「やってないじゃん」を手放したら暴言が一転──「どれだけ喋るの?」と思うほど息子の雑談が止まらなくなった理由
「最近『そんなに話したいことがあるの? 』っていうぐらい息子が話しかけてくるようになりました。私が何かしているときでも、隣でずっと楽しそうに喋っています 」 そう話すのは、中学3年生の息子さんを育てるPさん。息子さんは小学校高学年の時にASDとADHDの診断を受け、学習面でのつまずきやこだわりを抱えていました。コロナ禍をきっかけに学習の遅れが目立つようになり、小学校高学年から中学生にかけては、親から指摘されると暴言を吐いたり、スマホの世界に閉じこもったりすることも増えていったといいます。Pさんは、「自分が関わり方を変えれば、何か変わるかもしれない」 という思いから『ほめビリティ・プラクティショナー』に参加。50日間の実践を通じて子どもを見る視点が変わり、暴言が減って親子の会話も増えていったといいます。その変化の過程を伺いました。
【ほめビリティ公式サイト】「気長にやってくださいね」のアドバイスだけでは、具体的にどうしたらいいか分からなかった

── ほめビリティ・プラクティショナー(※以下『ほめビ』)に参加される前、お子さんはどのような状況だったのでしょうか?
小学校の高学年の時に、ASDとADHDの診断を受けていました。一時は放課後等デイサービスなどに行っていた時期もあったんですが、本人があまり馴染めなくて通わなくなってしまったんです。 教室にいてもそれほどコミュニケーションで困るということはないので、勉強は遅れ気味ではあったものの普通に過ごしていました。
ただ、学習に遅れがあることや、いろんなこだわりがあって友達との関係性が一部難しかったので、私も息子のことをもっと理解するために学ばなければ、と思っていました。
── お子さんのために学ぼうと思われたのが、ここからのスタートだったのですね。学習の遅れについては、いつ頃から特に気になり始めたのですか?
ちょうど3年生になる時にコロナで学校に行かない時期があって、自宅学習で課題がいっぱい出ていたんですが、親相手だと甘えもあってなかなかやってくれなくて。そのあたりで本当に学習が遅れ始めました。
その後はなかなか提出物を出せない、取り組めないという状況が続いてしまい、特に算数が苦手だったのですが、それがきっかけでどんどん他の教科も嫌いになっていきました。
── 算数でつまずいたことが、他の教科にも波及していったのですね。当時、ご相談できる先などはあったのでしょうか。一番「しんどかったな」「どうにかしたいな」と思っていたことは何でしたか?
4年生になると、友達とのトラブルが少し増え、授業にも本格的についていけなくなってきたんです。そこで、担任の先生を通じて支援コーディネーターの先生につないでいただき、「一度、診断を受けてみてはどうですか」と勧められました。 子どもの方もしっかりフォローしていただいて、算数が苦手な子の取り出し学習の時にいつも入って見てもらったりしていました。
ただ、私自身は子どもへの接し方もですけど、子どもの特徴みたいなものもあまりよく分かっていなくて。本を読んでみましたがそれでも「どうしたらいいんだろうな」と悩んでいました。
受診先の先生からもアドバイスは受けるんですが、「気長にやってくださいね」といったようなゆったりしたアドバイスだったので、具体的に「こういう時はどうしてあげたらいいんだろう」ということが分からない状態でした。
── 「気長にやってくださいね」といったアドバイスだと、日々の関わり方までは分からなかったのですね。具体的な対応が分からない中で、お子さんへの接し方や関係性はいかがでしたか?
「やってないじゃん」っていうところをひたすら指摘する感じになっていました。私が畳みかけるように「だってあれもやってないじゃん、これもやってないじゃん」と言ってしまうので、それを言われるとその10倍ぐらいに言い返してくるというか……「だってなんとかだったのに」から「うぜえ、しね、くそ」みたいに言われることもありました。
あんまりいろいろ言うと「どうせ俺なんていない方がいいんだ」みたいに始まってしまうので、そうするともうめんどくさくなって「これずっとやり取りしてても多分不毛だな」と一旦話をやめて無視すると、「無視すんなよ」ってなって。逆に暴言を吐いてなんとか喋らせるというか、注目させようとしてきていて、それが小学校の高学年から中学生に入っても続きました。
──暴言で注目を引こうとするやり取りが続いていたのですね。その頃、お子さんとのお話やコミュニケーションの時間はどうだったのでしょうか。
元々はすごいおしゃべりだったんですが、思春期に入ってからスマホを見ている時間がとにかく長くて、話題も噛み合いませんでした。多分口を開けば「あれやりなさい、これやりなさい」としか言われないから、あんまり喋りたくもなかったんだと思います。
あと、兄弟の中で比べて「なんでこれできないかな」って思ってしまうことはありました。全然タイプが違うから仕方がないのに、そこを比べてしまっていたのは申し訳なかったと思っています。
「自分が関わりを変えることで、変わっていくことがあるのかな」と素朴に思った

