「見守るだけ」を卒業して、現状維持を抜け出す。 不登校の娘と踏み出した、劇的な変化より欲しかった「確かな一歩」
「最初は『本当にこれで変わるのかな?』と半信半疑でした。不登校はメンタルの問題も絡んでくると思っていたので、ワークをやったからといって解決するような簡単な話ではないと思っていたんです」 そう語るのは、不登校の中学2年生の娘さんを持つMさん。ほめビリティ・プラクティショナーを経て親子関係は良好になっていたものの、生活は現状維持のまま。しかし、アドバンスドコースで「行動の仕組み」を学んだことで、娘さんの行動に変化が生まれました。 母としての葛藤と、学びを通じた気づきのストーリーをお伺いしました。
【ほめビリティ公式サイト】「恥ずかしい」から「なんとかしよう」へ。ほめビに出会うまでの葛藤

――今回はアドバンスドコースでの変化を中心にお伺いしたいのですが、その前に少し時間を遡らせてください。そもそも「ほめビリティ」に出会う前、娘さんが不登校になった当初はどのような状況だったのでしょうか。
娘は小学校まではごく普通に通っていたのですが、中学に入学してから1ヶ月が過ぎた頃、お腹が痛くなる事が増え、1年生のGW明けから学校に行けなくなってしまったんです。
その後「起立性調節障害」の診断を受けました。
最初は不登校を「恥ずかしい」という気持ちがすごく強くて…。
近所のスーパーで小学校時代の知り合いのお母さんに会っても、向こうも何と声をかけていいか分からずスルーされてしまったり、私自身も何も言えずに隠れるようにしていたりと、辛い時期がありました。すくすく育ってくれていると思っていたのに、ここで不登校か…私ってダメなのかな」と自分を責めていましたね。
――そのような状態から、どのように気持ちを切り替えられたのですか?
転機は中1の終わりくらいだったと思います。ふと「人生100年時代って言うじゃない?」と思ったんです。「たかが中学の3年間行かないだけで、100年も生きる人生が全部ダメになるなんておかしくない?」と。そう思えた瞬間に、何かが吹っ切れました。
その他にも、近所のママ友との会話がキッカケになりました。実はその方のお子さんが、うちより先に不登校で。以前は、私が心配していた側だったこともあり、最初は気まずくて言えなかったのですが、ある時思い切って「実はうちも行けなくなっちゃったんだよ」と打ち明けてみたんです。
そうやって誰かに口に出して言えたことで、不思議とすごく気持ちが楽になって。
そこでようやく、一人で抱え込んで「どうしよう」と悩むのではなく、仲間を得て「なんとかしよう」と前向きな気持ちに切り替えられたように思います。
そんなときに「ほめビリティ」の案内が届いたんです。
――その後、ほめビリティ・プラクティショナーを受講されて、親子関係は変わりましたか?
はい。もともと私は心配性なので、焦って先回りして余計なことを言ってしまうタイプだったのですが、プラクティショナーで関わり方を学んだおかげで、娘との関係性はすごく良くなりました。

また、上の子に障害があり、その経験から「ペアレント・トレーニング」という言葉は以前から知っていて、本を読んで独学で取り入れたりもしていたのですが、今回プラクティショナーに参加をして、自分がやっていたことが間違っていたということにも気付きました。実践を通じて、娘も自分の気持ちを話してくれるようになり、家庭内の空気はとても穏やかになっていたんです。
「関係良好」でも続く現状維持。打破するために選んだアドバンスド

――関係性は良くなっていたとのことですが、それでも今回、さらにステップアップとしてのアドバンスドコースに参加されたのはなぜですか?
関係は良くても、このまま放っておいたら、娘は今の生活を続けてしまうだろうなという思いがあったからです。
本人はのんびりした性格なので、自分から「今のままじゃダメだ」と気づいてステップアップするのは難しい。だからこそ、親である私が「次はこうしてみようか」と課題を提示したり、背中を押してあげる必要があると感じていました。
ただ、以前のように独学の知識で間違った対応をするのは怖かったことと、「子どもを変えたい」というよりは、「私自身が変わりたい、ちゃんとした知識という武器を持って関われるようになりたい」という思いで参加を決めました。
――今回は「適応指導教室に30分長く残る」という目標行動を設定されましたが、これはどのような経緯で決まったのでしょうか?
実は、目標を決めるのにはすごく悩みました。というのも、娘には目立った「問題行動」はなかったからです。
その一方で、「勇気が出せない、一歩を踏み出せない」といった変化が苦手な性格的な面に関して、困っていました。当時、娘は適応指導教室に通い始めてはいたものの、お昼前などの早い時間に帰ってきて、午後は家でずっとアニメを見て過ごしていたんです。
他にもいくつかできるようになってほしい行動はありましたが、ルールだけで動かすのは難しいと考えて、まずは「少し背中を押せばできそうなこと」として、この目標を設定することにしました。
――実際に講座が始まって、その目標行動を設定された時、最初はどう思われていましたか?
正直に言うと、「これで本当に変わるのかな?無理なんじゃないかな」と思っていました。不登校はメンタルの問題も絡んでくると思っていたので、最初は半信半疑で、動画の視聴もなかなか進まない時期もありました。
「やる気」の問題ではなく、「環境」の問題だった

