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【最新の不登校の出席扱い×教育支援センター】知っていれば安心!通所型とオンライン型の特徴

お子さまが学校へ行けない日々が続くと、将来への不安や焦りを感じてしまうかもしれません。しかし、不登校のお子さまの頑張りを決して無駄にしない「出席扱い」という制度があります。

そこで、この記事では教育支援センターでの学習が在籍している学校の出席になる「出席扱い」に注目し、具体的な自治体の取り組みを例にあげながら教育支援センターの通所型、オンライン型の特徴についてお伝えします。不登校のお子さまの学校以外の居場所の1つの候補として、お住まいの地域にある教育支援センターの取り組みについて調べるきっかけになりましたら幸いです。

教育支援センターは出席扱いになる?

子どもが教育支援センターに通って頑張った学習や活動は、在籍している学校の校長先生が「学校の外での学びとして適切」と認めた場合に、学校の出席として扱われます。これが不登校の出席扱いです。

教育支援センターに通うことが自動的に出席扱いになるわけではなく、今通っている学校、教育支援センター、そして家庭の三者がしっかりと連携し、子どもがその日何を学んだのか、どんな活動をしたのかをきちんと記録して、学校に確認してもらうことが大切になります。

文部科学省「令和5年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果について」によると、学校外での機関等で専門的な相談・指導を受けた児童生徒は117,389人(前年度103,339人)で、不登校児童生徒に占める割合は33.9%(前年度34.6%)。このうち、教育支援センターで専門的な相談・指導等を受けた児童生徒数等、指導要録上出席扱いとした児童生徒数は次のようになっています。

学校内外の機関等での相談・指導等を受けた人数(A)不登校児童生徒に対する(A)の割合うち「指導要録上の出席扱い」となった人数(B)(B)/(A)
小学校10,730ー 6,330
中学校19,63515,088 ー 
合計30,3658.821,41870.5

▼文部科学省「令和5年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果について」を加工して作成

教育支援センターは、スムーズに出席扱いに認定されるように、次のようなポイントをおさえた機能を担っています。

観点出席扱いの判断に関する
重要なポイント
教育支援センターが担う
主な機能
学習計画学校の年間計画と合う学習・
活動が大事
学校の教育計画に合わせた
学習内容や、一人ひとりに
合った学習計画を立てる。
学習の確認状況を継続的に確認できる
ことが必要
日々の出席記録や学習の様子、
活動の記録をしっかり残す。
評価・記録評価や指導に反映できる
ことが望ましい
テストや作品などを管理し、
評価に必要な情報を
学校に定期的に伝える。
連絡・面談保護者・学校・本人の
連絡が確保されている
学校やスクールカウンセラーと
連携して、面談の場を
設けることがある。
校長の判断全ての情報をもとに
総合的に判断される
判断に必要な計画書や
同意書などの書類を整理し、
学校に提供する。

このように、教育支援センターに通う「出席扱い」は、学校を休んでいる間も、お子さんの学びを止めないための大切な制度です。

教育支援センターの通所型とオンライン型

教育支援センターは、不登校の子どもたちが学校に代わる居場所として利用されることが多いため、通所型のイメージをお持ちの方が多いかもしれません。これは、子どもたちが集団生活に徐々に慣れたり、学習習慣を身につけたりする場として機能しているためです。また、学校復帰を目標とする場合、センターへの通所を通じて社会性を養い、規則正しい生活リズムを取り戻すことが重要視されています。学校とは異なる環境で、専門のスタッフが個々の子どもに合わせた支援を提供する場所として、通うことが前提の施設として認識されています。このような背景から、「教育支援センター=通所型」というイメージが定着しているのです。
しかし、近年、オンライン型の教育支援センターが増えたことで、地理的な制約がある不登校の子どもでも、自宅にいながら専門的な支援を受けられるようになりました。また、対人関係に強い不安を感じる子どもにとっては、慣れた場所で安心して学習や相談ができるため、心理的なハードルが大きく下がります。これにより、より多くの子どもたちが支援にアクセスできるようになりました。その結果、通所型だけでは対応しきれなかった多様なニーズに応えることが可能になっています。

通所型オンライン型
場所教育支援センターの教室自宅など学校外の場所
主な活動対面での個別学習、
小集団での活動、
カウンセリング
GIGAスクール端末などを
用いたオンライン授業、
面談、課題提出
メリット・生活リズムを整えやすい
・対面で安心感を育み、社会性を身につけられる・専門のスタッフに直接相談できる
・場所や時間にとらわれずに学習できる
・お子さんの負担が少ない
・オンライン上の学習記録を学校と共有しやすい
留意点・通所のための移動が必要・お子さんによっては、集団活動に抵抗を感じることがある・家庭の通信環境が必要・情報セキュリティやプライバシーに配慮が必要
・対面での関わりが少なくなりがち
連携方法在籍校との定期的な対面会議や連絡帳、電話、オンライン面談学習ログ、チャット、オンライン面談などを通じた情報共有

