- 1 不登校で勉強が遅れる不安と親が知っておくべきこと
- 1-1 不登校中の勉強の遅れは取り戻せる
- 1-2 親が焦らず子どものペースを尊重する重要性
- 2 不登校中の勉強は何から始めるべきか
- 2-1 まずは生活リズムを整えることから
- 2-2 子どもが興味を持てる分野から勉強を再開する
- 2-3 短い時間から始めて学習習慣をつける
- 3 不登校中の勉強を続けるための学習方法
- 3-1 家庭学習で市販のドリルや問題集を活用する
- 3-2 不登校の子ども向け通信教育を利用する
- 3-3 家庭教師やオンライン学習でサポートを受ける
- 3-4 フリースクールや適応指導教室に通う
- 3-4-1 フリースクールの特徴
- 3-4-2 適応指導教室(教育支援センター)の特徴
- 4 不登校中の勉強で知っておきたい出席扱い制度
- 4-1 IT等を活用した自宅学習の出席扱いとは
- 4-2 出席扱いになるための要件と手続き方法
- 4-2-1 文部科学省が示す7つの要件
- 4-2-2 出席扱いを申請する手続きの流れ
- 5 まとめ
不登校中の勉強の遅れは、つまずいた単元まで学年をさかのぼり、基礎から学び直せば取り戻すことが可能です。再開するときは、まず起床・就寝時間をそろえて生活リズムを整え、子どもが興味を持てる教科を短い時間から始めると習慣にしやすくなります。この記事では、市販のドリル、通信教育、家庭教師やオンライン学習、フリースクールや適応指導教室の特徴と選び方を紹介します。また、文部科学省が示すIT等を活用した自宅学習を出席扱いにする制度について、要件や、校長の判断を得るための学校への相談手順も説明します。
不登校で勉強が遅れる不安と親が知っておくべきこと
子どもが学校に行かなくなると、多くの親が「授業についていけなくなるのでは」「高校受験に間に合わないのでは」と不安を感じます。文部科学省の児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査によると、令和5年度の小・中学校の不登校児童生徒数は約34万6千人で、11年連続で増加し過去最多となりました。同じ悩みを抱える家庭は少なくありません。学習の遅れの性質と、親がどう関わればよいかを知っておくと、不安を具体的な行動に置き換えやすくなります。
不登校中の勉強の遅れは取り戻せる
不登校の期間に授業を受けられなかった分、学習内容に空白ができるのは事実です。ただし、学校の勉強は学年ごとに積み上げる構造になっているため、「どこで理解が止まっているか」を特定し、その単元からやり直せば、同学年の内容に追いつく道筋を立てられます。
特に積み上げの影響が大きいのは算数・数学と英語です。たとえば中学数学の方程式でつまずいている場合、原因が小学校の分数や小数の計算にあることもあります。この場合、中学の教科書を最初から読み直すより、分数の計算に戻って復習する方が理解は早く進みます。一方、社会や理科は単元ごとの独立性が比較的高く、途中の単元からでも学び直しやすい教科です。
中学生の場合は、進路への影響も気になるところです。高校受験では、都道府県や学校によって調査書の出席日数や内申点の扱いが異なります。一方で、通信制高校や定時制高校のように学力試験の比重が低い入試や、出席状況を重視しない選考を行う学校もあり、高校卒業程度認定試験を経て大学受験に進む方法もあります。平成18年度に中学3年生で不登校だった生徒を5年後に追跡した文部科学省の調査では、高校進学率は85.1%でした。不登校の経験があっても、その後に進学している子どもは多数います。
上記の進学率は過去の調査の結果です。出典は文部科学省の平成18年度不登校生徒に関する追跡調査報告書で確認できます。
なお、学校以外で学んだ内容が、一定の要件を満たせば在籍校で出席扱いとして認められる制度もあります。詳しくは後述の出席扱い制度の章で解説します。
親が焦らず子どものペースを尊重する重要性
