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子どもの未来を守る「ルール作り」|自立を促し、デジタル中毒を防ぐ秘訣

「何度言ってもスマホをやめない」「宿題を後回しにする」……こうした問題に直面したとき、その都度怒って対応してしまうことがあります。

大切なのは、問題が起きてから反応する(リアクティブ)のではなく、先を見越してルールを決めておく(プロアクティブ)ことです。ルールは、子どもを縛るためのものではなく、自立を促し、責任感を育むための「道しるべ」になります。

なぜ「デジタル・ルール」が必要なのか?

「デジタル時間3時間未満」「発達に合わせた役割(お手伝い)」「やるべきことの明確化」の3つのポイントを説明する図解。
効果的なルール作りは、一方的な押し付けではなく、お子さんと一緒に話し合って「納得感」を持つことから始まります。

子どもにとって、スマホやゲーム、テレビの時間には明確なルールが必要です。東北大学加齢医学研究所(川島隆太教授ら)が5歳から18歳の子ども224名を対象に行った「3年間の縦断追跡調査」では、インターネットの頻繁な利用が子どもの脳に与える深刻な影響が明らかになりました。

■脳の「発達的増加」が抑えられる 本来、小児期から思春期にかけては脳の「灰白質(神経細胞が集まる場所)」や「白質(神経の通り道)」の容積が大きく成長する時期です。しかし、頻繁にネットを利用する習慣がある子どもは、そうでない子どもに比べて、脳の広範な領域でこの容積の増加が相対的に少ない(発達が停滞している)ことがMRI画像から確認されました。単に脳が小さくなるのではなく、「本来成長すべき伸びしろをインターネットが奪ってしまう」のです。

■「言語性知能」の相対的な低下 この研究では、家庭の経済状況や親の教育歴、睡眠時間といった環境因子の影響を排除して解析しても、ネット習慣が「言語性知能」の発達を遅らせるという結果が出ています。言語能力は全学習の基盤となるため、その発達が阻害されることは将来の学力全体に影響を及ぼすリスクがあります。

つまり、「勉強や睡眠さえしていればスマホを長時間使っても大丈夫」という考えは、脳の発達という観点からは通用しません。脳が劇的に変化する発達期の今だからこそ、科学的な根拠に基づいた「一層の注意(ケア)」としてのルール作りが必要なのです。

これらを防ぐために、WHOの定義する「ゲーム中毒(コントロールの欠如、日常生活より優先、悪影響があってもやめられない状態)」に陥らないための対策が不可欠です。

▼参考資料:東北大学加齢医学研究所「頻繁なインターネット習慣が小児の広汎な脳領域の発達や 言語性知能に及ぼす悪影響を発見 ~発達期の小児の頻繁なインターネット習慣には一層のケアを喚起~」

ルール作りの3つのポイント

ゲーム依存による成長の停滞(言語能力の遅れ等)と、科学的なルール作りによる健全な発達を比較したイラスト。


ルール作りには次のようなポイントがあります。

■デジタルの時間は「3時間未満」に

最新研究のデータに基づき、スマホやゲーム、テレビのトータル時間は1日3時間未満を一つの目安にしましょう。

  • 学校の時間にゲームをしない、食事の時間は家族で集まるといった、生活の基本を優先するルールを設けます。

■発達に合わせた「役割(お手伝い)」を与える

自立を促すために、小さな役割を任せましょう。

  • 食べた食器を下げる、ゴミ出しをする、自分の靴を揃えるなど、お子さんと話し合って1つか2つ決めてみてください。「自分は家族に貢献している」という責任感が芽生えます。

■やるべきこと(学習・生活)の明確化

  • 起床時間、勉強するページ数や時間などを具体的に決めます。「宿題をやってからゲーム」にするのか、それとも「やるべきことが終わっていれば時間は自由」にするのか。必ずお子さんと一緒に話し合って納得したルールを作るのがコツです。

ルールが守れなかった時の「正しい対応」

ルールを破った際の「淡々と実行するペナルティ」と、守れた時の「最大限の褒め」の重要性を示す図。
ルールを破った時は感情的にならず淡々と対応し、逆に守れた時は「最大限に褒める」。この「バツと褒めのセット」が、お子さんとの信頼関係を築き、自発的な行動改善を促します。

ルールを破った時に大切なのは、感情的に怒ることではなく、「あらかじめ決めておいた結果」を淡々と実行することです。

「バツ」と「褒め」のセットが不可欠

望ましくない行動(ルール無視や暴言など)には、「次の日のゲーム時間を制限する」といったペナルティが効果的です。これにより子どもは「ルールを守らないと楽しみが減る」と学習し、行動が改善されていきます。

ただし、取り上げるだけでは不十分です。

  • 普段から褒めているか?…… 「行動=褒められる」という信頼関係がないと、ペナルティはただの「親からの攻撃」と捉えられ、逆効果になります。
  • 守れた時に最大限褒める!…… 「ルールを守れたね、偉かったね」と肯定することで、ルールを守る意欲が強化されます。

まとめ

ルールがあることで、親は冷静に対応でき、子どもは自分の行動の結果を予測できるようになります。まずは、事前に親子で話し合って決めること、最新の研究データも共有し、必要性を伝えること、守れたらしっかり褒め、守れなかったら決めた通りに制限することを意識してみてください。

この一貫した姿勢が、お子さんの脳を守り、自立した大人への成長を支えます。家庭の平和と子どもの未来のために、ぜひ一緒に実践しましょう。

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