障がい福祉に関する2種類以上のサービスを提供する多機能型事業所。事業の組み合わせは数十通りありますが、中でも放課後等デイサービスと児童発達支…
放課後等デイサービスの開業を検討している方の中には、報酬についての正しい情報を理解できているか不安に感じている方も少なくありません。利益をしっかりと獲得するためには報酬についての知識を身につける必要があります。
本記事では、放課後等デイサービスの報酬の計算方法やシミュレーション、実際に報酬が支払われるまでの流れについて具体的な内容を詳しく紹介します。これから開業を目指している方は、ぜひ本記事を参考に報酬をシミュレーションしてみましょう。
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放課後等デイサービスの報酬とは
放課後等デイサービスの報酬は、仕事をして得られる「賃金」と同じ意味を指します。施設として障がいがある子どもに対する支援やサービスを提供することによって得られるのが報酬です。
放課後等デイサービスの報酬は「円」ではなく「単位」であらわされており、報酬について調べると「○○単位/月」などで表示されます。報酬についての理解を深めるためには、単位や種類などを正しく把握することが大切です。
放課後等デイサービスの報酬の計算方法
放課後等デイサービスの報酬は下記の計算式で求められます。
【放課後等デイサービスの報酬の計算式】
(基本報酬+加算)の単位数×地域区分×日数×人数
それぞれの項目について詳しくみていきましょう。
基本報酬
放課後等デイサービスの基本報酬は、営業日・サービス提供時間・医療的ケア判定スコア・定員によって細かく分けられています。詳しい単価について確認していきましょう。
営業日 | サービス提供時間 | 医療的ケア児童の点数 | 単価 |
放課後 | 区分1 (3時間以上) |
32点以上 | 定員10名以下:2,604単位 定員11名以上20名以下:2,402単位 定員21名以上:2,302単位 |
16点以上32点未満 | 定員10名以下:1,604単位 定員11名以上20名以下:1,402単位 定員21名以上:1,302単位 |
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16点未満 | 定員10名以下:1,271単位 定員11名以上20名以下:1,069単位 定員21名以上:969単位 |
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その他 | 定員10名以下:604単位 定員11名以上20名以下:402単位 定員21名以上:302単位 |
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区分2 (3時間未満) |
32点以上 | 定員10名以下:2,591単位 定員11名以上20名以下:2,393単位 定員21名以上:2,295単位 |
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16点以上32点未満 | 定員10名以下:1,591単位 定員11名以上20名以下:1,393単位 定員21名以上:1,295単位 |
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16点未満 | 定員10名以下:1,258単位 定員11名以上20名以下:1,060単位 定員21名以上:962単位 |
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その他 | 定員10名以下:591単位 定員11名以上20名以下:393単位 定員21名以上:295単位 |
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学校休業日 | 32点以上 | 定員10名以下:2,721単位 定員11名以上20名以下:2,480単位 定員21名以上:2,372単位 |
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16点以上32点未満 | 定員10名以下:1,721単位 定員11名以上20名以下:1,480単位 定員21名以上:1,372単位 |
