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不登校だと公立高校に行けない?出席日数・内申・受験で確認したいこと

不登校でも公立高校は受験でき、合格を目指すこともできます。「いけない」と言われるのは、欠席が多いと調査書の内申点が低くなりやすいためです。ただし、内申点と当日の学力検査の比重や出席日数の扱いは都道府県や学校ごとに異なり、学力検査の点数を重視する選抜もあります。この記事では、出席日数と内申点が合否に与える影響、自己申告書で欠席の事情を伝える方法、一部の都道府県にある不登校経験者向けの選抜、フリースクールや教育支援センターの出席扱い、通信制・定時制・チャレンジスクールという選択肢を確認できます。

不登校だと公立高校にいけないという噂は本当か

不登校でも公立高校を受験し、合格することは可能です。不登校であることを理由に出願を断る仕組みは、公立高校の入試にはありません。ただし、全日制の公立高校では中学校の成績や欠席の記録が合否判定の材料になるため、受験の仕方によっては不利になる場合があります。この「受験できない」と「不利になる場合がある」の混同が、「不登校だと公立高校にいけない」という噂につながっています。

公立高校の受験は不登校でも可能

高校の入学資格は法律で定められています。学校教育法第57条では、高校に入学できる者を「中学校を卒業した者」などと定めており、公立高校の出願資格も中学校を卒業した人、または卒業見込みの人が基本です。出席日数の下限は出願資格に含まれていません。

中学校の卒業は、各学校の校長が認定します。義務教育の公立中学校では、欠席が多いことだけを理由に卒業を認めないケースはほとんどありません。そのため、ほとんど登校していない場合でも、中学校を卒業見込みとして公立高校に出願できます。

不登校の中学生は少なくありません。文部科学省の「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」によると、2023年度(令和5年度)に不登校とされた中学生は約21万6,000人でした。また、文部科学省が2006年度(平成18年度)に中学3年生だった不登校生徒を追跡した調査では、高校進学率は85.1%と報告されています。

国も高校入試での配慮を求めています。文部科学省は2019年の通知「不登校児童生徒への支援の在り方について」で、高校で学ぶ意欲や能力を有する不登校生徒を、入学者選抜で適切に評価することが望まれるとしています。具体的な配慮の内容は都道府県ごとに異なり、後の章で扱います。

いけないと言われる理由は出席日数と内申点

全日制の公立高校の一般入試では、主に中学校が作成する調査書(内申書)と当日の学力検査の結果を合わせて合否を判定します。都道府県によっては、これに面接や作文などが加わります。このうち調査書に関わる次の2点が、不登校の生徒にとって不利になりやすい部分です。

  • 出席日数:調査書に欠席日数を記載するかは都道府県によって異なります。都道府県によっては、欠席日数が一定以上の受験生について選抜要項で別の扱いを定めている場合があります。
  • 内申点:調査書に記載される各教科の評定を点数化したものです。授業に出席していない、定期テストを受けていない、課題を提出していないといった状況では評定が低くなったり、評定がつかなかったりします。

私立高校には当日の試験の結果を重視する学校もありますが、公立高校では調査書が合否判定に組み込まれる仕組みが一般的です。そのため、「私立なら入れても公立は難しい」というイメージが広まりやすくなっています。

ただし、調査書と学力検査の配点の比率や、欠席日数の扱いは都道府県によって異なります。当日の学力検査の配点が大きい都道府県や、不登校の生徒向けの選抜方法がある都道府県では、内申点の低さを当日の得点や別の書類で補える場合があります。出席日数や内申点が合否にどの程度影響するかは、志望する都道府県の入学者選抜実施要項で確認する必要があります。

不登校の生徒が公立高校を受験する際に確認したいこと

出席日数、内申点、学力検査、受験当日の配慮について確認する項目

公立高校の入試では、中学校が作成する調査書(内申書)と、受験当日の学力検査の結果を組み合わせて合否を判定するのが基本です。不登校の影響の大きさは、出席日数の扱い、内申点の計算方法、学力検査との配点比率によって変わります。これらは都道府県ごとに異なるため、志望する地域の教育委員会が公表する入学者選抜実施要綱や募集案内を読み、中学校の担任や進路指導担当の先生にも確認しておきましょう。

出席日数が受験に与える影響

調査書に「出欠の記録」の欄を設け、学年ごとの欠席日数や主な欠席理由を記載する地域もありますが、記載の有無や内容は都道府県によって異なります。ただし、「欠席が何日以上あれば不合格」という全国共通の基準はありません。

