- 1 保健室登校とはどのような状態か
- 1-1 保健室登校の定義と現状
- 1-2 保健室登校は出席扱いになるのか
- 2 子どもが保健室登校になる主な理由
- 2-1 人間関係の悩み
- 2-2 学習面でのつまずき
- 2-3 心身の不調や起立性調節障害
- 3 保健室登校のメリットと注意点
- 3-1 保健室登校のメリット
- 3-1-1 安心できる居場所の確保
- 3-1-2 生活リズムの維持
- 3-2 保健室登校の注意点
- 3-2-1 学習の遅れへの懸念
- 3-2-2 保健室の先生の負担
- 4 保健室登校をしている子どもへの対応
- 4-1 家庭でできるサポート
- 4-2 学校やスクールカウンセラーとの連携
- 5 教室復帰だけにこだわらない新しい考え方
- 5-1 フリースクールや教育支援センターの活用
- 5-2 小中学生の自宅学習と通信制高校という選択肢
- 6 まとめ
保健室登校とは、学校に登校し、教室の代わりに保健室を主な居場所として過ごす形です。本人に合えば、休息を取りながら学校とのつながりを保つ方法になります。利用できる時間や学習支援は学校によって異なり、高校では登校日数と授業への出席・単位認定を分けて確認する必要があります。この記事では、保健室登校のメリットと注意点、家庭での関わり方、学校と相談する項目を整理します。教室復帰だけを目標にせず、本人の体調や希望に合う居場所と学び方を考えていきます。
保健室登校とはどのような状態か

保健室登校とは、学校には登校しているものの、教室には入らず主に保健室で過ごす登校の形です。朝から下校まで保健室にいる子どももいれば、一部の授業だけ教室に出て、それ以外の時間を保健室で過ごす子どももいます。ここでは、保健室登校の定義と現状、出席の扱いについて説明します。
保健室登校の定義と現状
保健室登校では、一時的なけがの手当てや休息だけでなく、学校生活の多くの時間を保健室で過ごします。一部の授業には参加する、短時間だけ滞在するといった形もあり、過ごし方は一人ひとり異なります。
保健室での過ごし方は学校や子どもによって異なります。主な例は次のとおりです。
- 担任の先生が用意したプリントや課題に取り組む
- 養護教諭(保健室の先生)と話をしたり、体調の確認を受けたりする
- 給食を保健室でとる、または教室で食べられる日だけ教室に行く
- 体調や気持ちに合わせて、登校時間や下校時間を調整する
保健室以外に、相談室や空き教室などを使う「別室登校」という形もあります。文部科学省のCOCOLOプランでは、校内教育支援センターの整備が進められています。保健室や別室を利用できる時間、担当者、学習支援は学校ごとに確認しましょう。
校内で使える別の居場所については、あした研究室の校内教育支援センターの解説で、別室登校との違いや具体例を確認できます。設置や支援の内容は学校ごとに異なります。
教室には入りにくくても、保健室なら過ごせる場合があります。一方、登校すること自体が負担になる日もあります。欠席日数だけで支援の必要性を判断せず、本人の体調や校内で困る場面を学校と共有することが大切です。
保健室登校は出席扱いになるのか
保健室登校は学校内で過ごす登校の形で、一般的には登校日として記録されます。ただし、滞在時間に応じた遅刻・早退などの記録や個別の運用は在籍校へ確認してください。学校外の施設や自宅での学習を指導要録上の出席扱いにする制度とは、分けて理解しましょう。
ただし、日数の扱いと授業や成績の扱いは分けて考える必要があります。
- 出席日数:保健室で過ごした日と時間をどのように記録するか、学校に確認します。遅刻・早退の記録も確認しておきましょう。
- 成績評価:出席日数だけで成績が決まるわけではありません。提出物やテスト、学習の記録など、どのような材料で評価するかを教科ごとに相談します。別室での受験や課題提出の方法も確認できます。
- 高校の場合:高等学校では教科ごとに単位を修得する仕組みです。保健室にいて授業に出ていない時間は、その授業の「欠課」として数えられることがあります。欠課時数が学校の定める基準を超えると、単位を修得できず、進級や卒業に影響する可能性があります。
中学生は、調査書(内申書)に記録される出欠と各教科の評定を分けて確認しましょう。高校入試での扱いは地域や学校、選抜方法によって異なります。担任や進路担当に、その年度の募集要項も含めて相談することが大切です。高校生は、教科ごとの欠課時数、補充指導、評価・単位認定の条件を早めに確認してください。文部科学省の通知では、不登校生徒等への遠隔授業や通信教育を活用する仕組みも示されていますが、利用には学校の対応と条件の確認が必要です。
