- 1 高校生が不登校になる主な原因
- 1-1 人間関係の悩み
- 1-2 学業へのプレッシャーと成績不振
- 1-3 心身の不調と起立性調節障害
- 2 不登校の高校生に対する親の適切な対応
- 2-1 子供の気持ちに寄り添う姿勢
- 2-1-1 登校を無理強いせず、休ませる判断をする
- 2-1-2 理由を問い詰めず、話を聴く
- 2-1-3 避けたい声かけと置き換えの例
- 2-1-4 回復の段階に合わせて関わり方を変える
- 2-2 学校や専門機関への相談
- 2-2-1 担任と確認しておきたいこと
- 2-2-2 スクールカウンセラー・スクールソーシャルワーカーの活用
- 2-2-3 医療機関の受診を検討する目安
- 2-2-4 学校外の相談窓口
- 2-3 家庭内での安心できる居場所づくり
- 2-3-1 生活リズムは目安を決めて緩やかに整える
- 2-3-2 スマホやゲームとの付き合い方を一緒に決める
- 2-3-3 家族で対応の方針をそろえる
- 2-3-4 親自身が一人で抱え込まない
- 3 不登校の高校生が選べる進路の選択肢
- 3-1 全日制高校への復帰
- 3-1-1 在籍している高校に戻る方法
- 3-1-2 休学や留年を選ぶ場合
- 3-1-3 別の全日制高校への転校
- 3-2 通信制高校や定時制高校への転入
- 3-2-1 通信制高校の仕組みと特徴
- 3-2-2 定時制高校の仕組みと特徴
- 3-2-3 転入と編入の違いと単位の引き継ぎ
- 3-3 高卒認定試験の受験
- 3-3-1 試験の概要と受験資格
- 3-3-2 合格後にできることと注意点
- 4 まとめ
高校生の不登校は、人間関係の悩み、学業へのプレッシャー、起立性調節障害などの心身の不調が主な原因で、複数が重なることもあります。高校は義務教育ではないため、欠席が続くと単位不足で留年となる可能性があります。一方で、通信制高校や定時制高校へ転入して卒業を目指す方法や、高卒認定試験に合格して大学などの受験資格を得る方法もあります。親は登校を急かさず、子供の話を否定せずに聞き、家庭を休める場所にしましょう。そのうえで担任やスクールカウンセラー、医療機関に早めに相談すると、原因の整理と進路選択につながります。
高校生が不登校になる主な原因

文部科学省の「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」によると、令和5年度に不登校とされた高校生は約6万9千人で、在籍する生徒の約2.4%にあたります。前年度から増えており、どの高校でも起こりうる状況です。
高校生の不登校は、一つの出来事だけで始まるとは限りません。人間関係の悩みから眠れなくなり、授業についていけなくなるなど、複数の要因が重なって登校が難しくなるケースが少なくありません。本人も理由をうまく説明できないことがあります。以下では、高校生に多くみられる原因を三つに分けて説明します。
人間関係の悩み
高校入学時は、多くの生徒が中学時代の友人と離れ、新しいクラスで一から人間関係を築くことになります。入学直後にグループができあがり、その輪に入れなかったことをきっかけに、教室にいるのがつらくなる生徒もいます。入学後の環境になじめず、1学期から欠席が増える状態は「高1クライシス」とも呼ばれます。
高校生の人間関係では、学校の外でのやり取りも影響します。LINEなどのグループトークから外される、SNSに悪口や写真を書き込まれるといったトラブルは、帰宅後も続きます。そのため、休み時間だけ我慢すれば済むものではなく、心が休まる時間がなくなりがちです。
対象は同級生だけではありません。部活動での先輩との上下関係や厳しい指導、担任や教科担当の教員との関係がうまくいかないことも原因になります。いじめのように周囲から見て分かりやすいものだけでなく、「なんとなく話が合わない」「クラスで浮いている気がする」といった表面化しにくい悩みでも、毎日続けば登校への負担になります。
学業へのプレッシャーと成績不振
高校では中学校に比べて授業の進度が速く、数学や英語をはじめ内容も一気に難しくなります。一度つまずくと自力で取り戻すのが難しく、授業が分からない時間が続くことで、学校に行く意味を見失ってしまうことがあります。
中学校で成績上位だった生徒が進学校に入学し、周囲との差に直面するケースもあります。定期テストの順位が大きく下がることで自信をなくしたり、大学受験に向けた模試や課題の量に追い詰められたりすることが、登校できなくなるきっかけになります。
