- 1 高等専修学校とはどのような学校なのか
- 1-1 高等専修学校の基本的な仕組みと特徴
- 1-2 高等学校や専門学校との違い
- 1-2-1 高等学校との違い
- 1-2-2 専門学校との違い
- 2 高等専修学校が不登校経験のある子におすすめの理由
- 2-1 生徒一人ひとりに合わせた学習サポート体制
- 2-2 少人数制や個別指導など安心できる環境
- 2-3 専門的なスキルを学べるカリキュラム
- 3 高等専修学校の入学条件と学費について
- 3-1 高等専修学校に入学するための条件
- 3-1-1 出願資格は「中学校卒業」またはそれと同等以上の学力
- 3-1-2 主な入試方法と選考内容
- 3-1-3 不登校経験がある場合に確認しておきたいこと
- 3-2 高等専修学校の学費と利用できる支援制度
- 3-2-1 学費の内訳と金額の考え方
- 3-2-2 高等学校等就学支援金で授業料の負担を軽減できる
- 3-2-3 授業料以外の費用には高校生等奨学給付金
- 3-2-4 都道府県独自の補助制度も確認する
- 4 高等専修学校卒業後の進路
- 4-1 大学入学資格付与指定校なら大学進学も可能
- 4-1-1 大学入学資格付与指定校とは
- 4-1-2 指定を受けていない学科を卒業する場合
- 4-2 専門学校への進学や就職のサポート
- 4-2-1 専門学校への進学
- 4-2-2 資格を活かした就職
- 4-2-3 学校による就職支援
- 5 まとめ
高等専修学校は、中学校卒業者などが入学できる専修学校の高等課程で、調理・美容・情報処理など職業に関する実践的な技能を学べる学校です。高校とは制度が異なりますが、文部科学大臣が指定する「大学入学資格付与指定校」の学科を卒業すれば大学入学資格が得られます。授業料は高等学校等就学支援金の対象です。少人数制や個別の学習サポートを取り入れ、不登校経験者を受け入れている学校もあります。この記事では、高校や専門学校との違い、入学条件、学費、卒業後の進路を整理し、学校選びで確認すべき点を示します。
高等専修学校とはどのような学校なのか

高等専修学校は、中学校を卒業した人が、仕事や生活に役立つ知識と技能を学ぶための学校です。法律上は「専修学校の高等課程」にあたり、高等学校(高校)とは別の種類の学校として位置づけられています。
高等専修学校の基本的な仕組みと特徴
専修学校は、学校教育法第124条に定められた学校です。同法では、次の3つを満たすものを専修学校としています。
- 修業年限が1年以上であること
- 授業時数又は単位数が文部科学大臣の定める時数又は単位数以上であること(高等課程の昼間学科では原則年間800単位時間以上)
- 教育を受ける者が常時40人以上であること
専修学校には「高等課程」「専門課程」「一般課程」の3つの課程があります。このうち高等課程は、中学校卒業者やそれと同等以上の学力があると認められた人が対象です。高等課程を置く専修学校は「高等専修学校」と名乗ることができます。
設置基準の詳細は、文部科学省の学校教育法等の改正資料をご確認ください。専門課程の単位制などには2026年度からの変更があり、高等課程と区別して確認する必要があります。
学べる分野は、工業、農業、医療、衛生、教育・社会福祉、商業実務、服飾・家政、文化・教養の8つに分かれています。具体的には、調理、製菓、美容、理容、情報処理、介護福祉、デザイン、自動車整備などの学科があります。准看護師を養成する学科を設けている学校もあります。
修業年限は学科によって異なり、1年制や2年制の学科もありますが、高校と同じ3年制の学科を置く学校が多く見られます。設置者は私立が大半を占め、公立の学校は限られています。授業は平日の昼間に通学して受ける形が中心で、体育祭や文化祭などの学校行事、部活動を行う学校もあります。
修業年限3年以上などの要件を満たし、文部科学大臣の指定を受けた学科を修了すると、大学入学資格が得られます。この仕組みは後の章で説明します。
高等学校や専門学校との違い
高等専修学校は、入学対象の面では高校と同じく中学校卒業者向けですが、法律上の位置づけや卒業後に得られる資格が異なります。また、名称が似ている専門学校とは、入学対象となる学歴が異なります。主な違いは次のとおりです。
| 項目 | 高等専修学校 | 高等学校 | 専門学校 |
|---|---|---|---|
| 法律上の位置づけ | 専修学校の高等課程(学校教育法第124条) | 学校教育法第1条に定める学校 | 専修学校の専門課程(学校教育法第124条) |