勉強の遅れが取り戻せるとはいえ、勉強を再開する時期は、子どもの心身の状態に合わせて考えます。不登校の初期は、腹痛や頭痛などの身体症状が出たり、学校の話題を避けたりと、心身が疲れている状態であることが少なくありません。この時期に「少しは勉強しなさい」と繰り返し促されると、子どもによっては家庭でも責められていると感じ、安心して休めない場合があります。
国も、休養の必要性を認める立場をとっています。2017年に施行された教育機会確保法(義務教育の段階における普通教育に相当する教育の機会の確保等に関する法律)は、不登校児童生徒の休養の必要性を明記しています。また、文部科学省の通知「不登校児童生徒への支援の在り方について」では、学校に登校するという結果のみを目標にするのではなく、児童生徒が自らの進路を主体的に捉えて社会的に自立することを目指す必要があると示されています。
子どものペースを尊重するために、親は次のような関わり方を意識するとよいでしょう。
- 兄弟姉妹や同級生と学習の進み具合を比べる発言をしない
- 「今日は勉強したの?」と毎日確認するのを控える
- テレビやゲーム、本などで子どもが関心を示した話題に耳を傾ける
- 子どもが「勉強しないとまずいかな」と口にしたときに、何から始めたいかを一緒に考える
子どもが自分から勉強の話をし始めたり、外出や会話が増えたりした変化は、学習を再開するきっかけになり得ます。ただし、回復の時期や順序は子どもによって異なるため、判断に迷う場合は担任の先生やスクールカウンセラー、教育支援センターなどに相談し、家庭以外の視点を取り入れることも有効です。
- 「勉強の話は、いつ切り出せばよいのだろう」
- 「小さな取り組みを、どう認めたらよいのだろう」
- 「子どものペースを尊重する関わり方を知りたい」
このようなことを知りたいときは、ここまで紹介した見守り方を、家庭の場面に合わせて学ぶ方法もあります。
ほめビリティは、子どもを無理に変えようとするのではなく、日々の声かけや関わり方を実践しながら学ぶ、保護者向けのオンラインプログラムです。
学習を始める時期の声かけや、日々の小さな取り組みを認める関わり方を考える選択肢です。
不登校中の勉強は何から始めるべきか

不登校中の子どもがいきなり教科書を開いて学年相当の勉強に取り組むのは、心身ともに負担が大きく、長続きしにくくなります。始める順番の目安は、「生活リズムを整える」「興味のある分野から手をつける」「短い時間で学習習慣をつける」の3段階です。子どもの状態によって進み方は異なるため、前の段階が安定してから次に進むようにしましょう。
まずは生活リズムを整えることから
学校に通わない期間が続くと、起床・就寝の時間が遅くなり、昼夜逆転の生活になる子どもは少なくありません。夜中に起きて昼過ぎまで寝ている状態では、家族が見守れる日中に勉強時間を確保しにくくなります。机に向かう前に、まず毎日同じ時間帯に起きて活動できる状態を目指しましょう。
生活リズムを整えるときは、次のような点から取り組みます。
- 起きる時間を固定する(寝る時間より先に起きる時間をそろえる)
- 起きたらカーテンを開けて朝日を浴びる
- 朝食・昼食・夕食をできるだけ決まった時間にとる
- 寝る前のスマホやゲームの時間を家族で話し合って決める
すでに昼夜逆転している場合、翌日から急に朝7時に起こそうとしても失敗しやすく、親子の衝突にもつながります。起床時間を数日ごとに30分〜1時間ずつ早めるなど、段階的に戻すのが現実的です。睡眠時間の目安として、厚生労働省の「健康づくりのための睡眠ガイド2023」では、小学生は9〜12時間、中学・高校生は8〜10時間を確保することが推奨されています。
睡眠時間の目安は厚生労働省の健康づくりのための睡眠ガイド2023に基づきます。睡眠の問題が続く場合は、無理に起床時間を早めず、医療機関に相談しながら調整してください。
なお、朝どうしても起きられない、起床時に頭痛やめまい、立ちくらみがあるといった場合は、起立性調節障害などの体の不調が関係していることもあります。本人の努力で解決しようとせず、小児科などの医療機関に相談してください。