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16点未満 | 定員10名以下:1,388単位 定員11名以上20名以下:1,147単位 定員21名以上:1,039単位 |
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その他 | 定員10名以下:721単位 定員11名以上20名以下:480単位 定員21名以上:372単位 |
利用定員が10名以下・平日の放課後に3時間以上のサービスを提供・医療的ケア判定スコア32点以上の場合、基本報酬は「2,604単位」です。
加算
放課後等デイサービスでは、加算を取得することで収益を増やすことができます。加算にはさまざまな種類があり、送迎サービスや人員配置など、質の高いサービスを提供することにも繋がるものがほとんどです。
加算を取得することは、そのまま障がいがある子どもたちのためになることばかりのため、積極的に取得してください。
主な加算は下記のとおりです。
【放課後等デイサービスの主な加算】
- 送迎加算:片道54単位
- 家庭連携加算:1時間未満→178単位/回・1時間以上→280単位/回
- 個別サポート加算:Ⅰ→100単位・Ⅱ→125単位
- 専門的支援加算:187単位
- 事業所内相談支援加算I(個別面談):100単位
地域区分
地域区分は、地域ごとにばらつきがある人件費の差を勘案することにより、それぞれの地域間の支援費を調整するために設けられています。
例えば大阪府の場合、2級等地の10.96円に該当するのは大阪市のみです。守口市・大東市・門真市などは3級等地で10.90円となっており、地域により異なる地域区分になっています。
開業するエリアの区分については必ず事前に調べておきましょう。
開所日数
施設の開所日数も報酬を計算する上で欠かせない大切な情報です。放課後と学校休業日に何日開校したのかを正しく把握しておきましょう。
放課後等デイサービスにおける「学校休業日」には、土日・祝日はもちろん長期休暇なども含まれます。「学校がお休みの日」は基本的にすべて休業日として換算しましょう。
利用人数
施設に通所した子どもの数を計算します。こちらも開所日数と同様に放課後と学校休業日に分けて記録しておきましょう。
毎日同じ人数の子どもが利用するとは限りません。中には、「利用を予定していたけれど病気で来れない」「家庭の事情で急遽お休みになった」というケースもあります。そのため、必ず毎回正しい人数を記録し、誤りがないように注意してください。
放課後等デイサービスの報酬シミュレーション
先ほどもお伝えしたように、放課後等デイサービスの報酬を計算する式は「(基本報酬+加算)の単位数×地域区分×日数×人数」です。実際にこの式に数値をあてはめて報酬のシミュレーションをしてみましょう。
【放課後等デイサービスの報酬シミュレーション:その1】
- サービス提供時間:3時間以上
- 利用定員:10名
- 医療的ケア児:その他
- 送迎加算(往復):一人あたり108単位/回
- 営業日数:平日に20日間
- 地域単価:10.0
上記の条件の場合、式に当てはめると「(604+108)×10.0×20×10=1,424,000円」になります。
別のパターンも確認してみましょう。
【放課後等デイサービスの報酬シミュレーション:その2】
- サービス提供時間:3時間未満
- 利用定員:5名
- 医療的ケア児:32点以上
- 送迎加算(往復):一人あたり108単位/回
- 児童指導員等加配加算:187単位/日
- 営業日数:平日に10日間
- 地域単価:10.0
上記の場合、サービス提供時間が3時間未満と少なく、営業日数も平日の10日間のみとなっていますが、加算が多いのが大きなポイントです。
計算式に当てはめると、「(2,591+108+187)×10.0×10×5=1,443,000円」となり、先ほどのシミュレーションよりも営業日数が少ないにもかかわらず報酬が多くなります。
これには加算が大きく影響しており、報酬を上げるためにはいかに多くの加算を取得するかがとても重要です。
放課後等デイサービスの報酬が支払われるまでの流れ
放課後等デイサービスの報酬は、全体の約90%が国や自治体からの公金でまかなわれており、利用者が負担するのは残りの10%ほどです。そのため、報酬が支払われるまでの流れが一般的な小売業などとは異なっています。
施設の利用が開始されてから報酬を得るまでの流れを詳しくみていきましょう。
【放課後等デイサービスの報酬が支払われるまでの流れ】
- ①施設が総利用額を計算する