| 主な入学対象 | 中学校卒業者 | 中学校卒業者 | 高校卒業者 |
| 教育内容 | 職業や実生活に必要な技能が中心 | 学習指導要領に基づく普通教育・専門教育 | 職業や実生活に必要な専門技能 |
| 卒業時に得られるもの | 高等課程の修了。指定学科の修了者は大学入学資格 | 高校卒業資格 | 要件を満たす学科では「専門士」「高度専門士」の称号 |
高等学校との違い
高校は学校教育法第1条に定められた学校で、文部科学省の学習指導要領に沿って国語・数学・英語などの教科を幅広く学びます。高等専修学校は学習指導要領に従う義務がないため、学校ごとに職業分野の実習や資格取得の授業へ多くの時間を割けます。たとえば調理科であれば、調理実習を中心に時間割を組み、在学中に調理師免許の取得をめざすことができます。
注意が必要なのは、高等専修学校を卒業しても高校卒業資格にはならない点です。大学入学資格付与指定校の対象学科を修了すれば、大学受験の資格は高校卒業者と同様に得られます。一方で、求人の応募条件や各種試験の受験資格に「高卒」と明記されている場合の扱いは、それぞれの募集元に確認する必要があります。
高校卒業資格もあわせて取得したい場合は、通信制高校と「技能連携」をしている高等専修学校を選ぶ方法があります。技能連携制度では、高等専修学校での学習の一部が連携先の通信制高校の単位として認められるため、両方の学校を卒業すれば高校卒業資格も得られます。連携の有無は学校ごとに異なるため、募集要項や学校説明会で確認しておきましょう。
連携先として挙がる通信制高校の学習方法を知りたい方は、あした研究室の通信制高校の仕組みと学校生活の解説も参考になります。技能連携の内容や卒業要件は、両校の案内で個別に確認してください。
専門学校との違い
専門学校は専修学校の専門課程で、原則として高校卒業者が入学する学校です。高等専修学校と同じく職業教育を行う学校ですが、中学校卒業後すぐに入学できるのは高等専修学校です。
そのため、中学校卒業後に高等専修学校で基礎的な技能を身につけ、その後に専門学校でより専門性の高い内容を学ぶという進み方もあります。文部科学省の専修学校に関するページでは、高等課程・専門課程・一般課程それぞれの概要が説明されています。
高等専修学校が不登校経験のある子におすすめの理由

高等専修学校は、中学校を卒業した人が職業や生活に必要な知識・技能を学ぶ学校で、毎日通学して授業を受ける全日制型が中心です。不登校経験のある子が進路として検討する理由は、主に次の3点です。
- 学習の遅れや生活リズムの乱れに配慮した支援を行う学校がある
- 少人数のクラスで、教員との距離が近い環境をつくりやすい
- 実習中心の授業で、興味のある分野の技能を身につけられる
ただし、受け入れ体制や支援の内容は学校ごとに異なります。以下の特徴は、すべての高等専修学校に共通するものではありません。
生徒一人ひとりに合わせた学習サポート体制
不登校の期間があると、中学校の学習内容が抜けていることがあります。高等専修学校には、入学後に国語・数学・英語などの基礎科目を中学校の範囲から復習する時間を設け、習熟度別のクラス分けや補習で理解度に応じて指導する学校があります。授業についていけないまま進級する状態を防ぎ、専門科目の土台となる基礎学力を立て直すための仕組みです。
学習面に加えて、登校そのものを支える取り組みもあります。学校によって、次のような支援が行われています。
- 担任が欠席時に連絡を取り、保護者と情報を共有する
- スクールカウンセラーや相談室を置き、悩みを相談できる窓口を用意する
- 入学直後は登校時間や参加する授業を調整し、少しずつ通学に慣れられるようにする
こうした支援の有無や内容は、パンフレットだけでは分からないことがあります。学校見学や個別相談の場で「欠席が続いたときにどう対応しているか」「相談できる専門スタッフはいるか」を具体的に確認すると、入学後の様子を想像しやすくなります。
入学後の学習支援を確かめるとともに、今の理解度に合った内容を自宅で学ぶ方法も選択肢になります。
無学年式オンライン教材「すらら」なら、学校の進度や学年に縛られず、理解できているところまで戻って自宅で学習できます。
進路を検討している間の家庭学習も、本人の体調やペースに合わせて考えてみてください。
少人数制や個別指導など安心できる環境
