「やめられない」から「ルールを守る」へ─1日3時間のYouTube視聴が15分に
子どもがYouTubeに夢中になり、気づけば1日3時間。
「やめなさい」と怒ってもやめられず、親子の会話は叱責ばかり。家庭の空気も次第に険しくなっていきました。ADHD傾向のある小学3年生のお子さんを育てるLさんも、まさに「どうしたらいいのかわからない」日々を過ごしていた一人です。怒っても変わらない、でも怒らずにはいられない…。そんな出口のないトンネルを歩いているような気持ちの中出会ったのが「ほめビリティ・ペアレンティング」でした。行動療法に基づいた学びを実践することで、少しずつ親子関係が柔らかくなり、家庭に笑顔を取り戻していったLさんの体験をお届けします。
怒っても変わらない──どうしていいか分からなかった日々

── 「ほめビリティペアレンティング」に参加前は、どのようなことに悩んでいらっしゃいましたか?
海外に引っ越してきてから、子どもがYouTubeを見るようになってしまいました。新しい環境に慣れるまでのストレスもあるだろうと思って、最初はあまり制限をかけずにいたんです。でも、ルールも時間制限もきちんと決めていなかったので、気がつくと平日でも何時間でも見ているような状態になってしまって。やめさせるのも本当に大変で、私が怒って行動を変えようとしても、怒ってもやめないし、言うことも聞かない。親子関係もあまり良くなくなって、兄弟も荒れてしまって…。怒る雰囲気が家の中に広がっていたと思います。
「なんでやめないの?」「やめなさいって言ってるでしょ」とか、「やめられないなんて、あなたは病気です」なんて言ってしまっていました。YouTubeって大人でもやめられないようにできてるって後から知ったんですけど、それまでは「やめられない=子どもが悪い」と思ってしまっていたんです。
── 怒っても変わらない、でも怒らずにはいられない…そんな日々は、Lさんご自身にとっても本当につらい時間だったのではないでしょうか。
そうですね…。本当は穏やかでいたいのに、子どもが帰ってきたら怒ってばかりで。怒ることが多くて本当に辛かったです。でも怒らないと変わらないと思ってたし、怒っても変わらないし、そんな自分も嫌で…。夫にも「子どもに怒ってる母親を見るのが嫌だ」って言われて、もうどうしていいかわからない状況でした。
「行動療法なら納得できる」──参加を後押しした決め手

── どうしていいか分からない…そんな日々の中で、「ほめビリティ」との出会いがあったんですね。最初はどのように知ったのでしょうか?
「すらら」のメールで案内をもらったのがきっかけです。最初に見たのが「すららカップ※1」の中の「ほめビリティアワード※2」でした。子どもが頑張って、その子を保護者が応援する仕組みがすごく素敵で。子供と一緒に親も頑張れるというのがいいなと思ったんですよね。
※1:すららカップ
オンライン教材「すらら」を使った全国規模の学習イベント。子どもの頑張りを数値化・可視化し、学習習慣の定着を応援するコンテスト。
※2:ほめビリティアワード
すららカップ期間中、お子さまの努力をあたたかく見守り、支えてきた保護者を対象に、その関わり方や変化を称える表彰企画。
──「親も一緒に頑張れる」──その想いが、参加への後押しになったんですね。実際に「ほめビリティ ペアレンティング」に参加しようと決めた理由は、どんなところにあったのでしょうか?
一番は、内容が行動療法に基づいていると知って、すごく納得できたことです。子育ての情報って、経験談とか精神科医の先生の意見とかバラバラですけど、「ほめビリティ ペアレンティング」は行動療法という確立された理論がベースで、体系的に学べる。それがすごく信頼できたし、私にも受け入れやすかったです。
YouTube視聴が1日3時間から15分に大幅減少 ──家庭に戻った笑顔

