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【就労移行支援事業所の新規開設】立ち上げに必要な資金や指定要件をご紹介

「就労移行支援事業所を新規立ち上げするために必要な資金は?」「満たすべき指定要件はどんな項目があるの?」新しく事業を立ち上げる際には、このような疑問や悩みを抱えている方も少なくありません。

本記事では、そもそも就労移行支援事業所とはどのような場所なのか、開設するための指定要件、開業の必要な資金の内訳などについて詳しく紹介します。

また、就労移行支援事業所の1日の流れや新しく開設するための正しい手順についてもお伝えしますので、ぜひ最後までご覧ください。



この記事を読む方で、放課後等デイサービスの運営・経営において 下記のようなお悩みはございませんか?

  • 「近隣に競合施設が多く、生徒確保が難しい」
  • 「離職率が高い・指導員の確保が難しい」
  • 「学習支援は行いたいが、宿題の対応しかできない」
  • 「職員が不足している時間帯の児童支援が難しい」

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就労移行支援事業所とは

障がいがある方の就職活動や就労サポートをする事業所が「就労移行支援事業所」です。1人1人に合わせた支援計画に沿って、就職に向けた準備や職場定着のサポートが受けられます。

【就労移行支援事業所で受けられるサービス内容とは】

  • 就職に役立つ知識の習得
  • 就職に必要なスキルの勉強
  • 体調管理
  • コミュニケーション
  • 就職活動のサポート
  • 職場定着支援

就職活動サポートでは、応募書類の作成や面接に向けた対策、さらに職場定着支援の場合は、会社に入社した後の相談体制の充実や、企業へ環境調査依頼を行います。

また、就労移行支援事業所を利用できる方は、発達障がいや身体障がいがある方はもちろん、18歳以上から65歳未満と年齢についても条件があります。

就労移行支援事業所の1日の流れ

就労移行支援事業所の1日の流れについて紹介します。就労移行支援には2つの種類があり、主となるのが一般就職型です。また、資格取得によって就職を目指すタイプは認定型と呼ばれています。

ここでは、一般就職型の流れをみていきましょう。

【就労移行支援事業所の主な1日の流れ】

  • 9時から10時:朝礼を行い、その後個別プログラムを実施
  • 12時:昼食
  • 13時:ラジオ体操・集団プログラム
  • 15時:終了

就労移行支援事業所は「1日に何時間以上通所しなければいけない」などの規定はないため、人により利用する時間は異なります。

時間 利用者Aの場合 利用者Bの場合
9時から9時半 来所・朝礼
10時から11時 エクセルやワードなどのPCトレーニング
12時 昼食 来所
13時 面接の練習 学習(テキストの利用)
13時半 1日のフィードバック 引き続きテキストの学習
14時 帰宅 生活相談
15時 帰宅

上記は、利用者別における1日の流れの1例です。

さらに、事業所によっては在宅による訓練などもあり、自宅にいながら就職訓練が受けられるのもポイントといえます。在宅タイプの主な流れは下記の通りです。

【就労移行支援の在宅訓練の主な1日の流れ】

  • 9時から10時:訓練の開始連絡
  • 10時:訓練開始
  • 15時:訓練終了

訓練を始める前にはメールで体調報告などをしてもらいます。この報告でメールの文章マナーを習得したり、「報告・連絡・相談」の練習に繋げることがポイントです。

訓練は担当のスタッフとのオンライン面談などを行いますが、休憩や昼食の時間が決められていないため、時間を調整しながら各自で取らなければいけないのが在宅訓練の特徴といえます。

就労移行支援事業所を開設するための指定要件

就労移行支援事業所を開設するためには、満たすべき指定要件があります。しかし、どのような内容なのか詳しく知らないといった方も少なくありません。

ここで、就労移行支援事業所を新しく開設するために大切な指定要件について3つのポイントを詳しくお伝えします。それぞれの内容をよく把握し、問題なくクリアできるように徹底した準備を行いましょう。