通所型とオンライン型にはそれぞれの特徴がありますが、お住いの地域によって、教育支援センターの利用方法はさまざまです。次は、教育支援センターの通所型とオンライン型の特徴について具体的にお伝えします。

通所型の教育支援センターの特徴

通所型の教育支援センターで一番大切にしているのは、「心理的な安全性」です。

子どもが、いじめや教室に馴染めなかったつらい経験をしても、ここなら安心して過ごせる、まるで「安全な基地」のように感じられる場所になるかもしれません。

ここでは、子どものことを否定したり、他の子と比べたりすることなく、一人ひとりのペースの違いを尊重し、もし失敗しても、またやり直せるような、温かい雰囲気とルールを大切にしています。

通所型の過ごし方

多くの教育支援センターでは、午前中に登所して個別学習から始め、小集団での活動、昼食、午後の振り返りへと進みます。子どものペースに合わせて、短時間から参加できるところがほとんどです。

・生活リズムを整える

通所型の教育支援センターは、子どもが崩れがちな生活リズムを、無理のない形で立て直すお手伝いをします。決まった時間に起きて、準備をして、教育支援センターに行き、学び、振り返る。この一連の流れを、子どものペースに合わせて少しずつ繰り返すことで、「できた!」という小さな成功体験を積み重ねていきます。

・一人ひとりに合わせた学び

ここでは、子どもの状態を丁寧に見て、一人ひとりに合う学習計画を一緒に立てることができます。学校の勉強内容はもちろん、子どもが今、何に興味を持っているかを大切にしながら、基礎からゆっくり学び直したり苦手な教科を丁寧に教えたり宿題を一緒にやったりと、きめ細やかなサポートをしています。

そして、子どもの学習の様子や、教育支援センターで過ごした時間、頑張ったことの記録は、在籍校と共有されます。子どもの努力が、学校での「出席扱い」の判断や、通知表の評価にきちんとつながるよう、大切に活用されます。

・子どもの「安心」のための配慮

通所型では、子どもの体調や不安な気持ちに最大限の配慮をしながら、静かな個別スペース休憩できる場所を確保し、短時間から通い始めるなど、少しずつ段階を上げていくことができます。また、別室登校や校内見学のリハーサルをするなど、具体的な復学支援を行うところもあります。

・「大丈夫だよ」と言える関係を築く

ICT教材やプリントを使いながら、対面で「大丈夫だよ」「よく頑張ったね」と声をかけたり、一緒に小さな目標を立てたりすることで、子どもが「学びの土台」を築いていけるようサポートしています。

また、専門のカウンセリングや、他の子との関わり方を学ぶソーシャルスキルトレーニング(SST)も取り入れています。不安や気持ちの波が大きい子どもには、落ち着ける呼吸法などを一緒に練習したり、同じ経験を持つ子どもたち同士が支え合えるような機会も設けています。

このように、通所型は「通う」こと自体がリハビリテーションとして機能し、学習面・生活面・社会面の土台を同時並行で整えられる点が大きな強みです。日々の小さな前進が積み重なり、在籍校の学びに再び橋をかけるための準備が、見える形の記録とともに着実に進みます。

通所型教育支援センターの出席扱いの要件

通所型教育支援センターを利用する不登校の子どもの出席扱いについて、文部科学省で次のような要件が定義されています。

(1)保護者と学校の間で、十分に連携し協力する関係が保たれている必要があります。

(2) 教育委員会が設置する教育支援センターなどの公的機関での指導が原則ですが、通うのが難しい場合は、校長と教育委員会が連携して適切と判断すれば、民間の施設も考慮されます。

(3)子どもが施設に通所または入所して指導を受けることが前提となります。

(4)学校外の学習が学校の教育課程に照らして適切と判断される場合、その学習を評価し、指導要録や通知表に適切に記載することが重要です。

▼文部科学省「不登校児童生徒への支援の在り方について(通知)」(令和元年10月25日)内にある「(別記1) 義務教育段階の不登校児童生徒が学校外の公的機関や民間施設において相談・指 導を受けている場合の指導要録上の出欠の取扱いについて」をもとに作成