小中学生が学校外の施設や自宅で学ぶ場合には、要件を満たし校長が認めることで、指導要録上の出席扱いとなる仕組みがあります。保健室へ登校した日の扱いとは異なるため、学校外の選択肢は後の章で整理します。高校では授業の履修や単位認定と区別して、在籍校に相談してください。
子どもが保健室登校になる主な理由
保健室登校に至る背景は、人間関係、授業での困りごと、体調、教室の環境などさまざまです。一つの原因だけで説明できない場合もあります。本人が話せる範囲で気持ちを聞き、つらくなる時間や場所、比較的過ごしやすい場面を整理します。以下は背景の例であり、保健室登校だけから病気や特性を判断するものではありません。
人間関係の悩み
友人との関係で教室に入りにくくなる場合があります。からかわれる、仲間とのやり取りに困る、SNSで気まずい出来事があるなど、負担になる場面はさまざまです。いじめが疑われるときは、本人の安全を優先して学校と対応を相談してください。
友人関係だけでなく、担任や教科担当の先生との関係が理由になることもあります。人前で注意された経験や、先生の話し方が怖いと感じた経験から、その先生がいる教室を避けるようになるケースです。
特定のトラブルがなくても、教室の音や人の多さ、周囲の視線が負担になる場合があります。保健室が過ごしやすいかどうかも本人によって異なります。「どこなら落ち着けるか」「誰となら話しやすいか」を確かめ、利用する場所を相談しましょう。
学習面でのつまずき
授業内容がわからない、指名への不安がある、課題の量が多いなど、学習での困りごとが教室への入りにくさに関係する場合もあります。教科や場面を具体的に整理すると、教材や課題量の調整を相談しやすくなります。
読み書きに時間がかかる、板書を写すのが難しい、説明の速さに追いつかないといった困りごとも確認します。診断の有無だけで支援を考えず、本人が取り組みやすい教材の形式や課題量を学校と相談できます。
欠席した期間の学習内容がわからず、授業への参加をためらう場合もあります。休んだ分を一度に埋めようとせず、どこから取り組むか、誰に質問できるかを学校と相談しておくと、学習の見通しを持ちやすくなります。
心身の不調や起立性調節障害
腹痛や頭痛、吐き気、だるさなどが続き、教室で授業を受けることが難しい場合もあります。気持ちの問題だけを原因として考えるのではなく、症状が出る時間や続いている期間を記録し、医療機関に相談しましょう。
起立性調節障害(OD)では、朝起きられない、立ちくらみ、頭痛などの症状が見られることがあります。ただし、似た症状には別の病気や睡眠などの問題が関係する場合もあり、この記事から診断することはできません。症状が続く、生活に支障があるときは小児科などに相談してください。参考:東京都の起立性調節障害の解説。
受診している場合は、本人の同意やプライバシーに配慮しながら、学校生活で必要な配慮を医師と学校に相談できます。診断がつくまで相談を待つ必要はありません。遅い時間の登校や休息の取り方など、現在の困りごとに応じて検討します。
保健室登校のメリットと注意点

保健室登校は、教室に入れない子どもが学校とのつながりを保つための方法です。一方で、学習面や学校側の体制には課題もあります。保護者がメリットと注意点の両方を知っておくと、学校と相談するときに具体的な要望を伝えやすくなります。
保健室登校のメリット
本人に合った利用ができる場合、保健室は校内の居場所となり、先生や友人との接点や日々の生活の見通しを保つ助けになります。全員に同じ効果があるわけではなく、本人の負担と合わせて考えます。
安心できる居場所の確保
保健室では、教室とは異なる空間で休息を取ったり、体調に合わせて過ごしたりできる場合があります。ただし、けがや急病で来室する児童生徒もいるため、常に静かで人目のない場所とは限りません。本人が落ち着ける環境かを確かめましょう。
養護教諭は、学校の健康相談や保健指導などを担います。体調の確認や会話を通じて、困っていることを伝えられる場合があります。学習や生活上の支援が必要なときは、担任などと連携して対応を考えます。
保健室を拠点にすると、学校とのつながりも完全には途切れません。担任が休み時間に顔を出したり、親しい友人と短時間話したりする機会が残ります。これが、子どもが再び教室や別室へ足を運ぶきっかけになることがあります。
生活リズムの維持