子どもが興味を持てる分野から勉強を再開する
生活リズムが安定してきたら、子どもが好きな教科や得意な分野から学習を再開します。苦手な教科から始めると「わからない」「できない」という経験が重なり、勉強そのものへの抵抗感が強くなりやすいためです。「できた」という小さな成功体験を積むことが、ほかの教科に取り組む意欲にもつながります。
教科の枠にこだわらず、子どもの趣味や関心を学びの入り口にする方法もあります。
- 電車や旅行が好きな子ども:路線図や地図帳で都道府県や地名を調べる(社会)
- 料理やお菓子作りが好きな子ども:レシピの分量を人数に合わせて計算する(算数・数学)
- ゲームが好きな子ども:「Scratch(スクラッチ)」で簡単なゲームを作ってみる(プログラミング)
- 動画をよく見る子ども:「NHK for School」で興味のあるテーマの番組を見る(理科・社会など)
何から始めるかは、親が一方的に決めるのではなく、子どもと一緒に選ぶようにしましょう。自分で選んだ内容のほうが取り組む意欲を保ちやすくなります。
苦手な教科に取り組む段階になったら、今の学年の内容ではなく、子どもが理解できているところまでさかのぼって始めるのが基本です。たとえば中学生で数学の方程式がわからない場合、原因が小学校の分数や割合の理解不足にあることもあります。教科書や以前のノートを見ながら「ここまではわかる」という単元を親子で確認し、そこから積み上げていきましょう。学年を戻ることを子どもが恥ずかしがる場合は、「復習」「確認」と伝えると受け入れやすくなります。
短い時間から始めて学習習慣をつける
勉強を再開した直後は、学校の授業と同じ時間を目標にする必要はありません。1日10〜15分程度、子どもが「これならできそう」と思える長さから始め、毎日続けることを優先します。最初から1時間などの長い目標を立てると、達成できなかった日に意欲が下がり、勉強をやめてしまうきっかけになりかねません。
学習習慣をつけるためには、次のような工夫が役立ちます。
- 「朝食のあと」「午前10時から」など、勉強する時間帯を決めておく
- 時間で区切るのが難しい場合は「計算問題を5問」「ドリル1ページ」など量で区切る
- キッチンタイマーやスマホのタイマーを使い、終わりの時間を目に見える形にする
- カレンダーやノートに取り組んだ日を記録し、続けた日数がわかるようにする
短時間の学習に慣れて子どもが負担を感じなくなったら、15分を20分、30分と少しずつ延ばしたり、取り組む教科を1つずつ増やしたりします。延ばすタイミングは親が決めるのではなく、「もう少しやってみる?」と子どもに確認しながら調整しましょう。
体調や気分によって、勉強できない日が出てくるのは自然なことです。1日休んだからといって習慣が途切れたと考えず、翌日また決めた時間に取り組めれば十分です。親は正解した数や進んだページ数よりも、机に向かったこと自体を認める声かけを心がけると、子どもが勉強を続けやすくなります。
不登校中の勉強を続けるための学習方法

不登校中の勉強方法には、自宅で教材を使う方法、通信教育や家庭教師などの外部サービスを使う方法、学校以外の場所に通う方法があります。子どもが一人で進められるか、他人と関われるか、外出できるかによって合う方法は変わります。一つに絞る必要はなく、状態に合わせて組み合わせたり切り替えたりできます。
| 学習方法 | 主な特徴 | 向いている子どもの状態 | 費用の傾向 |
|---|---|---|---|
| 市販のドリル・問題集 | 書店ですぐに買え、自分のペースで進められる | 一人で机に向かえる、まず少しずつ試したい | 1冊数百円〜千円台が中心 |
| 通信教育 | 教材と解説がセットになり、学習の順番が決まっている | 家で過ごしたいが、何をやるか決めてほしい | 月額制が多い |
| 家庭教師・オンライン学習 | 講師が1対1で質問に答え、計画も一緒に立てる | 一人では続かない、わからない所を聞きたい | 他の方法より高くなりやすい |