高校は義務教育ではなく、単位の修得が必要です。定期テストで赤点を取ると、補習や追試を受けなければなりません。「赤点を取ったら進級できないかもしれない」という不安が強くなり、テスト前になると体調を崩す生徒もいます。
また、入学した学科やコースが自分に合わないと感じ、将来の進路に迷っていることが学習意欲の低下につながる場合もあります。
心身の不調と起立性調節障害
思春期は体の成長が急速に進み、自律神経のバランスが崩れやすい時期です。その代表的な症状が起立性調節障害(OD)です。日本小児心身医学会は、起立性調節障害を思春期に多い病気とし、重症の場合は不登校を伴うことが多いと説明しています。
主な症状は次のとおりです。
- 朝なかなか起きられない
- 立ち上がったときに立ちくらみやめまいがする
- 頭痛、腹痛、倦怠感がある
- 午前中に症状が強く、午後から夕方にかけて回復する
夕方以降は元気になるため、本人も周囲も「怠けているだけ」「夜更かしのせい」と受け止めてしまうことがあります。しかし起立性調節障害は、血圧や血流の調節がうまく働かないことで起こる身体の病気で、本人の意思で朝の不調を治すことはできません。朝起きられない状態が続く場合は、小児科や内科などで診断を受けることで、原因が分かり適切な治療につながります。
起立性調節障害以外にも、うつ病、不安障害、適応障害といった心の不調が登校を難しくすることがあります。気分の落ち込みが続く、夜眠れない、食欲がないといった変化がみられる場合は注意が必要です。通学中の電車で腹痛や下痢が起きる過敏性腸症候群のように、ストレスが体の症状として現れるケースもあります。
夜遅くまでのスマートフォンの使用などで生活リズムが乱れると、朝の不調が強まり、欠席が続く悪循環に陥ることもあります。ただし、生活習慣の乱れは原因ではなく、心身の不調や悩みの結果として起きている場合もあります。表面に見える行動だけで理由を一つに絞らないことが大切です。
不登校の高校生に対する親の適切な対応

高校は小中学校と違い、欠席が続くと単位不足や原級留置(留年)につながります。そのため親は「早く学校に戻さなければ」と焦りがちです。しかし、本人が心身ともに消耗している時期に登校を急かすと、親子の会話が途絶えて回復が長引くことがあります。親の対応は、本人の状態を把握すること、学校や専門機関と情報を共有すること、家庭で休める環境を整えることの3つを並行して進めるのが基本です。
子供の気持ちに寄り添う姿勢
登校を無理強いせず、休ませる判断をする
朝になると頭痛や腹痛を訴える、制服に着替えても玄関から出られないといった状態は、本人が「行きたくても行けない」段階に入っているサインです。この時期に叱ったり、車で学校まで連れて行ったりすると、本人は「家でも理解されない」と感じ、親に本音を話さなくなる場合があります。まずは「今日は休んでいい」と伝え、体調と気持ちを落ち着かせる期間を設けることが、その後の話し合いの土台になります。
理由を問い詰めず、話を聴く
高校生は、学校に行けない理由を自分でも整理できていないことがあります。また、人間関係のトラブルなど、親に話しにくい事情を抱えていることもあります。「なぜ行けないのか」を繰り返し聞くと、本人は答えられないこと自体を責められていると受け取りやすくなります。本人が話し始めたら、途中で助言や反論をせずに最後まで聴き、「そう感じていたんだね」と受け止めることを優先しましょう。
避けたい声かけと置き換えの例
親が励ましのつもりで言った言葉が、本人を追い詰めることがあります。次のような言い換えを意識すると、会話を続けやすくなります。
- 「みんな頑張って通っているのに」→ 他の生徒やきょうだいとは比べず、本人の体調や様子について話す
- 「このままだと留年するよ」→ 単位や進級の情報は、本人が落ち着いてから事実として一緒に確認する
- 「いつから行けるの」→ 期限を区切らず、「行けそうになったら教えてね」と伝える
回復の段階に合わせて関わり方を変える
不登校の経過は一般に、登校を渋る時期、家で休養する時期、少しずつ外に関心が向く時期といった流れで説明されることが多く、必要な関わりは時期によって変わります。休養期に進路の話を持ち出すと負担になりやすい一方、本人が外出したり将来について口にしたりし始めたら、学校や進路の情報を一緒に調べる段階に移れます。本人の言動の変化を観察し、親が先回りして決めるのではなく、本人が選べる形で情報を示すことが大切です。
