な状態かを確認するためにも、気になる症状が続く場合は早めに受診することが大切です。ここでは、受診を考える目安となる代表的なサインを整理します。

7.1 腹痛や頭痛、吐き気が繰り返される

登校前の朝になると決まって腹痛や頭痛、吐き気を訴える一方で、学校を休むと症状が落ち着くことがあります。これは仮病や甘えではなく、強いストレスや不安が体の症状として現れている可能性があり、子ども自身も自分の気持ちを言葉にできず苦しんでいることがあります

同じような不調が繰り返される場合は、まず小児科を受診し、体の病気がないかを確認しましょう。必要に応じて、心理面のケアにつなげてもらうこともできます。

7.2 眠れない、または朝起きられない状態が続く

なかなか寝つけない、夜中に何度も目が覚める、朝どうしても起きられないといった睡眠の乱れが続く場合も注意が必要です。特に、立ちくらみや強い倦怠感、午前中の不調が目立つときは、起立性調節障害などの体の不調が隠れている可能性があります。

生活リズムを整えても改善しない睡眠の問題が長引く場合は、自己判断で済ませず、医療機関に相談することが大切です

7.3 食欲の低下や強い落ち込みがみられる

好きだった食事をとらなくなる、体重が減る、表情が乏しくなり一日中ふさぎ込んでいるといった変化は、心が限界に近づいているサインかもしれません。これまで楽しめていた遊びや趣味に興味を示さない、何を聞いても反応が薄いといった状態が続く場合は、専門家のサポートが必要な可能性があります

子どもの様子を丁寧に観察し、こうした変化が続くようであれば、早めに小児科や児童精神科、心療内科などへの相談を検討しましょう。

7.4 自分を傷つけたいなどの発言がある

「消えたい」「いなくなりたい」「自分なんていないほうがいい」といった発言がある場合や、実際に自分の体を傷つけようとする行動が見られる場合は、ためらわず、すぐに専門機関へ相談すべき緊急性の高いサインです

親だけで抱え込まず、医療機関や相談窓口の力を借りることが、子どもを守ることにつながります。命に関わる危険を感じたときや、相談先に迷うときは、こころの健康や自殺予防に関する相談窓口を利用できます。厚生労働省の「まもろうよ こころ」では、電話やSNSで相談できる窓口が案内されています。

これらのサインは、一つだけで判断するのではなく、複数が重なっているか、どのくらいの期間続いているかも確認することが大切です。受診は大げさなことではなく、子どもの回復を支え、親の不安を軽くするための前向きな選択肢です。迷った場合は、まずかかりつけの小児科やスクールカウンセラーに相談し、必要に応じて専門の医療機関を紹介してもらいましょう。

心身のサイン まず相談したい先
腹痛・頭痛・吐き気の繰り返し 小児科(体の病気の確認)
睡眠の乱れ・朝起きられない 小児科・かかりつけ医
食欲低下・強い落ち込み 小児科・児童精神科・心療内科
自分を傷つけたいなどの発言 児童精神科・こころの相談窓口(緊急時)

8. まとめ

小学校に行きたくないと泣くのは、子どもが心の限界やつらさを伝えている大切なサインです。無理に登校させると不安が強まることがあるため、まずは気持ちを否定せずに受け止め、家庭を安心して過ごせる場所に整えることが大切です。

原因を急いで問い詰めたり、「みんな行っている」と比較したり、甘えや怠けと決めつけたりする対応は避けましょう。担任やスクールカウンセラー、教育支援センターなどと連携し、保健室登校や登校時間の調整など、段階的な選択肢を探すことも有効です。

腹痛や不眠、食欲の低下、強い落ち込み、自分を傷つけたいという発言などが続く場合は、早めに医療機関へ相談してください。子どもの気持ちとペースを尊重しながら、家庭・学校・専門機関で支えていくことが、回復への一歩につながります。

執筆者
あした研究室編集部 (あしたけんきゅうしつへんしゅうぶ)
あした研究室編集部は、(株)すららネットの子どもの発達支援室に所属するスタッフと、学び・発達支援に関心を持つ編集チームによって運営されています。教育・発達支援・子育て・学習法などのテーマについて、現場視点と実証的な知見を大切にしながら、企画・取材・執筆・編集・校正・発信まで一貫して取り組んでいます。私たちの使命は、保護者や教育関係者、子ども自身が次の一歩を見つけられるような 信頼できる知見とアイデアを届けること。読者の皆さまには、根拠ある情報と温かい視点を通じて、学びと成長を支えるパートナーでありたいと考えています。