本人の体調に合う時間に身支度や外出をすることが、一日の見通しをつくるきっかけになる場合があります。給食の利用や休息の時間も学校と相談できます。生活リズムを整えるために無理な登校を求めるのではなく、睡眠や疲労の状況を踏まえて調整します。
登校時間や滞在時間は、学校の受け入れ体制と子どもの状態に合わせて調整できる場合があります。たとえば午後の短時間だけ過ごす方法です。帰宅後の疲れも見ながら、その利用の仕方が負担になっていないかを一緒に確認しましょう。
保健室登校の注意点
保健室は学校全体の健康を支える場所でもあり、学習や継続的な見守りには調整が必要です。利用するうえでの注意点を確認し、必要な工夫を学校と話し合いましょう。
学習の遅れへの懸念
保健室での時間だけでは、教室と同じ授業を受けられない場合があります。学びたいときに使える教材、質問できる相手、課題の受け取り方を確保することが大切です。授業の進度だけでなく、本人の理解度も確認します。
学校によっては、担任や教科担任が保健室で取り組めるプリントや課題を用意したり、空き時間の教員が個別に学習をみたりしています。また、1人1台配備されたタブレット端末を使い、教室の授業をオンラインで視聴できるようにしている学校もあります。どの方法をとれるかは学校の体制によって異なるため、保護者から担任に「どの教科を、どのような形で学べるか」を具体的に確認しておくとよいでしょう。
ただし、子どもが強い疲れや不安を抱えている時期には、学習を急ぐことが負担になる場合があります。学習量は、子どもの体調や意欲を見ながら段階的に増やしていくことが大切です。
学校と学習方法を相談したうえで、家庭でも自分の理解度に合う教材を用意する方法があります。取り組む量や時間は、本人の体調や希望に合わせて考えましょう。
無学年式オンライン教材「すらら」は、学年にとらわれず、理解を確かめたい内容に戻って自宅で学べます。
本人に合う進め方や、家庭学習を支える仕組みを知りたいときの選択肢です。利用によって出席や成績が自動的に認められるものではありません。
保健室の先生の負担
養護教諭は、けがや急病への対応、健康診断、健康相談、感染症対策など、学校全体の保健業務を担います。人数や勤務体制は学校ごとに異なり、保健室登校への対応を一人で専任できるとは限りません。
急なけがや体調不良への対応が入ると、保健室登校の子どもへの対応が難しい時間もあります。他の利用者との接触や感染症への配慮が必要になる場合もあります。担当者が対応できないときの連絡先や別の居場所を、あらかじめ学校と相談しましょう。
養護教諭1人に対応が集中すると、子どもへの関わりが十分にできなくなるおそれがあります。保健室登校は、担任や管理職、スクールカウンセラーなどと役割を分担する校内体制があってこそ続けやすくなります。学校によっては、保健室ではなく別室を「校内の居場所」として用意し、教員が交代で見守る方法をとっている場合もあります。
保健室登校をしている子どもへの対応

保健室登校をしている子どもを支えるうえでは、家庭と学校が同じ方針で関わることが大切です。家庭では子どもの気持ちと体調を受け止め、学校では担任、養護教諭、スクールカウンセラーなどが役割を分担します。それぞれの立場でできることを整理します。
家庭でできるサポート
家庭では、教室に入れたかどうかに加えて、本人がどのように過ごしたか、疲れが残っていないかを確かめます。「今日はどう過ごせた?」「今は休みたい?」など、答えやすい聞き方を選べます。登校できた日も休んだ日も、本人の体調や工夫に目を向けましょう。
理由を言葉にしにくい場合や、今は話したくない場合もあります。「話したくなったら聞くよ」と伝え、話し始めたらまず内容を受け止める方法があります。解決策を提案する前に、聞いてほしいのか、一緒に考えてほしいのかを確かめることもできます。
家庭での具体的な関わり方としては、次のようなものがあります。
- 帰宅後に休む時間を用意し、学校の話をするタイミングは本人に確かめる
- 睡眠や疲れの様子を見ながら、無理のない朝の準備や休息の取り方を相談する
- ほかの子の進み方よりも、本人の体調やできた工夫を確かめる
- 保健室へ行くのもつらい日は、休むことも選択肢として認める
- 家庭内で好きなことや得意なことに取り組む時間を確保し、自信を持てる場面をつくる
体調不良が続く場合には、小児科などで相談しましょう。学校へは診断名だけでなく、つらくなる時間帯や必要な休息など、現在の生活上の困りごとも伝えられます。