欠席日数をどう扱うかは、都道府県や高校によって違います。欠席日数を合否判定の資料として扱わないと要項に示している自治体もあれば、欠席が多い受験生については面接や提出書類で事情を確認したうえで判断する学校もあります。高校側が欠席の状況を確認する目的には、入学後の学校生活に必要な情報を共有することもあります。全日制高校では授業の出席時数が単位の修得や進級の条件になるため、中学校での出席状況が参考にされることがあります。

例えば、宮城県の調査書に関する審議資料では、欠席の状況を生活状況の共有に活用していた一方、選抜資料としては用いていなかったことが示されています。

国も、不登校を理由に受験で不利益が生じないよう求めています。文部科学省「不登校児童生徒への支援の在り方について(通知)」では、高校で学ぶ意欲や能力を有する不登校生徒を、入学者選抜で適切に評価することが望まれるとしています。

出席日数について確認したいのは、次の点です。

  • 調査書に何年生分の欠席日数が記載されるか
  • 要項で、欠席日数を選抜でどう扱うかが明記されているか
  • 欠席が多い受験生に対して、面接や追加の書類提出が求められるか

なお、教育支援センター(適応指導教室)やフリースクールなどで学習した日を、校長の判断で出席扱いとして記録できる場合があります。具体的な利用方法は後の章で説明します。

内申点の計算方法と不登校への配慮

内申点は、調査書に記載される9教科の評定(5段階)を、都道府県が定める方法で点数に換算したものです。どの学年の評定を使うか、どの教科に重みを付けるかが地域によって違うため、不登校だった時期によって影響の大きさが変わります。主な例は次のとおりです。

都道府県対象となる学年計算方法満点
東京都中学3年5教科はそのまま、実技4教科は2倍にして合計65点
神奈川県中学2年・中学3年中学2年はそのまま、中学3年は2倍にして合計135点
大阪府中学1年〜中学3年中1・中2は2倍、中3は6倍にして合計(一般選抜・全日制)450点

東京都や神奈川県では中学1年の評定を使わないため、中学1年で不登校になっても、中学2年・3年で評定が付けば内申点への影響を抑えられます。一方、大阪府では中学1年から対象になるため、早い時期の欠席も影響します。ただし計算方法は入試制度の改定で変わることがあるため、受験する年度の要項で確認してください。

不登校で授業や定期テストを受けていないと、先生が評価する材料が不足し、評定が低くなったり、「評価できない」として斜線などで記載されたりすることがあります。評定が記載されていない場合の扱いも都道府県によって異なり、調査書以外の資料や学力検査の結果で判断する仕組みを設けている例もあります。

中学校によっては、別室での定期テスト受験や、自宅で取り組んだ課題・レポートの提出を評価材料として認める場合があります。評定を付けてもらえる可能性があるかどうか、どのような方法なら評価してもらえるかを、担任の先生に早めに相談しましょう。

当日の学力検査の重要性

学力検査の得点は欠席日数と関係なく評価されるため、不登校の生徒にとっては内申点の不足を補える部分です。合否判定での学力検査と調査書の比率は、地域や高校によって異なります。

たとえば令和9年度の東京都の都立高校の第一次募集(全日制)では、原則として学力検査を700点、調査書を300点に換算して合計し、英語の学力検査を行う学校では原則として英語スピーキングテスト(ESAT-J)の結果を最大20点加えて判定します。神奈川県では、学力検査と調査書の比率を各高校が定めており、さらに定員の一部を調査書の評定を用いずに選考する仕組みがあります。志望校を選ぶ際は、学力検査の比重が大きい高校や、評定を使わない選考枠がある高校かどうかを要項で確認すると、内申点の不利を得点で取り返せる可能性を判断しやすくなります。

ただし、芸術・体育に関する学科は6対4で、一部の学校では7対3と10対0で計算した高い方を用います。面接・作文等を行う学校ではその点数も加わるため、令和9年度東京都立高校の実施要綱・学校別の選抜方法を確認してください。

学力検査の出題範囲は、中学3年間の学習内容です。授業を受けていない期間がある場合は、教科書や基礎的な問題集を使い、抜けている単元から順に学び直すと効率的です。多くの都道府県教育委員会は過去の入試問題をウェブサイトで公開しているため、出題形式や配点を確認し、基礎問題で確実に得点できるように練習しておきましょう。東京都の一部の高校のように独自に作成した問題で検査を行う学校もあるため、志望校が共通問題か独自問題かも確認が必要です。

受験当日の体調や不安に配慮し、別室での受検などを認めている都道府県もあります。申請の可否や手続きの期限は地域によって異なるため、配慮を希望する場合は出願前に中学校を通じて相談してください。また、学力検査に加えて面接や作文を実施する高校では、その配点も合否に影響するため、実施の有無と配点を要項で確認しておきましょう。