学校や専門機関への相談
担任と確認しておきたいこと
高校では、出席日数と単位修得の状況が進級に直結します。本人が休んでいる間も、親は担任や学年主任と連絡を取り、次の点を確認しておくと、今後の選択肢を検討しやすくなります。
- 科目ごとの欠席時数と、単位認定に必要な出席の目安
- 別室登校や保健室登校、課題提出や補講で対応できる範囲
- 進級や卒業の判断が行われる時期
- 本人の様子を学校側がどう把握しているか(クラスでの人間関係や成績の変化など)
学校ごとに対応は異なるため、口頭で聞いた内容はメモに残しておきましょう。転入などを検討する場合も、在籍校での修得単位数が判断材料になります。
スクールカウンセラー・スクールソーシャルワーカーの活用
多くの高校には、心理の専門職であるスクールカウンセラーが配置されています。本人が面談を嫌がる場合でも、親だけで相談することが可能です。家庭の経済状況や福祉的な支援が関係している場合は、行政や福祉サービスとの橋渡しを担うスクールソーシャルワーカーにつないでもらえることもあります。配置状況や相談の申し込み方法は、担任や保健室の養護教諭に確認しましょう。
医療機関の受診を検討する目安
朝起きられない、立ちくらみがする、午前中に体調が悪く夕方には回復するといった症状が続く場合は、起立性調節障害の可能性があるため、小児科や思春期外来で相談します。気分の落ち込み、不眠、食欲の低下が2週間以上続くなど、精神面の不調がうかがえる場合は、心療内科や精神科の受診も選択肢です。受診時には、睡眠時間、体調の変化、欠席した日などを記録して持参すると、医師が経過を把握しやすくなります。
学校外の相談窓口
学校に相談しにくい場合や、学校とは別の立場からの助言がほしい場合は、次のような公的機関を利用できます。
- 教育支援センター(適応指導教室):自治体によっては高校生の相談にも対応している
- 精神保健福祉センター:各都道府県・政令指定都市に設置され、心の健康に関する相談を受け付けている
- 地域若者サポートステーション(サポステ):15歳から49歳を対象に、働くことに関する相談を受け付けている
本人や親が夜間や休日に相談したい場合は、文部科学省が案内している24時間子供SOSダイヤルを利用できます。本人が「消えたい」「死にたい」といった言葉を口にした場合は、様子を見ずにすぐ医療機関や相談窓口につなぎましょう。電話やSNSで相談できる窓口は、厚生労働省のまもろうよ こころにまとめられています。
家庭内での安心できる居場所づくり
生活リズムは目安を決めて緩やかに整える
不登校の高校生は、昼夜逆転になることが少なくありません。ただ、起床時間を厳しく管理すると、家庭が学校と同じように緊張する場所になってしまいます。「朝食は家族と一緒にとる」「昼までには起きる」など、本人が守れそうな目安を話し合って決め、守れない日があっても責めないようにしましょう。起立性調節障害がある場合は、朝に起きられないことが症状の一部であるため、医師の助言に沿って生活を調整します。
スマホやゲームとの付き合い方を一緒に決める
家にいる時間が長くなると、スマホやゲームの利用時間が増えます。親としては心配になりますが、学校に行けない高校生にとって、オンラインでの友人とのやり取りやゲームは、外部とのつながりや気分転換の手段になっている場合があります。いきなり取り上げると、親子関係が悪化するおそれがあります。利用時間や夜間の使い方は、親が一方的に決めるのではなく、本人と話し合ってルールをつくりましょう。
家族で対応の方針をそろえる
母親は休ませたいと考え、父親は登校させたいと考えるなど、家族の中で方針が食い違うと、本人はどちらの顔色をうかがえばよいのかわからなくなります。学校や専門機関から聞いた情報は家族全員で共有し、「今は休養を優先する」「進路の話は本人が切り出すまで待つ」といった方針をそろえておきましょう。きょうだいがいる場合は、不登校について周囲にどう説明するかも決めておくと、家庭内での摩擦を減らせます。
親自身が一人で抱え込まない
子供の不登校が長引くと、親は自分の育て方を責めたり、仕事と家庭の両立に疲れたりしやすくなります。親の不安や疲れは表情や言葉に出やすく、本人が「自分のせいで親が苦しんでいる」と感じるきっかけにもなります。同じ経験を持つ保護者が集まる不登校の親の会に参加したり、スクールカウンセラーや精神保健福祉センターに親自身の悩みとして相談したりして、親が気持ちを話せる場を確保しておきましょう。
