トップインタビュー
“超実践的”な就労準備支援は
保護者から高く評価
地域連携の構築で地域に根付いた放デイへ
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社会福祉法人こころ 理事長
小路 広也氏
放課後等デイサービス Cocoroみらい校舎名- Cocoroみらい
- 超実践的な就労準備支援を行う放課後等デイサービス
- SST(ソーシャルスキルトレーニング)、学習支援、プログラミングも支援
- 個別プログラムで子ども一人ひとりに合った支援を提供
POINT
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こころからの笑顔のために
社会福祉法人こころでは、放課後等デイサービス(以下、放デイ)「Cocoroみらい」や児童発達支援「こころkids」、相談支援事業、グループホーム等を運営しています。もともと他県で福祉事業を行っており、その会社を独立して設立したのが「こころ」です。放デイを始めたきっかけは、知人が放デイを運営しており、良いサービスであると共感し開所したのがはじまりです。また利用者の立場に立ち自分の家族を預けたいと思える、そしてスタッフ、児童や保護者の皆さんが笑顔になれる施設を作りたいと思ったのも理由の一つです。
近年、当放デイがある流山市では人口が急増しており、放デイ等の需要が高まっています。この地域に放デイを開所したことで少しでも地域の皆さんのお役に立ち、関わった方たちの笑顔の輪が広がれば嬉しいです。Cocoroみらいは学習支援・就労準備型の放デイで、卒業後の社会生活を想定したサポートを行い、発達障がいのお子さんを中心に支援しています。現在は小学校高学年~高校生のお子さんに通所いただいており、就労準備支援やSST(ソーシャルスキルトレーニング)、学習支援、プログラミングを軸として運営しています。個別にプログラムを分けて、お子さまにあった支援を提供しています。
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子どもと保護者を地域で
孤立させない支援を地域共生社会の実現のためには、子供を地域で育てていくことが大切であると考えています。そのために繋がりは大切で、子どもや保護者様が孤立しないように支援していく必要があると思います。当放デイでは、保護者様との面談を通して支援内容を決めていきます。私たちが目指す支援の形としては、子どもだけでなく保護者様にもよい変化をもたらす、双方にとって前向きな気持ちになれる支援です。ですので、保護者様のお話しをしっかりとヒアリングすることを心がけています。
すららで学習中の様子
現在はSSTと学習支援、プログラミング、就労準備支援それぞれに最適なツールやサービスを導入するなど、子どもにとってより楽しく学びやすい環境となるよう日々支援のアップデートを試みています。地域との繋がりに関しても、近隣商店にも協力をお願いし、無償で子どもたちでも行える軽作業の依頼もいただいております。学習支援については「すらら」を導入しています。支援においては、子どもの自主性を伸ばすことを大切にしています。例えば、子どもができたことを具体的に褒める、プログラム内容により子どもたち同士で意見交換を促したりと、コミュニケーションが活性化されるような工夫をしています。
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“超実践的な疑似就労”で
働くことの大切さを考える放デイ全体にいえる課題だと考えるのが「就労につなげる支援」です。そのために当放デイでは様々な視点から見た“超実践的”な就労準備支援を行っています。その一つが放デイ内での「おはようございます」「お疲れ様です」の挨拶と通所時のタイムカード記録のルール設定です。当放デイでは高校生のお子さんもいるので、就職した時に突然の環境変化にもスムーズに対応できるよう、職場を想定したコミュニケーションの取り方を教えています。
Cocoroみらいでは子どもたちに社員証を配布。
役職は好きなものを設定できるピッキング作業では、指示書に従い商品を正確に選択する
練習をしている①またピッキング作業等の就労準備プログラムを用意しており、実際に就職した際に使えるスキルを身に付ける機会を提供しています。本当の職場のように個別のプログラムを設定しており、一つのプログラムを30分行うようにしています。
プログラムを中断したい時は職員に相談し、代わりに他のプログラムをするのか、休憩するのかといった形で本人に選択をしてもらうようにしています。
このように、決まった時間にタスクを遂行できる集中力と、集中力が続かなかったとしても周りの人に相談するという思考が身に付けられる支援をしています。また疑似就労の実践にも取り組んでおり、実際の業務のなかで誰に報連相をするのか等のシミュレーションを行っています。
このような体験を通して子どもたちに“働く”について考える機会となっていたら嬉しいですね。
加えて、当放デイの運営を支えてくださる、理学療法士(PT)、作業療法士(OT)、言語聴覚士(ST)や心理士等の専門職の方の採用にも力を入れています。全職員95名の2割が専門職であることから、一緒に働く支援員のスキルの向上に繋がり、法人全体としてのスキルの向上も図れております。ピッキング作業では、指示書に従い商品を正確に選択する
練習をしている⓶さらに不登校のお子さんなど学校との連携が必要な場合は、通っている学校の先生と情報共有を行い、より手厚い支援を行っています。
このように就労準備支援にも力を入れて支援している、地域との連携を重視している点は、保護者の方にも高く評価いただいており、地域で選んでいただける理由の一つとなっていると思います。 -
保護者支援でよりニーズに応えた支援を
地域への支援をさらに強化し、今以上に手厚いサポートを行いたいです。
当放デイを利用いただいている保護者様から、発達障がいのお子さんの親同士での交流や相談ができないというお悩みを伺いました。そこで、2023年6月頃に保護者のコミュニティや発達相談室を作ろうと計画しています。また、すでに「Cocoroみらい」で行っている“超実践的”な就労準備支援等を含めた個別プログラムは今後もブラッシュアップしながら続けていきたいと考えています。
このように他施設との差別化を行い、より地域に根差した放デイとして支援をしていきたいと思います。
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社会福祉法人こころ 理事長
小路 広也氏
福祉・介護事業を行う会社で取締役として従事し、独立し一般社団法人こころを設立。その後、株式会社COCOROと社会福祉法人こころを設立。
現在は、放課後等デイサービス5施設、児童発達支援、相談支援事務所、グループホームや保育所等訪問支援等の幅広い事業施設運営を行う。令和5度内には、児童発達支援2施設、生活介護、就労継続支援B型を開設予定。
また、流山市自立支援協議会の委員として地域福祉の推進や、児童支援事業所連絡会会長として、市内事業所の連携やサービス向上を進めている。
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