保護者自身の気持ちや生活の負担についても相談できます。スクールカウンセラーや自治体の教育相談窓口へ、保護者だけで利用できるか、予約や費用の条件を確認してみましょう。
学校やスクールカウンセラーとの連携
保健室登校を続けるには、学校側と情報を共有し、過ごし方について合意しておくことが欠かせません。担任と養護教諭の両方に、家での様子や体調、子どもが話していたことを伝え、学校での様子も教えてもらいましょう。連絡帳、電話、定期的な面談など、連絡の手段と頻度をあらかじめ決めておくと、やりとりの負担が偏りにくくなります。
学校と話し合っておきたい主な項目は次のとおりです。
- 登校時刻と下校時刻、保健室に滞在する時間
- 保健室での過ごし方(自習する課題やプリントの受け取り方など)
- 給食を食べる場所や、休み時間に他の児童生徒と顔を合わせる場面への配慮
- 養護教諭が不在のときや、けが人の対応で手が離せないときの居場所
- 同級生から理由を聞かれたときの説明の仕方
こうした取り決めには、子ども本人の意見を反映させることが重要です。大人だけで決めた目標は、本人にとって負担になりやすいためです。たとえば「週に何日保健室へ行くか」「好きな教科の授業だけ教室で受けてみるか」など、本人が納得できる小さな目標を設定し、状況に応じて見直していきます。
学校によっては、保健室以外に相談室や校内教育支援センター(校内の別室で個別に学習や相談ができる場)が設けられている場合があります。保健室は体調不良やけがの児童生徒も利用する場所であるため、別室が使えるかどうかを学校に確認しておくと、居場所の選択肢が広がります。
スクールカウンセラーは、子どもや保護者の心理面の相談、教員への助言などを担います。勤務日や相談方法は学校によって異なるため、担任や養護教諭を通じて予約方法を確認しましょう。
学校以外の福祉・医療の支援や、複数の相談先との調整が必要な場合には、スクールソーシャルワーカーに相談する方法もあります。利用できる支援を一緒に整理し、関係機関との連携を相談できます。
支援に関わる人が増えた場合は、担任、養護教諭、スクールカウンセラー、保護者などが集まって情報を共有する場を学校に設けてもらうと、方針のずれを防げます。医療機関を受診している場合は、医師の意見や必要な配慮の内容を学校に伝えることで、体調に合わせた対応を受けやすくなります。
- 「帰宅後はどんなふうに声をかけよう」
- 「話したくない日はどう関わろう」
- 「子どもの希望をどう確かめよう」
こうした関わり方をもう少し具体的に考えたいときは、日々の声かけを学ぶ場を利用する方法もあります。
ほめビリティは、日々の声かけや関わり方を実践しながら学ぶ、保護者向けのオンラインプログラムです。
子どもの様子を受け止め、自分の家庭で試せる関わり方を考えるヒントとして活用できます。
教室復帰だけにこだわらない新しい考え方
教室復帰を希望する子どもには、本人の希望と負担を確かめながら参加の方法を考えます。一方、保健室や別室、学校外の施設、自宅などで学ぶことを含め、安心して過ごせる場所と学習機会を確保する視点も必要です。
文部科学省の不登校児童生徒への支援に関する通知は、登校という結果だけを支援の目標にせず、本人が進路を考え、社会的に自立することを支える方針を示しています。休養が必要な時期を尊重しつつ、学びや相談の機会もつなげていくことが大切です。
この考え方に立つと、保健室登校は「教室に戻るための通過点」とは限らず、子どもに合った学び方を選ぶための選択肢のひとつと捉えられます。保健室登校を続けながら週に数日は別の施設に通うなど、複数の場所を組み合わせることもできます。どの場所を選ぶ場合も、子ども本人の意思を確かめ、在籍校と情報を共有しておくことが前提になります。
フリースクールや教育支援センターの活用
学校以外の居場所として代表的なのが、教育支援センターとフリースクールです。どちらも不登校や登校しづらい子どもを受け入れていますが、運営する団体や費用、活動内容が異なります。
| 項目 | 教育支援センター | フリースクール |
|---|---|---|
| 運営主体 | 市区町村の教育委員会など(公的機関) | NPO法人、民間企業、個人など |
| 費用 | 原則無料の施設が多い | 施設ごとに異なり、入会金や月謝がかかる |
| 主な活動 | 教科学習の補充、少人数での体験活動、相談 | 自由な過ごし方、体験学習、個別学習など施設ごとに多様 |
| 出席扱い | 在籍校の校長の判断で出席扱いになる場合がある | 一定の要件を満たし、在籍校の校長が認めれば出席扱いになる場合がある |