- 「学校の話は、いつ切り出せばよいのだろう」
- 「見守りたいけれど、単位や進路が心配」
- 「本人の考えを、どう聞けばよいのだろう」
学校と連絡を取りながら本人の言葉を待つ中で、保護者も声のかけ方に迷うことがあります。毎日の関わり方を具体的に学ぶことも、相談先とあわせて検討できる選択肢です。
ほめビリティは、子どもを無理に変えようとするのではなく、日々の声かけや関わり方を実践しながら学ぶ、保護者向けのオンラインプログラムです。
返事を急がせない聞き方や、日々の小さな変化への気づきを、家庭でどう実践するか考えてみませんか。
不登校の高校生が選べる進路の選択肢

高校は義務教育ではないため、単位を修得できなければ進級も卒業もできません。欠席が続くと出席日数の不足で単位が認められず、留年(原級留置)や退学が現実的な問題になります。ただし、進路は今の学校に戻ることだけではありません。学び方を変えて高校卒業資格を得る方法や、試験に合格して大学などの受験資格を得る方法もあります。主な選択肢の違いは次のとおりです。
| 選択肢 | 通学の頻度 | 得られる資格 | 検討しやすいケース |
|---|---|---|---|
| 全日制高校への復帰 | 原則として平日毎日 | 高校卒業 | 不登校の原因や体調が改善し、今の学校で学び続けたい |
| 通信制高校 | 週1日程度から年数日程度まで(学校・コースによる) | 高校卒業 | 毎日の通学が難しく、自分のペースで学びたい |
| 定時制高校 | 平日毎日(1日4時間程度が一般的) | 高校卒業 | 通学はできるが、少人数や短時間の授業が合う |
| 高卒認定試験 | 通学は不要 | 高校卒業と同等以上の学力の認定(学歴は高卒にならない) | 大学や専門学校への進学を目指し、試験勉強に取り組める |
全日制高校への復帰
在籍している高校に戻る方法
いきなり教室に毎日通うのではなく、段階的に登校を再開する方法があります。具体的には、保健室や相談室で過ごす別室登校、始業時間をずらした時差登校、特定の授業だけに出席する方法などです。対応できる内容は学校ごとに異なるため、担任や学年主任に確認しましょう。
復帰を考えるうえで重要なのが出席日数です。各科目の授業時数の3分の1を超えて欠席すると単位を認めない、という基準を設けている学校が多くみられますが、具体的な基準は学校によって異なります。欠席分を補習やレポート提出で補える学校もあるため、「あと何日休むと単位を落とすのか」「補う方法はあるのか」を早めに学校へ確認しておくと、進路を判断する時間を確保できます。
休学や留年を選ぶ場合
休学は、在籍したまま一定期間学校を休む制度です。心身の回復を優先したい場合に利用されます。休学できる期間や休学中の学費の扱いは学校ごとに定められており、休学期間は在籍年数に含まれないのが一般的です。
留年は、同じ学年をもう一度履修することです。在籍校で卒業を目指し続けられる一方で、年下の生徒と同じクラスになることに抵抗を感じる生徒もいます。本人がその環境を受け入れられるかどうかも含めて検討が必要です。
別の全日制高校への転校
人間関係など在籍校の環境が不登校の原因になっている場合は、別の全日制高校へ転校する選択肢もあります。ただし、全日制高校の転入学は欠員がある場合に限って募集されることが多く、募集時期も限られます。公立高校では、転居を伴うことなどを条件にしている自治体もあります。転入学試験の有無や条件は、都道府県の教育委員会や希望する高校に問い合わせて確認しましょう。
通信制高校や定時制高校への転入
通信制高校の仕組みと特徴
通信制高校では、自宅などでレポート(添削指導)に取り組み、決められた日数のスクーリング(面接指導)に出席し、単位認定試験に合格することで単位を修得します。卒業には、3年以上の在籍、74単位以上の修得、特別活動への30単位時間以上の参加が必要です。卒業すれば、全日制高校と同じ高校卒業の資格を得られます。
登校日数は学校やコースによって大きく異なります。年に数日の集中スクーリングで済むコースもあれば、週1日から週5日まで通学日数を選べるコースもあります。公立の通信制高校は授業料が安い反面、自学自習が中心です。私立は学習サポートや進学指導が手厚い学校が多い一方で、公立より学費が高くなる傾向があります。私立を含む通信制高校の授業料は国の高等学校等就学支援金制度(文部科学省)の対象で、要件を満たせば負担が軽減されます。支給額や要件は制度改正で変わることがあるため、最新の情報を確認してください。
