- 1 高卒認定試験とはどのような制度か
- 1-1 高卒認定試験の目的と概要
- 1-2 以前の大検との違い
- 2 高卒認定試験の受験資格と日程
- 2-1 受験できる年齢と条件
- 2-2 試験日程と申し込み方法
- 2-2-1 年間の試験スケジュール
- 2-2-2 受験案内の入手方法
- 2-2-3 出願書類と受験料
- 3 高卒認定試験の難易度と合格率
- 3-1 全体の合格率と科目別の難易度
- 3-2 試験科目と合格ライン
- 3-3 免除制度の活用方法
- 3-3-1 高校で修得した単位による免除
- 3-3-2 技能審査の合格による免除
- 3-3-3 免除を利用する際の注意点
- 4 高卒認定試験に向けた勉強方法
- 4-1 独学で合格するためのポイント
- 4-1-1 過去問で出題形式と自分の実力を確認する
- 4-1-2 受験科目に優先順位をつける
- 4-1-3 数学と英語は中学の内容から復習する
- 4-1-4 学習教材を活用する
- 4-1-5 試験日から逆算して学習計画を立てる
- 4-2 予備校や通信講座の利用
- 4-2-1 主な学習サービスの種類
- 4-2-2 予備校や通信講座を選ぶときの確認点
- 4-2-3 受講費用の負担を軽減する制度
- 5 高卒認定試験合格後の進路
- 5-1 大学受験や専門学校への進学
- 5-1-1 大学・短大の受験資格と選抜方式
- 5-1-2 出願時に必要な書類
- 5-1-3 専門学校への進学
- 5-2 就職活動における履歴書の書き方
- 5-2-1 学歴欄への記載例
- 5-2-2 資格欄に書く場合
- 5-2-3 面接での説明
- 6 まとめ
高卒認定試験(高等学校卒業程度認定試験)は文部科学省が実施する試験で、合格すると高校卒業者と同等以上の学力があると認められ、大学・短大・専門学校の受験資格を得られます。受験資格は受験年度末までに満16歳以上であることで、試験は例年8月と11月の年2回です。一度合格した科目は次回以降も有効で、高校で修得した単位や英検などの資格による科目免除も使えます。ただし、合格しても最終学歴は高卒になりません。本記事では、大検との違い、合格率と科目別の難易度、独学と予備校の選び方、合格後の進路と履歴書の書き方を説明します。
高卒認定試験とはどのような制度か
高卒認定試験は、正式名称を「高等学校卒業程度認定試験」といい、略して「高認」とも呼ばれます。文部科学省が実施する国の試験で、高校を卒業していない人が、高校卒業者と同等以上の学力を持つかどうかを認定します。
高卒認定試験の目的と概要
高卒認定試験の目的は、高校を卒業できなかった人の学習成果を評価し、進学や就職などの機会を広げることです。高校を中退した人のほか、不登校で高校に進学しなかった人、病気や家庭の事情で通学を続けられなかった人、海外で教育を受けた人などが受験しています。
合格者が得られる主な資格や扱いは次のとおりです。
- 大学、短期大学、専門学校の入学試験を受ける資格
- 「高校卒業者」または「高校卒業程度」を応募条件とする一部の採用試験や国家資格試験を受ける資格
- 企業の採用選考で、高校卒業者と同等の学力がある証明として示すこと
注意点として、高卒認定試験に合格しても、学歴が「高校卒業」になるわけではありません。高卒認定試験は「高校卒業程度の学力がある」と認定する制度であり、高校の卒業資格を与えるものではないためです。たとえば高校を中退して合格した場合、最終学歴は「高校中退」のままです。就職先によって合格者の扱いは異なるため、応募前に募集要項で条件を確認する必要があります。
また、18歳未満で全科目に合格した場合、合格者となるのは18歳に達した日の翌日からです。試験は例年8月と11月の年2回実施されます。受験資格や日程の詳細は、次の章で説明します。
合格の効力については、高等学校卒業程度認定試験規則第8条で確認できます。
以前の大検との違い
高卒認定試験は、2005年度(平成17年度)に「大学入学資格検定」、いわゆる大検に代わって始まりました。大検は名称どおり大学に入学する資格を得るための試験でしたが、実際には就職や資格取得に利用する人も多くいました。そこで、大学進学に限らず幅広い場面で活用できるよう、高校卒業程度の学力を認定する試験として見直されました。
大検から高卒認定試験への主な変更点は次のとおりです。
| 項目 | 大検(大学入学資格検定) | 高卒認定試験(高等学校卒業程度認定試験) |
