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不登校で卒業式に出ないときの親の対応 学校への連絡と過ごし方

不登校のお子さんが卒業式に出ない、あるいは出るかどうか迷っているとき、親も「節目を見届けたい」「無理はさせたくない」と気持ちが揺れることがあります。まずは子どもの希望と親自身の希望を分けて整理し、学校に確認することを一つずつ決めていきましょう。

この記事は、卒業を控えた小学6年生・中学3年生の保護者に向けて、欠席や変更の連絡、当日の過ごし方、卒業証書の受け取り、親だけの参列について整理します。親だけで参加できるか、別の日時に証書を受け取れるかなどの対応は学校によって異なります。ここに挙げる方法は、在籍校に相談するときの候補として使ってください。

不登校で卒業式に出ない子どもへの親の対応

子どもの希望と親の思いを分け、返事を急がせず、参加する場合は休める場所や帰り方を学校と相談する図解

「卒業式くらいは出てほしい」「出なかったら後悔するのでは」と考えることもあるでしょう。一方、子どもは同級生と顔を合わせること、名前を呼ばれること、長時間会場にいることなど、それぞれ違う点に負担を感じているかもしれません。親の願いを伝える前に、本人が今どう感じているかを確かめるところから始めます。

子どもの気持ちを最優先に考える

文部科学省の不登校児童生徒への支援の在り方についての通知では、登校したかどうかだけを支援の目標にせず、本人の希望を尊重し、個々の状況に合う支援を考える方針が示されています。卒業式についても、この考え方を参考に、出席を急がせず本人に合う形を学校と相談しましょう。

声をかけるなら「卒業式のこと、今はどう考えている?」「まだ決められなくてもいいよ」など、出席を前提にしない聞き方があります。「せっかくだから」「一生に一度だから」と繰り返すと、答えを求められていると感じることもあります。話したくない様子なら、いったん話題を置いても構いません。

「同級生に会うのが怖い」「長く座っていられるか不安」などの言葉が出たら、「そう感じているんだね」と受け止めます。理由を細かく説明させる必要はありません。学校に何を伝えてよいかも、本人に確認できる範囲で聞いておきましょう。

本人が「出たい」と言う場合は、式の流れ、座席、出入口、休める場所、一部だけの参加が可能かを学校へ相談します。当日つらくなったときに誰へ伝え、誰と帰るのかまで決めておくと、参加方法を具体的に考えられます。実施できる配慮は学校に確認してから本人へ伝えてください。

出席を強要せず、親自身の気持ちも整理する

子どもが難しいと伝えているときは、説得を重ねる前に、何が負担なのか、別の方法を相談したいかを確かめます。「出なければ後悔する」「出れば自信がつく」と、先の気持ちを親が決めつけないことも大切です。式に参加するかどうかだけで、これまでの歩みを評価する必要はありません。

「晴れ姿を見たかった」「ほかの家庭がうらやましい」と感じても、その気持ちをすぐに消そうとしなくて大丈夫です。ただ、子どもの出席によって親の寂しさを解消しようとすると、話し合いが難しくなります。親の希望は、子どもの希望と別にメモしてみましょう。

たとえば、子どもは「学校へ行きたくない」、親は「先生へ挨拶をしたい」という場合、親の挨拶を別の日に相談する方法があります。気持ちを一人で抱えきれないときは、パートナーや信頼できる人、学校の相談担当者などに話すことも選択肢です。親が落ち着けないことを、親自身の責任と考える必要はありません。

卒業を前に、子どもとの話し方に迷ったら
  • 「出てほしい気持ちを、どう伝えればいい?」
  • 「返事を待ちたいのに、つい聞いてしまう」
  • 「子どもの希望と、自分の寂しさを整理したい」

気持ちを分けて考えようとしても、実際の会話では迷うことがあります。日々の声かけや関わり方を、具体的に学ぶ場を持つことも一つの方法です。

ほめビリティは、子どもを無理に変えようとするのではなく、日々の声かけや関わり方を実践しながら学ぶ、保護者向けのオンラインプログラムです。

ほめビリティ・ラウンジでは、関わり方を学び、交流や実践を続ける場を案内しています。お子さんの年齢や状況に合う参加方法を、案内ページで確認できます。

ほめビリティ・ラウンジの案内を見る

不登校で卒業式を欠席する場合の学校への連絡方法

卒業式を欠席する場合に学校へ伝える希望、返答の期限、当日の変更、呼名や写真などの配慮を確認する図解

学校への連絡は、本人の意向、まだ決まっていないこと、相談したいことを分けて伝えると整理しやすくなります。窓口は普段連絡を取っている担任などに確認します。担任と話しにくい事情がある場合は、学年主任や養護教諭など、相談できる教職員に連絡の取り次ぎを頼む方法もあります。