通信制高校とあわせて、学習塾などが運営する「サポート校」を利用する生徒もいます。サポート校は高校ではないため、単独では卒業資格を得られません。通信制高校に在籍しながら、レポート作成の支援や生活面のサポートを受ける場として利用するもので、通信制高校の学費とは別に費用がかかります。
定時制高校の仕組みと特徴
定時制高校には、夜間に授業を行う学校のほか、昼間定時制や、午前・午後・夜間から時間帯を選べる三部制の学校があります。1日の授業時間は4時間程度が一般的で、全日制より短時間で通えます。修業年限は3年以上と定められており、4年で卒業するのが基本ですが、他の時間帯の授業や通信制の科目をあわせて履修し、3年で卒業できる学校もあります。
1クラスの人数が少ない学校が多く、働きながら学ぶ人や年齢の異なる生徒も在籍しています。毎日決まった時間に通うことで生活リズムを整えたい生徒や、大人数の教室に苦手意識がある生徒が選ぶケースがあります。
転入と編入の違いと単位の引き継ぎ
今の高校に在籍したまま別の高校へ移ることを「転入」、高校を退学した後に別の高校へ入ることを「編入」といいます。どちらの場合も、それまでに修得した単位と在籍期間は原則として新しい高校に引き継がれます。そのため、条件がそろえば、元の学校の同級生と同じ時期に卒業を目指せます。
通信制高校には、年度の途中でも転入を随時受け付けている学校が多くあります。一方、編入は4月や10月など受け入れ時期が限られている学校もあります。今の学校で単位を落とす前に転入すれば、その年度に修得できる単位を減らさずに済むことがあります。退学届を出す前に転入先の募集時期と必要書類を確認しておくと、在籍していない空白期間を避けられます。
高卒認定試験の受験
試験の概要と受験資格
高等学校卒業程度認定試験(高卒認定試験)は、高校を卒業した人と同等以上の学力があるかどうかを認定する国の試験です。文部科学省の高等学校卒業程度認定試験のページで案内されているとおり、試験は例年8月と11月の年2回実施されます。受験年度の末日までに満16歳以上になる人が受験でき、高校に在籍中でも受験可能です。
試験科目は国語、地理、歴史、公共、数学、理科、英語で、理科の科目の選び方によって合格が必要な科目数は8科目または9科目になります。一度に全科目を合格する必要はなく、合格した科目は次回以降の受験で免除されます。また、高校で修得した単位によって一部の科目が免除される場合もあります。
合格後にできることと注意点
高卒認定試験に合格すると、大学・短期大学・専門学校の受験資格を得られます。就職試験や国家資格の受験で高校卒業者と同等に扱われる場合もありますが、扱いは企業や資格によって異なるため、個別の確認が必要です。
注意したいのは、合格しても最終学歴は「高校卒業」にならない点です。高校を中退した場合、学歴は「高校中退」のままです。また、18歳未満で全科目に合格した場合、正式な合格者となるのは18歳の誕生日の翌日からです。
学校に通わない分、学習計画は自分で立てる必要があります。独学が難しい場合は、高卒認定試験向けの予備校や通信講座を利用する方法があります。通信制高校の中には、高卒認定試験で合格した科目を単位として認める学校もあるため、高校卒業資格の取得を目指すか、高卒認定試験で大学受験を目指すかを比べながら検討するとよいでしょう。
通信制高校とサポート校の違いや学校選びの視点は、あした研究室の通信制サポート校の解説も参考にしてください。利用条件や費用は各校へ確認しましょう。
まとめ
高校生の不登校の主な原因には、人間関係の悩み、学業へのプレッシャー、起立性調節障害などの心身の不調があり、複数の要因が重なる場合もあります。
親は登校を急がせずに子供の話を聞き、家庭を安心して過ごせる場所にしたうえで、学校や医療機関などの専門機関に相談することが大切です。
高校では出席日数や修得単位が進級・卒業の条件になるため、欠席が続く場合は早めに学校で単位の状況を確認しましょう。進路には全日制高校への復帰、通信制高校や定時制高校への転入、高卒認定試験の受験があり、子供と話し合って選べます。
本人が学習に取り組めそうなときには、学校の課題とあわせて、つまずいた単元を自宅で確認できる教材も選択肢になります。
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