親の会
新宿アレーズ
基本情報
| 代表者 | 石垣 慧 |
|---|---|
| 設立 | 2025年4月 |
| 開催場所 | 新宿区市谷左内町11-204 |
| 開催日時 | 毎月第二土曜日11時より |
| 参加費用 | 費用は掛かりません |
| TEL | |
| shinjuku@a-laise.org |
運営者からのメッセージ
勉強が追いつけなくなるのでは……
進学はどうなってしまうのか……
朝起きられず生活リズムが乱れ始めた……
ゲームやYouTubeばかりでつい口を出してしまう……
夫婦で考えが合わず家の空気が悪くてつらい……
このような不安や悩みは尽きないかと思いますが、お一人で悩まず、他の当事者の方と一緒にお話ししませんか。
自身が不登校の経験をしたスタッフ、息子が不登校を経験したスタッフなど、不登校・フリースクールに10年以上かかわっているスタッフも一緒にお話しさせていただきます。
インタビュー
東京・新宿でフリースクール「新宿アレーズ」を運営する石垣 慧さんは、「まずは大人が安心すること、そして子どもにプレッシャーを与えないことが何よりの薬になる」と語ってくださいました。
実体験をもとに、勉強へのコンプレックスや拒絶反応を持つ子どもの心に深く寄り添い、本人のエネルギーが回復するまでじっくり「待つ」姿勢を徹底。
これまで多くの子どもたちの成長や進路を見届けてきた豊富な知見を活かし、将来に不安を抱える保護者に対して、実例に基づいた確かな安心感を提供している。
写真:新宿アレーズホームページより
1. 「不登校」を自ら経験したからこそわかる、学習への「エネルギー」の正体

ーー まずは、新宿アレーズを立ち上げた経緯と、石垣さん自身の背景を教えてください。
石垣: 私自身、中学時代にほとんど学校に行かない「不登校」を経験しています。そこから通信制高校を経て大学へ進み、大学時代にフリースクールと出会いました。インターンから数えるとスタッフ歴は10年以上になります。フリースクール「新宿アレーズ」は、より「居場所」としての純度を高めるために、完全に民間の一般社団法人として立ち上げました。
ーー フリースクール「新宿アレーズ」では学習支援もされていますが、「無理に勉強をさせない」という方針が印象的です。
石垣: 不登校の子の多くは、学校と勉強が結びついて拒絶反応を持っています。エネルギーが枯渇している状態で無理に勉強をさせても、吸収はできません。
面白いのは、居場所で安心して過ごしているうちに、子どもたちの心境が「勉強したくない」から「やらないほうが不安だ、焦ってきた」へと変化する瞬間があることです。私たちはそのサインを見逃さず、あえて本人が「やりたい」と口にするまで待つ。この「待ち」の時間があるからこそ、自発的な学びに繋がるのです。
2. ドラマのモデルにもなった「自由すぎる」日常とパエリアの裏話

ーー フリースクール「新宿アレーズ」では映画を見に行ったり、料理講座があったりと、イベントも非常に活発ですね。これらはどのように決めているのでしょうか。
石垣: 全ては毎週月曜日のミーティングから始まります。何をするか決まっていない日も多く、「今日は何をする?」という相談からお菓子作りやお出かけが決まります。スポッチャや動物園に行くこともあれば、最近では映画も見に行きましたね。
実は、最近放送された不登校がテーマのドラマ「タツキ先生は甘すぎる!」の取材協力もしたんです。第2話のミーティングシーンに出てくるホワイトボードの書き込みや雰囲気は、うちがモデルなんですよ。
撮影の打ち合わせに来た日に、生徒のひとりが「パエリアが食べたい!」と言っていたんです。それがそのまま劇中のセリフに使われていて、驚きました(笑)。こうした「ありふれた日常」を肯定することが、彼らにとっての安心感に繋がっています。
3. なぜ、フリースクールが「外部向け」の親の会を開催するのか

