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子育てのイライラが消える?アンガーマネジメントで怒りをコントロールする7つのコツ

「何度言っても子供が片付けない」「忙しい時に限ってぐずる」――毎日の子育てで、つい感情的に怒鳴り、後で激しい自己嫌悪に陥っていませんか?

愛する我が子への怒りは、あなたの性格や愛情不足のせいではありません。それは、単に「怒りの感情との上手な付き合い方」を知らないことが大きな原因です。

この記事では、子育てのイライラを手放し、後悔しない適切な怒り方を見つけるための「アンガーマネジメント」の具体的な技術を解説します。感情をコントロールする術を学び、親子ともに笑顔で過ごせる穏やかな関係性を一緒に築いていきましょう。

子育てにアンガーマネジメントが必要な理由

毎日の子育てにおいて、思い通りにいかない子どもの言動に対してイライラを募らせ、ついカッとなって怒鳴ってしまうことは誰にでも起こることがあるかもしれません。しかし、その後に襲ってくる激しい自己嫌悪や、「またやってしまった」という罪悪感に苛まれる時間は、親にとっても辛いものです。子育てにアンガーマネジメントが必要とされる最大の理由は、親自身の心の安定を取り戻し、子どもとの健全な信頼関係を築き続けるために他なりません。

怒らないことではなく怒りと上手に付き合うこと

アンガーマネジメントとは、1970年代にアメリカで生まれた心理教育、心理トレーニングです。子育ての現場においてこのスキルが重要とされるのは、怒りという感情が持つ爆発的なエネルギーが、理性を超えて子どもを傷つけてしまうリスクが常にあるからです。多くの親が、「感情的に怒鳴るのをやめたい」と願いながらも、具体的な方法が分からずに苦しんでいます。精神論や我慢だけで怒りを抑え込もうとするのではなく、技術として「怒りの扱い方」を学ぶことで、子育ての悩みは大きく解消へ向かうかもしれません。

アンガーマネジメントを学び始める際、多くの人が抱く誤解があります。それは、「アンガーマネジメント=怒ってはいけない」「仏のような広い心を持ち、決して怒らない人になること」だという思い込みです。しかし、これは大きな間違いです。アンガーマネジメントの真の目的は、怒りという感情を否定することではなく、怒る必要のあることは上手に怒り、怒る必要のないことは怒らなくて済むようになることにあります。

怒りには、身を守るための防衛本能としての役割や、自分の譲れない価値観を伝える役割があります。例えば、子どもが道路に飛び出した時に大声で怒るのは、命を守るために必要な怒りです。一方で、親の機嫌が悪い時だけ理不尽に怒鳴ったり、過去の失敗まで持ち出してネチネチと説教したりするのは、不必要な怒りと言えるでしょう。子育てにおいて重要なのは、この「必要な怒り」と「不要な怒り」の線引きを明確にすることです。

感情のままに怒りを爆発させてしまうと、本来伝えたかった「しつけ」の内容が伝わらず、親の不機嫌さだけが子どもに伝わってしまいます。その結果、親自身も「あんな言い方をしなければよかった」と後悔することになります。アンガーマネジメントを身につけることで、怒った後に後悔しない、適切な叱り方を選択できる自分になれるのです。これは親自身のストレスを大幅に軽減し、心に余裕を持って子どもと向き合うための第一歩となります。

子供への悪影響を防ぎ自己肯定感を守る

親が感情をコントロールできずに怒りをぶつけ続けることは、子どもの心と脳に深刻な影響を与える可能性があります。親の顔色を常に伺うようになり、恐怖心から萎縮してしまうと、子どもは「怒られないようにすること」を行動の基準にするようになります。これでは、自ら考え行動する主体性や、失敗から学ぶ意欲が育ちません。さらに深刻なのは、「自分は親を怒らせてばかりいるダメな子だ」と思い込み、子どもの自己肯定感が著しく低下してしまうことです。

日常的に否定的な言葉を浴びせられたり、理不尽な怒りをぶつけられたりした子どもは、自分に自信が持てず、他者とのコミュニケーションに不安を抱くようになることもあります。また、親自身が感情的に怒鳴ってしまった後に、「自分は親失格だ」と自分を責めることで、親の自己肯定感までもが下がってしまうという負のループに陥りがちです。この悪循環は、親子双方にとって不幸な結果しか招きません。