【就労移行支援事業所開設のための指定要件】

  • 法人格を有していること
  • 人員基準を満たしていること
  • 設備基準を満たしていること

法人格を有していること

就労移行支援事業所を開設するためには、法人格を有している必要があります。法人格はさまざまな種類がありますが、どの形態でも問題はありません。

【法人格の主な種類】

  • 株式会社
  • 合同会社
  • 合資会社
  • NPO法人
  • 医療法人
  • 社会福祉法

また、すでに法人格を有している場合、そのまま申請をすることができます。しかし、事業目的で就労移行支援事業所としての事業を行うことがわかる文言がない場合、事業目的を変更する必要があるため注意しておきましょう。

人員基準を満たしていること

サービスの実施をするにあたり、必要となる人員を配置しなければ開設することはできません。就労移行支援事業所の人員基準は下記の通りです。

管理者 常勤1名以上
厚生労働省の基準として厳格な決まりはないものの、場所によっては独自の基準を設けているケースもある
サービス管理責任者 常勤1名以上
前年利用者が60名以下の場合は1名、60名を超えた際には40人、または端数を増すごとに1名増員
例:60名→1名・105名→3名
職業指導員・生活指導員 常勤1名以上
就労支援員 常勤1名以上
利用者の数÷15以上

人員配置の中で、管理者とサービス管理責任者は兼務することが可能です。また、職業指導員・生活指導員は、いずれかを常勤で1名以上配置する必要があります。

設備基準を満たしていること

就労移行支援事業所を新しく開設する場合、人員だけではなく施設の設備基準についてもしっかりと満たさなければいけません。

訓練室・作業室 訓練や作業をするために、支障が出ない充分な広さが確保されている
必要な機器や設備を備えている
相談室 間仕切りを設けてプライバシーへ配慮している
机は1卓以上・椅子は4脚以上確保している
多目的室 原則専用の部屋を確保する必要がある
充分な広さがある場合は相談室との併用も可能
洗面所・トイレ 施設利用者の特性に合わせた作りにする
事務室 業務をスムーズに行うためのスペースや必要な備品が揃えられている

相談室は、パーテーションなどで間仕切りを設けることが基本ですが、都道府県によっては間仕切りではなく個室を準備する必要があります。

こうした設備基準は、物件を決めた後に変更するのはとても難しい面があるため、必ず事前に確認しておくようにしてください。

就労移行支援事業所の開業に必要な資金

就労移行支援事業所の開設にあたり、必要な資金は前もってしっかりと準備しておく必要があります。しかし、具体的にどのくらいの費用が必要なのか、その内訳について把握できている方はあまり多くありません。

新しく事業所を開設するためには、初期費用のイニシャルコストと運営するためのランニングコストが必要です。いくらくらいの資金が必要なのか、何にどのくらいかかるのかについて、ここで詳しく紹介します。

【就労移行支援事業所の開業に必要な資金】

  • イニシャルコスト
  • ランニングコスト

イニシャルコスト(初期費用)

まず開設するためには初期費用を準備する必要があります。イニシャルコストとして必要となるのは300万円から1,000万円といわれており、一般的な必要金額としてもその平均は大きな差が生じます。

どのような部分にいくらくらいの費用が必要なのか、ここでそれぞれの内訳について詳しくみていきましょう。

法人の設立費用

新しく法人を立ち上げる場合、法人登記費用が必要です。法人格によって必要な費用は異なるため、株式会社を選択する場合は約20万円から25万円かかります。

さらに、法人登記はさまざまな執行事務所が代行を請け負ってくれているため、公式ホームページなどを見て価格を比較しておきましょう。

物件の取得費用

イニシャルコストの中でとくに大きな金額が必要となるのが物件の取得費用です。エリアなどにより平均価格は異なるため、費用を節約するには物件の取得費用をしっかりと比較検討することが大切です。