このように、通所型教育支援センターは、ただ学習面をサポートするだけでなく、子どもの心と体の土台をしっかりと整え、社会へとつながる力を育んでくれる場所です。

子どものペースを何より大切にしながら、通所型のフリースクールによる出席扱いという選択肢も、ぜひ前向きに検討してみてください。

通所型の具体例:神奈川県の教育支援センターの取り組み

神奈川県の教育委員会「教育支援センターを中心とした不登校対策の手引き~教育支援センターの役割を考える~」(https://www.pref.kanagawa.jp/documents/4610/250331_kyouikusiennsennta-_tebiki.pdf

によると、市町村が設置する教育支援センターに専任の教員を配置して不登校の子どもへの指導の充実を図るため、横浜市、川崎市、相模原市、横須賀市など神奈川県内に67の教育支援センターを設置しています。

・ハートフルスペース

ハートフルスペースは、週 2 回、1 時間半の活動を複数の支援員や学生ボランティア 等と児童生徒 10 ~ 20 人の集団で行う「集団活動」を行っています。週に 1 回、1 時間の活動を 1 名の支援員と児童生徒 2 ~ 3 人 のグループで行う「小グループ活動」や週 1 回、1 時間の活動を支援員と児童生徒 1 対 1 で行う「個 別活動」、スポーツ体験やデイキャンプなどの体験活動など、小・中学生ともに同一施設で異なる活動時間で参加することができます。

・ハートフルルーム

毎日(週 5 回)通室し、時間割に沿った基礎的な学習や体育、 学活などの授業と、休み時間での遊びや給食といった学校生活とより類似した活動を 9 時から 14 時半まで行い、課外学習として宿泊体験やスポーツ交流会、音楽会、工場見 学や遠足なども行っています。

「子どものありのままの姿を認め、一人ひとりの状況に合わせた支援を行うこと。」

「子どもが自分で考え、行動できるように促し、他者と関わる力を育むこと。」

これらが、支援の共通した方針です。

この他、神奈川県では大学生・大学院生が家庭訪問をして話し相手や遊び相手になりながら支援する「ハートフルフレンド」を実施しています。一回につき2時間の訪問を2週間に1度行い、教員による学習指導はありません。心理の専門家が保護者との面談を行うこともあります。

参考:横浜市教育支援センター・支援パートナー活動報告
https://core.ac.uk/download/pdf/344935097.pdf

神奈川県「教育支援センターを中心とした不登校対策の手引き~教育支援センターの役割を考える~」
https://www.pref.kanagawa.jp/documents/4610/250331_kyouikusiennsennta-_tebiki.pdf

オンライン型支援の特徴

文部科学省では、ICT等を活用した学習活動について、次のように定義しています。

1 趣 旨
不登校児童生徒の中には,学校への復帰を望んでいるにもかかわらず,家庭にひきこ もりがちであるため,十分な支援が行き届いているとは言えなかったり,不登校である ことによる学習の遅れなどが,学校への復帰や中学校卒業後の進路選択の妨げになって いたりする場合がある。このような児童生徒を支援するため,我が国の義務教育制度を 前提としつつ,一定の要件を満たした上で,自宅において教育委員会,学校,学校外の 公的機関又は民間事業者が提供するICT等を活用した学習活動を行った場合,校長は, 指導要録上出席扱いとすること及びその成果を評価に反映することができることとす る。
引用:文部科学省「不登校児童生徒への支援の在り方について(通知)」(令和元年10月25日)」内の「(別記2) 不登校児童生徒が自宅においてICT等を活用した学習活動を行った場合の指 導要録上の出欠の取扱いについて」

このように、不登校の子どもが自宅等でICTを活用した学習を行った場合、学校長が適切と判断すれば、その出席扱いを可能とすることや、学習指導要録に記載できることなどが示されています。

このような文部科学省の定義をもとにしたオンライン型支援は、自宅など学校以外の場所からGIGAスクール端末を使って学習や面談を行う方法です。子どもの体調や気持ちに合わせ、無理なく学びを続けられるのが大きなメリットです。

通所型とは異なるオンライン型教育支援センターの出席扱い認定の定義

オンライン型教育支援センターの出席扱いは、通所型フリースクールと要件が異なります。これは、次のような文部科学省によるICT等を活用した学習活動を行った場合の指導要録上の出席扱いについての定義に基づいています。