── 指示ばかりされることに疲れて、スマホの世界に閉じこもってしまっていたのですね。『ほめビ』を知ってくださった経緯や、参加を決めた「決め手」は何でしたか?
子どもは勉強に関連するものが好きではないので、「せめて私だけで(学ぼう)」と思ったんです。先に「すらら」をネットで検索してお試しをする中で、そこに載っていた広告を見て「あ、そうか、親の方も勉強ができるのか」と興味を持ちました。
『ほめビ』の説明を読んでいると「あ、なんかとっても良さそうだな」と直感で思って、「自分が関わりを変えることで、変わっていくことがあるのかな」と素朴に思ったのが決め手でした。
── 「親の方も学べるんだ」という気づきが、参加の後押しになったのですね。実際にスタートした当初の印象や、お気持ちは覚えていますか?
「褒める」ということは大事なんだろうなとは思いつつ、これまであんまり褒めてこなかったので、どうしてもよくないところばかりが目についてしまっていたんです。
そのこともあって「一見簡単そうだけど、多分大変だろうな」と思った気がします。
── 「簡単そうで大変そう」と直感で感じられていたのですね。50日間、継続できた一番の理由は何だったと感じますか?
皆さんが積極的に投稿されているので「私も投稿していった方がいいな」って思ったのと、皆さんからもコメントをいただけたりするので、「みんなと一緒に頑張ってるな」と実感できたあたりで「頑張ろう」という気持ちが強くなりました
メンターの方も温かくいつも返してくださるので、それがすごく心強かったです。
── 投稿やコメント、メンターの温かい返信が、続ける力になっていたのですね。 『ほめビ』の仕組みやコミュニティで、特に効果を感じたのはどんな点でしたか?
それなりに大変ではあるんですけど、毎日実践して投稿することで、実際にやりながら身につけていけたことが大きかったです。 投稿した内容に対してメンターからすぐにフィードバックをもらえるので、 「ここはもう少しこうした方が良かったんだな」とか「これでいいんだな」というのをその日のうちに確認できました。そうやって一つひとつ振り返れたことが、実践を身につけていくことにつながったんだと思います。
あと、他の方たちと一緒に取り組む中で「皆さん、本当に似たようなことで悩んでいるんだな」と感じることも多かったです。それぞれいろいろな苦労をされているのを見て、「悩んでいるのは自分だけじゃないんだ」と思えると、少し気持ちが楽になりました。
ニックネームでやり取りするので、お互いのことを詳しく知らないからこその気楽さもありました。なんとなく相手をイメージしながらやり取りできる、その距離感も私には合っていたと思います。
言われずに出すようになった給食セット──お姉ちゃんを注意して一緒に片付ける姿も