受験に向けて、自宅で学び直す方法を考える

学習していない期間の内容を確認するときは、今の理解度に合うところまで戻って、自宅で取り組める学習方法も選択肢になります。

無学年式オンライン教材「すらら」は、理解できているところまで戻り、自宅で自分のペースで学習を進められます。

不登校中の家庭学習の選択肢として、学習内容やサポートを確認できます。

自宅でできる学習方法を詳しく見る

不登校から公立高校に合格するための対策

自己申告書、特別選抜、学校外での学びについて学校に相談する項目

欠席が多い場合の公立高校入試の対策は、主に3つです。欠席の事情を書類で伝えること、不登校の生徒に配慮した選抜を探すこと、学校外での学びを出席や評価に反映してもらうことです。いずれも都道府県や学校ごとにルールが違うため、志望する地域の「入学者選抜実施要綱」や募集要項を確認し、中学校の担任や進路指導の先生と早めに話し合うことが出発点になります。

自己申告書を活用して不登校の理由を伝える

都道府県によっては、欠席が多い受験生が欠席の理由やその間の取り組みを記入して提出できる書類を設けています。名称は「自己申告書」が多いものの、自治体によって異なります。調査書の数値だけでは事情を伝えきれない場合もありますが、この書類を出すと、数字だけでは伝わらない事情を高校側に知らせることができます。

文部科学省は、通知「不登校児童生徒への支援の在り方について」で、高校で学ぶ意欲や能力を有する不登校生徒を、入学者選抜で適切に評価することが望まれるとしています。ただし、書類を提出できる条件(欠席日数の基準など)、様式、提出期限、選考での扱われ方は自治体によって違います。対象になるかどうかは、中学校を通じて確認してください。

記入する内容は、次の4点に整理すると伝わりやすくなります。

  • 欠席した時期と理由(体調不良や人間関係など、本人が書ける範囲で構いません)
  • 欠席中に取り組んだこと(フリースクールへの通所、通信教材や家庭での学習、英語検定や漢字検定などの検定受験など)
  • 現在の状況(生活リズムが整ってきた、別室登校ができるようになったなど)
  • 高校で取り組みたいこと、通い続けるために考えていること

面接がある学校では、書類の内容について質問されることがあります。書いた内容と面接での受け答えが食い違わないよう、下書きの段階で担任や保護者と内容をすり合わせておくと、当日落ち着いて答えられます。

不登校枠や特別選抜の制度を調べる

公立高校の中には、学力検査の点数や調査書の評定だけで判断しない選抜を行う学校があります。例えば東京都のエンカレッジスクールや神奈川県のクリエイティブスクールは、全日制でありながら学力検査を行わず、面接や作文、実技などで選考する方式をとってきました。中学校までの学習につまずきがあった生徒の学び直しを想定した学校です。

このほか、一部の自治体では、長期欠席の生徒を対象に調査書の比重を下げたり、欠席日数を合否判定に用いなかったりする選抜を設けています。一般の入試と同じ日程の中で、条件を満たす受験生だけが申請して利用する形式もあります。一方で、「不登校枠」という名称の制度があるとは限らず、内容や対象校は年度によって変わることもあります。志望校を選ぶときは、次の点を確認してください。

  • その都道府県に、長期欠席者を対象とした選抜方法や配慮の仕組みがあるか
  • 利用できる条件と、申請の手続きや期限
  • 学力検査、面接、作文などの配点比率
  • 入学後の授業の進め方や、少人数指導・相談体制の有無

募集要項だけでは読み取りにくい点もあるため、学校説明会や個別相談で「欠席が多い場合の選考の扱い」を直接質問すると、受験の可否を判断しやすくなります。保護者だけで参加できる相談会を設けている学校もあります。

フリースクールや適応指導教室の出席扱いを利用する

中学校に通えない期間でも、学校外の施設で学んだ日を在籍校の「出席」として扱ってもらえる場合があります。対象になる主な施設は、自治体が設置する教育支援センター(適応指導教室)と、民間のフリースクールです。出席扱いになった日は指導要録上の出席として扱われますが、調査書への欠席日数の記載の有無は都道府県によって異なります。

通所型・オンライン型の過ごし方は、フリースクールと出席扱いの解説、教育支援センターの利用形態の解説で確認できます。

前述の文部科学省の通知では、学校外の施設での相談・指導を出席扱いにする目安として、次のような要件を示しています。

  • 保護者と学校の間に十分な連携・協力関係があること
  • 教育委員会などが設置する公的機関か、適切と判断された民間施設であること
  • 施設に通所するなどして、相談・指導を受けていること