教育支援センターは「適応指導教室」とも呼ばれ、多くの自治体に設置されています。元教員や心理の専門職などが指導にあたり、在籍校との連絡体制が整っていることが一般的です。以前は学校復帰を主な目的とする施設が多くありましたが、現在は自治体によって方針に幅があります。そのため、見学の際に「どのような目標で支援しているか」を確認しておくと、子どもに合うかどうかを判断しやすくなります。
フリースクールは、施設によって教育方針、対象年齢、活動内容や費用が異なります。見学や体験利用の方法に加え、入会金、月謝、教材費、交通費など年間の総額と、休会・退会時の条件を確認しましょう。自治体に利用料の補助があるかも、最新の案内で確認できます。
小中学生が学校外の施設で相談・指導を受けた日を指導要録上の出席扱いにするには、在籍校の校長による判断が必要です。文部科学省の通知には要件が示されており、施設の利用だけで自動的に認められるものではありません。以下は学校に確認する主な項目で、要件のすべてを示すものではありません。
- 保護者と学校との間に十分な連携・協力関係があること
- 施設での学習や生活の様子を、学校が定期的に把握できること
- 民間施設の場合は、学校や教育委員会が通知のガイドラインに照らして適切と判断していること
施設を選ぶときは、次の手順で進めると判断の材料がそろいやすくなります。
- 担任や養護教諭、スクールカウンセラーに地域の施設を紹介してもらう
- 保護者だけで説明を聞き、方針や費用、学校との連携状況を確認する
- 子どもと一緒に見学や体験利用をして、本人が安心して過ごせるかを確かめる
- 通い始める前に在籍校へ伝え、出席扱いの可否や情報共有の方法を相談する
自宅からの距離や通う頻度も、長く続けられるかを左右します。最初は週1日から始め、保健室登校と並行して様子を見ていく方法もあります。
小中学生の自宅学習と通信制高校という選択肢
学校に通うこと自体がつらいときは、自宅での学び方も検討できます。小中学生が在籍校と連携して行う自宅学習と、中学校卒業後に選ぶ通信制高校は、異なる仕組みです。
小中学生は、在籍校に籍を置きながら、オンライン教材などで自宅学習をする方法があります。一定の要件を満たし校長が認めれば、自宅でのICT等を使った学習を指導要録上の出席扱いにできる場合があります。学校との連携、学習計画や記録、指導の体制などを事前に相談してください。保健室へ行けない日の学習も、本人の休養と無理なく両立できる方法を考えます。
小中学生の自宅学習について、学校との相談や手続きの流れを知りたい場合は、あした研究室のICTを活用した出席扱い制度の案内をご覧ください。この案内は義務教育段階の制度を扱っており、高校の履修・単位認定を説明するものではありません。
中学校卒業後の進路には通信制高校もあります。自学自習を基本に、添削指導、面接指導(スクーリング)、試験などを通じて学ぶ仕組みです。文部科学省の通信制高校の案内も参考に、学校ごとの条件を確認しましょう。
- レポートの提出、スクーリング(面接指導)への出席、試験の合格によって単位を修得する
- 卒業には、3年以上の在籍、学校が定める74単位以上の修得に加え、特別活動などの要件を満たす必要がある
- 必要な登校日数、スクーリングの場所、欠席時の対応は学校やコースごとに確認する
- 選抜方法や提出書類、中学校での欠席の扱いは、その年度の募集要項と個別相談で確認する
通信制高校には公立と私立があり、費用や学習支援の体制は学校・コースごとに異なります。課題の進め方、質問や相談ができる方法、登校の負担を比較しましょう。学習を補助する「サポート校」は通信制高校そのものとは異なるため、高校の学費とは別の費用が必要になることがあります。契約先と費用の内訳を確認してください。
本人の希望を聞きながら、進路担当の先生と情報を集めることができます。説明会や個別相談への参加が負担になる場合は、まず保護者だけで話を聞く方法もあります。高校在学中に転入等を検討する場合は、修得済み単位の引き継ぎや卒業までの期間を、在籍校と候補校の両方に確認しましょう。
まとめ
保健室登校は、学校内で本人に合う居場所を確保する方法の一つです。利用時間、担当者、学習や出欠の記録を学校と相談し、本人の希望や疲れに合わせて見直します。高校では登校日数と授業の履修・単位認定を分けて確認しましょう。教室復帰だけで支援の成果を測らず、安心して過ごせることと学びを続けられることを大切に、校内外の選択肢を考えていけます。