閉じる

高校の出席日数はどれくらい必要?欠席が増えたときの留年・単位の確認ポイント

高校の出席日数は法律で一律に決まっておらず、各学校の学則で定められています。全日制高校では、科目ごとの授業時数の3分の2以上の出席を単位認定の条件とする学校が多く、欠席が3分の1を超えると単位を落とし、留年につながるおそれがあります。定時制も同様の基準を設ける学校が多い一方、通信制は登校日数ではなくレポートの提出とスクーリングへの出席、試験の結果などで単位を判定します。この記事では、自分の学校の基準を確認する方法、診断書がある欠席の扱い、別室登校や通信制高校への転入といった対処法を説明します。

高校の出席日数はどれくらい必要か

高校の出席日数について、全国共通で「何日以上出席すれば進級できる」と定めた法律はありません。学校教育法施行規則では、校長が生徒の平素の成績を評価して、各学年の課程の修了や卒業を認めると定めています(第57条を高校に準用する第104条)。出席の具体的な基準は、各学校が学則や内規で決めています。

そのため、必要な出席日数は学校によって異なります。また、全日制・定時制・通信制では通学の形が違うため、「出席」として数えるものも変わります。

課程通学の形出席の主な判断材料
全日制平日の昼間に毎日通学する出席しなければならない日数に対する出席日数の割合
定時制夜間や昼間の数時間に通学する出席日数や授業時数の割合(学年制か単位制かで異なる)
通信制自宅学習が中心で、決められた日に登校するスクーリング(面接指導)への出席時間数

全日制高校で必要な出席日数

全日制高校の年間授業日数は、学校や年度によって差がありますが、おおむね200日前後です。多くの学校では、出席しなければならない日数の3分の2以上の出席を、進級を認める目安にしています。年間200日の場合、約134日以上の出席が必要で、欠席はおよそ66日までという計算になります。ただし、欠席が3分の1を超えたら直ちに留年とするのではなく、進級判定会議で個別に審議する学校もあります。反対に、3分の2より厳しい基準を設けている学校もあるため、在籍校の学則で確認してください。

ここでいう「出席しなければならない日数」は、授業日数から次のような日数を差し引いたものです。高校の指導要録にも、この考え方に沿って「出席停止・忌引き等の日数」を記録する欄があります。

  • インフルエンザなどの感染症による出席停止の日数(学校保健安全法第19条に基づく)
  • 家族が亡くなったときの忌引きの日数
  • 学校が認めた公欠の日数(部活動の公式大会や入学試験の受験などを公欠とするかは学校ごとに異なる)

これらの日は欠席として数えないため、出席日数の割合を計算するときの分母からも外れます。一方、体調不良や家庭の事情で休んだ日は、診断書がある場合でも原則として欠席に数えられます。診断書がある場合の扱いについては、後の章で説明します。

遅刻や早退の扱いも学校ごとに決められており、「遅刻3回で欠席1日」と換算する学校があります。また、全日制高校では欠席日数とは別に、授業1時間ごとの欠席(欠課)も記録されます。そのため、欠席日数が基準内であっても、特定の科目の欠課が多ければ単位を修得できない場合があります。

定時制高校で必要な出席日数

定時制高校は、夜間部のほか、昼間部や午前・午後・夜間の三部制を設けている学校もあります。1日の授業時間は4時間程度の学校が多く、全日制と同じように平日はほぼ毎日通学します。学校教育法第56条で修業年限は「3年以上」とされており、4年で卒業する課程が一般的です。授業の追加履修などにより3年で卒業できる「三修制」を導入している学校もあります。

出席の基準は、学校が学年制と単位制のどちらをとっているかによって異なります。

  • 学年制の場合:全日制と同様に、出席しなければならない日数の3分の2以上などの基準で、学年ごとに進級が判定されるのが一般的です。
  • 単位制の場合:学年ごとの進級判定がなく、科目ごとの出席時数によって単位が認定されます。欠席が多かった科目だけを翌年度以降に履修し直す形になり、学年全体をやり直すことはありません。