出席扱い等の要件 義務教育段階における不登校児童生徒が自宅においてICT等を活用した学習活動を 行うとき,当該児童生徒が在籍する学校の長は,下記の要件を満たすとともに,その学 習活動が,当該児童生徒が現在において登校を希望しているか否かにかかわらず,自ら 登校を希望した際に,円滑な学校復帰が可能となるような学習活動であり,かつ,当該 児童生徒の自立を助けるうえで有効・適切であると判断する場合に,指導要録上出席扱 いとすること及びその成果を評価に反映することができる。
▼引用:文部科学省「不登校児童生徒への支援の在り方について(通知)」(令和元年10月25日)」内にある「(別記2)不登校児童生徒が自宅においてICT等を活用した学習活動を行った場合の指導要録上の出席扱いについて」

具体的に、次のような7つの要件を満たす必要があります。

(1)保護者と学校との間に十分な連携・協力関係が保たれていること。

(2)ITなどを活用して提供される学習活動であること。

(3)訪問等による対面指導が適切に行われること

(4)学習理解度の程度を踏まえた計画的な学習プログラムであること。

(5)校長が対面指導や学習活動の状況等について十分に把握していること。

(6)学校外の公的機関や民間施設において相談・指導を受けられないような場合に行う学習活動であること。

(7)学習活動の評価は,学習の計画や内容をその学校の教育課程に照らし適切と判断すること。

これらの要件を一つひとつ丁寧にクリアしていくことで、オンライン型教育支援センターでの学びが、子どもの確かな一歩として、学校の出席に認められます。教育支援センターでも出席扱い認定まで、その後の出席扱い運用のお手伝いをしますので、ぜひ検討してみてください。

▼ICT等を活用した自宅学習で出席扱いをするには?不登校の「出席扱い制度」とは?認定条件や成績の付け方も解説!

鳥取県の教育支援センターの取り組み

「誰一人取り残さない」教育を掲げる鳥取県では、不登校の子ども一人ひとりに寄り添う支援に力を入れています。ここでは、学校に戻ることだけを目標にせず、子どもの社会的自立を大切にしている、鳥取県の教育支援センターの取り組みについてお伝えします。

・ 鳥取県の教育支援センターは11教室

鳥取県の教育委員会では、県教育委員会の定めたガイドラインに基づいて運営される教育支援センターが11室あります。教育支援センターでは、子どもの気持ちを尊重し、自己肯定感を育む支援を基本とする活動が行われています。

鳥取県 教育支援センターの詳細はこちら
https://www.pref.tottori.lg.jp/284970.htm

また、鳥取県では「つながる」をキーワードとして、不登校の子どもの学習機会を確保するため、ICTを使った自宅学習支援に力を入れています。この支援は「不登校の子どもたちは自宅でどのような気持ちで過ごしているのだろうか」「子どもたちはどんな思いでいるのだろう」というそれぞれの子どもたちの思いを想像し、「行けるものなら学校に行きたいと考えている」という子どもの気持ちと「登校を嫌がる子どもにどうかかわればいいのか」など保護者の悩みを少しでも和らげるためにスタートしました。

そして、子どもたちが自宅で安心して楽しく学べるようICT教材「すらら」を導入し、「すらら」を一人で学習する子どもを教育支援センターとつなぐ「自宅学習支援員」を配置することで、子どもたちが他者とつながる心地よさ、「できた!わかった!」という達成感を感じ「今の自分でよい」と思えるように支援しています。

自宅での学習は、学習実績がなかったことで自信が持てず外出できなかった子どもに、大きな変化をもたらすことがあります。「すらら」の学習が「指導要録上の出席扱い」に認められることで、周囲からの承認を実感し、自信が持てるようになったことで人とのかかわりや将来を考えるきっかけにつながったという実感の声も届いています。

▼鳥取県 ICT等を活用した自宅学習支援についてはこちら
https://www.pref.tottori.lg.jp/287232.htm

最新の「ハイブリッド型」

ハイブリッド型は、教育支援センターへの通所と、自宅でのオンライン学習を組み合わせる方法です。ここまでにご紹介した通所型とオンライン型の特徴をうまく活用しながら、不登校の子どもの支援を行います。つまり、体調に合わせながら対面で安心感を育む様々な活動をし、ICT教材を使いながら自宅で無理のないペースで学習を進めるなど、少しずつ子どもの世界を広げられるのが魅力です。

通所とオンラインの切り替え

通所とオンラインの切り替えは「計画された柔軟性」が鍵です。通所が難しい日は、同じ時間割をオンラインに置き換えて学習支援と面談を実施するなど、柔軟に対応します。

そして、切り替え時でも出席扱いの質を担保するため、「朝のチェックイン(短時間の挨拶・体調確認)」「学習コアタイム(集中学習)」「ふりかえり(成果物提出・感想)」の三本柱を通所・オンラインで共通化するなど、手続きや記録が矛盾せず、出席扱いの判断がしやすくなっています。