出席扱いにするかどうかは、これらを踏まえて在籍する中学校の校長が判断します。同じ通知では、一定の要件を満たせば、自宅でのICT教材などを使った学習も出席扱いにできるとされています。

小中学生の自宅学習については、あした研究室のICTを活用した出席扱い制度の案内も参考になります。認定には要件があるため、利用前に在籍校へ相談してください。

また、施設での学習の計画や内容が学校の教育課程に照らして適切と判断されれば、その学習を成績の評価に反映できるとされています。評価が「評価なし」のままになるのを避けられる可能性がある点も、利用を検討する理由になります。

出席扱いは、本人が施設に通っているだけでは認められません。施設と学校の間で通所状況や学習内容の報告がやり取りされる仕組みが必要です。そのため、利用を考えた時点で担任に相談し、施設側から学校へ報告してもらえるかを確認しておくことが大切です。調査書の対象になる学年は都道府県によって異なり、中学3年生だけの場合も、1年生から含める場合もあります。対象期間の欠席を減らすためにも、受験の直前ではなく早い段階で手続きを始めるほうが、出席扱いの日数を確保しやすくなります。

全日制の公立高校にいけない場合の選択肢

通信制、定時制、東京都のチャレンジスクールなど公立高校の学び方を比較した図

全日制の公立高校が難しい場合でも、公立高校に進む道はあります。主な選択肢は通信制高校と定時制高校です。どちらも学校教育法に基づく高等学校なので、卒業すれば全日制と同じ高校卒業資格が得られ、大学・専門学校への進学や就職の際にも「高卒」として扱われます。

全日制との主な違いは、通学する日数や時間帯、入試での調査書(内申書)の扱いです。どちらを選ぶかは、毎日通えるか、自分で学習を進められるか、どの時間帯なら通いやすいかで判断します。

項目公立の通信制高校公立の定時制高校
通学頻度スクーリングの日のみ(学校により月数回〜週1回程度)原則として平日は毎日
学び方レポート提出・スクーリング・試験教室での授業
授業の時間帯スクーリング日以外は自分で決める昼間部・夜間部・三部制など学校ごとに異なる
修業年限3年以上4年が基本(3年で卒業できる仕組みを持つ学校もある)
入試の主な方法書類選考・面接・作文などが中心学力検査・面接など(学校や選抜の種類で異なる)

公立の通信制高校を検討する

通信制高校は、毎日登校せずに自宅などで学習を進め、決められた日だけ学校に通う仕組みの高校です。不登校で毎日の通学に不安がある場合や、人の多い環境が負担になる場合に検討しやすい選択肢です。

通信制高校の学び方と卒業の条件

通信制高校では、次の3つを組み合わせて単位を修得します。

  • レポート(添削指導):教科書や学習書を使って課題に取り組み、提出して添削を受ける
  • スクーリング(面接指導):学校に登校して授業や指導を受ける
  • 試験:レポートとスクーリングの条件を満たした科目について単位認定試験を受ける

卒業には、3年以上在籍し、74単位以上を修得し、特別活動に参加することが必要です。この条件は全日制・定時制と共通です。

公立の通信制高校の特徴

公立の通信制高校は、多くの場合、全日制の高校に通信制の課程が併設されているか、通信制を持つ独立した学校として設置されています。例えば東京都では、都立新宿山吹高校や都立砂川高校、都立一橋高校などに通信制の課程があります。

入学者選抜は、書類選考や面接、作文で行う学校が多く、全日制のように学力検査の点数と内申点で合否が決まる形とは異なります。中学校の出席日数が入試で大きな不利になりにくい点は、不登校の生徒にとって利点です。募集時期や選抜方法は都道府県や学校によって違うため、各教育委員会の入試要項や学校の募集案内で確認してください。

学費は単位ごとに授業料がかかる仕組みが一般的で、私立の通信制高校より費用を抑えやすい傾向があります。公立・私立を問わず国の高等学校等就学支援金の対象になり、2026年4月から所得制限は撤廃されており、受給資格などの要件を満たす場合に授業料の負担が軽減されます。制度の詳細は文部科学省の高校生等への修学支援のページで確認できます。

受給資格などの詳しい条件は、文部科学省の2026年制度改正の通知を確認してください。

公立の通信制高校を選ぶときの注意点

通信制高校は自分のペースで学べる反面、レポートの提出期限やスクーリングの出席を自分で管理する必要があります。提出が遅れると単位を修得できず、卒業までの期間が延びることがあります。

