子育てスタイルによってこんなに違う!子どもの強みを伸ばす方法
「我が家の子育て、これでいいのかな?」と悩むことはありませんか?
厳しさや甘さに関わらず、お子さまに寄り添う気持ちが、すべての子育てスタイルの土台となります。
この記事は、ご家庭の現在の子育てスタイルを理解し、ついガミガミ言ってしまう時の言い換え例や実践的な褒め方を紹介します。
「子育てスタイル」と「ほめる・叱る」の関係
「子育て」と一言で言っても、親がどんな言葉をかけ、どこまで寄り添い、どんなルールを導入するかで、子どもの育ち方は大きく変わります。この親の関わり方全体のパターンが「子育てスタイル」です。そして、どの子育てスタイルなのかによって、「褒め方」と「叱り方」のパターンが大きく異なります。
子育てスタイルとは?

子育てスタイルとは、たった一度の出来事ではなく、日常的に繰り返される親の態度・言葉づかい・ルールの決め方・褒め方や叱り方の「パターン」の積み重ねのことです。「つい、こうしてしまう」「気づくといつも同じ対応をしている」という癖の全体像が、その家庭ならではのスタイルになります。
子育てスタイルを考えるときに大切なのが、以下の2つの視点です。
- 情緒的なサポートの度合い: 子どもの気持ちにどれくらい寄り添っているかという視点で、困っているときや失敗したときに話を聞き、共感し、安心できる言葉をかけているかどうか
- 要求の度合い: ルールやマナー、学習習慣などに対してどれくらい明確な期待やしつけを示しているかという視点で「これは約束」「ここまではがんばろう」といった線引きをどの程度しているのか、という視点
この2軸の高低の組み合わせによって、子どもにあまり関心を向けない無関心スタイル、しつけを避けがちな消極的スタイル、否定的な注目や厳しいしつけに偏りがちな独裁的スタイル、子どもの意見を尊重しつつルールも大切にする民主的スタイル、という4つに大きく分けられるとされています。
■「褒める」と「叱る」のバランスを整える「ほめビリティ」
親の関わり方の土台となる子育てスタイルは、「褒める力」にも大きく影響を及ぼします。
子どもを「ほめること」とは、ただ「たくさんほめる」ことではありません。子どもの行動や小さな変化をていねいに観察し、その中から具体的な良い点や努力を見つけて言葉にする力です。
例えば、「すごいね」で終わらせず、「約束の時間を守れたね」「昨日より漢字の練習に集中していたね」のように、結果ではなく行動や頑張ったプロセスに光を当てて伝えます。これにより、子どもは「何を頑張ればいいのか」「自分のどこが良かったのか」が具体的に分かり、本当の自信や自己肯定感が育まれます。
また、「叱らない」ということでもありません。ルールを伝えるために「叱る」ことも必要ですが、望ましい行動ができた時にタイミングよくほめてあげることで、子どもは自ら良い選択をしやすくなります。この「叱る」と「褒める」のバランスを上手に整えるスキルを「ほめビリティ」といいます。
このように、「褒める力(ほめビリティ)」は、親の関わり方の土台(スタイル)の上に成り立っていると考えると、その影響がわかりやすくなります。
| スタイル傾向 | ほめビリティへの影響・傾向 |
|---|---|
| 無関心スタイル | 情緒的な寄り添いも要求水準も弱く、親からのフィードバックがほとんど届かないため、そもそも「褒める場面」自体が極端に少なくなる傾向。 |
| 消極的スタイル | 「何でもOK」と受け入れる一方で、頑張りどころや社会的なルールを褒めて伸ばす機会が少なくなりがち。 |
| 独裁的スタイル | 要求水準が高く厳しく接しやすいため、できて当たり前と感じてしまい、子どもが努力したプロセスを褒める言葉が極端に少なくなる傾向。 |
| 民主的スタイル | 情緒的な寄り添いも要求水準も高いので、子どもの意見を聞き、ルールや理由も丁寧に説明しつつ、できたところを具体的に褒めていくことがしやすくなる。自己肯定感と自立心が育ちやすく、ほめビリティとの相性が良い。ほめビリティが目指しているのはこのスタイル。 |
