「なんとか学校に行かせなきゃ」と必死だった私が見落としていたこと─不登校の娘と向き合い直した50日間
「褒めるって何?と最初は本当に思いつかなくて。でもこれは私の訓練だってことに気がついたんです」
中学1年生の冬から学校へ行けなくなったSさんの娘さん。「なんとか学校に行かせなきゃ」と必死に行動するものの、娘さんとの距離は開くばかりだったといいます。そんな状況を変えるきっかけになったのが『ほめビリティ ペアレンティング』との出会いでした。「褒めることは私の訓練」と捉え、娘さんと向き合う時間を作り直す中で見えてきたものとは。焦りや不安を抱えながらもメソッドの実践を続け、再び親子の笑顔が見られるようになるまでの歩みを伺いました。
必死に動いたけれど、娘と向き合えていなかった

─ほめビリティ ペアレンティング(※以下『ほめビ』)に参加される前、どのような状況だったのでしょうか。
娘は中学1年生の秋ぐらいから、部活やお友だちとの関係での居心地悪さを話すようになり、また、授業の内容も解らないとも言い始めました。学習についていければ何とかなるだろうと、家庭教師をつけてみたんですけど、1対1だと緊張してしまって、結局うまくいきませんでした。 冬休み明けには「学校に行きたくない」と言い出し、その後インフルエンザで休んでから、だんだんと休みがちになってきました。その頃から夜になっても眠れなくなり、悪いことが頭から離れず目が冴えたり、寝ると悪夢を見るとも言い始めていました。ずっと起きていて漫画を読んでいたりしていたようです。最初は気にしていなかったんですが、それが心の問題の初期症状だったみたいです。次第に、朝になっても起きられなくなってきました。 その後は、相談室登校に切り替えて学校に行くようにしましたが、気持ち的に無理をしていたようで、4月に始業式を迎えても「行きたくない」って泣きそうな顔をするようになりました。そこからは、病院の先生などから無理をせず自宅で休んだ方が良いとアドバイスを受け、私としては納得できない感じでしたが、専門家の言うことだからと受け入れて、ほぼ1学期まるまる休みました。勉強はもちろん手つかずで、学校の課題にも手をつけず。私が仕事から帰ると、何をするわけでもなく、暗い表情でソファにいる様な状態が続いていました。
─友だち関係や授業のつまずきから始まって、冬休み明けには完全に行けなくなってしまって…。ソファで暗い表情の娘さんを見続ける日々は、お辛かったと思います。当時のSさんご自身のお気持ちはいかがでしたか。
春休みまでは、寒い時期が終わり新学期になったらクラス替えもあるし「4月になったら行けるだろう」って楽観視をしていたんです。でも4月に入って、いざ新学期が始まっても起きてこないし、これは重大事項だとやっと気づいたんです。本当は1月の時点で娘とじっくり向き合って一緒に話をするとか、困り事をちゃんと聞くとか、親子の会話を増やさなきゃいけなかったのに、全部見過ごしていたんですよね。 娘には「なんとかなるよ!」って明るく言っていたんですけど、今考えると、私自身がどうしたら良いかわからず問題を先送りしていて、娘は私に突き放されているような感覚になっていたと思います。悩み事を言いたいけどどう話せば良いか分からない娘の気持ちに気が付けず、私が話をそらしていたというか、ちゃんと聞いてあげられていなかったんです。4月になって大変なことだと気づいた瞬間はもう、どん底に落ちた感じで。県の相談窓口に電話をしたり、不登校経験をしたママさんに会いに行ったり、フリースクールを見に行ったり。でも結局本人の気持ちは置いといて、私が1人でバタバタしている感じでした。
不登校に関する本も読んだし、カウンセリングにも行きました。でも病院の先生の説明はしっくり来なくて。本も読むんですけど、具体的にどうやって娘と向き合ったり、声掛けをしたら良いのか分からない。どの本にも認めて「褒めよう」って書いてあるんですけど、褒めるって何? みたいな。本に書いてある褒めるワードを読んでも、自分の口で発するわけでもないし、身につかないんですよね。カウンセリングもその場の一時的なもので、実際に子どもと向き合って取り組むのは家族。いったい何をしたら良いのか。どうしたらこの状況を変えられるのか、先の見通しが立たず、まるで暗闇の中にいるような感じでした。
─ここまで本を読んだり相談先を探したり、色々と試されてきたんですね。そんな中で、『ほめビ』とはどのようにして出会われたんですか。
不登校についてネット検索をしていた時に、『すらら』が不登校の出席認定についてのアドバイスや資料提供をされていることを知りました。他社のオンライン学習が娘の状況に合わなくなっていたこともあり、『すらら』をやることにしてみました。『すらら』 から送られた資料に加え、自分なりに文章を作り中学校に出席認定の書類を出し、市で初めて認定をしていただくこともできました。そんな中、この『ほめビ』のセミナー案内が入ってきたんです。正直に言うと、他社の不登校支援サービスに比べてお値段的にもすごく安かったんです。『ほめビ』の中身は私が本で読んだことと似てはいるんですけど、お値段の安さと、みんなでグループを作って状況を共有して取り組むっていうのがいいなと思って。不登校のママって孤独なんです。だから、誰かと悩みを共有できることが私の助けにもなると思いました。しかも心理士がついていてアドバイスをもらえると知り、きちんとゴールに向かって取り組めるものだなと思いました。ネットには不登校の講座の案内がいくつもありますが、オンライン学習を手がけている『すらら』がやっているという安心感もあって、この値段なら試しでやってみようと思いました。
「褒めるのは訓練」— 小さなステップの積み重ねが変化をもたらした

