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【多機能型事業所のメリット・デメリット7選】指定基準に関する特例や指定を受けるための条件を徹底解説

障がい福祉事業所の開業を考えている方のなかには、どの事業にすれば良いか迷っている人も多いでしょう。そのような時におすすめなのが「多機能型事業所」です。

多機能型事業所とは、2種類以上のサービスを一体的に行う事業所のことです。単体のサービスを提供するよりも業務の範囲が広がるので、利用者の獲得や稼働率の上昇が期待できます。

本記事では、多機能型事業所のメリット・デメリットに加えて、指定を受けるための条件や適用される特例について詳しく解説します。この記事の内容を参考に、選択肢の一つとして多機能型事業所を検討しましょう。



この記事を読む方で、放課後等デイサービスの運営・経営において 下記のようなお悩みはございませんか?

  • 「近隣に競合施設が多く、生徒確保が難しい」
  • 「離職率が高い・指導員の確保が難しい」
  • 「学習支援は行いたいが、宿題の対応しかできない」
  • 「職員が不足している時間帯の児童支援が難しい」

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多機能型事業所とは?障がい福祉に関する2つ以上のサービスを行う事業所

多機能型事業所とは、障がい福祉に関する2つ以上のサービスを提供している施設を指します。

提供するサービスは、障がい児通所支援と障がい福祉サービス事業となり、「就労移行支援と就労継続支援B型」や「放課後等デイサービスと児童発達支援」など、さまざまな組み合わせが可能です。

また、すでに単独型で指定を受けている事業所でも、途中から多機能型事業所へ変更することができます。エリアにおけるニーズや市場の動向などと照らし合わせれば、より収益を上げやすい事業所へと成長させられるでしょう。

多機能型事業所として指定を受けるための6つの条件

多機能型事業所として指定を受けるためには、定められた6つの条件をすべてクリアする必要があります。どのような条件があるのか、ここで詳しく確認しましょう。

【多機能型事業所として指定を受けるための6つの条件】

  • 事業所の利用申し込みにかかわる調整・職員に対する技術指導などが一体的である
  • 勤務体制・勤務内容が一元管理されており、異なる場所で行う事業所間で相互支援が可能な体制が整っている
  • 損害賠償や苦情に対する処理について一体的対応がとれる
  • 事業の目的・運営方針・営業日・営業時間・利用料金などを定める同一運営規定が定められている
  • 勤務条件(福利厚生・人事・給与など)による職員の管理と事業所の会計のどちらもが一元管理されている
  • 異なる場所でサービス提供をする場合、事業所間が約30分以内で移動が可能な距離にあり、なおかつ児童発達支援管理責任者が業務を遂行するにあたり支障がないこと

上記の6つを満たすことで多機能型事業所として申請ができます。

多機能型事業所に適用される特例

多機能型事業所の指定を受けられた場合、3つの項目において適用される特例があります。

【特例が適用される3つの項目】

  • 人員配置基準
  • 利用定員
  • 設備基準

ここでは、3つの特例について詳しく解説します。

人員配置基準に関する特例

2つの事業を提供する多機能型事業所では、単純に人員が2倍必要になると考える方も多くいますが、特例により事業間や職種間での兼務が可能です。下記で詳しくみていきましょう。

職種 詳細
  • 児童発達支援管理責任者
  • サービス管理責任者
共に兼務が可能
常勤の従業員
  • 利用定員数が19名以下の場合はサービス管理責任者との兼務が可能
  • 児童福祉法に基づいたサービスであれば事業所間の兼務が可能

利用定員に関する特例

多機能型事業所の利用定員数が20名以上の場合、それぞれのサービスにおける最低利用定員数が以下のように減少します。

事業の種類 最低利用定員数
  • 放課後等デイサービス
  • 児童発達支援
  • 医療型児童発達支援
5名以上
  • 生活介護
  • 就労移行支援
  • 機能訓練
  • 生活訓練
6名以上
  • 就労継続支援A型
  • 就労継続支援B型
10名以上

設備基準に関する特例

すでに単独型で運営している場合、「多機能型事業所へ変更する際には設備の増設・改築などをしなければいけない」と考える方も多いでしょう。しかし、必ずしも施設の変更が必要になるわけではありません。