熊本県熊本市の教育支援センターの取り組み

熊本県熊本市では、不登校の子ども一人ひとりの状況に寄り添い、社会的自立を支援するための独自の取り組みが進められています。

熊本市教育委員会は、「誰一人取り残さない」教育の実現を掲げています。その基本方針は、学校に戻ることだけをゴールとせず、子どもが自信を取り戻し、自分のペースで社会的自立に向かうことを多角的にサポートすることにあります。

市内の各区には、教育支援センター「フレンドリー」が設置されており、子どもが安心して過ごせる「居場所」としての役割も大切にされています。

▼教育支援センター「フレンドリー」の詳細はこちらから

https://www.kumamoto-kmm.ed.jp/k-soudan/tekiou

教育支援センター「フレンドリー」では、基礎学力の支援に加え、体験活動やICTを活用した学習など、子どものやる気を引き出す様々な学びの場を提供します。

さらに、熊本市の教育支援センター「フレンドリー」では、学校への登校や教育支援センターへの通所が難しい子どもに向けた教育ICTを活用したオンライン学習支援「フレンドリーオンライン」の取り組みを行っています。

この「フレンドリーオンライン」は、学校への登校が難しいお子さんが、周囲とつながりながら、自分のペースで学びを進める機会を保障する、安心できる場所です。

フレンドリーオンラインは、熊本市内の小学校と中学校に設けられたスタジオから配信を行っています。

  • 朝の会・帰りの会 オンライン上で、みんなと一緒に朝の会や帰りの会を行います。こうすることで、生活のリズムを整えるお手伝いをしています。
  • 学習支援 「すらら」などの学習アプリを活用し、お子さんのペースに合わせた学習ができます。わからなところにさかのぼって学習したり、得意なことをどんどん進めたり、一人ひとりにぴったりの学びが可能です。
  • 体験活動・交流 日替わりで、色々なテーマでの交流や体験活動を行っています。ゲームをしたり、好きなことについて語り合ったり、時には将来の夢について話したりすることもあります。顔を見せなくても、アバターなどを通じて、少しずつ人との関わりに慣れていけるような工夫もしています。
  • 「心の居場所」としての役割 先生やお友達とつながることで、孤独感を和らげ、安心できる「心の居場所」になることを大切にしています。

フレンドリーオンラインは自分のペースで参加できるので、 体調がすぐれない時は無理せずに休むことができます。途中から参加したり、途中で抜けることも大丈夫。子どもの気持ちを一番に考えてくれます。

また、このフレンドリーオンラインでは、子ども一人ひとりのペースに合わせた学びに寄り添うため、無学年式のICT教材「すらら」を活用しています。お子さまが1人でも楽しく学習できる「すらら」は、苦手な単元は学び直すために学年をさかのぼって学習し、得意な科目は学年を超えて楽しく学習を進めることができることが特徴です。

まとめ

この記事では、不登校の子どもの学びをサポートする教育支援センターには、大きく分けて「通所型」と「オンライン型」の2つのタイプがあることをご紹介しました。

通所型は、実際にセンターに通って学習や活動を行うため、生活リズムを整えたり、対面でのコミュニケーションに慣れたりするのに適しています。スタッフや他の子どもたちとの関わりを通じて、安心できる居場所を見つけ、少しずつ社会性を育むことができます。もし、お子さまが「外に出られるかも」「少しずつでも人と関わりたい」と感じているなら、通所型が安心感を与えてくれるかもしれません。

一方、オンライン型は、自宅にいながら学習できるのが最大のメリットです。対人関係に強い不安を感じていたり、体調に波があったりするお子さまにとっては、慣れた場所で自分のペースを守って学べるため、心理的な負担を大きく減らせます。また、地理的な理由で通所が難しい場合にも有効な選択肢となります。

「学校には行けないけど、他の子と会ってみたい」という気持ちがあれば、まずは短時間から通所を始めてみる。「人との関わりはまだしんどいけど、勉強はしたいな」という気持ちがあれば、オンラインで学習を始めてみる。

最近では、通所とオンラインを組み合わせた「ハイブリッド型」のセンターも増えています。お子さまの体調や気分に合わせて柔軟に切り替えられるので、とても心強いですね。

教育支援センターでの頑張りは、在籍校と連携することで「出席扱い」として認められます。お子さまの頑張りを無駄にしないためにも、学校やセンターのスタッフと密にコミュニケーションを取りながら、お子さんにとって最適な学びの場を探していきましょう。

▼この記事でご紹介している教育支援センターはICT教材「すらら」を利用し、お子さまのペースに合わせた学習を提供しています。