- ②利用者負担上限額管理結果票の提出・受け取り
- ③国民健康保険団体連合会に請求する
- ④報酬の支払い
①施設が総利用額を計算する
まずは施設で利用額を計算します。記録してある利用実績を基に、加算や減算を加味した総利用額を算出してください。利用額は月末締めが基本となるため、月の途中で締めないように注意しておきましょう。
総利用額が誤った数値になってしまうと報酬に差が出てしまいます。計算は慎重に行い、何度も確認しながら必ず間違いがない状態にしてください。
②利用者負担上限額管理結果票の提出・受け取り
上限管理を事業所では行わない場合、サービスを提供した月の翌月3日頃までに「利用者負担額一覧表」を作成します。そして、作成した書類を上限管理事業所に提出してください。
上限管理事業所は、受け取った利用者負担額一覧表を基に「利用者負担上限額管理結果票」を作成し、関係施設へサービスを提供した月の翌月6日頃までに提出します。
③国民健康保険団体連合会に請求する
サービスを提供した月の翌月10日頃までに国保連に必要書類を提出します。主な書類は下記のとおりです。
【国民健康保険団体連合会(国保連)へ提出する主な3つの書類】
- 障がい児通所給付費・入所給付費等請求書・明細書
- サービス提供実績記録票
- 利用者負担上限額管理結果票
提出する際は、原則として国保連が提供している「簡易入力システム」「取り込み送信システム」を利用し、ネットで行うようになります。
④報酬の支払い
不備がなければ提出などの作業はこれで完了です。報酬の支払いは、サービス提供月の翌々月の中頃から下旬の間に支払われます。そのため、施設を開業してサービス提供が始まっても、最初の報酬はその月の約2か月後となり、すぐに報酬が入ることはありません。
放課後等デイサービスを開業する場合は、資金に余裕を持って準備することが大切です。最低でも2ヶ月から3ヶ月は無報酬であると考え、無理のない経営ができるようしっかりと計画を立てておきましょう。
放課後等デイサービスの報酬に関するよくある質問
最後に、放課後等デイサービスの報酬に関するよくある質問の中でとくに大切な2つの内容について紹介します。
【放課後等デイサービスの報酬に関するよくある2つの質問】
- 送迎加算は廃止された?
- 放課後等デイサービスにおける収支の項目は?
正しい情報をしっかりと把握しておきましょう。
送迎加算は廃止された?
送迎加算は廃止されていません。送迎サービスを提供すれば加算を取得することが可能です。
しかし、各自治体で認められた子ども以外は送迎対象にならないという変更が出る可能性もあるため、「送迎すれば加算がもらえる」と安易に考えておくのはやめましょう。
また、単純に送迎すれば加算が獲得できるということではなく、送迎の必要性について個別支援計画書への明記が必要となります。
放課後等デイサービスにおける収支の項目は?
放課後等デイサービスの収入には下記のようなものがあります。
【放課後等デイサービスの収入項目】
- 基本報酬
- 加算報酬
- 利用料による収益
- 補助金や助成金など
次に、放課後等デイサービスの支出リストをみてみましょう。
【放課後等デイサービスの支出項目】
- 人件費
- 固定費
- 車両整備費
- 物件費
- 融資の返済など
支出を減らすことは収益を多く確保するためにも必要ですが、節約しすぎて施設の運営に不備が出てしまっては本末転倒です。利用する子どもたちが快適に過ごせることを第一に、無駄を省き効率よく利益が得られるように工夫をしてみてください。
まとめ:放課後等デイサービスの報酬シミュレーションで具体的な経営計画を!
本記事では、放課後等デイサービスの報酬の計算方法やシミュレーション、報酬が支払われるまでの流れを解説しました。放課後等デイサービスでは、利用者の人数や営業日数はもちろん、加算の取得や医療ケア児の点数などにより報酬額が大きく異なります。
単純に営業日数を増やすことで報酬は増えますが、加算を取得することでより効率的に利益を増やすことが可能です。加算の取得は、そのまま施設に通う子どもたちにとってもプラスになるので、ぜひ積極的に取得して報酬アップを目指しましょう。
本記事を参考に、報酬額をシミュレーションして具体的な経営計画を立ててみてください。
この記事を読んだ方で、放課後等デイサービスの運営・経営において 下記のようなお悩みはございませんか?
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