| フリースクール・適応指導教室 | 学習に加えて人との関わりや居場所がある | 外出ができ、家以外の場所に行ける | 教育支援センターは原則無料、フリースクールは施設ごとに異なる |
家庭学習で市販のドリルや問題集を活用する
市販のドリルや問題集は、最も手軽に始められる方法です。書店や通販で購入でき、申し込みや契約が不要なため、勉強を再開したばかりで続くかわからない時期にも試しやすくなります。
教材選びでは、今の学年にこだわらず、つまずいた単元までさかのぼって選ぶことが大切です。例えば中学生でも、計算でつまずいているなら小学校の分数や小数の範囲から復習したほうが、その後の方程式や関数を理解しやすくなります。「くもんのドリル」のように1冊の範囲が細かく分かれたシリーズは、学年をさかのぼって選びやすい教材です。
学校の授業に戻ることを視野に入れる場合は、子どもの学校で使っている教科書に合わせた「教科書準拠」の問題集を選ぶと、授業の進み方と単元の順番がそろいます。教科書の出版社名は、教科書の表紙や裏表紙で確認できます。
市販教材は先生がいないため、解答だけでなく解き方の解説が詳しいものを選ぶと、間違えた問題を子どもが自分で見直せます。保護者は丸付けや「今日はここまでできた」という確認を担当すると、子どもが進み具合を把握しやすくなります。
不登校の子ども向け通信教育を利用する
通信教育は、教材が毎月届く、またはタブレットやパソコンで配信される学習サービスです。学ぶ順番や1回の分量があらかじめ決まっているため、何から手をつければよいか迷いやすい子どもでも、そのまま取り組めます。
不登校の子どもが利用する場合は、次の点を確認して選ぶと続けやすくなります。
- 学年をさかのぼって学べるか(無学年式に対応しているか)
- 動画やアニメーションの解説があり、一人で理解を進められるか
- 保護者が学習時間や進み具合を確認できる機能があるか
- わからない問題を質問できる窓口があるか
- 無料体験や資料請求で、事前に教材を確かめられるか
タブレット型の通信教育には、「進研ゼミ」(ベネッセコーポレーション)や「スマイルゼミ」(ジャストシステム)があり、自動で丸付けされるため保護者の負担が軽くなります。「すらら」(すららネット)は学年に関係なく単元を選べる無学年式のICT教材で、不登校の子どもの利用も想定したサービスとして案内されています。動画授業を中心に学びたい場合は「スタディサプリ」(リクルート)のような映像授業サービスも選択肢になります。
ICT教材を使った自宅学習は、条件を満たせば在籍校で出席扱いと認められる場合があります。出席扱いを考えている場合は、学習履歴が記録・提出できる教材かどうかも確認しておくと、後の手続きがしやすくなります。
家庭教師やオンライン学習でサポートを受ける
一人で教材を進めるのが難しい場合や、わからない所をその場で質問したい場合は、家庭教師やオンライン家庭教師が合っています。講師が子どもの理解度を見ながら説明の仕方を変え、学習計画も一緒に立てるため、自分で計画を立てるのが苦手な子どもでも勉強を続けやすくなります。
訪問型の家庭教師は、自宅で対面の指導を受けられます。オンライン家庭教師は、パソコンやタブレットのビデオ通話で指導を受けるため、外出せずに済み、訪問型より講師の選択肢が広がる傾向があります。人と顔を合わせることに抵抗がある子どもの場合、最初はカメラをオフにしたり、チャットで質問したりできるサービスを選ぶと始めやすくなります。
家庭教師は、勉強を教える役割に加えて、家族以外の大人と定期的に話す機会にもなります。年齢の近い大学生の講師であれば、子どもが話しやすいと感じる場合もあります。
選ぶ際は、不登校の子どもを指導した経験がある講師を選べるか、講師との相性が合わない場合に交代できるか、授業料以外に入会金や教材費がかかるかを確認してください。費用は他の方法より高くなりやすいため、体験授業を受けてから契約を決めると、合わなかった場合の負担を減らせます。