専修学校の授業人数は、文部科学省が定める専修学校設置基準で、1つの授業科目について同時に授業を行う生徒を原則40人以下と定めています。そのうえで、1学年の定員が数十人程度の学校や、1クラス20人前後で運営している学校も多くあります。専修学校の制度については、文部科学省「専修学校について」で確認できます。
生徒数が少ないと、教員が一人ひとりの出席状況や理解度、表情の変化に気づきやすくなります。大人数の教室で緊張しやすい子や、集団の中で質問するのが苦手な子にとっては、授業中や実習中に教員へ直接声をかけやすいことが通学を続けるうえでの支えになります。
また、高等専修学校には中学校時代に不登校を経験した生徒が在籍していることも珍しくありません。同じような経験をした生徒がいる環境では、過去の欠席を理由に周囲から特別視されにくく、新しい人間関係を一からつくりやすいという面があります。一方で、学校行事や部活動の規模は大きな高校より小さいことが多いため、学校生活に何を求めるかを親子で話し合っておくことが大切です。
人間関係の築きやすさや安心感は、本人と周囲の状況によって異なります。不登校経験者の在籍や少人数制だけで通いやすさが保証されるものではないため、本人が感じたことも聞きながら検討してください。
- 「学校生活に何を求めているか、どう聞こう」
- 「見学で感じたことを、どんな言葉で聞こう」
- 「本人のペースを尊重しながら相談を進めたい」
学校生活への希望を親子で話し合う中で、日々の声かけや話の聞き方を具体的に学びたいときには、保護者向けの学びの場を利用する方法もあります。
ほめビリティは、子どもを無理に変えようとするのではなく、日々の声かけや関わり方を実践しながら学ぶ、保護者向けのオンラインプログラムです。
進路の結論を急がず、本人の言葉を受け止める関わり方を考える選択肢として、ご確認ください。
専門的なスキルを学べるカリキュラム
高等専修学校では、工業、農業、医療、衛生、教育・社会福祉、商業実務、服飾・家政、文化・教養といった分野の学科が設けられています。具体的には、調理、製菓、情報処理、簿記・事務、介護福祉、自動車整備、ファッション、美容関連などの学科があり、授業時間の多くを実習や演習にあてる学校が中心です。
座学中心の授業で意欲を保ちにくかった子でも、手を動かして作品を完成させる、機械を操作できるようになるなど、成果が目に見える形で表れる実習では、自分の上達を実感しやすくなります。「料理が好き」「パソコンを触るのが好き」といった興味が学ぶ目的につながると、登校する理由がはっきりします。
興味のある分野でも、体調や通学の負担によって登校が難しい場合があります。興味を持てることと、無理なく通えることを分けて確認しましょう。
在学中に資格取得を目指せることも特徴です。たとえば、次のような資格に挑戦できる学校があります。
- 調理師免許:調理師養成施設として指定された学科を卒業すると、試験を受けずに免許を申請できる
- 准看護師:准看護師養成課程を修了すると、都道府県が実施する准看護師試験の受験資格が得られる
- 簿記検定、情報処理系の検定、介護職員初任者研修など:授業の中で対策や修了を目指せる
取得できる資格や受験資格の条件は、学科ごとに異なります。目指したい資格がある場合は、その学科が養成施設の指定を受けているか、在学中に受験できるかを事前に確認する必要があります。
高等専修学校の入学条件と学費について

高等専修学校への入学を考えるときは、「出願できるか」「どのような選考があるか」「費用はいくらかかり、どの支援を受けられるか」の3点を確認する必要があります。入学条件の土台は法律で定められていますが、選考方法や学費は学校ごとに異なります。
高等専修学校に入学するための条件
出願資格は「中学校卒業」またはそれと同等以上の学力
高等専修学校は、法律上「専修学校の高等課程」にあたります。学校教育法(e-Gov法令検索)第125条では、高等課程に入学できる人を次のように定めています。
- 中学校を卒業した人(卒業見込みの人を含む)
- 義務教育学校を卒業した人、または中等教育学校の前期課程を修了した人
- 文部科学大臣の定めにより、中学校卒業と同等以上の学力があると認められた人(中学校卒業程度認定試験の合格者など)
出願資格は高等学校と同じです。不登校で中学校への出席日数が少なくても、中学校を卒業していれば出願資格はあります。中学校を卒業してから年数が経っている人や、高等学校を中途退学した人を受け入れる学校もあります。年齢の上限や受け入れの可否は学校ごとに異なるため、募集要項で確認してください。