アンガーマネジメントを取り入れることは、単に親が楽になるだけでなく、子どもの人格を尊重し、その健やかな成長を守るための防波堤となります。親が自分の感情に責任を持ち、安定した態度で接することで、子どもは「自分は愛されている」「大切にされている」という安心感(安全基地)を感じることができます。この安心感こそが、子どもの自己肯定感を育み、将来にわたって困難に立ち向かう心の強さの土台となるのです。

イライラの原因となる第一次感情と第二次感情

子どもに対してカッとなって怒鳴ってしまい、「自分はなんて短気なんだろう」と自己嫌悪に陥ることはありませんか?しかし、アンガーマネジメントの考え方では、怒りは単独で発生するものではなく、別の感情がきっかけで生まれる「第二次感情」であると定義されています。

なぜ自分がイライラしているのか、その正体を知るためには、怒りの裏側に隠れている「第一次感情」に目を向けることが不可欠です。このメカニズムを理解するだけで、突発的な怒りを客観視できるようになります。

怒りは「氷山の一角」にすぎない

アンガーマネジメントでは、怒りの感情を海に浮かぶ氷山に例えることがよくあります。海面から突き出ている目に見える部分が「怒り(第二次感情)」ですが、実はその水面下には、目に見えない巨大な氷の塊が存在しています。

この水面下に隠れている部分こそが、「心配」「悲しみ」「苦しみ」「寂しさ」「疲労」「困惑」といった「第一次感情」です。

私たちは、心の中に蓄積されたネガティブな第一次感情が許容量を超えてあふれ出したときに、初めて「怒り」という形として外に爆発させます。つまり、怒っている状態というのは、何らかの第一次感情によって心がSOSを出している状態とも言えるのです。

子育てにおける第一次感情の具体例

子育ての場面でイライラしてしまうとき、その背景には必ず第一次感情が潜んでいます。例えば、以下のようなケースが考えられます。

  • 子どもが道路に飛び出して怒鳴った
    「危ない!」という恐怖、「事故にあったらどうしよう」という「心配」が第一次感情です。
  • 何度言っても片付けなくてイライラした
    「ママの言うことを聞いてくれない」という「悲しみ」や、「どうして伝わらないの」という「落胆」が隠れています。
  • 子どもが飲み物をこぼして激怒した
    仕事や家事で疲れていて「これ以上仕事を増やさないで」という「疲労」「余裕のなさ」が原因です。

このように、表面上はすべて「怒り」として出力されますが、その根っこにある感情は場面によって全く異なります。自分の怒りが、心配から来ているのか、疲れから来ているのかを見極めることが、感情コントロールの第一歩です。

「怒り」ではなく「第一次感情」を伝える重要性

怒りのメカニズムを理解することの最大のメリットは、子どもへの伝え方が変わることです。第二次感情である「怒り」をそのままぶつけると、子どもは「怒られた」「怖い」という印象しか持ちません。

しかし、その奥にある第一次感情を言葉にして伝えると、コミュニケーションは劇的に変化します。

例えば、「なんでそんなことするの!」と怒鳴る代わりに、「急に飛び出したら車に惹かれるかと思って、ママはすごく『心配』したんだよ」と伝えてみてください。あるいは、「片付けてくれないと、ママは『悲しい』な」と伝えます。

怒りのフィルターを通さず、本音である第一次感情を直接伝えることで、子どもは親の気持ちを理解しやすくなり、反発せずに話を聞いてくれる可能性が高まります。まずは、イラッとした瞬間に「今の自分は、本当は何を感じているんだろう?」と自問自答する癖をつけてみましょう。

子育ての怒りをコントロールする7つのコツ

子育て中は、子どもの予測不能な行動や忙しさから、どうしてもイライラが募りやすいものです。しかし、怒りに任せて叱ってしまうと、後で自己嫌悪に陥ったり、子どもとの信頼関係を損ねたりする原因になります。ここでは、日本アンガーマネジメント協会などが推奨するテクニックをベースに、子育ての現場ですぐに実践できる7つの具体的な対処法を解説します。

怒りのピークは長くて6秒と知る

人の怒りの感情が生まれてから、理性が働き始めるまでには約6秒かかると言われています。子どもが牛乳をこぼしたり、口答えをしたりした瞬間に「カッ」となるのは、脳が反射的に反応している状態です。