期限と、当日に変更する場合の連絡先を確認する

欠席連絡の期限は、学校の案内で確認してください。「卒業式の1〜2週間前なら間に合う」と一律にはいえません。学校から確認があったときや、家庭で相談を始めた段階で、分かっている範囲の状況を伝えましょう。

出欠が未定でも、「本人がまだ迷っています。いつまでに返事をすればよいですか」と相談できます。最終回答の期限に加えて、当日になって行けなくなった場合の連絡手段と連絡先を確認しておきます。欠席予定から出席へ変更する場合も、その場で対応できるとは限らないため、変更の可能性を事前に共有しましょう。

連絡手段使うときの確認事項
電話相談に適した時間帯を聞く。当日の変更は、学校が指定する窓口へ要点を伝える。
連絡帳・連絡アプリ・メール学校が受け付けている方法を使う。返事が必要な項目を書き、急ぎの連絡に使えるか確認する。
面談日時を予約し、参加方法や証書の受け取りなど、相談事項をまとめて持参する。

欠席理由は、共有できる範囲で簡潔に伝える

「本人と相談し、今回は欠席を希望しています」「現時点では参加が難しい状況です」など、今の意向を伝えます。細かな事情を話しにくければ、そのことも伝えて、必要な確認を進めましょう。説明しやすくするために、事実と異なる体調不良などの理由を作る必要はありません。

これまでの支援に感謝を伝えたい場合は、短く添えてもよいでしょう。ただし、感謝を述べることが相談の条件ではありません。いじめなどの安全上の懸念は遠慮せずに伝え、誰にどこまで共有するかも相談してください。

連絡の例は、次のようにまとめられます。

〇年〇組の〇〇の保護者です。卒業式について、本人と相談した結果、今回は欠席を希望しています。卒業証書と配布物の受け取り方法を相談したいです。呼名については本人が〇〇を希望しています。今後変更があった場合の連絡先も教えてください。

まだ迷っている場合は、欠席の部分を「出欠は未定です。最終回答の期限を教えてください」に変えられます。家庭の事情に合わせて、必要な項目だけを使ってください。

呼名や写真、学校からの提案の扱いを相談する

欠席する子の名前を読み上げるか、式の配信や写真に名前が写るかなど、気になる点は学校へ確認します。本人に希望があれば伝えたうえで、学校として対応できる範囲を聞きましょう。全員への説明を含め、親がその場で一人で決めなくてよいこともあります。

先生から別室での参加や証書授与だけの参加を提案されたら、すぐに了承せず「本人に確認してから返事をします」と持ち帰れます。本人の希望が変わらなければ「提案は伺いましたが、今回は欠席を希望しています」と伝え、受け取り方法の相談へ進めましょう。

卒業式当日の不登校の子どもとの過ごし方

欠席を決めたあとも、子どもや親の気持ちは揺れることがあります。特別な日にしなければと考えすぎず、本人がどのように過ごしたいかを確かめましょう。普段どおりに過ごすことも、お祝いをすることも候補です。

家で普段どおりに過ごす

子どもが卒業式を話題にしたくない様子なら、「今ごろ式が始まったね」などの声かけは控えてもよいでしょう。本人が話し始めたら、「出たかった」「出なくてよかった」のどちらも、すぐに評価せずに聞きます。答えや前向きな感想を求める必要はありません。

SNSや保護者同士のメッセージで写真を見ることがつらい場合は、通知をしばらく止める、見る時間を変えるなど、本人と相談できることがあります。親自身も無理に写真や連絡を追わなくて構いません。スマートフォンを一方的に取り上げるのではなく、本人がどうしたいかを聞いてみましょう。