サービスの提供に支障がない範囲であれば、事業間における設備の併用が可能です。訓練室・作業室は各サービスごとに設置する必要がありますが、その他のスペースは基本的に兼用できます。

多機能型事業所を運営する7つのメリット・デメリット

ここからは、多機能型事業所のメリット・デメリットを紹介します。メリットとデメリットの内容を正しく理解することで、トラブルを回避した運営が可能です。

これから開業を考えている方はもちろん、今現在単独型で運営をしている方も、ここでお伝えする内容を参考に多機能型事業所の特徴を深く理解しておきましょう。

多機能型事業所のメリット・デメリット

  • 多機能型事業所を運営する5つのメリット
  • 多機能型事業所を運営する2つのデメリット

多機能型事業所を運営する5つのメリット

まずはメリットを紹介します。先ほどお伝えした特例の適用はもちろん、多機能型事業所では数多くのメリットが得られます。うまく活用してスムーズな運営が行えるように正しく内容を把握しておきましょう。

【多機能型事業所を運営する5つのメリット】

  • 一貫性のある支援で子どもの成長を促せる
  • 長期利用が見込めて経営が安定しやすい
  • 特例の対象になる
  • 開所時間減算を避けられる
  • ライフステージや利用者の状況の変化に合わせてスムーズに移行できる

 

①一貫性のある支援で子どもの成長を促せる

たとえば、0歳から6歳を対象にした「児童発達支援」と6歳からの就学児童を対象にした「放課後等デイサービス」の事業を行う場合、途切れることなく一貫性のある支援を提供することが可能になります。

単独型の場合、就学のタイミングで児童発達支援から他の放課後等デイサービスに移動しなければいけません。しかし、多機能型であればそのまま同じところに通い続けられるので、継続した支援が受けられます。

通所する子どものなかには、環境の変化が苦手な子や新しい施設に馴染めない子も少なくありません。こうした不安な部分を解消することで、本人はもちろん保護者の安心感にも繋げられます。

②長期利用が見込めて経営が安定しやすい

児童発達支援と放課後等デイサービスの多機能型事業所では、0歳から18歳までの長期利用を見込めます。就労継続支援A型とB型の組み合わせでは、利用者の状況によってB型からA型へステップアップが可能です。

このように、組み合わせ次第では長期利用が見込めるので、多機能型事業所では安定した経営がしやすくなります。また、長期利用してくれる利用者が多ければ多いほど口コミも広がりやすく、保護者間で長く通い続けられる事業所として注目されやすいです。

その結果、より多くの方の長期利用が望めるため、さらに経営を安定させやすくなります。

③特例の対象になる

先ほどお伝えしたように、多機能型事業所では3つの特例が受けられます。児童発達管理責任者やサービス管理責任者の兼務が可能となったり、設備の兼用ができたりするなど、単独型からの移行もしやすいのが特徴です。

特例は、「障がい者総合支援法に基づく2つの事業」「児童福祉法に基づく2つの事業」「障がい者総合支援法と児童福祉法それぞれの2つの事業」など、提供するサービスごとに若干内容が異なる部分があります。

どのサービスを提供するか明確にし、受けられる特例をしっかりと活用しつつ運営体制を整えておきましょう。

④開所時間減算を避けられる

事業所の報酬は、加算や減算が大きく影響します。効率よく加算を取得して減算対象をなくすことで、売り上げを増やすことが可能です。

多機能型事業所では開所時間減算を避けやすくなります。開所時間減算とは、営業時間が6時間未満となることで基本報酬の15%から30%も減ってしまう減算です。

サービス提供時間が短くても、2つの事業における営業時間を合算して6時間以上となればクリアとなるため、多機能型事業所では適用されにくくなります。

その他にもさまざまな加算や減算がありますが、1つでも減算をなくすことで継続的に経営しやすいでしょう。

⑤ライフステージや利用者の状況の変化に合わせてスムーズに移行できる

施設に通い続けているうちに、ライフステージや利用者の状況は常に変化していきます。先ほどお伝えしたように、児童発達支援と放課後等デイサービスの多機能型事業所は、就学によって施設を変える必要がありません。