この反射的な怒りのピークは長くは続きません。売り言葉に買い言葉で怒鳴ってしまうのを防ぐためには、イラっとした瞬間に心の中で1から6までゆっくり数を数えるのが効果的です。この「6秒ルール」を実践するだけで、衝動的な暴言や手が出るのを防ぐことができます。

その場から離れてタイムアウトを取る

6秒数えても怒りが収まらない場合や、目の前の状況に耐えられない場合は、物理的にその場から離れる「タイムアウト」という手法が有効です。子どもの安全が確保されていることを確認した上で、トイレや別の部屋へ移動し、子供と物理的な距離を取ってください。

視界からイライラの対象を一時的に消すことで、冷静さを取り戻す時間を作ります。「少し頭を冷やしてくるね」と伝えてから離れると、子どもにも親が感情をコントロールしようとしている姿勢が伝わります。

怒りの温度を数値化して客観視する

自分の感じている怒りを0〜10の段階で点数をつける「スケーリング」というテクニックです。例えば、穏やかな状態を0、人生最大級の激怒を10と設定します。

子どもが片付けをしない時に「これは人生最大の怒りか?」と自問すると、「せいぜい3か4くらいだな」と気づけることがあります。怒りを数値化することで状況を客観視し、冷静さを取り戻すきっかけにすることができます。

魔法の言葉であるコーピングマントラを唱える

イライラした時に自分を落ち着かせるための「魔法の言葉(コーピングマントラ)」をあらかじめ決めておきましょう。「大丈夫、死ぬわけじゃない」「これは成長のプロセス」「ま、いっか」など、自分がリラックスできる言葉なら何でも構いません。

怒りを感じた瞬間にこの言葉を心の中で唱えることで、怒りの感情に飲み込まれるのを防ぎ、思考を切り替えるスイッチの役割を果たします。

自分のこうあるべきという価値観を見直す

怒りの裏側には、自分の中にある「こうあるべき」という理想や価値観(コアビリーフ)が隠れています。「子どもは親の言うことを聞くべき」「食事中は静かにするべき」といった期待が裏切られた時に、人は怒りを感じます。

この「べき」の境界線が狭すぎると、イライラの回数が増えてしまいます。「まあ、許せるかな」という許容範囲を少し広げてあげるだけで、子育てのストレスは大幅に軽減されます。

過去の怒りを思い出さないようにする

子どもを叱っている最中に、「そういえば昨日も同じことをした」「あの時も約束を破った」と過去の出来事を引っ張り出して怒りを増幅させてしまうことがあります。

アンガーマネジメントでは「今」に集中することが重要です。変えられない過去のことに腹を立てるのではなく、解決できる「今目の前の問題」だけにフォーカスするように意識しましょう。

アンガーログをつけて怒りの傾向を知る

自分がどのような状況やタイミングで怒りを感じやすいのかを記録する「アンガーログ」をつけることもおすすめです。日時、場所、出来事、その時の感情の強さなどをメモに残します。

「夕方の忙しい時間帯にイライラしやすい」「お腹が空いていると怒りっぽい」といった自分の怒りのパターン(傾向)が見えてくれば、事前に対策を立てて、無駄なイライラを回避することができるようになります。

アンガーマネジメントを活かした子どもの叱り方

アンガーマネジメントで自分の怒りの感情をコントロールできるようになったら、次はそれを子どもへの「叱り方」に反映させましょう。怒りに任せて怒鳴り散らすことと、子どもの成長のために叱ることは全く別物です。

ここでは、子どもの自己肯定感を傷つけずに、親の思いを正しく届けるための叱り方の技術を解説します。適切な叱り方を身につけることで、子どもとの信頼関係を深めながら、伝わるコミュニケーションができるようになります。

人格ではなく具体的な行動を叱る

叱る本来の目的は、子どもに「何がいけなかったのか」を理解させ、行動を改善してもらうことです。しかし、感情的になるとつい「なんてダメな子なの」「いつもあなたはこうなんだから」といった、子どもの人格や性格そのものを否定する言葉を投げかけてしまいがちです。

人格を否定されると、子どもは「自分はダメな人間なんだ」と思い込み、自己肯定感が著しく低下してしまいます。また、親への反発心が生まれ、肝心の「直してほしいこと」が伝わらなくなります。