ーー 次は、フリースクール「新宿アレーズ」が主宰する親の会についてお聞きします。サイトでは、スクール生以外の保護者も参加できる「親の会」を募集されていますが、立ち上げの経緯や、在籍者向けとの違いを教えてください。
石垣: フリースクールに在籍している親御さん向けには「保護者会」を別途設けています。あえて外部向けの「親の会」を分けているのは、「身内の話ばかりで、初めての人が疎外感を感じる」のを防ぐためです。
ーー 申し込みが「ゼロ」の月もあるとお聞きしましたが、それでも続ける理由はどこにあるのでしょうか。
石垣: そうですね、実際にはフリースクールへの見学から直接入る方が多いので、親の会の参加者は数人、あるいはゼロの月もあります。ですが、不登校の悩みは先生や親戚、時には夫婦間でも話しづらいものです。どこにも吐き出せない方のための「最後の間口」として、この場を開き続けておくことに意味があると考えています。
4. スタッフの75%が「不登校経験者」。説教ではなく「吐き出し」の場を

ーー 親の会では、具体的にどのようなアドバイスをされているのでしょうか。また、スタッフの方々の背景についても教えてください。
石垣: 「アドバイス」というより、まずは徹底的に「吐き出し」てもらいます。私たちが説教しても意味がありませんから。ただ、私たちは「その後の事例」をたくさん知っています。
「通信制高校を使えば結局は高卒資格も取れるし、進学もできる。だから今は焦らなくて大丈夫ですよ」という実情を伝えると、親御さんのトゲトゲした空気が取れていく。親が落ち着くと、不思議と家庭内の関係も良くなるんです。
現在、常勤スタッフ4名のうち3名が不登校経験者で、もう1名も「自分の子が不登校だった」という親としての経験者です。HPのスタッフ紹介のイラスト(女性スタッフが描いてくれたんですが、私をだいぶ美化しています笑)から伝わる通り、上から押し付ける空気は一切ありません。生徒たちにいじられながら過ごしているような、そんな「等身大の大人の姿」を見せるようにしています。
5. 公式LINEが生む、孤立させない繋がり

ーー 参加後も、LINEでやり取りをされることがあるそうですね。具体的にどのような交流があるのでしょうか。
石垣: 公式LINEは外部の方にも開放しています。「また学校に行き始めました」という報告もあれば、ちょっとした悩み相談もあります。数人規模だからこそできる、顔の見えるやり取りを大切にしたい。「ひとりじゃない」と感じてもらうことが一番ですから。
あとは、家庭学習ツールの話題の中で、ICT教材「すらら」の話も保護者会でよく出ます。ここは自由な場なので、「スクールでは遊んで、家ではすららで勉強する」という切り替えをしている子も多い。親御さん同士で「うちは続かなかったわ」「うちは相性が良かった」なんて情報交換をするのも、安心材料のひとつになっているようです。
6. メッセージ:親御さんが倒れたら、お子さんと一緒に共倒れになってしまう。

ーー 最後に、今ひとりで悩んでいる保護者の方へメッセージをお願いします。
石垣: 相談に行くこと自体、ものすごいエネルギーが必要なはずです。「フリースクールがやってる親の会なんて、入り口からハードルが高い」と感じるかもしれません。でも、私たちはありとあらゆるケースを見てきた知見があります。
一番伝えたいのは、「親御さんも無理をしないで」ということです。親御さんが倒れたら、お子さんと一緒に共倒れになってしまう。親の会への申し込みだって、当日「やっぱり気分が乗らない」と思ったらドタキャンしていいんです。まずは「誰かと繋がってみる」くらいの気軽な気持ちで、私たちの間口を叩いていただければ嬉しいですね。
インタビュー後記
石垣さんの言葉からは、一貫して「子どもと親への深い信頼」が感じられました。校名の「アレーズ」とはフランス語で「くつろいで」「居心地の良い」といった意味があるそうですが、新宿アレーズもまさに、そんな気楽にゆったり過ごせる居場所なのだと感じました。
「元気でいてくれればいい。その元気とは、イキイキと自分の居場所があることだ」という言葉は、教育の原点を思い出させてくれます。
新宿アレーズという温かな「土壌」が、これからも多くのご家庭の可能性を広げてくれるのだと思います。