――最初は半信半疑で、動画の視聴もなかなか進まない時期から、気持ちを切り替えられたきっかけは何だったのでしょうか?
一番衝撃的だったのは、ワークで「環境設定(※)」を学んだことです。
これまでは「なんでやらないの?」「なんでできないの?」と思ってしまっていたのですが、提出したワークに対してのメンターさんからのフィードバックなどを通して、「あ、環境なんだ」と気づかされました。
私自身が、娘が家にいるのは「家にいた方がメリットがある(理由がある)」ということに気づいていなかったんです。最初から環境を整えてあげればよかったんだ、と分かってからスイッチが入りました。
※環境設定: 子どもの「やる気」や「意志」に頼るのではなく、行動しやすくなる(またはしにくくなる)ように物理的な環境やルールを調整すること。
――環境設定の次は、いよいよ「行動」へのアプローチですね。どのようなスモールステッ
プを組んだのですか?
最初は、「いつもより遅い時間に私が迎えに行って、一緒に帰る」というステップを提案してみたんです。でも、娘にあっさりと「一緒に帰るのはいい(=いらない)」と却下されてしまって…(笑)
そこで改めて相談し、「まずは30分だけ長く残ってみる」というシンプルなスモールステップに落ち着きました。「30分長く残れたらポイントゲット」という形です。娘も最初は「また何か提示してくるのか」という顔をしていましたが、内容を聞いて「それならできそう」と感じたようで、合意してくれました。
――今回はシェイピング(※1)での目標行動に加えて、環境設定のためのルールも追加されていらっしゃいましたね。ルールの追加はお子さんからの抵抗があったのではないでしょうか。
実は、娘に話をする前に、私は毎回「台本」を作っているんです(笑)
いきなり話すのではなく、「こう言えばこう返ってくるかな?」とシミュレーションして、話す内容や理由を全部紙に書き出してから挑みました。私はすぐに忘れてしまうので、メモを見ながら話すくらいでちょうどよくて。
なので、今回も理由を伝えた上で「適応指導教室が終わる時間までは、早く帰ってきてもいいけれど、家でテレビやアニメを見るのはやめてみない?」と提案しました。
娘にとってアニメは心の拠り所なので、ちょっとショックそうな顔はしていましたが、事前にシミュレーションしてアサーティブ(※2)に理由を伝えたことで納得してくれました。
※1シェイピング(行動形成): 最終的な目標(例:学校に行く)を、達成しやすい小さなステップ(スモールステップ)に分解し、段階的に褒めながら目標に近づけていく行動療法の手法。
※2 アサーティブ(コミュニケーション): 自分の気持ちや意見を押し付けるのでも、我慢するのでもなく、相手を尊重しながら誠実に伝える表現方法。
――話し合いにも工夫を取り入れられたのですね。お子さんも納得して実践がスタートした
わけですが、目標行動はスムーズに進みましたか?
最初の数日は全く目標行動が見られず、以前と同じ時間に帰宅していました。
そこでメンターさんから「シミュレーション(練習)」を取り入れることを提案いただき「先生や友達に今日はまだ帰らないの?と聞かれたら何て返す?」など会話形式で練習をしたんです。
そうしたら、娘からポンポンと答えが返ってきました。あまり考え込まずにサクサク答えたので「あ、これなら本番でも言えるな」と、本人の中でもイメージができたようでした。
以前受けた検査(WISC※)でも「急な変化が苦手で、事前の理解が必要」という特性が出ていたので、こどもの特性に合わせた「練習」を挟むことが、うちの子にはとても効果的でした。練習を取り入れた翌日から、行動の変化が見られました。
※WISC(ウィスク): 世界的に利用されている知能検査。全体的なIQだけでなく、処理速度や言語理解など、その子の「得意なこと・苦手なこと(特性)」を把握するために用いられる。
――沢山の工夫を取り入れられていますが、実践の中でくじけそうになることはありません
でしたか?
もちろん、最初はうまくいかない日もありました。でも、モチベーションを維持できたのは、メンターさんや他の受講者の方から「投稿への褒め」をもらえたおかげです。日々娘の「褒めポイント」を探して投稿すると、みんなが反応してくれる。
それが嬉しくて「もっとやろう」と思えました。なかなか大人になると褒めてもらえないですから、親だって褒めらるとがんばろう!って思えます(笑)
「やっぱり無理かも」が「できた!」に変わった瞬間