定時制高校には働きながら通う生徒も在籍していますが、仕事を理由とした欠席をどう扱うかは学則で決められています。仕事と通学を両立させる予定がある場合は、入学前や在籍中に学校の基準を確認しておく必要があります。

通信制高校で必要な出席日数

通信制高校には毎日の登校がないため、全日制のような「出席日数」の基準はありません。単位を修得するには、次の3つをすべて満たす必要があります。

  • レポート(添削指導)の提出
  • スクーリング(面接指導)への出席
  • 単位認定試験の合格

出席が求められるのはスクーリングです。必要な時間数の標準は高等学校学習指導要領で教科ごとに示されており、各学校はこれをもとに時間数を定めています。主な教科の1単位あたりの標準は次のとおりです。

教科添削指導(1単位あたり)面接指導(1単位あたり)
国語・地理歴史・公民・数学3回1単位時間
理科3回4単位時間
保健体育(体育)1回5単位時間

1単位時間は50分が標準です。たとえば3単位の数学の科目では面接指導が3単位時間、2単位の理科の科目では8単位時間が標準になります。これに加えて、ホームルームなどの特別活動に、卒業までに30単位時間以上出席する必要があります。テレビやインターネットなどのメディアを利用した学習で成果が認められた場合は、面接指導の時間数のうち10分の6以内を免除できる仕組みもあります。

年間の登校日数は、学校やコースによって大きく異なります。年に数日間の集中スクーリングで済む学校もあれば、週1日から週5日まで通学日数を選べるコースを設けている学校もあります。修業年限は定時制と同じく3年以上で、卒業には74単位以上の修得などが必要です。

通信制高校での学習や学校生活については、あした研究室の「通信制高校のリアルな生活と、進学率を高める個別サポートの裏側」でも紹介しています。登校の形や支援内容は学校ごとに確認してください。

高校で欠席が増えたときの留年と単位の仕組み

出席日数、科目ごとの欠課時数、学習成果による単位の修得を分けて確認する図解

高校の進級や卒業は、出席日数や「単位を修得できたかどうか」に加え、特別活動の成果など、学校の定める要件に沿って判定されます。欠席が増えると授業を受けた時間が足りなくなり、単位を修得できず、結果として留年(原級留置)につながります。ここでは、単位の仕組みと、欠席が留年に結びつく流れを説明します。

進級や卒業に必要な単位数とは

高校の授業は「単位」という量で数えます。文部科学省の高等学校学習指導要領では、1単位時間を50分とし、35単位時間の授業を1単位とすることを標準としています。週1コマ(50分)の授業を1年間受けると、おおむね1単位になる計算です。

卒業に必要な単位数は、学校教育法施行規則第96条で74単位以上と定められています。ただし、これは法令上の最低ラインです。実際の卒業要件は各学校が教育課程の中で決めており、全日制高校では週の授業時数が多いため、3年間で74単位を上回る単位を履修する学校が一般的です。

単位を得るまでには、次の2つの段階があります。

段階内容主な判定材料
履修その科目の授業に必要な時間数だけ出席したと認められること出席時数・欠課時数
修得履修したうえで、学習の成果が合格基準に達したと認められること定期考査、提出物、授業態度などの評価

テストで高得点を取っても、履修が認められなければ単位は修得できません。出席は、単位修得の前提条件にあたります。

進級の判定方法は、学校の課程の種類によって異なります。

  • 学年制:学年ごとに定められた科目の単位を修得できたかで進級を判定します。全日制高校の多くはこの方式で、修得できない科目があると、学校の規定によっては留年になります。
  • 単位制:学年による区分がなく、在学中に修得した単位の合計に加え、修業年限や特別活動の成果などの卒業要件を満たせば卒業できます。修得できなかった単位は、次年度以降に取り直す形になります。