つまり、自分自身のスタイルを理解したうえで、足りない部分をほめビリティで補っていくことができれば、どのスタイルからでも子どもの強みを伸ばし、感情のコントロール力や社会性を育てる子育てに近づいていくことができます。
代表的な子育てスタイルの種類と特徴

子育てスタイルは、「精神的な寄り添い(愛情・共感の度合い)」と「しつけやルールなどの要求水準」の組み合わせで4つに分類されます。ここでは、日本の家庭でもよく見られる4つのタイプそれぞれの特徴と、ほめ方の傾向を整理しておきましょう。
子どもに興味がない無関心スタイル
精神的な寄り添いも少なく、しつけやルールの要求も弱い「放任」に近い状態です。「お金は出すけれど、子育ては全部お母さん(または、お父さんやおじいちゃん、おばあちゃん)任せ」という関わりがこのタイプに当てはまります。子どもが良い行動をしても悪い行動をしても反応が薄く、親からのフィードバックや肯定的なメッセージがほとんど届かないため、子どもは「自分は大切にされていないのでは」と感じやすくなります。このスタイルが続くと、引きこもりや人間関係の回避と結びつくことも指摘されています。ほめビリティの観点では、そもそも「褒める場面」自体が極端に少ないのが大きな課題です。
しつけを避ける消極的スタイル
子どもへの愛情は深く、共感もしっかり示しますが、ルールづくりや注意をすることを避ける傾向が強いスタイルです。欲しがるものは何でも与え、衝突を避けるためにあえて叱らない・注意しないため、子どもが自分の欲求をコントロールしたり、社会のルールに合わせたりする経験が不足しがちです。その結果、思春期以降にフラストレーションをうまく処理できず、問題行動につながる場合もあります。ほめビリティの面では、がんばりや成長を褒めるよりも「欲しいものを与える=愛情表現」になりやすい点が特徴です。
否定的な注目を与える独裁的スタイル
子どもの気持ちに寄り添うよりも、成績や結果・行動のコントロールを重視するタイプです。「あなたのため」と高い要求を突きつける一方で、できて当たり前、できないときには厳しく責めたりします。「どうしてできないの」「また失敗した」といった否定的な言葉が多く、できたことは評価されにくいため、子どもの自己肯定感は下がりやすく、自分に自信が持てなくなります。その結果、新しいことへの挑戦を避けたりするリスクもあります。ほめビリティの面では、「ダメ出しは多いが、褒める言葉が極端に少ない」状態になりやすいスタイルです。
日本の家庭でよく見られる民主的スタイル
愛情深く寄り添いながらも、家庭のルールや約束を明確に示すバランスのよい子育てスタイルです。親は子どもの意見や気持ちを丁寧に聞き、そのうえで「なぜこのルールがあるのか」を言葉で説明します。してはいけないことを禁止するだけでなく、望ましい行動ができたときにしっかり褒めて強化するのが、このスタイルの大きな特徴です。このような関わりで育った子どもは、自己肯定感やEQ(心の知能指数)が高まりやすく、自立心・社交性・学業面でも良い結果につながるとされています。ほめビリティとの相性が最も高い、理想的なスタイルと言えるでしょう。
自分の子育てスタイルとほめビリティを診断する

効果的に子どもの力を伸ばすには、まず自分がどんな子育てスタイルで接していて、どのくらい「ほめビリティ(上手に褒めて育てる力)」を発揮できているのかを客観的に知ることが大切です。ここでは簡単なチェックリストを通して、ご自身の傾向と強み・課題を整理していきましょう。
以下の質問を読み、「よくある」「ときどきある」「ほとんどない」の3段階で心の中で答えてみてください。多く当てはまる項目が属しているゾーンが、あなたの現在の子育てスタイルの中心的な傾向と考えられます。
無関心スタイル傾向のチェックポイント
