放課後等デイサービスは、障がいのある6歳から18歳の就学児童を対象とした福祉サービス。様々な障がいを抱えた子どもが通うためトラブルは多く、叱り方や対応には工夫が必要です。
そこで当記事では、放課後等デイサービスで起こりやすいトラブルとその対処法を解説していきます。放課後等デイサービスの経営を考えている方や、障がいのある子どものトラブルについて不安がある方はぜひ参考にしてください。
この記事を読む方で、放課後等デイサービスの運営・経営において 下記のようなお悩みはございませんか?
- 「近隣に競合施設が多く、生徒確保が難しい」
- 「離職率が高い・指導員の確保が難しい」
- 「学習支援は行いたいが、宿題の対応しかできない」
- 「職員が不足している時間帯の児童支援が難しい」
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もくじ
放課後等デイサービスを利用している子どもに多い障がい
はじめに、放課後等デイサービスを利用している子どもに多い障がいを紹介していきます。みずほ情報総研株式会社の「放課後等デイサービスの実態把握及び質に関する調査研究報告書」によると、放課後等デイサービスに通う子どもに多い障がいは下記の通りでした。
利用件数 | 月平均利用人数 | |
知的障がい | 3,413回 | 10.56人 |
発達障がい | 3,616回 | 16.09人 |
肢体不自由 | 1,855回 | 1.96人 |
聴覚障がい | 1,142回 | 0.66人 |
視覚障がい | 1,042回 | 0.27人 |
重症心身障がい | 1,476回 | 2.94人 |
その他 | 1,308回 | 1.98人 |
不明 | 1,027回 | 1.77人 |
引用:みずほ情報総研株式会社「放課後等デイサービスの実態把握及び質に関する調査研究報告書」
上記の表からもわかるように、放課後等デイサービスを利用している児童の大半は、知的障がいや発達障がいのある子どもです。肢体不自由や聴覚・視覚に障がいがある子どもも若干数通っています。
放課後等デイサービスで起こりやすいトラブル
では、放課後等デイサービスではどのようなトラブルが起こるのでしょうか。この項ではシチュエーションに応じたトラブル事例を紹介していきます。
放課後等デイサービスで起こりうるトラブルは大きく分けて、「児童に関するトラブル」「職員に関するトラブル」「保護者や周辺住民に関するトラブル」があります。それぞれのトラブル事例とその対処法を詳しく見ていきましょう。
放課後等デイサービスを利用している児童に関するトラブル
はじめに、放課後等デイサービスを利用している児童に関するトラブルを見ていきます。児童に関するトラブルの中で多いのは、以下のようなケースです。
【放課後等デイサービスを利用している児童に関するトラブル】
- 暴言・暴力を頻繁にする
- 他の子どもが嫌がる行為をする
- 児童の怪我
それぞれのトラブルを詳しく確認していきます。
暴言・暴力を頻繁にする
放課後等デイサービスを利用する子どもの中には、職員や他の子どもに暴力や暴言をおこなう子どももいます。このような子どもに遭遇した場合、頭ごなしに怒るのはやめましょう。
暴力や暴言をおこなう理由は必ずあるはずです。そのため、氷山モデルを用いて原因を知ることからスタートしてください。放課後等デイサービスのみで解決できない場合は、ケースワーカーや学校など全てを巻き込み話し合う必要もあります。
他の子どもが嫌がる行為をする
暴言や暴力とまで行かなくとも、他の子どもに嫌がる行為をするケースも存在します。このような子どもには、一度スタッフがマンツーマンで寄り添う必要があるでしょう。
スタッフが常に寄り添えば、他の子どもへの嫌がる行為を未然に防止できます。また、問題のある子どもの家族にも協力を求め、二人三脚で解決を目指す姿勢が重要です。
児童の怪我
放課後等デイサービスに限らず、子どもを預かる施設では必ず児童の怪我によるトラブルがつきまといます。
怪我を完全に防ぐのは難しいですが、事前に子どもの特性を知っておくことで防げる怪我はあります。ご家庭とスタッフの連携をしっかりとおこない、子どもの怪我を最小限に防ぎましょう。
放課後等デイサービスの職員に関するトラブル
放課後等デイサービスでは、以下のような職員に関するトラブルも起き得ます。
