「私がこの子をなんとかしなきゃ」を手放して──ありのままの自分を見せることで見つけた、見守る子育て
「できる人を装わずに、『できません!』っていうのをどんどん言っていきたい。大人だってできないことがあってもいいんだと、息子にも思ってもらえたらいいなと思います」
中学3年生の息子さんとの関わり方に悩み、ついつい「できないところ」ばかりを指摘するコミュニケーションになってしまっていたというAさん。「私がなんとかしなきゃ」という強い責任感とプレッシャーを抱えていたAさんは、『ほめビリティ・プラクティショナー』への参加を通してどのようにご自身と向き合い、親子がリラックスできる関係性を築いていったのでしょうか。50日間の実践を通した、心境の変化を伺いました。
【ほめビリティ公式サイト】「私がなんとかしなきゃ」── 焦りと責任感から、できないところばかりを指摘していた日々

── 『ほめビリティ・プラクティショナー』(以下『ほめビ』)に参加される前は、息子さんとの関わりにおいてどのようなことでお悩みだったのでしょうか。
Aさん:息子は発達障害の診断を受けているわけではないのですが、いわゆる「グレーゾーン」なのかなと思っています。
ただ、グレーゾーンといっても、その特性や程度はさまざまだと思うんです。それに、親子とはいえ違う人間なので、自分とは考え方や感じ方が違って、理解するのが難しいと感じることも多くて。
そんな戸惑いを抱えながら、中学生になって成長していく息子と向き合ってきました。一人っ子なので、「お兄ちゃんの時はこうだった」というような比較できる経験もなく、「これからどう接していけばいいんだろう」と手探りの状態でしたね。
自分でも、息子のできていないところばかりを指摘することが、日常の会話になってしまっていると感じていました。「これでは良くないよね」という思いは、ずっとあったんです。
それに、私は自分自身に対しても、できていないところばかりに目が向いてしまうんですよね。自分でもできていないことを、息子にも求めてしまっているところがあって。
そんな自分の関わり方に気づいてはいたものの、どう変えていけばいいのかわからず、悩んでいました。
── 息子さんには、少し繊細な面もおありだったとお聞きしました。
Aさん:そうですね。小学生の頃は、学校にいる途中で「すごく心臓が痛くなった」と言い出すことがありました。
また、小さい頃から、人と一緒にいる時は平気そうにしていても、帰る頃にはドッと疲れてしまうこともよくあったんです。人見知りが激しいというわけではないのですが、そういった様子を見ていると、感覚的に「この子は少し繊細なのかな」と思うことはありました。
あとは、時間の感覚にもズレを感じることがありました。例えば、「この時間に出れば、この時間には着くよね」という私の感覚とは、だいぶ違うんです。私からすると「え、今からそれをやるの?」「それで間に合うの?」と思うようなタイミングで、動画を見始めたりすることもあって。
実際に遅れて大きな問題になったことはないのですが、そういうところにも、息子ならではの独特な感覚があるなと感じていました。
── 実際には大きな問題になっていなくても、親としてはつい気になってしまう場面もありますよね。子育てをする中で、ご自身の関わり方を見直さなければと強く感じた出来事があったそうですね。
Aさん:すごく印象に残っているのが、私がついキツく言いすぎたり、「なんでなの?」と追い詰めるような言い方をしてしまったりした時に、息子が「俺のバカ!」と言いながら自分の頭を叩き始めたことがあったんです。その時に「あ、これはいけない。また私、やっちゃった」と強く思いました。
私としては、親として、大人として、「これはやらないといけないよね」と、正しい方向に導きたいだけだったんです。でも、息子にとっては、それが自分の人格まで否定されたように感じられたのかもしれないと思って。自分の頭を叩くほど息子を追い詰めてしまったのかと思うと、本当にショックでした。
このまま同じ関わり方を続けていたら良くないことになる。「なんとかしなければ」という気持ちが、すごく強くなりました。
「怒られない」安心感と、具体的な「ほめ言葉のストック」が実践の支えに