学校教育法施行規則では、各学年の課程の修了は校長が平素の成績を評価して定めることとされており、何単位を落とすと留年になるかといった具体的な基準は学校ごとに異なります。

欠席日数が基準を超えると留年になる理由

欠席が留年につながるのは、次の流れによるものです。

  1. 欠席が増え、授業に出席した時間が足りなくなる
  2. 科目の履修が認められない
  3. 単位を修得できない
  4. 進級や卒業に必要な単位がそろわず、原級留置(留年)となる

欠席の上限は法令で全国一律に決められているわけではなく、各学校が学則や内規で定めています。多くの学校では「出席すべき日数(または授業時数)の3分の1を超えて欠席した場合は履修を認めない」といった基準を設けていますが、4分の1や5分の1など、より厳しい基準を置く学校もあります。

たとえば、年間の出席すべき日数が200日で、基準が3分の1の学校の場合、欠席が67日以上になると基準を超えます。基準に届かない範囲であっても、特定の科目の欠課が多いと、その科目だけ履修が認められないことがあります。

欠席日数の数え方にも、学校ごとの扱いがあります。

  • インフルエンザなどの感染症による出席停止や忌引は、欠席として数えず、出席すべき日数から除く扱いが一般的です。
  • 遅刻や早退を「3回で欠席(欠課)1回」のように換算する学校があります。
  • 病気による欠席でも、出席停止に当たらない場合は通常の欠席として数えられることが多いです。

このように、同じ欠席日数でも、学校の基準や欠席の理由によって留年の可能性は変わります。

科目ごとの出席日数の重要性

履修の判定は、1日単位の出席日数だけでなく、科目ごとの「欠課時数」(その科目の授業を欠席した回数)で行われることが多くあります。1日の欠席であっても、その日に組まれていた複数の科目にそれぞれ欠課がつきます。

欠課時数の上限が授業時数の3分の1の場合、科目の単位数ごとの目安は次のとおりです。

科目の単位数年間の授業時数(標準)履修が認められなくなる欠課時数の目安
2単位(週2コマ)70単位時間24時間以上
3単位(週3コマ)105単位時間36時間以上
4単位(週4コマ)140単位時間47時間以上

※実際の授業時数は、行事や祝日の関係で標準より少なくなることがあり、上限の時数も学校によって異なります。

週あたりのコマ数が少ない科目ほど、少ない欠課で上限に達します。また、月曜日に休みがちな場合は、月曜日に授業がある科目だけ欠課が集中するように、休む曜日に偏りがあると特定の科目が先に上限を超えることがあります。全体の出席日数に余裕があっても、1科目でも履修が認められなければ、その科目の単位は修得できません。

特に注意が必要なのは、必履修科目の扱いです。国語や数学、保健体育など、すべての生徒が履修しなければならない科目でも、単位の修得を卒業要件とするかは学校の定めによります。学年制の学校では、こうした科目の未修得が留年の判断に直結するケースがあります。

履修と修得、卒業要件の違いは、文部科学省の高等学校学習指導要領解説・総則編(139〜141頁)で確認できます。

体育の実技や専門学科の実習では、見学を出席として扱うかどうか、実技の欠課を補習で補えるかどうかが学校や科目によって異なります。科目ごとの欠課時数は、通知表や学校の成績管理システムで確認できる場合があるため、欠席が増えてきた段階で科目別に把握しておくと、どの科目が上限に近いかを早めに判断できます。

高校の出席日数が足りないときの確認ポイント

学校の規定、欠席と欠課の記録、補習等の対応、必要書類を確認する相談手順

出席日数が足りるかどうかは、学校ごとの規定と自分の欠席・欠課の記録を照らし合わせて判断します。「あと何日休めるか」を感覚で判断すると、科目によっては上限を超えていたということが起こります。まず規定と記録を確認し、そのうえで先生に相談し、病気など特別な事情があれば必要な書類をそろえます。