ポイントは、「子ども自身(人格)」と「したこと(行動)」を切り離して考えることです。

  • 悪い例:「何度言ったらわかるの!本当にだらしない性格ね」
  • 良い例:「おもちゃが出しっぱなしだよ。踏むと危ないから片付けようね」

このように、過去の失敗や性格を持ち出すのではなく、「今起きている事実」と「変えてほしい具体的な行動」に焦点を当てて叱ることで、子どもは自分が何をすべきかが明確になり、素直に話を聞き入れやすくなります。

私を主語にするIメッセージで伝える

子どもを叱るとき、「(あなたは)なんで片付けないの!」「(あなたは)早くしなさい!」と、「あなた(YOU)」を主語にした「YOUメッセージ」になっていませんか?YOUメッセージは、相手を責める命令口調や非難のニュアンスが強くなり、子どもは攻撃されたと感じて防衛本能から耳を塞いでしまいます。

そこで効果的なのが、「私(I)」を主語にして親の感情や願いを伝える「Iメッセージ」です。

「お母さんは、お部屋が散らかっていると悲しいな」「あなたが怪我をすると、お父さんはとても心配なんだ」というように伝えます。親がどう感じているかを伝えることで、子どもは「怒られた」という恐怖ではなく、「親を悲しませてしまった」「心配させてしまった」と状況を受け止め、自発的に行動を改めようとする気持ちが芽生えやすくなります。

叱ることは、相手を打ち負かすことではありません。信頼関係を崩さずに、親の「困っている」「心配している」という一次感情を伝えることこそが、アンガーマネジメントを活かした効果的な叱り方なのです。

アンガーマネジメント後の子育ては「ほめビリティ」が必須

ここまで、怒りをコントロールする技術と、子どもの自己肯定感を傷つけない「叱り方」を学んできました。アンガーマネジメントは、感情的な叱責という「マイナスをゼロにする」ための重要な技術です。しかし、子育ての質を次の段階に進め、子どもの才能と意欲を最大限に伸ばすためには、「褒めること(プラスを育む技術)」が不可欠です。

子どもの自信を育むほめビリティ

怒りをコントロールする技術と、子どもの自信を育む「褒める技術(ほめビリティ)」は、誰でも体系的に学ぶことができ、この両方を効率よく身につけることで、親子の関係性をさらに良い方向へ進められます。感情のコントロールから、子どもの成長を促すコミュニケーションへ。このステップを踏むことが、後悔しない子育ての鍵となります。

怒りのコントロールから、自信を育む「ほめビリティ」へ

この「怒りをコントロールする技術」と「褒める技術」を両方学ぶための最適なツールが、すららの「ほめビリティペアレンティング(通称:ほめビ)」です。

感情のコントロールと、子どもの成長を促すコミュニケーションスキルを両立したい方は、ぜひ詳細をご確認ください。

すららの個人向けほめビリティ「ほめビ」について詳しく見る

まとめ:怒りをコントロールし、その先の「褒める子育て」へ

子育てにおけるアンガーマネジメントは、決して「怒ってはいけない」と感情を押し殺すことではありません。大切なのは、怒りという感情の性質を知り、上手に付き合っていくことです。親自身が自分の感情をコントロールできるようになれば、子どもへの不要な叱責を減らし、子どもの自己肯定感を守ることにもつながります。

最初からすべてを完璧にこなす必要はありません。まずは「カッとなったら6秒数える」など、できそうなことから少しずつ取り入れてみてください。親の心が安定することは、子どもにとっても一番の安心材料になります。アンガーマネジメントを通して、親子ともに笑顔で過ごせる時間を増やしていきましょう。

編集後記

「今日は怒らずに過ごせた」「感情的にならずに伝えられた」――そんな日を一日ずつ増やしていくことは、あなたにとってもお子様にとっても、かけがえのない財産になります。
しかし、怒りを抑える(マイナスをゼロにする)ことと同じくらい大切なのが、お子様の可能性を信じて引き出す(プラスを積み上げる)関わり方です。もし、あなたが「怒らない方法だけでなく、もっと子どものやる気を引き出す具体的な関わり方を学びたい」と感じていたら、次のステップへ進んでみませんか?
【ほめビリティ】は、関わり方の質を見直し、子どもの行動変化を促す実践重視型の研修講座です。参加者同士で励まし合いながら、メンターと伴走し、家庭や教育現場で関係性の好循環を実感する声が広がっています。
一人で抱え込まず、共感し合える仲間や専門家と一緒に、笑顔あふれる親子関係を築いていきましょう。

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