|---|---|---|
| 試験の位置づけ | 大学入学資格を得るための試験 | 高校卒業者と同等以上の学力を認定する試験 |
| 全日制高校に在籍する人の受験 | 受験できない | 受験できる |
| 家庭科 | 試験科目に含まれる | 試験科目から除外 |
| 英語 | 選択科目 | 必修科目 |
なかでも受験者に大きく影響したのは、全日制高校に在籍している人も受験できるようになった点です。この変更により、全日制高校に通いながら合格を目指したり、高校を中退する前から受験の準備を始めたりできるようになりました。
大検に合格した人は、引き続き大検合格者として大学入学資格が認められるため、改めて受験する必要はありません。大検で一部の科目だけに合格していた人も、その合格科目を高卒認定試験の科目に引き継いで受験できます。
高卒認定試験の受験資格と日程

高卒認定試験(正式名称:高等学校卒業程度認定試験)は文部科学省が実施する国家試験で、受験資格の条件は多くありません。一方で、試験は年2回に限られ、出願期間を過ぎると次の回まで受験できません。受験を考えている場合は、受験資格と年間スケジュールを確認したうえで準備を始めることが大切です。
受験できる年齢と条件
受験資格は、受験する年度の末日(3月31日)までに満16歳以上になることです。たとえば、試験を受ける年度内に16歳の誕生日を迎える人は、試験日の時点で15歳であっても受験できます。
学歴による制限はありません。中学校卒業者や高校中退者に加え、全日制・定時制・通信制の高校に在学中の人も受験できます。国籍も問われないため、日本に住む外国籍の人も受験できます。
ただし、すでに大学入学資格を持っている人は受験できません。高校を卒業した人や、高等専門学校の3年次を修了した人などがこれにあたります。
16歳や17歳で全科目に合格した場合、合格者となるのは18歳に達した日の翌日です。それまでは「合格見込み」の扱いとなりますが、18歳になる年度の大学入試は受験できます。
受験資格の詳細や最新の条件は、文部科学省の高等学校卒業程度認定試験のページで確認できます。
試験日程と申し込み方法
試験は毎年、第1回と第2回の計2回行われます。どちらか一方だけを受験することも、両方を受験して科目を分けて合格することもできます。
年間の試験スケジュール
例年のおおよそのスケジュールは次のとおりです。正確な日付は年度ごとに異なるため、受験する年度の受験案内で確認してください。
| 項目 | 第1回 | 第2回 |
|---|---|---|
| 受験案内の配布開始 | 4月上旬頃 | 7月中旬頃 |
| 出願期間 | 4月上旬~5月上旬頃 | 7月中旬~9月上旬頃 |
| 受験票の送付 | 7月中旬頃 | 10月中旬頃 |
| 試験日 | 8月上旬(2日間) | 11月上旬(2日間) |
| 結果通知 | 8月下旬頃 | 12月上旬頃 |
上の表は例年の目安です。2026年度は、第1回の受験票が6月下旬頃、結果通知が9月1日、第2回の受験票が10月下旬頃、結果通知が12月8日の発送予定と案内されています。第2回試験日は11月7日・8日です。実際の手続きには文部科学省の当該年度の日程を確認してください。
試験会場は各都道府県に設けられ、受験者は出願時に受験する都道府県を選びます。住所地以外の都道府県を選ぶこともできます。翌年春の大学入試や専門学校の入試を目指す場合、第2回の結果通知は12月上旬となるため、出願期間や入試日程に間に合うかをあらかじめ確認しておく必要があります。
受験案内の入手方法
出願には、願書が含まれた受験案内が必要です。受験案内は、文部科学省のホームページで案内されている方法でパソコンやスマートフォンから請求するか、各都道府県の教育委員会などの配布場所で受け取れます。請求してから届くまでに日数がかかるため、出願期間の締め切り直前ではなく、配布開始後早めに取り寄せるようにしましょう。
出願書類と受験料
出願時に提出するおもな書類は次のとおりです。
- 受験願書・履歴書
- 写真2枚(縦4cm×横3cm、出願前6か月以内に撮影したもの)
- 住民票または戸籍抄本
- 受験料分の収入印紙
- 科目の免除を申請する場合は、高校の単位修得証明書や技能審査の合格証明書など
- 過去の試験で合格した科目がある場合は、科目合格通知書など
- 氏名や本籍が以前と変わっている場合は、変更を確認できる書類