――実際に、目標行動(30分長く残る)は達成できましたか?
できました!
練習をした翌日に、私が仕事から帰った時、いつもなら家にいる娘がいなくて。「あ、まだ帰ってきてない!残れたんだ!」と分かった時は、すごく嬉しかったです。
今まで「期待しちゃいけない、できなくてもOK」と自分に言い聞かせて構えていた分、現実にできたことが分かった時は嬉しさが込み上げてきて。
「ああ、頑張ってるな」と思いましたし、本人に早くぐた褒め(※)をしたくてたまりませんでした。
その日をきっかけに長く滞在することが出来るようになっていきました。
※ぐた褒め:「具体的に褒める」の略。行動療法における「肯定的な注目」の一つで、子どもの好ましい行動や言動に対し、何が良かったのかを具体的に言葉にして褒める「ほめビリティ」内の実践手法。
――素晴らしいですね。その後、さらに変化はありましたか?
実は冬休みに入る直前の最終日、もう一段階上のチャレンジができたんです。
もともと次のステップとして「お弁当を持って行って教室で食べる」という目標がありました。最終日前日にふと思い立って「明日でお弁当最後だね。もし明日、お弁当を食べて帰ってきたら、残りのポイント全部追加して、スペシャルポイントにするのはどう?」と提案してみたんです。
思いつきで言ってしまったので、「まずい!無理かな」と焦りましたが、翌日の朝、「お弁当どうする?コンビニで買う?」と聞いたら、娘が「持って行こうかな」と言ってくれました。
押しつけてしまったかな…と思いながら、急いでお弁当を作り「無理だったら、持ち帰って家で食べたら良いよ!」と言って、娘を送り出しました。
結果、お弁当を食べる時間分の滞在でしたが、娘が自分で「やってみよう」と決断して頑張ってくれたことが、何より嬉しかったです。
――その後もどんどん変化が見られているのですね!冬休みに入ってからの様子はいかがで
すか?
今は適応教室がお休みなので、「1日1時間勉強する」という新しい目標を立てています。
これもシェイピングで学んだ方法を取り入れています。 昨日は早速、「最初は40分でやめようとしたけど、あとちょっとだと思って頑張ったら1時間1分できた!」と報告してくれました。アドバンスドで学んだやり方を、勉強の習慣づけにも応用できています。
親子の未来を支える「知識」を得られた安心感

――6週間を終えて、お母さまご自身の心境はどう変化しましたか?
すごく安心しています。
プラクティショナーで娘との関係性を築き、今回のアドバンスドコースで具体的なやり方
を知ることができました。今後、進路のことや別の何かにステップアップしたい時にも、
今回学んだ「細分化してスモールステップで考える」というやり方が使えると思えるから
です。感覚でやるのではなく、ワークを通して順序立てて考えることで、我が子に何が響
くのか、どうすればできるのかが分かるようになりました。
この知識を得られたことは本当に大きいです。
――最後に、かつてのご自身のように悩んでいる方へメッセージをお願いします。
もし親子関係を良くしたい、現状を変えたいと思っているなら、ぜひ参加してみてほしい
です。
私自身、参加前は「恥ずかしい」と思って隠れていた時期もありましたし、ネットの情報などで自己流でやってみて失敗したこともありました。でも、この講座を通じて本当に大切なポイントが理解できた気がします。
もちろん、結果は人それぞれだと思いますが迷っているなら、ぜひお勧めしたいです。
ーありがとうございました。

不安や戸惑いを抱えながらも、「子どもとどう関わればいいのか」を模索している方にとって、ほめビリティは一つの支えになるかもしれません。日々の小さなやりとりを変えることで、親子の関係性が少しずつ前向きになっていく。その一歩を安心して試せるように、LINE相談も承っております。よかったら、公式サイトで詳しくのぞいてみてください。
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