また、私立の通信制高校やサポート校のように、毎日の学習を見守る担任や個別指導の体制を用意している公立校は多くありません。一人で学習を続ける自信がない場合は、学校説明会や個別相談で、質問できる時間や登校して自習できる日があるかなど、相談体制を具体的に確認しておくと入学後のギャップを減らせます。

公立の定時制高校やチャレンジスクール

定時制高校は、全日制より1日の授業時間が短い高校です。かつては働きながら夜に通う生徒のための学校というイメージがありましたが、現在は不登校を経験した生徒や、自分のペースで学び直したい生徒も多く在籍しています。通信制と違い、教室で授業を受けるため、生活リズムを整えたい人や、先生や同級生と直接関わりながら学びたい人に向いています。

定時制高校の授業形態

定時制高校には、主に次のような授業形態があります。

  • 昼間定時制:日中に授業を行う
  • 夜間定時制:夕方から夜にかけて授業を行う
  • 三部制:午前・午後・夜間の3つの部から、自分の通う部を選ぶ

1日の授業は4時間程度が基本で、卒業までは4年かかるのが一般的です。ただし、三部制の学校などでは、自分の部以外の授業を追加で履修することで3年で卒業できる場合があります。朝起きるのがつらい場合は午後や夜間の部を選ぶなど、体調や生活リズムに合わせて選べる点も特徴です。

定時制高校の入試では学力検査を行う学校もありますが、定員に対する志願者数は学校によって差があります。面接や作文を重視する選抜を設けている学校もあるため、志望校の選抜方法を入試要項で確認してください。

東京都のチャレンジスクール

チャレンジスクールは、東京都が設置している三部制・総合学科の定時制高校です。小・中学校で不登校を経験した生徒や、高校を中途退学した人などを主な対象としています。現在、都立桐ヶ丘高校、都立世田谷泉高校、都立大江戸高校、都立六本木高校、都立稔ヶ丘高校、都立小台橋高校、都立立川緑高校が該当します。都立八王子拓真高校には、別にチャレンジ枠があります。

学校の区分は、東京都のチャレンジスクール・チャレンジ枠の一覧でも確認できます。

チャレンジスクールの入学者選抜では、学力検査と調査書を用いず、志願申告書・作文・面接で合否を判定します。中学校の出席日数や内申点が合否に直接影響しないため、全日制の受験で不登校が不利になることを心配している生徒でも挑戦しやすい仕組みです。志願申告書には、高校で取り組みたいことや入学への意欲を自分の言葉で書きます。

総合学科のため、普通教科に加えて多様な選択科目から自分の興味に合わせて時間割を組めます。少人数での授業や、スクールカウンセラーなどによる相談体制を整えている学校が多く、学校生活に段階的に慣れていくことを想定した環境です。

ほかの都道府県の類似制度

東京都以外でも、不登校経験者や学び直しを希望する生徒を受け入れる公立高校を設けている自治体があります。例えば埼玉県には、午前・午後・夜間の三部制で学べる定時制高校「パレットスクール」があります。名称や選抜方法は都道府県ごとに異なるため、住んでいる地域の教育委員会のホームページや、中学校の進路指導の先生に、不登校経験者を受け入れている公立高校があるかを確認すると、選択肢を具体的に把握できます。

まとめ

不登校でも公立高校は受験できます。「いけない」と言われるのは、出席日数や内申点が調査書を通じて合否に影響する場合があるためです。ただし、その扱いは都道府県や選抜方法によって異なります。

志望する自治体の入試要項で、出席日数の扱い、学力検査と内申点の比率、自己申告書や特別選抜の有無を確認しましょう。フリースクールなどへの通学は、在籍校の校長の判断で出席扱いになる場合があります。全日制が難しいときは、公立の通信制・定時制高校や、東京都のチャレンジスクールも選択肢になります。

執筆者
あした研究室編集部 (あしたけんきゅうしつへんしゅうぶ)
あした研究室編集部は、(株)すららネットの子どもの発達支援室に所属するスタッフと、学び・発達支援に関心を持つ編集チームによって運営されています。教育・発達支援・子育て・学習法などのテーマについて、現場視点と実証的な知見を大切にしながら、企画・取材・執筆・編集・校正・発信まで一貫して取り組んでいます。私たちの使命は、保護者や教育関係者、子ども自身が次の一歩を見つけられるような 信頼できる知見とアイデアを届けること。読者の皆さまには、根拠ある情報と温かい視点を通じて、学びと成長を支えるパートナーでありたいと考えています。