受験料は受験する科目数によって異なり、3科目以下は4,500円、4科目以上6科目以下は6,500円、7科目以上は8,500円です。現金ではなく、郵便局などで購入した収入印紙を願書に貼り付けて納めます。免除制度によって受験科目が減れば受験料も下がるため、出願前に免除の対象となる科目を確認しておくと費用を抑えられます。
書類がそろったら、受験案内に同封されている封筒を使い、出願期間内に文部科学省へ郵送します。身体の障害などにより受験時に配慮を必要とする場合は、出願時に申請が必要です。書類の不備があると受理されない場合もあるため、提出前に受験案内のチェックリストで確認しておくと安心です。
高卒認定試験の難易度と合格率

高卒認定試験の出題範囲は、主に高校1年生程度の基礎的な内容です。問題の中には中学校で学ぶ知識で解けるものも含まれます。ただし、合格率の数字だけを見ると実際の難易度を読み違えることがあります。ここでは、合格率の正しい読み方、試験科目と合格ラインの目安、受験科目を減らせる免除制度を順に説明します。
全体の合格率と科目別の難易度
文部科学省の高等学校卒業程度認定試験のページでは、試験の回ごとに出願者数、受験者数、合格者数などの実施結果が公表されています。近年は、受験者のうち必要な全科目に合格して高卒認定を得た人の割合がおおむね4〜5割程度です。1科目以上に合格した人まで含めると、9割前後になります。
この割合は、文部科学省の2024〜2025年度各回の実施結果を参考にした目安です。合格率は回ごとに異なるため、受験する年度の公表結果も確認してください。
全科目合格者の割合を見る際には、次の3点に注意が必要です。
- 1回の試験で全科目を合格する必要がなく、複数回に分けて受験する人が多い
- 免除制度を使い、一部の科目だけを受験する人が含まれている
- 出願者数と受験者数は別に集計されており、受験者数は出願者全員の数ではない
そのため、「半数以上が不合格になる難しい試験」と受け止めるのは正確ではありません。数値からは、科目ごとに着実に合格を積み重ねていく試験であることが読み取れます。
科目別に見ると、数学と英語は学習の積み上げが必要なため、中学段階の内容に苦手がある人ほど対策に時間がかかります。数学では計算や方程式の基礎、英語では中学英文法と基本単語が身についているかどうかで、必要な学習量が大きく変わります。一方、国語や地理、歴史、公共、理科は、出題傾向に沿って知識を整理すれば短期間でも得点につなげやすい科目です。ただし、得意・不得意は個人の学習歴によって異なります。過去問題を解いてみて、自分にとって時間がかかる科目を見極めることが大切です。
試験科目と合格ライン
令和6年度の試験から、高校の新しい学習指導要領に対応した科目構成に変わりました。受験者は以下の科目に合格する必要があり、令和8年度からは「情報」が追加されたため、理科の選び方によって合格に必要な科目数は9科目または10科目になります。
| 教科 | 試験科目 | 要件 |
|---|---|---|
| 国語 | 国語 | 必修 |
| 地理歴史 | 地理 | 必修 |
| 地理歴史 | 歴史 | 必修 |
| 公民 | 公共 | 必修 |
| 数学 | 数学 | 必修 |
| 理科 | 科学と人間生活、物理基礎、化学基礎、生物基礎、地学基礎 | 「科学と人間生活」と基礎科目1科目の計2科目、または基礎科目3科目 |
| 外国語 | 英語 | 必修 |
| 情報 | 情報 | 必修 |
2026年度からの科目と合格要件は、文部科学省の令和8年度実施要項で確認できます。
試験はマークシート方式で、1科目あたりの試験時間は50分です。各科目100点満点で採点されます。理科は選択の仕方で科目数が変わるため、「科学と人間生活」を含む2科目で受験すると、受験科目を1つ減らせます。
合格点は公式には公表されていません。一般的には100点満点中40点前後が目安とされていますが、回や科目によって変わる可能性があります。そのため、過去問題で安定して50〜60点以上を取れる状態を目標にすると、本番で多少点数が下がっても合格ラインを確保しやすくなります。過去問題は文部科学省のページで公開されており、出題形式や難易度を事前に確認できます。
40点前後という数字は、受験対策校が示す学習上の目安で、文部科学省が公表した合格基準ではありません。50〜60点という練習目標も、合格を保証する点数ではありません。
一度合格した科目は、その後の試験で受け直す必要がありません。合格の有効期限もないため、1回目で得意科目に合格し、2回目以降で残りの科目に集中するという受け方もできます。