─『すらら』の安心感や価格、仕組みに惹かれて「試してみよう」と思っていただけたこと、大変嬉しく思います。 実際に始めてみて、どんな印象を持たれましたか。
最初はやり方に戸惑ったのと、投稿する時間の確保が難しくて。子どもが寝た後とか、仕事が終わった後のちょっとした時間、朝起きてすぐとか、隙間時間を見つけてグループに投稿を送っていました。『ほめビ』の実践方法がわかるレクチャー動画も短くて良かったです。短いので「見れた!」という達成感があるし、全部一気にじゃなくて、ここまで取り組んだら次の動画を見るという仕組みが、ちょっとずつ段階をクリアしていく感じですごく良くて。 それから、「今日の良かったこと」を書くっていうのも良かったです。最初は何を書いていいか本当に思いつかなかったんです。でも、皆さんの投稿を見たり、メンターのアドバイスを見る内に、「今日は晴れていて気分が清々しい」とか「娘と話ができた」など、些細な日常の一コマの中に良さを見出すことができるようになりました。『ほめビ』の投稿に取り組む事で、良いことを見つけるのもそうだし、褒めるのも実践の積み重ねで、私にとっては訓練だなってそう思いました。
─ほとんど毎日、投稿も実践も本当に頑張っていらっしゃいましたよね。続けていく中で少しずつペースもつかめてきたと思うのですが、支えになったものは何でしたか。
同じ課題に取り組んでいる仲間だから、悩みは様々だけれど共感できるところがたくさんあって。投稿する内容は決まっているので、それをパッと見たらすぐ理解できる。他の参加者の投稿をみて「あ、こんな風に褒めればいいんだ」っていうのがとても参考になりました。アドバイスしてくださるメンターの方のコメントも嬉しくて。娘への声掛けが不安でも「これで良かったんだ」って確認ができるので、安心感がすごくありました。『ほめビ』に繰り返し取り組む事で、私の日常に褒める行為が落とし込まれてきて。子どもの行動の中の褒めポイントにも気がつくようになったのも大きかったです。心理士の道地先生の動画やセミナーもすごく的確で分かりやすかったです。 50日間という期間も、最初は「50日だけで本当に変わるのかな」って思っていたんですけど、やってみたら程よい期間でした。ゴールがあるっていうのはやり切った感があります。無理のない範囲でできたのも良かったですね。
娘との『クオリティタイム』を作ったら、笑顔が戻ってきた