── 「自分だけじゃない」と思えたことが、気持ちを軽くしてくれたのですね。実践を重ねる中で、お子さんに印象的な変化や出来事はありましたか?
一番びっくりしたのは、いつも散らかし放題の息子が、姉がテーブルに物を広げているのを見て注意し、自分から進んで一緒に片付けを始めたことです。そのときはすごいびっくりしましたね。
── 自らお姉ちゃんに声をかけて一緒に片付けるというのは、本当に驚きの変化ですね。日常の小さな場面でも、変化はありましたか?
小さいところでは、学校や部活に毎日持っていく水筒と、給食用のランチョンマットとスプーン・箸のセットを出すことですね。
今までは私に言われて渋々出すか、私が勝手に持って行って洗うかという感じだったのが、言われなくてもほいほいって出してくるようになりました。
── 「出しておいたよ」と自分から動くようになったのですね。以前気になっていたという「暴言」や「やり取り」の部分はいかがでしたか?
私が畳みかけるように「だってあれもやってないじゃん、これもやってないじゃん」と言わなくなったせいか、息子の反応が落ち着いて、言い返してくることや暴言がなくなりました。
── 「やってないじゃん」を言わなくなったことについて、我慢しようと意識されていたのか、それとも自然と気にならなくなったのでしょうか。
ほめビリティ・ラウンジ(※)の方にも入っているので、そこでも学習していく中で、「あの行動ってこういうことだったんだな」と見方が変わったのが大きいです。 息子がやらない・できない部分に対しても、本当に何も言わなくなったというか、口うるさくなくなりました。
意識して我慢したというわけでもないのですが、「あ、そういうことなんだな」と自分の中にストンと落ちたことで、あまり気にならなくなったというか、それが自然と状況の変化につながったのかな、 という気がします。
※ほめビ実践を無理なく続け、習慣にしていくためのサブスクリプションのコミュニティ
私よりも指摘が多かった父親の頻度が激減。「どれだけ喋りたいの?」と思うほど話しかけてくるように

── 「ストンと落ちた」という感覚が、そのまま行動の変化につながっていったのですね。ご家族全体で、何か変化はありましたか?
娘(姉)は元々私よりお母さんみたいな感じで、細かく色々言うし勉強のことも心配して言ってくれるので、そこはあまり変わっていません。
でも、父親の方は違いますね。私があんまりやいやい言わなくなったせいなのか、息子への指摘の頻度がものすごく減りました。以前は1から10まで指摘していたのが、驚くほど少なくなりました。娘も「お父さん、言わなくなったね」と言っているので、変わったんだろうなと思います。
夫は『ほめビ』をしていないし、別に私から「こうすべきだよ」と伝えたわけでもないのですが、自然と変わったのを横で見ていてそう感じます。
── 娘さんも気づくほど、お父さんの変化は分かりやすかったのですね。50日を終えた今、お子さんとの日常や関係性はどのように変化しましたか?
以前の息子はスマホばかり見ていておしゃべりもほとんどしなくなっていたんですが、最近は「どれだけ喋りたいの?」と思うくらい話しかけてくるようになりました。 私が作業をしているときでも、隣でずっと話しているんです。
ニュースのことや部活の出来事などを延々と話してくるので、「本当によく喋るね!」と思うくらいです。
── すごい変化ですね。50日間を走り終えた現在のご自身の状態はいかがですか?
正直なところ、ぐた褒め(※)は少し力が抜けてきたかなという感じはありますが、 余計なことは言わなくなりました。思いとどまって言わずにいられるようになったんです。
「言わない方がいいな」とか「褒めた方がいいな」と一呼吸置いて考えられるようになれたんだと思います。 また、指示せずにやってくれた時に褒めた方が、地味だけど効くということも実感できました。
※「具体的に褒める」の略。行動療法における「肯定的な注目」の一つで、子どもの好ましい行動や言動に対し
、何が良かったのかを具体的に言葉にして褒める「ほめビリティ」内の実践手法。
── 地味だけど効く、という実感を得られたのは大きいですね。これからの子育てで、特に大切にしていきたいことは何でしょうか?
これからは、本人のいいところや得意なことを伸ばしてあげたいと思っています。以前は周りの子と比べてしまうこともありましたが、今は“周りと比べることはもういいかな”と思えるようになってきました。
比べるなら、以前の本人と今の本人を比べるくらいでいいのかなと。本人が本当に好きだと思えることを見つけて、それを伸ばしていけたらいいなと思っています。
── 最後に、同じようなお悩みを持つ方にメッセージをお願いします。
本当にそれぞれのお子さんなりのいいところがあると思うので、周りと比べたりせずに、これは自分に対して言っている部分もありますが(笑)、その子のいいところを見てあげているうちに、多分その子らしく成長していくと思うので、一緒に頑張りましょう!
── ありがとうございました。

不安や戸惑いを抱えながらも、「子どもとどう関わればいいのか」を模索している方にとって、ほめビリティは一つの支えになるかもしれません。日々の小さなやりとりを変えることで、親子の関係性が少しずつ前向きになっていく。その一歩を安心して試せるように、LINE相談も承っております。よかったら、公式サイトで詳しくのぞいてみてください。
【ほめビリティ公式サイト】