── そうしたご状況の中で、『ほめビ』のことはどのような経緯で知ってくださったのでしょうか。
Aさん:息子は最近になってようやく塾に通い始めたのですが、それまでは塾や通信教育などは特に利用していませんでした。中学生になって受験も控えているので、「学校の勉強だけでは少し足りないのかな」と思い、家庭でできる学習方法を探していた時に『すらら』を見つけました。
『すらら』の資料請求をしたときに『すらら』から『ほめビ』の案内が届いたんです。それを見て「あ、これちょっといいな」と思い、参加してみることにしました。
決め手になったのは、夏休みを挟む50日間という期間がちょうど良かったことと、費用面でも無理なく参加できそうだったことです。こうした保護者向けのプログラムはいろいろあると思うのですが、一大決心が必要なほど高額なものではなく、現実的な金額だったのはありがたかったですね。
そして何より、『すらら』が運営しているという安心感が大きかったです。参加を決めるうえで、その信頼できる背景があったことも、とても大きな理由でした。
── 50日間の講座では、どのようなところが印象に残っていますか。
Aさん: 心理士さんが担当されている動画が視聴できるというのも安心感がありましたし、一つひとつの動画が短く、通勤中のバスの中でも見られたのが良かったです。
「1時間の動画を見なきゃいけない」となると、どこで時間を作ろうかと考えてしまうので、無理なく学べる長さだったのはありがたかったですね。
それから、一番大きかったのは、LINE WORKSでのやり取りの中で、責められたり、何かを強要されたりすることがなかったことです。
実践したことを投稿して、フィードバックをもらった方がいいとわかっていても、なかなか投稿できない日もあって。でも、そこで「やっていませんよね」と指摘されるようなことはなく、自分のペースで取り組ませてもらえたんです。そのことが、心理的にすごく安心できました。
「怒られない」という安心感は、子どもにとって大切なのはもちろんですが、私たち大人にとっても同じなんだなと、あらためて感じました。
────ご自身のペースで取り組めたことが、安心感につながったのですね。そのほかに、実践を進めるうえで役立ったことや、励みになったことはありましたか。
Aさん: 他の参加者さんが投稿にリアクションをしてくれたり、コメントをくれたりしたことですね。
メンターの方も、私だけでなく他の参加者さんに対しても、いつも肯定的なコメントをくださっていて。それこそ、私たち大人にも「ほめ」を実践してくれているような感じで、すごく支えになりました。
それから、ほめ方の具体例が載っている「用語集」も、とても助かりました。もともと私には「ほめる言葉のストック」がなくて、「何をほめればいいの?」「どんな言葉でほめたらいいの?」ということが、全然わからなかったんです。
例えば、コンクールの前日に息子が勉強を始めたことがあったのですが、以前の私なら「すごいね」くらいしか言葉が出てこなかったと思います。あるいは、勉強するのは当たり前だと思って特に触れず、「もう早く寝なよ」と言ってしまっていたかもしれません。
でも、その時は用語集を参考にして、「今日も頑張ってるね、無理しすぎないでね」と声をかけることができました。
── 以前とは違う声かけができたのですね。ほかにも、息子さんとの日常の中で印象に残っている出来事はありますか。
Aさん: お盆の帰省中に、誰かが飲み物をこぼしてしまった時、息子が自分からタオルを取りに行って拭いてくれたことがありました。自分の家じゃないので「雑巾どこ?」とか「どのタオル使っていいの?」と戸惑ってもおかしくない場面なのに、サッと動けたのはちょっとびっくりしましたね。
「ほめなきゃ」という意識を持っていた期間だからこそ、私も「自分で気づいて動いてくれてありがとう」としっかり気づいて声をかけることができたと思います。
「つい口うるさく言ってしまう」から、子どもの行動の背景に目を向けるように