免除制度の活用方法
高卒認定試験では、高校で修得した単位や、指定された技能審査の合格によって、一部の試験科目が免除されます。免除される科目が多いほど、試験当日に受ける科目数と必要な学習量が減ります。高校を中退した人や、英検などの資格をすでに持っている人は、出願前に免除の対象になるか確認する必要があります。
高校で修得した単位による免除
高校に在籍していた期間に修得した単位は、対応する試験科目の免除に使えます。例えば、高校1年生の課程を修了してから中退した人は、国語や数学、英語などの単位をすでに修得している場合があり、それらの科目を受けずに済む可能性があります。免除を受けるには、在籍していた高校から単位修得証明書を取り寄せ、出願書類に添付します。どの科目の単位がどの試験科目の免除に対応するかは科目ごとに定められているため、文部科学省が公開している受験案内で確認してください。
技能審査の合格による免除
文部科学省が指定する技能審査に合格している場合も、対応する科目が免除されます。代表的なものとして、実用英語技能検定(英検)の準2級以上で英語が、実用数学技能検定(数検)の2級以上で数学が免除されます。英検準2級は高校中級程度の内容なので、英語に自信がある人は高卒認定試験の英語を受けるかわりに英検を受験し、その合格で免除を受けるという方法もあります。対象となる技能審査と必要な級・スコアは受験案内に掲載されているため、出願前に確認が必要です。
免除を利用する際の注意点
免除制度を使う場合でも、高卒認定試験で少なくとも1科目を受験し、合格する必要があります。すべての科目を免除だけで満たすことはできません。また、免除を申請するには、単位修得証明書や技能審査の合格証明書を出願時に提出する必要があります。高校に証明書を発行してもらうまでに日数がかかる場合もあるため、出願期間に間に合うよう早めに準備してください。
このほか、一部の科目に合格した人が、通信制高校などで残りの科目の単位を修得すると高卒認定試験の合格者になれる「科目履修制度」もあります。試験での合格が難しい科目がある場合に利用できる方法です。
通信制高校での学び方や高校卒業との違いを知りたい場合は、通信制高校の仕組みと学習・進路サポートも参考になります。科目履修の受入れや高卒認定への利用条件は、各校へ個別に確認してください。
高卒認定試験に向けた勉強方法

高卒認定試験の勉強方法は、主に「独学」と「予備校・通信講座の利用」の2つです。どちらを選ぶかは、受験する科目数、学習ブランクの長さ、使える時間と費用で変わります。高卒認定試験は一度合格した科目が次回以降も有効なため、全科目を一度に合格する計画と、複数回に分けて合格する計画のどちらも立てられます。
独学で合格するためのポイント
高卒認定試験の出題範囲は高校1年生で学ぶ基礎的な内容が中心で、解答はマークシート方式です。記述問題がないため、市販の参考書と過去問で独学しやすい試験といえます。独学で合格するために押さえたい点は次のとおりです。
過去問で出題形式と自分の実力を確認する
文部科学省は、過去に実施した試験問題と正答を文部科学省の高等学校卒業程度認定試験のページで公開しています。勉強を始める前に1回分を解くと、問題数、問われ方、1科目50分の時間配分がわかります。正解できた問題と解けなかった問題を分けておくと、どの単元から手をつけるべきかが決まります。
令和6年度の試験から、新しい高等学校学習指導要領に合わせて地理歴史・公民などの科目構成が変わりました。令和5年度以前の過去問を使うときは、現在の試験科目に含まれない単元が出ていないか確認してください。
受験科目に優先順位をつける
受験する科目が多い人は、全科目を同じ時間配分で勉強するより、得意不得意によって配分を変えるほうが効率的です。たとえば次のように分けて計画できます。
- 過去問で合格点に近い点数が取れた科目:試験前に過去問を数回分解いて確認する程度にする
- 暗記中心の科目(歴史、公共、生物基礎など):用語と流れを覚えれば得点につながりやすいため、短期間で集中して取り組む
- 積み上げが必要な科目(数学、英語):時間がかかるため、早い段階から毎日少しずつ取り組む
数学と英語は中学の内容から復習する
数学と英語は、中学の内容を理解していないと高校範囲の問題も解けません。数学なら正負の数・方程式・関数、英語なら基本文法と中学レベルの単語が土台です。過去問で手が止まる場合は、中学の総復習用の問題集を1冊終えてから高卒認定試験用の参考書に進むと、理解が速くなります。