フリースクールや適応指導教室に通う
家から出られる状態であれば、学校以外の学びの場に通う方法もあります。主な通い先は、民間が運営するフリースクールと、教育委員会が設置する適応指導教室です。どちらも勉強に加えて、同じような状況の子どもやスタッフと関わる場になります。
フリースクールの特徴
フリースクールは、NPO法人や民間団体などが運営する施設です。教科の学習に力を入れる施設、体験活動や居場所づくりを重視する施設など、運営方針は施設ごとに大きく異なります。通う日数や時間を子どもに合わせて決められる施設も多くあります。
民間の施設のため、入会金や月謝がかかります。見学や体験入学を受け、学習のサポート体制、スタッフの人数、費用、在籍校との連携の有無を確認してから決めてください。
利用形態ごとの過ごし方や、小中学生の出席扱いについては、フリースクールの通所型・オンライン型と出席扱いの解説をご覧ください。
適応指導教室(教育支援センター)の特徴
適応指導教室は、不登校の児童生徒を支援するために教育委員会が設置する施設で、現在は「教育支援センター」とも呼ばれています。公的な施設のため、原則として利用料はかかりません。教員経験者や相談員が在籍し、個別の学習支援や少人数での活動、学校復帰に向けた相談などを行います。
利用するには、在籍校の担任や教育委員会に相談するのが一般的です。設置場所や開室日、対象学年は自治体によって異なるため、住んでいる市区町村の教育委員会のホームページで確認できます。
地域の支援を検討する際は、具体例を紹介した教育支援センターの通所型・オンライン型の特徴をご覧ください。
文部科学省の通知「不登校児童生徒への支援の在り方について」では、教育支援センターやフリースクールなど学校外の施設で相談・指導を受けている場合、一定の要件を満たせば校長の判断で指導要録上の出席扱いにできるとされています。出席扱いになるかは在籍校の判断によるため、通い始める前に学校へ相談しておくと安心です。
ここまで紹介した学習方法の中でも、自宅で理解度に合わせて進めたい場合は、学年をさかのぼれる教材も選択肢になります。
無学年式オンライン教材「すらら」なら、学校の進度や学年に縛られず、理解できているところまで戻って自宅で学習できます。
教材の内容や自宅での進め方を確認し、お子さまに合う学び方を検討できます。
不登校中の勉強で知っておきたい出席扱い制度

不登校の子どもが自宅で勉強した場合、一定の要件を満たすと、学校を欠席した日でも指導要録上「出席」として扱われることがあります。根拠は文部科学省の通知「不登校児童生徒への支援の在り方について(通知)」(令和元年10月25日)です。自宅学習を続ける家庭は、制度の内容と条件を知っておくと、学校との相談を進めやすくなります。
IT等を活用した自宅学習の出席扱いとは
この制度は、不登校の小・中学生が自宅でITなどを使って学習した場合に、校長の判断で出席扱いにできる仕組みです。2005年(平成17年)に始まり、現在は前述の令和元年通知の「別記2」に要件が定められています。対象は義務教育段階の児童生徒で、高校生には別の仕組みが用意されています。
小中学生の認定条件を整理したい方は、あした研究室の出席扱い制度(ネット出席)の案内をご覧ください。
「IT等」には、パソコンやタブレットを使ったオンライン教材、インターネット経由の授業配信、テレビ会議システムによる指導が含まれます。通知では郵送やFAXによる学習活動も対象とされているため、紙のプリント課題であっても要件を満たせば認められる可能性があります。
出席扱いになると、通知表や指導要録の出席日数に反映されます。高校入試の調査書(内申書)には出席日数が記載されることが多く、欠席日数を選考の参考にする高校もあります。ただし扱いは都道府県や学校によって異なるため、受験予定の地域の入試要項で確認が必要です。
自宅学習の成果を成績評価に反映することも、通知上は可能とされています。条件は、学校が把握した学習の計画や内容が、その学校の教育課程に照らして適切と判断されることです。出席扱いと成績評価への反映は別々に判断されるため、出席扱いになっても評価に反映されない場合があります。