── 息子さんが自分から動いたことに気づき、その場で言葉にできたのも、日々の実践があったからこそかもしれませんね。こうした経験を重ねる中で、Aさんご自身の考え方にはどのような変化がありましたか。
Aさん:振り返ると、これまでは「私がこの子を何とかしなきゃ、ちゃんとさせなきゃ」という思いが強すぎたんだと思います。何かあると反射的に反応してしまい、拒否感や苦手意識から身構えていたというか。
でも今は、何か言いたくなっても一度その言葉を飲み込んで、少し距離を取れるようになりました。「ちょっと怖いけど、見守ってみよう」と思えるようになったのは、大きな変化だと思います。
もちろん、夕方になって疲れてくると、つい以前のような言い方をしてしまうこともあります。でも、そんな時にも「あ、また言ってばかりになっているな。気をつけよう」と、自分で気づけるようになりました。
── 言いたくなる気持ちがなくなったわけではなく、その場での対応を少しずつ選べるようになってきたのですね。そうした変化は、息子さんとの日常のやり取りにも表れていますか。
Aさん:指示をしたり、できていないところを指摘したりするばかりのコミュニケーションは、以前より減ったかなと思います。
それから、息子がリビングで、スマホから音を出しながら動画を見たり、音楽を聴いたりするようになったんです。「うるさいな」と思うこともありますけど(笑)、そうやって自分が見ているものや好きな曲を自然にシェアしてくれるのは、家でリラックスして過ごせている証拠なのかなと、少し思えるようになりました。
以前は、息子がスマホを見ていても、何をしているのかわからなくて不安だったんです。でも今は、自分の考えや、これまでやってきたことだけが正しいわけではないと思うようになりました。
自分の目線だけで判断するのではなく、「息子はどういう意図でそれをやっているんだろう」と、別の視点からも考えてみたいなと。息子の行動の背景にある気持ちや考えを、もっと知りたいと思うようになりましたね。
「できない自分」も隠さずに──正解を求めず、子どもを信頼して見守る

── その視点の変化は、ご自身との向き合い方にもつながっているのでしょうか。プログラム中、目標を立てる際にご自身の内面と深く向き合われていたのも印象的でした。
Aさん:もともと私は、何か行動を起こす前に、頭の中でうまくいかない方のシミュレーションばかりしてしまっていたんです。
自分自身、人から何かを言われて変わった経験がないのに、息子を変えようとしても「変わるわけないじゃん」という思いもありました。本当は息子に対して「こうあってほしい」という願いがあるのに、それを言葉にして目標にすることに、すごく罪悪感があったんです。
それに、目標を立てても達成できなかった時に、そんな自分を見たくないという気持ちもありました。だから、目標を立てること自体が怖かったんだと思います。
振り返ってみると、きっと自分自身にも、息子に対しても、期待するものが大きすぎたんですよね。だからこそ、目標を立てることにも抵抗を感じていたんだなと気づきました。
── ご自身と向き合う中で、息子さんへの思いにも改めて気づかれたのですね。これから息子さんと、どのような親子関係を築いていきたいですか。
Aさん: 先日、息子は15歳になりました。これから一人の人間として社会に出ていく中で、親との距離も少しずつ離れていくんだと思います。
でも、親の方はなかなか子どもから離れられない部分もあるんですよね。
正直、まだ怖さはあります。それでも、息子を一人の人間として信頼して、見守っていけるようになりたいと思っています。
── 最後に、同じように悩んでいる保護者の方へメッセージをお願いします。
Aさん:最初から正解を求めるのではなく、どんどん間違えてもいいんじゃないかなと思います。できなかったことも隠さずに話してみれば、「あ、こうした方が良かったかもしれないね」と、新しい気づきやアイデアが出てくるんじゃないかなって。
だから、できる人を装わずに、「できません!」ってどんどん言っていきたいんです。
私たち大人がそうやって、できないことも素直に認める姿を見せていけば、子どもも「大人だってできないことがあっていいんだ」「できない時は、できないって言っていいんだ」と思えるようになるのかなと。
そんなふうに、親も子どもも、できないことを無理に隠さずにいられるようになったらいいなと思います。
── ありがとうございました。

不安や戸惑いを抱えながらも、「子どもとどう関わればいいのか」を模索している方にとって、ほめビリティは一つの支えになるかもしれません。日々の小さなやりとりを変えることで、親子の関係性が少しずつ前向きになっていく。その一歩を安心して試せるように、LINE相談も承っております。よかったら、公式サイトで詳しくのぞいてみてください。
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