外出を望む場合は、場所や時間を一緒に考えます。同級生と会うのが負担なら、学校周辺や人が集まる時間帯を避ける案もあります。外へ出ること自体をその日の目標にせず、家で過ごす案も残しておきます。

お祝いと記念写真は、本人の希望に合わせる

家族でお祝いをしたいときも、先に本人の希望を聞きます。好きな食事を用意する、ケーキを選ぶ、短い手紙を渡すなど、小さな形でも構いません。式に出ることや写真を撮ることを、プレゼントの条件にしないようにしましょう。

  • 食事やお菓子は、本人の好みとその日の体調に合わせる。
  • 手紙には、親が覚えている日々の出来事や感謝を短く書く。
  • 写真は、撮るかどうか、誰と撮るか、家族外に共有してよいかを確認する。
  • お祝いを望まなければ、普段どおりに過ごす。日を変える場合も改めて希望を聞く。

お祝いによって必ず気持ちが前向きになるとは限りません。反応が薄くても感想を求めず、本人のペースを大切にしてください。親の寂しさが強いときは、子どもに気持ちの整理を担わせず、別の大人に話す時間を持つことも考えられます。

卒業式に出ない場合の卒業証書の受け取り方

卒業証書を別の日に受け取る、親が代理で受け取る、郵送してもらう方法を学校へ相談する図解

卒業について不安がある場合は、式の出欠の相談とあわせて、卒業認定の状況と証書の受け取りを在籍校へ確認してください。式に出るかどうかだけで、自分で卒業の可否を判断しないようにしましょう。

以下は受け取り方の相談候補です。どれも全国共通で選べる方法ではなく、学校の運用や準備によって対応が異なります。子どもの負担も方法だけでは決まらないため、本人の希望と学校の回答を照らし合わせて考えます。

相談する方法本人に確かめること学校への確認事項
別の日時・別室で本人が受け取る学校へ行きたいか、誰なら会えるか。日時、出入口、立会者、授与の流れ、変更時の連絡。
親が代わりに受け取る親が学校へ行くことや、持ち帰った物をどう扱いたいか。代理受領の可否、必要な物、受け渡し場所、配布物。
郵送など来校以外の方法を相談する受け取り時に気になることはあるか。対応の可否、送付先、配送方法、費用、到着確認。

放課後や別の日に、別室で受け取れるか相談する

「大勢の前は難しいけれど、人が少ない時間なら行けそう」という場合は、別の時間や場所で受け取れるか相談します。学校から提案された方法を、そのまま本人の予定として決めず、希望を確かめてください。

確認するのは、時間と場所だけではありません。立ち会う先生の人数、証書を受け取るときの動き、写真撮影の有無、使う出入口などを聞いておくと、本人が場面を想像しやすくなります。当日行けなくなった場合の連絡先や、日程を改められるかも相談しておきましょう。

教育支援センターやフリースクールなどを利用している場合、その施設で節目を祝う機会があるか聞く方法もあります。ただし、施設でのお祝いと在籍校の卒業証書の受け取りは、別々に確認してください。

親だけが代理で受け取れるか確認する

子どもが来校を望まない場合は、保護者による代理受領が可能かを学校へ確認します。可能であれば、日時、対応する先生、受け取る場所、持ち物を決めます。学校に残っている私物があれば、一緒に受け取れるかも聞いておくとよいでしょう。

卒業アルバム、記念品、通知表、寄せ書きなどは、それぞれ受け渡し時期が異なることがあります。進学先へ提出する書類がある場合は、必要な物と期限も確認してください。証書やアルバムを折らずに持ち帰れる袋を用意するなど、受け取る物に合わせて準備します。

持ち帰った写真や寄せ書きを、すぐに見せる必要はありません。「受け取ってきたよ。今見たい? しまっておこうか」と確認し、本人が望むタイミングまで保管する方法もあります。

郵送など、来校以外の方法を相談する

保護者の来校も難しい場合は、事情を伝え、郵送などの方法に対応できるかを相談します。郵送ができる場合は、送付先、配送方法、費用の負担、折れや汚れを防ぐ梱包、届いたあとの連絡について確認してください。

郵送に対応できない場合も、来校できる日時を調整するなど、ほかの方法を相談しましょう。先生による訪問や自宅での授与も、当然に依頼できるものではありません。学校から提案があった場合は、本人が会うことを望むかも確かめてから決めます。