主な入試方法と選考内容
入試は、推薦入試と一般入試に分けて実施する学校が多く、出願期間は中学3年生の秋から翌年3月ごろまでが中心です。定員に空きがある場合は、3月以降に二次募集を行う学校もあります。
選考では、次のような方法が組み合わされます。
- 書類選考(中学校が作成する調査書、志望理由書など)
- 面接(本人のみ、または保護者同伴)
- 作文
- 国語・数学・英語などの基礎的な学科試験
学科試験を行わず、面接と作文だけで選考する学校もあります。どの方法を採用しているか、何を重視して合否を判断するかは学校によって異なります。
不登校経験がある場合に確認しておきたいこと
調査書には出欠の記録が記載されるため、欠席日数が合否にどの程度影響するかを気にする家庭は少なくありません。学校によっては、欠席日数よりも面接で本人の意欲や入学後の目標を確認することを重視しています。ただし、扱いは学校ごとに違うため、次の点を事前に確かめておくと判断しやすくなります。
- 欠席日数を選考でどのように扱うか
- 面接で何を聞かれるか、保護者同伴が可能か
- 入学前に体験入学や個別相談会に参加できるか
体験入学や個別相談会では、通学時間や教室の雰囲気を本人が直接確かめられます。入試の前に一度でも登校を経験しておくと、入学後に通い続けられるかを判断する材料になります。
高等専修学校の学費と利用できる支援制度
学費の内訳と金額の考え方
高等専修学校の多くは私立のため、公立高等学校より学費が高くなる傾向があります。主な費用の内訳は次のとおりです。
- 入学金(入学時のみ)
- 授業料
- 施設設備費
- 実習費・教材費(調理、美容、情報処理、自動車整備など実習の多い学科では高くなりやすい)
- 制服代、修学旅行の積立金、検定試験の受験料など
金額は学校や学科によって大きく異なり、同じ学校の中でも実習の内容によって差があります。比較するときは授業料だけでなく、入学金と実習費を含めた「初年度納入金」と、卒業までの総額で確認すると、家庭の負担額を把握しやすくなります。
高等学校等就学支援金で授業料の負担を軽減できる
国の高等学校等就学支援金制度(文部科学省)は、高等学校だけでなく専修学校の高等課程(高等専修学校)も対象です。支援金は国から学校に支払われ、授業料に充てられるため、家庭が現金を受け取るのではなく、納める授業料が減る仕組みです。
2026年度の新制度では所得制限が撤廃されています。私立高等専修学校の昼間学科では、国籍・在留資格等の要件を満たす場合、授業料を上限に月額最大3万8,100円(年額45万7,200円)が支給されます。この制度は年度ごとに見直しが進んでおり、所得制限や支給上限額が変わることがあります。入学する年度の最新の条件を、文部科学省や在籍予定の学校で確認してください。
2026年度の条件と学校種別の金額は、文部科学省の就学支援金Q&Aと支給限度額一覧で確認できます。新制度の対象外となる場合の支援や経過措置も、学校に確認してください。
支援金を受け取るには、入学後に学校を通じて申請する必要があります。申請しなければ支給されないため、入学時に学校から配布される案内に沿って手続きを行ってください。
授業料以外の費用には高校生等奨学給付金
就学支援金の対象は授業料のみです。教科書代、教材費、修学旅行費などの授業料以外の費用については、高校生等奨学給付金(文部科学省)を利用できる場合があります。生活保護受給世帯や住民税所得割が非課税の世帯などが対象で、返済の必要はありません。申請先は保護者が住んでいる都道府県で、支給額や手続きの時期は都道府県によって異なります。
高校生等奨学給付金は2026年度に対象範囲が拡充されています。非課税世帯以外の対象要件も含め、文部科学省の修学支援案内と、お住まいの都道府県の当該年度の募集案内をご確認ください。
都道府県独自の補助制度も確認する
都道府県によっては、国の就学支援金に上乗せして私立学校の授業料を補助する独自の制度を設けています。ただし、補助の対象に高等専修学校が含まれるかどうか、所得の基準や支給額は都道府県ごとに異なります。住んでいる都道府県の担当窓口や、志望校の事務室に問い合わせると、実際に利用できる制度を確認できます。
このほか、学校が独自に設けている特待生制度や授業料減免制度を利用できる場合もあります。学費の支払いに不安がある場合は、出願前の個別相談で、利用できる制度と実際の負担額を学校に確認しておくと、入学後に費用で困る事態を避けられます。
高等専修学校卒業後の進路