【放課後等デイサービスの職員に関するトラブル】
- 子どもへの接し方に悩んでしまう
- 施設の運営方針が合わない
- 職員同士のトラブル
それぞれのトラブルへの対処法をまとめたのでぜひ参考にしてください。
子どもへの接し方に悩んでしまう
1点目は子どもへの接し方に関するトラブルです。障がいのある子どもに適切な指導をおこない、自立を支援することは容易ではありません。一人の子どもにつきっきりになることは難しいので、支援に携われる時間と支援内容のギャップに悩んでしまう方は多いです。
このような場合には、家庭と連携をとりトレーニングを全面的にサポートしてもらう体制を整えましょう。また、歴の長い先輩スタッフに相談することも大切です。
施設の運営方針が合わない
放課後等デイサービスで働く方の中には、施設の運営方針が合わないと感じている方も多くいます。自身に沢山の意欲があっても、施設側が充分なプログラムを組んでいなければ力は発揮できません。
このような場合には、面接時に施設との教育方針をすり合わせましょう。どのような方針が子どものためになるかを一度施設全体で考えてみてください。
職員同士のトラブル
放課後等デイサービスの仕事に限らず、どこの職場にも職員同士のトラブルはつきものです。特に福祉業界は、人手不足のストレスや忙しさからトラブルが発生しやすい環境と言えます。
職場の雰囲気を良くするためにも、人員が不足していると感じたら運営に相談しましょう。運営している側は、子どもだけでなく職員がストレスを感じにくい職場になるように意識してください。
保護者や周辺住民に関するトラブル
最後にあげられるトラブルは、保護者や周辺住民に関するものです。主に以下の2つがあります。
【保護者や周辺住民に関するトラブル】
- 個人の都合を押し付けてくる保護者がいる
- 近隣住民から苦情が来る
トラブルの事例と対処法を詳しく確認していきましょう。
個人の都合を押し付けてくる保護者がいる
保護者の中には、自分の都合を押し付けてくる方もいます。具体的には、「うちの子どもとあの子どもは近づけないで欲しい」「うちの子どもには特に注視して欲しい」などです。
放課後等デイサービスでは、子どもの障がいの特性に合わせた支援をおこなって行く必要があります。しかし、特性の範疇を超えた都合は聞き入れるべきではありません。保護者には、施設が判断しておこなっている個々に合わせた指導を理解してもらう必要があります。
近隣住民から苦情が来る
これは放課後等デイサービスに限った問題ではありませんが、幼稚園や学校などの子どもを預かる施設では必ず近隣住民からの苦情に悩まされます。万が一、近隣から苦情が来た場合には素直に意見を受け入れましょう。
子どもの騒音はある程度仕方のないことですが、地域と共生するためには改善する姿勢が大切です。苦情が相次ぐ場合には、施設の運営を停止しなければならない可能性もあるので、できるだけ迅速に対応してください。
トラブルを起こした子ども叱る際のポイント
次に、トラブルを起こした子どもを叱る際のポイントについて解説していきます。子どもがトラブルを起こした場合、むやみに叱るのではなく下記のポイントを意識するようにしましょう。
【トラブルを起こした子どもを叱る際のポイント】
- 子どもの話を聞く
- 穏やかな口調で理由を説明する
- 感情的にならない
それぞれのポイントを詳しく解説していきます。
子どもの話を聞く
1点目のポイントは、子どもの話をよく聞くことです。放課後等デイサービスでは「叱る」よりも「褒める」を基本としています。
どうしても叱らなければならないケースはありますが、叱ってばかりでは逆効果です。まずはゆっくりと子どもの話を聞き、なぜトラブルになってしまったのかを確認してください。
穏やかな口調で理由を説明する
子どもは、大声を出すなどの行動に萎縮やパニックを起こしやすいです。そのため一方的に叱りつけるのではなく、なぜ叱られているのかを穏やかな口調で説明してください。
子どもに注意する際には「叱る」よりも「話し合い」の感覚を持ち、穏やかな雰囲気を作りましょう。
感情的にならない
最後にあげられるポイントは、感情的にならないことです。障がいのある子どものトラブルは、本人が意図的に起こしているものではありません。
このため、感情的に叱っても子どもを萎縮させるだけです。何度も同様のトラブルが起こると感情的になる気持ちもわかりますが、子どもの気持ちを第一に考える姿勢を持つようにしましょう。