学校の学則や生徒手帳を確認する

進級や単位認定に必要な出席の基準は、各高校が学則や内規で定めています。生徒手帳や入学時に配られた「学校生活のしおり」などに、進級規定や単位修得の条件として載っていることが多いので、まずそれを読みます。手元に見当たらない場合は、学校に問い合わせて確認できます。

確認するときは、次の項目に注目すると、自分の状況に当てはめやすくなります。

  • 欠課時数の上限が科目ごとに決まっているか、年間の欠席日数で決まっているか
  • 上限が「授業時数の何分の1」など、どのような計算方法で示されているか
  • 遅刻や早退が欠課に換算されるか(例として「遅刻3回で欠課1時間」とする学校があります)
  • 忌引、出席停止、公欠(学校が認めた大会や行事への参加など)が欠席に数えられるか
  • 上限を超えた場合に、補習や追認考査などで単位を認定する制度があるか

規定を確認したら、自分の現在の欠席日数と科目ごとの欠課時数を把握します。通知表や学校の連絡システムで確認できる場合もありますが、最新の正確な数は担任や教科担当の先生に聞くのが確実です。特に週あたりの授業時間が少ない科目は年間の授業時数自体が少ないため、上限に達するまでの時間も少なくなります。

担任の先生や学年主任に相談する

欠席が続いているときは、上限を超える前に担任の先生へ相談します。上限に近づいた段階で相談すれば、補習の日程を組む、出席が必要な授業を優先するなど、残りの期間でとれる対応を一緒に考えてもらえます。進級の可否は年度末の進級判定会議などで決まる学校が多く、判定の後では選択肢が限られます。

相談先は、内容によって使い分けると話が進みやすくなります。

  • 担任の先生:全体の欠席状況、進級規定の解釈、今後の見通し
  • 教科担当の先生:その科目の欠課時数、課題や補習で補えるかどうか
  • 学年主任:学年としての判断や、担任だけでは決められない対応
  • 養護教諭やスクールカウンセラー:体調や気持ちの面で登校が難しい理由の整理

相談の前に、欠席の理由とこれからの登校の見込みを整理し、聞きたいことをメモしておきます。たとえば「現在の欠席日数と科目ごとの欠課時数」「各科目であと何時間まで欠課できるか」「補習や課題提出で補える制度があるか」「進級判定はいつ行われるか」などです。保護者が同席するか、保護者から学校に連絡を入れると、家庭と学校で同じ情報を共有できます。先生から説明された数字や条件は、後で食い違いが起きないように書き留めておきます。

診断書など特別な事情がある場合の対応

病気やけが、入院などで休んだ場合は、医師の診断書や入院証明書を学校に提出できるか確認します。診断書があれば欠席の事情を学校が把握でき、補習や課題での対応、登校時間の配慮などを検討してもらう材料になります。ただし、診断書を出せば欠席が出席扱いになるとは限らず、どのような配慮をするかは学校の規定と判断によります。

インフルエンザや新型コロナウイルス感染症などの感染症にかかった場合は、学校保健安全法第19条にもとづき、校長が出席停止を指示できます。出席停止の期間は通常の欠席とは区別して扱われるため、医療機関を受診した結果を学校に連絡し、欠席ではなく出席停止として記録されているかを確認します。登校を再開する際に、医師の証明書や学校指定の書類の提出を求める学校もあります。

起立性調節障害のように、朝起きられない、午前中に体調が悪化するといった症状が続く場合も、医療機関で診断を受けたうえで学校に伝えると、遅刻の扱いや授業への参加方法について相談しやすくなります。家族の事情など医療以外の理由で登校が難しい場合も、状況を具体的に伝えることで、学校が対応を検討するきっかけになります。書類の提出期限や提出先は学校によって異なるため、担任の先生に確認してから準備します。