就労移行支援や就労継続支援A型・B型などの事業を提供する場合も、社会人としてライフステージが変化する際にスムーズに移行できます。

多機能型事業所を運営する2つのデメリット

数多くのメリットが得られる一方、デメリットも同じように存在します。

【多機能型事業所を運営する2つのデメリット】

  • 単独型よりも安全面に注意しなければならない
  • スタッフへの負担が大きくなることがある

予期せぬトラブルを回避できるよう、デメリットについても詳しく確認していきましょう。

①単独型よりも安全面に注意しなければならない

多機能型事業所は、単独型よりも年齢や特性が異なる利用者が集まりやすいです。そのため、単独型以上に安全面に注意しなければいけません。とくに、小さな子どもが利用する児童発達支援と放課後等デイサービスでは、怪我やトラブルが起きやすいです。

幅広い年齢間での触れ合いによるコミュニケーション能力の向上や、下の子の世話をすることで責任感の芽生えなどが期待できますが、トラブルや事故が起きやすい環境になるため、とくに気をつける必要があります。

②スタッフへの負担が大きくなることがある

多機能型事業所では、人員配置基準に関する特例が受けられるので、通常の2倍の人材を配置する必要はありません。

その一方で、年代や特性が異なる利用者を同時に相手しなければいけない状況にもなるため、限られた人員だけでは一人ひとりのスタッフの負担が大きくなり、職場環境が悪化してしまうケースも少なくありません。

利用者の安全に気をつけると同時に、スタッフへの配慮も忘れないようにしましょう

特例を利用せずにそれぞれの施設を単独型として扱う場合は、事業ごとに基準となる人員配置が必須となるため、人件費はかさみますがスタッフの負担が軽くなります。施設の規模や利用者の年齢・人数などを考慮し、適切な人員配置を検討してください。

多機能型事業所に関するよくある質問

多機能型事業所に関して、まだまだ気になる点や知りたい項目が多い方もいるでしょう。ここでは、実際によくある質問の中からとくに知っておくべき大切な2つの内容について紹介します。

【多機能型事業所に関するよくある質問2選】

  • 児童発達支援と放課後等デイサービスの多機能型事業所はおすすめ?
  • 生活介護と就労継続支援の多機能型事業所も可能?

提供するサービスの種類に迷っている方も、ぜひここでお伝えする内容を参考にしてください。

児童発達支援と放課後等デイサービスの多機能型事業所はおすすめ?

児童発達支援と放課後等デイサービスは、切れ目のない一貫した療育を提供することができるのでおすすめです。さらに、放課後等デイサービスの多機能型事業所の中でも児童発達支援との組み合わせはとても多く、利用者からのニーズもあります。

事業の種類 割合
児童発達支援 86.6%
医療型児童発達支援 0.3%
保育所等訪問支援 12.9%
生活介護 12.2%
自立訓練 1.2%
就労移行支援 1.4%
就労継続支援A型 0.8%
就労継続支援B型 5.0%

引用:厚生労働省「放課後等デイサービスの実態把握及び室に関する調査研究報告書

生活介護と就労継続支援の多機能型事業所も可能?

生活介護と就労継続支援の多機能型事業所も可能です。実際、就労継続支援B型では多くの事業所で生活介護が併設されています。

その他にも、下記のような組み合わせの多機能型事業所もあり、利用者はニーズに合わせた事業所の選択が可能です。

【多機能型事業所の組み合わせ例】

  • 生活介護×自立訓練
  • 放課後等デイサービス×児童発達支援
  • 就労移行支援×就労継続支援A型×就労継続支援B型

まとめ:多機能型事業所にはデメリットもあるがメリットが大きい!

今回は、多機能型事業所の概要やメリット・デメリットについて解説しました。

多機能型事業所は、幅広い年齢・状況の利用者を受け入れることができるので、単独型よりも顧客の獲得がしやすいです。また、長期的な利用が見込めるため、継続的に経営を安定させることにも繋がります。

しかし、単独型以上に注意が必要な場面やスタッフの負担が大きくなるといったデメリットがあるのも事実です。この記事を参考に、予期せぬトラブルや問題が生じないよう万全な体制を整えてください。



この記事を読んだ方で、放課後等デイサービスの運営・経営において 下記のようなお悩みはございませんか?

  • 「近隣に競合施設が多く、生徒確保が難しい」
  • 「離職率が高い・指導員の確保が難しい」
  • 「学習支援は行いたいが、宿題の対応しかできない」
  • 「職員が不足している時間帯の児童支援が難しい」

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