学習教材を活用する
教科書の内容を映像で確認したいときは、NHKが配信している「NHK高校講座」が使えます。利用前に、受信契約についての案内を確認してください。高校の各科目の授業を1回あたり短時間で視聴できるため、参考書だけでは理解しにくい単元の補助になります。月額制の学習アプリでは、リクルートの「スタディサプリ」のように中学・高校範囲の講義動画を配信しているサービスもあります。
試験日から逆算して学習計画を立てる
高卒認定試験は年2回実施されます。受験する回を決めたら、試験日までの週数と受験科目数から、1週間ごとに取り組む科目と範囲を割り振ります。仕事やアルバイトと両立する人は、平日は暗記科目を短時間、休日は数学や英語にまとまった時間を使うなど、生活に合わせて組み立てると続けやすくなります。計画どおりに進まなかった週は、翌週に持ち越すか、その回で受ける科目を減らして次回に回すかを判断します。
予備校や通信講座の利用
独学で計画を立てて進めることに不安がある人や、学習ブランクが長い人は、高卒認定試験対策を扱う予備校や通信講座を利用する方法があります。費用はかかりますが、教材選びや学習計画の作成を任せられ、わからない部分を質問できます。
主な学習サービスの種類
高卒認定試験の対策サービスは、通い方によって次の3つに分かれます。
| 種類 | 学習の進め方 | 向いている人 |
|---|---|---|
| 通学型の予備校 | 教室で授業や個別指導を受ける | 決まった時間に通うことで学習習慣をつけたい人 |
| 通信講座 | 送られてくる教材や映像授業で自宅学習し、添削や質問対応を受ける | 仕事などで通学時間を確保しにくい人 |
| 家庭教師・オンライン個別指導 | 講師とマンツーマンで学習する | 苦手科目を集中的に教わりたい人 |
高卒認定試験向けのコースを設けている例として、四谷学院の「高卒認定試験対策コース」、高卒認定試験専門の「J-Web School」、家庭教師のトライ系列の「トライ式高等学院」などがあります。コース内容や費用は各社で異なり、改定されることもあるため、受講前に各社の公式サイトや資料で最新の情報を確認してください。
予備校や通信講座を選ぶときの確認点
受講先を比較するときは、次の点を確認すると自分に合うかどうかを判断しやすくなります。
- 受講する科目だけを選んで申し込めるか(免除科目や合格済み科目の分を払わずに済むか)
- 質問方法(対面、メール、チャットなど)と回答までにかかる日数
- 学習計画の作成や進捗管理をしてもらえるか
- 合格後の大学受験対策や進路相談まで対応しているか
- 不合格だった場合のサポート期間の延長や再受講の条件
受講費用の負担を軽減する制度
ひとり親家庭の親や子どもが対象の「ひとり親家庭高等学校卒業程度認定試験合格支援事業」では、高卒認定試験合格のための講座を受講した場合に、受講費用の一部が支給されます。実施の有無、対象となる講座、支給額や申請の時期は自治体によって異なり、多くの場合は受講開始前の相談や申請が必要です。対象になる可能性がある人は、講座に申し込む前に住んでいる市区町村の担当窓口に問い合わせてください。
国の案内では現在「ひとり親家庭学び直し支援事業」という名称です。自治体の案内では旧名称が使われていることもあるため、実施状況と対象条件を窓口で確認してください。
数学や英語で中学の内容に戻って復習したい場合は、自宅で理解度に合わせて進められる教材も選択肢になります。
無学年式オンライン教材「すらら」なら、学校の進度や学年に縛られず、理解できているところまで戻って自宅で学習できます。
高卒認定試験の準備では、基礎の復習と、文部科学省の過去問題による試験対策を組み合わせて考えましょう。
高卒認定試験合格後の進路

高卒認定試験に合格すると、「高等学校卒業者と同等以上の学力がある」と認められます。合格後の主な進路は、大学・短期大学・専門学校への進学と就職の2つです。ただし、合格によって得られるのは受験資格や応募資格であり、最終学歴が「高校卒業」になるわけではありません。この点は進学でも就職でも手続きや書類の書き方に関わります。制度の詳細は文部科学省の高等学校卒業程度認定試験のページで確認できます。
大学受験や専門学校への進学