高等専修学校を卒業した後の進路は、大学・短期大学への進学、専門学校への進学、就職の3つに大きく分かれます。どの進路を選べるかは、通う学校が「大学入学資格付与指定校」かどうか、修業年限が何年か、どの分野の資格を取得できるかによって変わります。そのため、入学前の学校選びの段階で卒業後の選択肢を確認しておくことが大切です。
大学入学資格付与指定校なら大学進学も可能
大学入学資格付与指定校とは
高等専修学校のうち、修業年限が3年以上で、授業時数や普通科目の内容など一定の基準を満たし、文部科学大臣の指定を受けた学科を修了した人には、大学入学資格が与えられます。指定校を卒業した人は、高等学校の卒業者と同じように、大学や短期大学の入学試験を受けられます。大学入学資格の対象となる人の範囲は、文部科学省「大学入学資格について」で確認できます。
受験できる入試方式は、一般選抜に限りません。高等専修学校で取得した資格や、実習・作品制作の成果を出願書類で示せる場合は、総合型選抜や学校推薦型選抜を利用できることもあります。ただし、出願資格や評価方法は大学ごとに異なるため、志望校の募集要項で確認が必要です。
指定を受けていない学科を卒業する場合
修業年限が2年以下の学科や、指定を受けていない学科を卒業しても、大学入学資格は得られません。この場合に大学を目指す方法は主に2つあります。
- 高等学校卒業程度認定試験に合格する(試験の概要は文部科学省「高等学校卒業程度認定試験」で確認できます)
- 通信制高校と連携する「技能連携制度」を導入している高等専修学校を選び、在学中に高校卒業資格も取得する
技能連携制度を利用すると、高等専修学校の授業の一部が連携先の通信制高校の単位として認められ、両方を卒業できます。将来大学へ進む可能性がある場合は、入学前に指定の有無と技能連携制度の有無を学校に確認しておきましょう。
専門学校への進学や就職のサポート
専門学校への進学
専門学校(専修学校の専門課程)には、高等学校卒業者や、それと同等以上の学力があると認められた人が入学できます。修業年限3年以上などの要件を満たし、文部科学大臣が大学入学資格を認めた高等課程を修了した人はこの対象に含まれるため、高等専修学校で学んだ分野をさらに深めたい場合や、より上位の資格を目指す場合に専門学校へ進学できます。同じ学校法人が専門学校を運営している高等専修学校もあり、学内推薦や入学金の減免などの優遇制度を設けている学校もあります。
専門学校の入学資格は2026年4月に改正されています。文部科学省の改正通知も参照し、修了する高等課程の指定状況と進学先の出願資格を確認してください。
資格を活かした就職
高等専修学校では、在学中に取得した資格や技能を就職に直接活かせる場合があります。具体例は次のとおりです。
- 調理師養成施設の指定を受けた学科を卒業すると、調理師試験を受けずに調理師免許を申請できる
- 准看護師養成課程を修了すると、准看護師試験の受験資格が得られる
- 簿記、情報処理、介護などの検定や資格を在学中に取得し、事務職や介護職の採用選考で提示できる
どの資格を目指せるかは学科ごとに決まっているため、希望する職業に必要な資格と学科の内容が一致しているかを確認しておくことが重要です。
学校による就職支援
多くの高等専修学校では、担任や進路指導担当の教員が、求人票の紹介、履歴書の書き方指導、面接練習などを行っています。高校と同様に、学校に届いた求人へ学校を通じて応募する形をとる学校もあります。業界とつながりのある学科では、実習先や連携企業への就職につながる例もあります。
一方で、求人の応募条件が「高校卒業以上」となっている場合、高等専修学校の卒業者が応募できるかどうかは企業によって判断が分かれます。学校説明会では、卒業生の進学先・就職先の実績や、求人がどのような業種から届いているかを具体的に質問し、子どもの希望する進路に合うかを確かめておくと安心です。
まとめ
高等専修学校は、中学校卒業者などを対象とする専修学校の高等課程です。調理や美容、情報処理などの専門分野を学びながら、一般教科も学べます。少人数制や個別のサポートを取り入れている学校もあり、不登校経験のある子の進路の一つになります。ただし、支援体制は学校ごとに異なります。学費は高等学校等就学支援金の対象になる場合があります。大学進学を考えているなら、文部科学大臣が指定する大学入学資格付与指定校かどうかを確認しましょう。志望校を決める前に、見学や説明会で授業の進め方やサポート内容を確かめておきましょう。