出席日数が不足しそうな場合の対処法

別室登校、通信制への転入、学校比較で確認したい条件を整理した図解

出席日数の不足が見えてきた段階で取れる対応は、大きく2つあります。今の高校に籍を置いたまま登校の形を変えて出席を積み上げる方法と、出席の仕組みが異なる通信制高校へ移る方法です。どちらが合うかは、教室に入れない理由、残りの授業時数、すでに修得した単位数によって変わります。学年末に近づくほど選択肢が減るため、欠席や欠課が増え始めた時点で検討を始めることが大切です。

在籍校によっては、不登校の高校生等を対象とした通信教育や遠隔授業を相談できる場合もあります。実施の有無や単位認定の条件を在籍校に確認してください。

保健室登校や別室登校の活用

保健室登校は、登校して教室ではなく保健室で過ごす形です。別室登校は、相談室や空き教室など学校が用意した部屋で過ごす形を指します。体調不良、人間関係、教室の雰囲気への不安などで教室に入れなくても、学校には来られる場合に使われます。

出席の扱いには注意が必要です。校内に登校していれば、その日は出席として記録されることが多くあります。ただし、高校の単位認定は科目ごとの授業時数で判断されるため、保健室や別室にいた時間は、その時間の授業は「欠課」として数えられる場合があります。登校した日数は足りていても、特定の科目の欠課時数が上限を超え、単位を落とすことがあるということです。どのように記録されるかは学校ごとに異なるため、利用を始める前に次の点を担任や養護教諭に確認しておくと安心です。

  • 保健室や別室で過ごした日は「出席」になるのか
  • 授業に出なかった時間は欠課として数えられるのか
  • 別室で取り組んだ課題やプリントが、授業の代わりや成績評価に反映されるのか
  • 欠課時数が上限に近い科目はどれで、あと何時間まで休めるのか

欠課時数に余裕がない科目がある場合は、その科目の時間だけ教室に入る、1時間目だけ出て別室に移るなど、科目単位で出席を調整する方法もあります。学校によっては、別室で課題を提出することや、補習を受けることを条件に評価してくれる場合もあります。

利用を始めるときは、担任のほか、養護教諭やスクールカウンセラーにも相談すると、過ごし方や教室に戻る段階を一緒に決めてもらえます。保護者が先に学校へ連絡し、本人が来校したときの受け入れ方を決めておくと、初日の負担を減らせます。

また、学校外の公的機関や民間施設で相談や指導を受けている場合、文部科学省の通知により、一定の要件を満たし校長が認めれば、指導要録上の出席扱いとされることがあります。ただし、要件の判断や単位認定への反映は学校ごとに行われるため、利用している施設があれば学校に申し出て、出席扱いになるかを確認する必要があります。

この取扱いは、文部科学省の高校生が学校外施設で相談・指導を受ける場合の通知によるものです。指導要録上の出席扱いと、科目の履修認定に必要な授業への出席は別に確認します。

通信制高校への転入や編入を検討する

保健室登校や別室登校でも欠課時数の上限を超えそうな場合や、毎日の登校そのものが難しい場合は、通信制高校へ移ることが選択肢になります。通信制高校では、毎日の授業への出席ではなく、レポートの提出、スクーリング(面接指導)への出席、試験の合格によって単位を修得します。全日制のように年間を通した欠課時数で単位を失う仕組みではないため、登校日数を理由に留年する状況を避けやすくなります。

転入と編入の違い

今の高校に在籍したまま、空白期間を作らずに通信制高校へ移ることを「転入」といいます。一方、すでに高校を退学した人や、留年が決まって退学した人が入り直すことを「編入」といいます。

転入であれば在籍期間が途切れないため、同学年の人と同じ時期に卒業を目指しやすくなります。私立の通信制高校では、転入を年間を通して随時受け付けている学校が多くあります。一方、編入は受け入れ時期が年度初めなどに限られる学校もあり、退学してから入学までに間が空くことがあります。出席日数が不足しそうな段階であれば、退学を決める前に転入を検討するほうが、選べる時期や学校の幅が広くなります。