高卒認定試験の合格者は、大学・短期大学・専門学校の入学試験を受けられます。全科目に合格した時点で18歳未満の場合は、18歳に達した日の翌日から合格者として扱われます。そのため、大学などに入学できるのも18歳になってからです。
大学・短大の受験資格と選抜方式
大学入学共通テストを含め、一般選抜は高校卒業者と同じ条件で受験できます。国公立大学を目指す場合は、共通テストの出願手続きを含めて、大学入試センターが公表する日程を早めに確認しておく必要があります。
一方、学校推薦型選抜は出身高校の校長による推薦を条件とする場合が多いため、高卒認定試験の合格者は出願できないことがあります。総合型選抜は、大学や学部によって高卒認定試験合格者の出願を認めるかどうかが異なります。志望校の募集要項で出願資格を確認してください。
出願時に必要な書類
高校卒業者は出願時に調査書を提出しますが、高卒認定試験の合格者は調査書の代わりに「合格成績証明書」を提出するのが一般的です。合格成績証明書は文部科学省に申請して発行を受けます。手元に届くまで日数がかかるため、出願期間から逆算して早めに申請しましょう。大学によっては「合格証明書」を求める場合もあるので、募集要項で必要な書類の種類を確認してください。
専門学校への進学
専門学校(専修学校の専門課程)も、高卒認定試験の合格者は高校卒業者と同じく入学資格があります。看護、医療事務、調理、美容、IT、デザインなど、特定の職業に必要な知識や技術を学べます。国家資格の受験資格を得られる養成課程も多くあります。一部の学校では書類選考や面接で高卒認定試験を選んだ経緯を聞かれることがあるため、志望動機と合わせて説明できるようにしておくと安心です。
なお、高卒認定試験の合格者が大学や専門学校を卒業すると、最終学歴は「大学卒業」「専門学校卒業」になります。学歴を高校卒業より上に更新したい場合も、進学は現実的な選択肢です。
就職活動における履歴書の書き方
高卒認定試験の合格は学歴ではないため、合格しても履歴書に「高等学校卒業」とは書けません。最終学校が中学校、または高校中退の場合はその事実を記載したうえで、高卒認定試験の合格を別に記載します。「高卒以上」を条件とする求人に応募できるかどうかは企業や職種によって異なります。応募前に募集要項を確認するか、採用担当者に問い合わせましょう。
学歴欄への記載例
高卒認定試験の合格は、学歴欄に続けて書く方法が多く用いられています。高校を中途退学した人の場合は、次のように記載します。
| 年 | 月 | 学歴 |
|---|---|---|
| 20XX | 3 | ○○市立○○中学校 卒業 |
| 20XX | 4 | ○○県立○○高等学校 入学 |
| 20XX | 9 | ○○県立○○高等学校 中途退学 |
| 20XX | 12 | 高等学校卒業程度認定試験 合格 |
略称の「高認」や「高卒認定」ではなく、正式名称の「高等学校卒業程度認定試験」と書きます。合格年月は合格証書に記載された日付に合わせると、書類の提出を求められた場合も内容が一致します。
資格欄に書く場合
学歴欄には在籍した学校のみを書き、高卒認定試験の合格を資格欄に記載する方法もあります。どちらの書き方でも誤りではありませんが、学歴欄に書くと学歴の流れの中で合格時期が伝わり、高校卒業と同等の学力があることを採用担当者が把握しやすくなります。企業から指定がある場合はその指示に従ってください。
面接での説明
面接では、高校を卒業せずに高卒認定試験を受けた理由を聞かれることがあります。中退や不登校の経緯は簡潔に事実を伝え、その後に自分で学習計画を立てて合格したこと、合格までの期間に取り組んだことを具体的に話すと、仕事への姿勢を伝える材料になります。たとえば「働きながら半年間で8科目に合格した」のように、期間や行動を数字で示すと伝わりやすくなります。
まとめ
高卒認定試験は、文部科学省が実施する、高校を卒業していない人が高校卒業者と同等以上の学力があるかを認定する試験です。受験年度末までに満16歳以上になる人が受験でき、試験は毎年8月と11月の年2回行われます。
合格には必要な科目すべてに合格する必要がありますが、合格した科目は次回以降に持ち越せます。高校で修得した単位や英検などの資格を使えば、一部の科目が免除されます。
合格すると大学・短大・専門学校の受験資格を得られます。ただし、18歳未満で合格した場合、合格者となるのは18歳に達した日の翌日からです。最終学歴は高卒にならないため、履歴書には「高等学校卒業程度認定試験 合格」と書きます。