暴力・暴言をする子どもへの対応
トラブルを起こした際、穏やかな口調で落ち着く子どもがいる一方で、中には暴力を振るったり暴言を吐いたりする児童もいます。そのような場合には以下の対応が効果的です。
【暴力・暴言をする子どもへの対応】
- 落ち着くまで待ち、ゆっくりと話を聞く
- 対応が得意なスタッフに代わる
それぞれの対応を詳しく解説します。
落ち着くまで待ち、ゆっくりと話を聞く
子どもが興奮している場合、まずは気持ちが落ち着くのを待ちましょう。興奮している状態では、何が問題だったのか説明をしても意味がありません。
また、否定や説得は逆効果になるので、ゆっくりと話を聞くことに専念してください。子どもの気持ちが落ち着いたら優しい口調で原因を聞き、場合によっては叱るようにしてください。
対応が得意なスタッフに代わる
障がいのある子どもが暴言や暴力をする場合、いくら優しい口調で対応しても対処しきれないケースがあります。また、人対人なので相性の悪さから対応が難しいケースもあるでしょう。
このような場合には、無理をせず対応が得意なスタッフに代わるのがおすすめです。相性の良いスタッフであれば、子どもも落ち着いて話しやすくなります。
放課後等デイサービスのトラブルに関するよくある質問
最後に、放課後等デイサービスのトラブルに関するよくある質問をまとめました。
【放課後等デイサービスのトラブルに関するよくある質問】
- 放課後等デイサービスのスタッフが仕事を辞めたいと思う理由は?
- 放課後等デイサービスの送迎に関するトラブル・大変なことは何がある?
現在疑問に思うことがない方でも役立つ情報です。一つずつ詳しく回答するのでぜひ参考にしてください。
放課後等デイサービスのスタッフが仕事を辞めたいと思う理由は?
放課後等デイサービスのスタッフが辞めたいと思う理由は以下の通りです。
【放課後等デイサービスのスタッフが辞めたいと思う理由】
- 子どもとの接し方がわからない
- 保護者との関係が悪い
- 仕事の責任が重すぎる
- 施設の運営方針に納得していない
- 給与が低い
放課後等デイサービスは障がいのある子どもを相手にする仕事なので、予想外の行動や子ども同士のトラブルが頻繁に起こりうる環境です。
しかし怪我や事故は許されないので、常に緊張感を持つ必要があるでしょう。これにより精神的なストレスが増え、仕事を辞めたいと考える方もいるようです。
放課後等デイサービスの送迎に関するトラブル・大変なことは何がある?
放課後等デイサービスでは、家庭や学校から施設に送迎する必要があります。一口に送迎と言っても気をつけなければならないことは多岐に渡り、トラブルが起こりやすい環境です。一部の例を紹介していきましょう。
【放課後等デイサービスの送迎に関するトラブル・大変なこと 】
- 子どもの気分次第でスムーズに乗り降りしてくれない
- 運転をしながら子どもの対応をしなければいけない
- 時間を厳守しなければいけない
- 送迎時の短時間で保護者に対応する必要がある
放課後等デイサービスの送迎は施設にいる時よりも気を使うシーンが多いです。スムーズに送迎をするためには、子どもの気持ちが不安定にならないようにしなければいけません。
まとめ:放課後等デイサービスでのトラブルは子ども目線第一で対応しよう
当記事では、放課後等デイサービスで起こるトラブルとその解決策について詳しく解説しました。放課後等デイサービスは様々な障がいのある子どもを支援するサービスなので、学童などと比較するとトラブルは起こりやすいです。
しかし、職員の1人1人が子どもや保護者に寄り添い親身に対応することで、トラブルは最小限に抑えられます。当記事でご紹介した解決策を参考に、トラブルを未然に防ぎましょう。
この記事を読んだ方で、放課後等デイサービスの運営・経営において 下記のようなお悩みはございませんか?
- 「近隣に競合施設が多く、生徒確保が難しい」
- 「離職率が高い・指導員の確保が難しい」
- 「学習支援は行いたいが、宿題の対応しかできない」
- 「職員が不足している時間帯の児童支援が難しい」
すららネットでは上記問題を解決するためのセミナーを“期間限定”で開催中です。
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