日常の関わりや感情面のサポートが少なくなりやすいタイプです。
- 子どもの学校生活や友だち関係の話題を、自分からあまり聞かない
- 良い行動をしても、特に反応せず「気づいたら終わっていた」ということが多い
- 褒める・叱るよりも、「放っておく」「任せる」ことが多いと感じる
■ 傾向: そもそも「褒める場面」にアンテナが立っていないため、ほめビリティを発揮するチャンス自体が少なくなりがちです。まずは子どもの行動をよく観察することが出発点になります。
消極的スタイル傾向のチェックポイント
愛情や共感は高い一方で、しつけやルールを避けがちなタイプです。
- 子どもが欲しがる物は、できるだけ全部かなえてあげたいと思うことが多い
- ルールを決めても、子どもが嫌がると「まあいいか」とすぐにあいまいにしてしまう
- 注意したい場面でも、「言ったらケンカになりそう」と我慢して黙ってしまう
■傾向: ほめビリティは高いのに、境界線やルールを示す力が弱くなりがちです。褒める回数は多くても、「してほしい行動」と結びついていないことが課題になります。
独裁的スタイル傾向のチェックポイント
しつけや期待の水準が高い一方で、気持ちへの寄り添いが少なく、「ダメ出し」が多くなりやすいタイプです。
- できたことよりも、「まだ足りないところ」にまず目が向きやすい
- 思いどおりにならないと、「どうしてできないの?」「何度言わせるの?」という言葉が出やすい
- テストの点や結果が良くても、「次はもっと上を目指そう」と言ってしまうことが多い
■傾向: 子どもの自己肯定感が下がりやすく、失敗を過度に怖がって挑戦しにくくなる危険があります。「結果だけでなくプロセスを認める褒め方」が不足しやすいのが特徴です。
民主的スタイル傾向のチェックポイント
情緒的な寄り添い度も要求度も高く、今回目指したい理想的なスタイルに近いタイプです。
- 子どもの話を最後まで聞いたうえで、「わが家のルール」や理由も合わせて伝えている
- できたことを具体的に褒めつつ、「次にこうするともっと良くなるね」と前向きな提案をすることがある
- 失敗したときも、「うまくいかなかったポイント」を一緒に振り返り、次のチャレンジを応援できている
■傾向: お子さんのEQ(心の知能指数)や自己肯定感を高めやすく、新しいことに挑戦できる力を育てるほめビリティが発揮されている状態です。この項目が少なくても、意識して行動を変えることで、誰でも民主的スタイルに近づいていくことができます。
子育てスタイル別ほめビリティの伸ばし方

同じ「褒める」でも、現在のスタイルによって効果的なアプローチは変わります。ここでは、厳しめ・甘やかし・放任の傾向ごとに、民主的スタイルに近づくためのほめビリティの使い方を整理します。
| スタイル傾向 | 主な課題と現状の褒め方 | ほめビリティ強化のポイント | 具体的な実践例 |
|---|---|---|---|
| 放任 (無関心) |
良い行動にも反応が少なく、そもそも「褒める場面」自体が極端に少ない。 | 「褒める内容」以前に「子どもの行動を見る時間」を確保し、気づきを言葉にする。 | 毎日5分、一対一の時間を作る。 × 褒めない 〇 「さっき自分から片づけているね」「一緒にいられてうれしいな」と存在や小さな行動に気づきを共有。 |
| 甘やかし (消極的) |
衝突を避けルール設定を回避。欲しいものを与えるのが愛情表現になりがち。 | 「望みを叶えたとき」ではなく「自己コントロールの行動」をねぎらい、褒める。 | × 物を与える 〇 「ゲームの約束、ちゃんと守れたね」「我慢できたの、すごいね」 ルールを守れたら大げさなくらい褒める。 |
| 厳しめ (独裁的) |
「できて当たり前」と感じ、結果への評価や指示が多く、プロセスを褒める言葉が少ない。 | 「結果」ではなく「過程」と「努力」を具体的に褒める比率を増やす。 | ×「90点取ったね」 〇 「毎日ワークを続けた過程を見ていたよ」 叱る時も「なぜできない?」を「どこが難しかった?」に変える。 |