本記事でお伝えしている設備基準はもちろんのこと、消防設備や建築基準法についてもしっかりとチェックしてください。物件取得費用は、敷金礼金や補償金などを合わせて約100万円から300万円ほどかかります。

また、契約段階において物件オーナーとの交渉が可能になるケースもあるため、ポイントをしっかりと把握することでより費用を抑えることも可能となります。

内装の費用

物件をきれいにするためにも必要ですが、内装は指定要件を正しく満たすためにも重要なポイントといえます。先ほどお伝えした設備基準の内容を参考にしてください。基本の費用としては約50万円から100万円ほどです。

初めのイニシャルコストで費用をかけすぎてしまうと大きな痛手となり、利益を確保するまで運営が厳しくなってしまいます。こだわりを持つことも大切ですが、基準を満たしつつ適度に妥協できるところを見つけましょう。

広告宣伝費

早い段階で利益を確保するためにも、しっかりと費用をかけてアピールするようにしてください。基本的な広告宣伝費として必要となるのは、約20万円から40万円ほどとなります。

これから利用を検討する多くの方は、ホームページをチェックするケースが少なくありません。ホームページ運用を戦略的に計画しておきましょう。自社内でホームページ制作ができない場合は、外注する方法もあります。

また、開業が決定して地域の支援機関などに挨拶する場合、パンフレットなどを渡して認知のきっかけを作ることにもなるため、開業メンバーにデザインの得意な方がいれば依頼してみるのもおすすめです。

教材・資材の費用

自社のオリジナル教材のみでプログラムを提供する場合は基本的に不要となりますが、開業して初めから1ヶ月のスケジュールを埋めるほどのボリュームは確保できないケースも多くあります。

このような問題が発生した場合、外部教材を準備して1人1人の目標に向けた個別学習の時間を提供することで解決可能です。資格を取得するための専門的な教材やパソコンスキルを得るための教材など、さまざまな種類から適したものを選びます。

予算としては約10万円から15万円を目安として考えておくようにしましょう。開設する事業所とのコンセプト親和性が高い教材を取り入れるのがおすすめです。

PC関係の費用

利用者に提供するプログラムだけではなく、職員の業務を進めるためにも必要となるPC関連は、本体だけでなくソフトや関連機器も重要です。

【就労移行支援事業所で必要となるPC関係】

  • デスクトップパソコン
  • ノートパソコン
  • モニター
  • 複合機
  • 無線LANルーター・アダプター
  • オフィスソフト
  • デザイン関連のソフト

プログラミングや動画の編集など、一般以上に高度なパソコンスキルを提供する場合、導入するパソコンのスペックにも気を付けましょう。予算は約30万円から100万円前後かかります。

開設当初からフルで完備させておく必要はありませんが、周辺機器の確保ルートはあらかじめ定めておくと安心です。

その他の備品の費用

就労移行支援事業所には、そのほかにもさまざまな備品を準備する必要があります。1つ1つは細々したものになりますが、必要最低限のものはしっかりと準備できるようにしておきましょう。

【就労移行支援事業所を開設するうえで必要となる備品】

  • 筆記用具
  • 机と椅子
  • 電話
  • 鍵付きの書庫
  • ロッカー
  • ごみ箱・ごみ袋
  • 傘立て
  • スリッパ
  • 靴箱
  • ホワイトボード
  • 防災関連の備品

主となるのは上記のようなアイテムです。その他、パーテーションやFAXなど、必要に応じて準備してください。こうした細かな備品の予算としては、約20万円から50万円ほど必要になります。

ランニングコスト(運転費用)

開業した後、施設を運営していくのに必要なのがランニングコストです。1ヶ月で必要なランニングコストは、一般的に約200万円から300万円前後といわれています。ランニングコストとして毎月かかるのは下記のとおりです。