─そうした支えの中で実践を続けていったわけですが、娘さんと関わる上で、特に意識されたことはありますか。
『ほめビ』で学んだ『クオリティタイム※』を実践するために、娘と2人になる時間を作ることを心掛けました。小学6年生の息子がいるので、これまでは娘と2人になる時間って本当になかったんです。例えば、夜寝る時に部屋に一緒に行って、ベッドのそばで『ぐた褒め※』を意識して話しかけました。単に褒めるのではなく、「今日こんないいことがあったよね」「ここ頑張ってたよね」と具体的に意識して話したんです。そしたら娘がとっても嬉しそうなんですよ。私、2人になる時間を本当に作ってこなかったんだなと気づかされました。
あと、電話もするようになりました。前は用事がある時でないと電話しないみたいな感じだったんですけど、「今から帰るよ」とか、何気ない電話をすることが増えました。
※クオリティタイム(QT):時間を決めずに保護者が質問や指示を控え、子どもの良いところを見つけて伝える思春期向けの褒める練習の時間のこと。
※ぐた褒め:「具体的に褒める」の略。行動療法における「肯定的な注目」の一つで、子どもの好ましい行動や言動に対し、何が良かったのかを具体的に言葉にして褒める『ほめビリティ』内の実践手法。
─お話を聞いていて、親子の時間を大切にされている姿がとても素敵だなと思いました。そうした関わりの中で、娘さんにはどんな変化が生まれてきましたか。
笑顔が出てくるようになりました。犬の散歩に行った時もよく喋るようになったし、私によく話しかけてくるようになりました。しかも、「嫌なことがあって」とか「今日疲れた」とか、ネガティブなことも言うようになったんです。考えてみれば、前はそういう発言をしてこなかったなと。おそらく、全部自分の中に閉じ込めていたのかな。言いにくいことも言ってくれるようになったのは大きいですね。
あと、自分でお菓子作りもするようになりました。ついこの間も仕事から帰ったら、サプライズみたいに片栗粉で作ったお餅を出してくれて。私に対して「お母さんありがとう」っていう意思表示ができるのは、すごい成長だなって思います。
それと自分から勉強もし始めました。 学校の課題は一切やらなかったんですけど、それにも取り組むようになりました。2学期からは、相談室に午後から毎日行っていて、期末テストも受けました。不登校でテストが受けられなかったら斜線になりますが、学習に追いついていなくても、受けるだけで成績表に2がついたりします。以前よりも体調も気持ちも良くなってきている感じですね。親の接し方が変わるだけでこんなにも変わるんだと正直、びっくりしています。
「笑顔が一番大事」という原点に立ち返れた

─勉強やテストなど、具体的な行動にも変化が出てきたんですね。そうやって娘さんが変わっていく姿を見て、改めて今、どんなことを大切にしていきたいと感じていらっしゃいますか。
一番はやっぱり子どもの様子を見ること。ちゃんと見る。見てなかったなと思うんですよね。娘みたいに気持ちや考えを言葉にするのが不得手な子もいるから、一緒に横に寄り添っている時間をちょっとずつ増やすとか、そういうことはやっぱり続けていきたいなと思っています。笑顔じゃないとやっぱりダメだなって。学校に行けてようが行けてなかろうが、勉強もまあどっちでも良くて。正直、本人が明るく元気に笑顔でほがらかにいてくれることが一番なんですよね。 今は1日に1回ぐらい娘に笑顔が出るようになったんです。小さいことでいいので、本人がやっぱり人生楽しいなって思えるようにしたい。例えば、”今日コーヒー飲んで一息つけて良かったな”って自分が思うように、子どもも”今日なんか美味しいお菓子食べてハッピー”って一個でも良いから思えるように、その小さな積み重ねが大事だなって、『ほめビ』を一緒に取り組んだ仲間の投稿や頑張りを通して気づかされました。
─「ちゃんと見る」こと、そして何より娘さんの笑顔。学校や勉強以上に、日常の小さな幸せを慈しむその眼差しこそが、娘さんの安心感につながっているのだと感じます。最後に、同じようなお悩みを持つ方へメッセージをお願いできますか。
一緒に過ごす時間を作って欲しいなって思います。親の立場ではなく、友だちとして接する感じでお子さんが興味あることに取り組んでみたり。ゲームを一緒にするのでも良いと思うんですよね。小さな「楽しい」を積み重ねて、人生が楽しいって思える瞬間を増やしてもらいたいなと思います。
私にとっては、褒めることも良いことを見つけることも、訓練でした。今まで苦手というか、どうやっていいかわかっていなかったんです。「いいね!」「頑張ったね!」と子どもに言ったとしても何が良いのか具体的に褒めることをしてこなかったし、回数も少なかったと思います。『ほめビ』を通して、しっかり向き合って具体的に褒めることの大切さを学びました。まだまだ取り組み中ですが、『ほめビ』を実践することにより、これからの娘との過ごし方の方向性が見え、気持ちに落ち着きが出てきました。悩んであたふたしていた時期から、原点に立ち返って何が大切かを見つめなおすきっかけを『ほめビ』が与えてくれた気がします。だから今、お子さんとの関係や状況で悩んでいる人にはこの『ほめビ』を体験していただいて、お子さんとの関係性をより良いものにしていただけたらと思います。
─ありがとうございました。

不安や戸惑いを抱えながらも、「子どもとどう関わればいいのか」を模索している方にとって、ほめビリティは一つの支えになるかもしれません。日々の小さなやりとりを変えることで、親子の関係性が少しずつ前向きになっていく。その一歩を安心して試せるように、LINE相談も承っております。よかったら、公式サイトで詳しくのぞいてみてください。
【ほめビリティ公式サイト】