修得済みの単位と在籍期間の引き継ぎ

高校を卒業するには、3年以上の在籍と74単位以上の修得などが必要です。通信制高校の多くは単位制のため、前の高校で修得した単位と在籍期間を引き継ぎ、残りの単位を修得すれば卒業できます。たとえば2年生の途中で転入した場合でも、1年生で修得した単位は卒業に必要な単位に含められます。

注意したいのは、年度の途中で移る場合の扱いです。前の高校でまだ単位認定を受けていない科目は、原則としてその高校の単位にはならず、転入先で改めて履修することになります。どの科目が引き継がれ、残り何単位が必要になるかは、前の高校が発行する単位修得証明書をもとに転入先が判断します。転入の時期によって卒業時期が変わる場合もあるため、相談の段階で「いつ転入すれば何年何月に卒業できるか」を具体的に確認しておく必要があります。

通信制高校を選ぶときの確認点

通信制高校は、公立と私立で受け入れ時期や費用、サポート体制が異なります。公立は学費を抑えられる一方、転入の受け入れ時期が限られていることや、自分で学習を進める力が求められることが多い傾向にあります。私立は学費が公立より高くなりやすいものの、通学コースやオンラインでの学習支援、個別指導などを用意している学校があります。授業料については、通信制高校も国の高等学校等就学支援金の対象となり、国籍・在留資格や在学期間などの条件を満たせば支給を受けられます。

2026年4月から就学支援金の所得制限は撤廃されています。経過措置を含む対象要件や申請方法は、文部科学省の就学支援金のQ&Aと転入先で確認してください。

転入先を比べるときは、次の点を確認しておくと判断しやすくなります。

  • 転入を受け付けている時期と、出願から転入までにかかる期間
  • スクーリングの日数と会場の場所、自宅から通えるかどうか
  • レポートの提出方法(郵送、オンラインなど)と、学習でつまずいたときの相談先
  • 前の高校の単位がどこまで認められ、何年何月に卒業できる見込みか
  • 学費の総額と、就学支援金を差し引いた実際の負担額

転入には前の高校が発行する在学証明書や単位修得証明書などが必要になるため、検討を始めた時点で今の高校の担任に伝えておくと、手続きを進めやすくなります。資料請求や個別相談だけであれば、転入を決める前でも利用できる学校が多いため、複数の学校を比べたうえで決めることができます。

まとめ

高校の出席日数の基準は法律で一律に決まっておらず、各校の学則で定められています。全日制や定時制では、科目ごとの授業時数の3分の1を超えて欠席すると単位が認められないとする学校が多く、単位が足りなければ留年につながります。通信制ではスクーリングへの出席とレポートの提出、試験の結果などが単位取得の条件です。

欠席が増えたら、まず学則や生徒手帳で基準を確認し、担任の先生に相談しましょう。病気などの事情があれば、診断書を提出することで欠席の扱いが変わる場合があります。登校が難しいときは、別室登校や通信制高校への転入も選択肢になります。

執筆者
あした研究室編集部 (あしたけんきゅうしつへんしゅうぶ)
あした研究室編集部は、(株)すららネットの子どもの発達支援室に所属するスタッフと、学び・発達支援に関心を持つ編集チームによって運営されています。教育・発達支援・子育て・学習法などのテーマについて、現場視点と実証的な知見を大切にしながら、企画・取材・執筆・編集・校正・発信まで一貫して取り組んでいます。私たちの使命は、保護者や教育関係者、子ども自身が次の一歩を見つけられるような 信頼できる知見とアイデアを届けること。読者の皆さまには、根拠ある情報と温かい視点を通じて、学びと成長を支えるパートナーでありたいと考えています。