【就労移行支援事業所のランニングコストの内訳】

  • 施設の家
  • 職員の人件費
  • 光熱費
  • 雑費

こうしたランニングコストの中で大きな割合を占めているのが人件費です。人員配置をしっかりと守りながら運営をしていく必要があるため、人件費を削ることはできません。

就労移行支援事業所を開設するまでの手順

就労移行支援事業所の開設にあたり、満たすべき指定要件や費用についてお伝えしました。次に、開設するまでの手順について紹介します。一般的な流れは下記の通りです。

【就労移行支援事業所開設の主な手順】

1・人員配置や物件の選定、法人設立などの「事前準備」
2・物件の要件について管轄の役所で確認する「物件調査」
3・事業所のある住所を管轄する役所と協議する「事前協議」
4・必要に応じて行う「事業所の改修など」
5・施設の写真などを撮影して書類作成する「指定申請」
6・原則として管理者が受ける「研修の受講」「指定書交付」
7・全て完了したことによって「就労移行支援事業の開始」

エリアによっては流れの一部が異なるケースがあるため、必ずしっかりと確認してから行うようにしてください。物件調査、事前協議や事業所の改修などがあるため、開設するまでには長い期間が必要となります。

事業所の改修は場合によっては不要となることもあるため、必要がなければその分の期間を短縮することも可能です。

就労移行支援事業所の開設に関するよくある質問

就労移行支援事業所の開設について、さまざまな疑問を抱えている方が多くいます。本記事で紹介した内容とあわせ、ここでお伝えする2つのよくある質問についてもしっかりと把握しておきましょう。

【就労移行支援事業所の開設に関するよくある質問2つ】

  • 就労移行支援事業所の立ち上げに必要な資金の合計は?
  • 就労移行支援事業所は開設するだけで儲かる?

就労移行支援事業所の立ち上げに必要な資金の合計は?

就労移行支援事業所は、「イニシャルコスト」「ランニングコスト」の2つが必要です。本記事でお伝えした金額をまとめると、立ち上げ資金としては約450万円から950万円ほどとなります。

しかし、ここでお伝えしている金額は1つに例にすぎません。施設を開設するエリアや規模によっても金額は大きく異なるため、目安として考えておきましょう。

就労移行支援事業所は開設するだけで儲かる?

利用料金の9割は公費でまかなわれます。しかし、開設するだけで儲かるということはありません。就労移行支援事業所は、卒業した利用者が、どのくらいの割合半年以上就職先に定着しているかによって点数が変化します。

そのため、満足度を高めつつ就職率をあげなければいけません。また、就職率だけでなく、定着率をいかに上げるかも重要となります。

5割以上 1,128単位
4割以上5割未満 959単位
3割以上4割未満 820単位
2割以上3割未満 690単位
1割以上2割未満 557単位
0割以上1割未満 507単位
0の場合 468単位

上記の表は定員20名以下の場合の基本報酬単位です。定員が21名以上の場合や61名以上のケース、さらにサービス管理責任者欠如による減算や定員超過利用の減算という項目もあるため、注意しなければいけません。

まとめ:利益を出すためには就職率と定着率をあげることが大切!

本記事では、就労移行支援事業所を開設するために必要となる費用や指定要件などについて詳しく紹介しました。予算をしっかりと準備し、設備基準や人員の配置に考慮した施設を開設するのはもちろん重要です。

しかし、特に大切なのは、就職率や定着率をあげることです。スムーズに職を決め、長く継続して働くためのサポートを徹底してこそ、理想的な就労移行支援事業所といえます。

本記事でお伝えした基本的な情報はしっかりと頭に入れつつ、利用者の就職率や定着率を高めるための施策などについてもしっかりと計画しておきましょう。



この記事を読んだ方で、放課後等デイサービスの運営・経営において 下記のようなお悩みはございませんか?

  • 「近隣に競合施設が多く、生徒確保が難しい」
  • 「離職率が高い・指導員の確保が難しい」
  • 「学習支援は行いたいが、宿題の対応しかできない」
  • 「職員が不足している時間帯の児童支援が難しい」

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