── 実際に参加されて、ご家庭にはどんな変化が訪れましたか?
笑顔が増えましたね。楽しく過ごす時間が増えたかなと思います。1対1でのスペシャルタイムは前々からこういうのやりたいなと思いつつもできてなかったことだったので。
日常生活って基本、子どもたちが学校や幼稚園から帰ってきたら、何かを子どもにさせようとしちゃうんですよね。「早くご飯食べよう、早くやることやろう、早くシャワー浴びよう、早く歯磨きして早く寝よう」といった感じで。スペシャルタイム※3 ってそうじゃない時間って決めてるじゃないですか。それが、すごくこちらも穏やかな気持ちになれたり、主導権は子どもに任せて、具体的にほめると子どもも笑顔になるし。それが親子ともにすごく新鮮な時間で。笑顔だったり、子どもと一緒で落ち着いて遊ぶ時間が、やっぱり日々にちょっと加わったので、それが楽しく過ごせる時間になったかなと思いますね。
※3:子どもが主導して自由に遊ぶ15~20分間の特別な時間で、保護者は指示や評価を控え、子どもの良い行動を見つけてほめる練習
── 実際にやってみて、「ここは難しい」と感じたことはありましたか?
そうですね。最初に難しいなと思ったのは「スル褒め※4」です。まず一番初めは、スルーしていいものとスルーしない方がいいことの区別がつかなくて、「これスルーしていて意味があるのかな」ということが初めはあって、それが大変で難しかったです。でも、あるときスルーして待ってみたんです。そうしたら、何も言わなくても子どもが時間をちゃんと見て、YouTubeをやめて出かける準備をしてくれたんです。そこから「あまり口を出さなくても、待っていれば自分でやってくれるかな」って思えるようになりました。
※4:子どもの行動を「良い」「よくない」「やめてほしい」に分け、よくない行動は感情的に反応せず無視し、望ましい行動を見つけてほめる対応法
── お子さんの様子で、嬉しく感じた瞬間はありましたか?
一番大きかったのは、YouTubeの時間をきちんと管理できるようになったことです。前は1日3時間くらい見ている日もありましたが、今では「やることが終わってから15分だけ」というルールを自分から守れるようになっています。このルールがすんなり受け入れられたのも、「ぐた褒め※5」で日常的に具体的にほめていくことで、私と息子たちの関係が少し柔らかくなっていたからだと思います。いきなり「ルールを作るよ」と伝えていたら、反発されていたと思いますが、関係性を土台にしたからこそ、自然と受け入れてもらえたのかなと思います。
※5:強化したい行動を見つけたら、短く具体的にすぐにほめる方法
一人じゃないから続けられた──支え合う仲間の存在

── お子さんとの変化を実感する中で、続けていくうえでの支えになったものはありましたか?
やっぱり一緒に頑張っていたメンバーの存在が大きかったです。一人じゃなかったからがんばれました。同い年ぐらいのお子さんを持つ方たちとのグループでしたが、悩みはそれぞれ違って。でも他の方の投稿を見るとそんなやり方があるんだ」「こんな声かけもあるんだ」ってすごく勉強になって、刺激をもらえて。「自分も頑張ろう」って自然と思えました。一人で悩んでいたら続かなかったと思うんですが、みんなで支え合えたことが続ける力になりました。
今を大切にし、まずは自分が変わる──同じ悩みを持つ方へ

── お子さんとの時間を丁寧に見つめてきたLさんが、これから先大切にしていきたいと思っていることは何ですか?
今を大切にしたい、ということです。思春期になったらきっと関わり方も変わるから、今のこの関係性は今しかないんだなって。今の子どもの可愛さを思いっきり楽しみたいです。あとは、その子の個性を大切にしたい。その子のペースや良さを認めて伸ばす、ということも大事にしたいなと改めて思いました。
── 最後に、同じように悩んでいる保護者の方へメッセージをお願いします。
子どもから先に変わることって、ないと思います。まずは自分が変わる、新しいことを知って変わる。そうしたら、きっと子どもも変わってくれると思います。だから、子どもを変えたいと思ったら、まず自分から。私も、まだまだ勉強したいと思っていますし、これからも頑張ります。
──ありがとうございました。

不安や戸惑いを抱えながらも、「子どもとどう関わればいいのか」を模索している方にとって、ほめビリティは一つの支えになるかもしれません。日々の小さなやりとりを変えることで、親子の関係性が少しずつ前向きになっていく。その一歩を安心して試せるように、LINE相談も承っております。よかったら、公式サイトで詳しくのぞいてみてください。
【ほめビリティ公式サイト】