欠席中の学習の成績評価は、令和6年8月29日の文部科学省通知でも要件が示されています。学習内容に加え、学校との連携や継続的な状況把握などを在籍校に確認しましょう。
なお、フリースクールや教育支援センター(適応指導教室)に通った場合の出席扱いは、同じ通知の「別記1」で定められています。自宅学習による出席扱いは、こうした学校外の公的機関や民間施設で相談・指導を受けられない場合を基本とする制度です。
出席扱いになるための要件と手続き方法
文部科学省が示す7つの要件
令和元年通知では、自宅でのIT等を活用した学習活動を出席扱いとするための要件として、次の7点が示されています。
- 保護者と学校との間に十分な連携・協力関係が保たれていること
- ITや郵送、FAXなどを活用して提供される学習活動であること
- 訪問などによる対面指導が適切に行われていること(学習支援や将来の自立に向けた支援などが定期的かつ継続的に行われるもの)
- 子どもの学習の理解の程度を踏まえた計画的な学習プログラムであること
- 校長が、対面指導や学習活動の状況を、定期的な報告や連絡会などを通じて十分に把握していること
- 基本的に、学校外の公的機関や民間施設で相談・指導を受けられない場合に行う学習活動であること
- 学習活動の成果を評価に反映する場合は、学習の計画や内容がその学校の教育課程に照らし適切と判断されること
特に確認が必要なのは対面指導の要件です。教材で学習しているだけでは足りず、担任の家庭訪問や教育支援センター職員の訪問など、人による定期的な関わりが求められます。対面指導を誰が、どのくらいの頻度で行うかは、学校と相談して決めます。
要件の原文は、文部科学省のICT等を活用した自宅学習の出席扱いに関する案内で確認できます。
民間事業者の教材を使う場合、学校は文部科学省の「民間施設についてのガイドライン」を参考に、その子どもにとって適切かどうかを判断します。出席扱いの実績を案内している通信教材やオンライン教材もありますが、最終的に出席扱いにするかを決めるのは在籍校の校長です。他校で認められた実績があっても、在籍校で同じ結果になるとは限りません。
出席扱いを申請する手続きの流れ
手続きの進め方は学校や自治体によって異なりますが、一般的には次の流れで進みます。
- 担任や学年主任に、自宅学習の出席扱いを希望していることを相談する
- 使用する教材や学習内容、1日の学習時間の目安を学校に説明し、学習計画を共有する
- 家庭訪問などの対面指導の方法と頻度を学校と決め、オンライン面談を併用する場合も学校に確認する
- 学習した日付、時間、内容を記録し、定期的に学校へ報告する
- 校長が報告内容をもとに出席扱いとするかを判断する
学習記録は、教材の学習履歴画面の印刷、日ごとの学習内容を書いた記録表、取り組んだプリントの提出などの方法で示します。どの形式で、どの頻度で提出するかを最初の相談時に確認しておくと、後からやり直す手間を防げます。
学校側がこの制度を十分に把握していない場合もあります。その際は、文部科学省の通知を印刷して持参すると、要件を共有しながら話し合いを進められます。学校との話し合いが進まない場合は、市区町村の教育委員会や教育支援センターに相談する方法もあります。
まとめ
不登校中の勉強の遅れは、つまずいた単元までさかのぼって学び直すことで取り戻せます。親は勉強を急かさず、子どもの心身の状態とペースを優先してください。
勉強を再開するときは、まず生活リズムを整えます。そのうえで、興味のある分野から短い時間で始め、習慣にしていきます。学習方法は、市販のドリル、通信教育、家庭教師やオンライン学習、フリースクールや適応指導教室の中から子どもに合うものを選びます。
IT等を活用した自宅学習は、文部科学省が示す要件を満たし、校長が認めた場合に出席扱いとなります。利用を考えている場合は、まず在籍校に相談しましょう。