■理想的な子育てスタイルに近づくステップ
民主的スタイル(心情的な寄り添い◎、ルールや期待◎)に近づくには、以下のステップで「自立」と「感情のコントロール」を育てましょう。
- 親子で話し合い、シンプルな家庭のルールを決める。
- そのルールを守れたら、必ず具体的に褒める。
- 守れなかったときは、頭ごなしに叱らず、理由を聞いて次にどうするか一緒に考える。
この繰り返しで、子どもは「親は認めてくれる」と感じながら、「守るべきルール」を自然に理解し、自己肯定感と自制心を持つことができます。
よくある失敗パターンと子どもの反応

ほめビリティを意識していても、子育てスタイルのクセによっては「つもり褒め」になってしまい、子どもにうまく伝わらないことがあります。
- 無関心スタイルでは、そもそも褒める場面が極端に少なく、「どうせ自分なんて見てもらえない」というあきらめから、親にも友達にも心を閉ざしてしまうケースが少なくありません。
- 消極的スタイルでは「全部OKだよ」と甘やかす形の褒め言葉が増えがちで、子どもは自分で努力してできたことと、ただ与えられたものの違いが分からず、イライラや衝動的な行動として表れやすくなります。
- 独裁的スタイルでは、「テストで100点とったら褒める」「兄弟と比べて勝ったときだけ認める」といった条件つきの褒め方になりやすく、子どもは「できなかった自分には価値がない」と感じやすくなります。その結果、失敗を極端に怖がり、新しいことに挑戦しなくなる、親の顔色ばかりうかがうといった反応が起こりやすくなります。
民主的スタイルをめざしているつもりでも、「すごいね」「えらいね」と結果ばかりを褒め続けると、子どもは結果を出せない場面で自信を失い、自己肯定感を下げてしまうことがあります。
また、どのスタイルでもよく見られるのが、忙しさからミスやできていないことだけを指摘し、できていることはスルーしてしまうパターンです。「片づけがまだでしょ」「なんで言ったことが守れないの」と否定的な注目ばかりが増えると、子どもは親の前で本音を話さなくなり、反抗的な態度・暴言・家の外での問題行動など、形を変えたサインを出すようになります。ほめビリティを高めるためには、このような「叱るところだけズームする」クセに気づき、意識的にポジティブな注目を増やすことが重要です。
つまり、結果ではなく「プロセス」や「小さな変化」に注目すると、褒めどころが見つかりやすくなります。 「一日三つ探す」と決め、見逃しがちな良い行動を朝や寝る前などの習慣としてキャッチしましょう。
言葉が出ないときは「今ランドセルを置いたね」と事実を実況中継するだけでも十分な承認になります。 否定的な言葉は「〇時までにできたら助かるな」など、してほしい形への言い換えが効果的です。 ルールと理由をセットで伝え、守れた際の声かけを習慣化することで親子の信頼関係が深まります。
まとめ
子育てスタイル(無関心・消極的・独裁的・民主的)は、子どもの自己肯定感や意欲に大きな影響を与えます。 その中で、お子さまの強みを引き出す「ほめビリティ」は、どのスタイルでも伸ばせる重要なスキルです。 まずご自身のスタイルを客観的に振り返ることで、偏った傾向に気づくこと、そして、傾向が分かれば、プロセスや努力を具体的に褒めるなど、ほめビリティの基本をスタイルに合わせて取り入れられます。
自分の子育てスタイルを客観的に見つめることは、ときに勇気がいるかもしれません。しかし、その「気づき」こそが、お子さんの可能性を最大限に引き出すための大きな一歩になります。
「自分のスタイルに合った、もっと具体的な関わり方を知りたい」「学んだことを、三日坊主にせず習慣にしていきたい」――そんな思いを、私たちと一緒にカタチにしていきませんか?
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