いつまでに受け取る必要があるか、学校で保管できる期間はどのくらいかも確認します。後日ならいつでも受け取れると決めつけず、親子と学校の双方で合意した予定を残しておきましょう。

不登校の卒業式で親が抱えるよくある疑問

親だけの参列を考える前に、親子の希望、学校で可能な対応、当日の動き方を確認する図解

子どもの欠席が決まっても、親自身がどうするかは別に迷うものです。親だけの参列と、証書の代理受領は同じ手続きではありません。それぞれの可否を学校へ確認しましょう。

親だけ卒業式に出席してもよいのか

保護者だけの参列を受け付けるか、席や受付をどうするかは学校へ確認が必要です。「どの学校でも可能」「連絡なしでも参加できる」とは考えず、子どもが欠席予定であることを伝えたうえで相談します。

その前に、「私は節目の場に立ち会いたいと思っているけれど、どう感じる?」と、親の希望であることが分かる形で伝えてみましょう。子どもが嫌がる場合は、何が気になるかを話せる範囲で聞き、後日の挨拶や代理受領だけにする案も考えます。「親が行くなら自分も行かなければ」と受け取られていないかも確認してください。

親だけの参列が可能な場合、次の点を学校と相談します。

  • 受付方法、保護者席、入退場の動線。
  • 欠席する子の呼名と、その際に保護者が何か対応する必要があるか。
  • 式後の学級活動や写真撮影へ参加してよいか。
  • 卒業証書、アルバム、記念品を受け取る場所と時間。
  • 当日に親の予定も変わった場合の連絡先。

撮影するときは学校のルールに従い、ほかの子の姿や名前が写った写真を安易に外部へ共有しないようにします。子どもへ写真を見せるかも本人に確認しましょう。親が不在の間の過ごし方や連絡方法に不安がないかを話し合っておくことも大切です。

ほかの保護者に事情を聞かれても、詳しく説明しなければならないわけではありません。「今日は家で過ごしています」など、事実に沿って短く答える方法があります。子どもが話してほしくないことは、事前に確かめられる範囲で確認してください。

親自身が参列をつらく感じるなら、欠席する選択もあります。先生への挨拶や配布物の受け取りを別の方法で相談し、式に出ることだけを親の役割と考えなくて大丈夫です。

親が学校に行く場合の服装はどうするべきか

式への参列と、後日の受け取りでは場面が違います。まず学校の案内を確認し、指定がなければ、参列時は手持ちのスーツやジャケットなど落ち着いた服装を候補にできます。後日の受け取りで迷う場合は「普段の服装で伺ってもよいですか」と聞いて構いません。

服装のために無理な買い物をする必要はありません。上履きの要否、証書を入れる袋、会場の寒さに応じた羽織物など、当日の動きに必要な物を優先して準備しましょう。

本人も別室などへ行く場合、制服を着ることが負担なら、私服でもよいか学校に確認します。服装も含めて本人が見通しを持てるようにし、準備したことを理由に来校を迫らないようにしてください。

まとめ

卒業式を前に迷ったら、子どもの参加希望、親自身の参列希望、証書の受け取りを分けて考えてみましょう。学校には、今決まっていることと未定のことを伝え、回答期限、当日の変更連絡、呼名や写真の扱いを確認します。

別室での受け取りや代理受領、郵送などは、学校へ相談する候補です。当日の過ごし方も、お祝いをすることも、本人の希望に合わせて選べます。親子にとって無理のない形を、学校と一つずつ相談していきましょう。

参考資料:文部科学省 不登校児童生徒への支援の在り方について(通知)。

執筆者
あした研究室編集部 (あしたけんきゅうしつへんしゅうぶ)
あした研究室編集部は、(株)すららネットの子どもの発達支援室に所属するスタッフと、学び・発達支援に関心を持つ編集チームによって運営されています。教育・発達支援・子育て・学習法などのテーマについて、現場視点と実証的な知見を大切にしながら、企画・取材・執筆・編集・校正・発信まで一貫して取り組んでいます。私たちの使命は、保護者や教育関係者、子ども自身が次の一歩を見つけられるような 信頼できる知見とアイデアを届けること。読者の皆さまには、根拠ある情報と温かい視点を通じて、学びと成長を支えるパートナーでありたいと考えています。