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【児童養護施設におすすめの学習教材2選】入所している子どもの状況や学習支援の必要性も解説

家庭環境が原因で児童養護施設で過ごす子どもは少なくありません。児童養護施設には小学生・中学生・高校生の子どももいるので、学習支援も必須の項目と言えます。

しかし、学習支援の必要性や取り入れるべき教材について理解できていない方は多いでしょう。

そこで本記事では、児童養護施設に入所している子どもの状況や学習支援が大切な理由、おすすめの教材を詳しく紹介します。それぞれの学習教材の特徴やポイントをしっかりと把握し、子どもの学習を徹底的にサポートできる教材を正しく見極めましょう。



この記事を読む方で、放課後等デイサービスの運営・経営において 下記のようなお悩みはございませんか?

  • 「近隣に競合施設が多く、生徒確保が難しい」
  • 「離職率が高い・指導員の確保が難しい」
  • 「学習支援は行いたいが、宿題の対応しかできない」
  • 「職員が不足している時間帯の児童支援が難しい」

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児童養護施設とは

児童養護施設とは、児童福祉法によって定められた福祉施設で、保護者がいない・虐待されているなどの環境上の問題から養護を必要としている子ども入所させて、自立するための支援を提供します。

可能な限り家庭に近い落ち着いた雰囲気のなかで生活ができるよう配慮されており、食事・入浴・掃除などの基本的な生活習慣に対する指導はもちろん、学校・地域・公的機関との連絡調整や就職・進学に対する相談なども行います。

保護者の病気などの理由で、一時的に入所する「ショートステイ」や「夜間養護」を行っている事業所もあり、まさに「親代わり」になる施設です。

児童養護施設に入所している子どもの状況

児童養護施設に入所している子どもの現在の状況をまとめると以下のとおりです。

【児童養護施設に入所している子どもの状況】

  • 入所児童数は減少している
  • 児童虐待に関する相談件数は増加している
  • 虐待・育児放棄などにより学習基盤が弱いことが多い

具体的な入所数や相談件数などを紹介するので、児童養護施設にいる子どもについて理解を深めていきましょう。

入所児童数は減少している

厚生労働省によると、児童養護施設の入所児童数は5年間で減少傾向にあります

入所児童数
2016年 26,449人
2017年 25,282人
2018年 24,908人
2019年 24,539人
2020年 23,631人

引用:厚生労働省「社会的養育の推進に向けて

入所児童数が減少している原因として、家庭的養護への取り組みが考えられます。最近では、より家庭の生活環境に近いスタイルの提供が進められており、その結果として児童養護施設の入所児童数が減っているのでしょう。

集団生活とは違ったファミリーホームや里親など、少人数で通常の家庭に近い生活環境における子どもの数は下記のように増加しています。

ファミリーホーム 里親
2016年 1,356人 5,190人
2017年 1,434人 5,424人
2018年 1,548人 5,556人
2019年 1,660人 5,832人
2020年 1,688人 6,019人

引用:厚生労働省「社会的養育の推進に向けて

児童養護施設への入所児童数は、2010年度末に28,728人だったのに対し、2020年度末には23,631人と10年間でおよそ18%下がっています

ファミリーホーム・里親の委託児童数は、2010年度末では4,373人だったのが2020年度末には約1.8倍の7,707人まで増えており、今後もさらに増加していくとされています。

児童虐待に関する相談件数は増加している

「児童養護施設への入所児童数が減少しているということは、虐待の件数も同じように減少している」と考える方も多くいるのではないでしょうか。しかし、実際には児童虐待に関する相談件数は増加しているのが現状です。

件数
2016年 122,575件
2017年 133,778件
2018年 159,838件
2019年 193,780件
2020年 205,044件

引用:厚生労働省「社会的養育の推進に向けて

上記の表は、過去5年間における虐待の相談件数です。この表だけでも、相談件数が年々大きく増えているのが分かります。児童虐待防止法が施工される前の1999年から比較すると、その数は約18倍に増加しているのが現状です。

さらに、児童養護施設に入所している子どものおよそ65.6%は虐待を受けた経験があるということも厚生労働省の調査で分かっています。

虐待・育児放棄などにより学習基盤が弱いことが多い

上記で説明したように、児童養護施設に入所している半数以上の子どもたちは虐待された経験があります。その結果、保護者とのコミュニケーションや遊びのなかで文字や数字に触れる機会が極端に少ないため、学習基盤が弱い子どもがほとんどです。

一般的な家庭の場合、おはじき・お買い物ごっこ・知育おもちゃなどを使用した遊びや、一緒に買い物に行ったりすることで数の概念をある程度身につけることができますが、虐待されている子どもはこうした経験がほぼありません。

【学習基盤が脆弱な状態の子どもの特徴】

  • 数字を単なる記号として認識し、計算式を丸暗記しているため数が増えると計算できなくなる
  • 中学生でも小学校低学年まで戻って学び直す必要がある
  • テストは丸暗記でやり過ごす
  • 授業についていけない
  • 授業内容が理解できず諦めてしまう

学習基盤が弱い子どもには上記のような特徴があります。授業の内容が理解できないまま年齢だけが上がっていくことで、勉強嫌いになったり自己嫌悪に陥る子どもも少なくありません

児童養護施設では学習支援が重要

先にお伝えしたように、児童養護施設に入所する子どもの多くは学習基盤が弱いです。そのため、児童養護施設では学習支援が必須と言えます。施設が提供する学習支援は、子どもの基礎的な学力向上はもちろん、自分に自信を持たせるためにも非常に重要です。

しかし、児童養護施設では食事・入浴・洗濯などの身の回りのお世話に加え、学校との連携や子どもに対するケアなどの全てを職員が行っており、日々の負担が重くなってしまうため、職員にも配慮した学習スタイルを考えなければいけません。

また、子ども一人ひとりの能力や理解している内容などが異なるため、それぞれに適した学習のサポートを職員が行うのにも限界があります

そのようなときには、学習教材の利用も検討しましょう。学習教材を取り入れることで、手軽に子ども一人ひとりのレベルに合わせた学習支援を提供できます

また、勉強に苦手意識がある子どもでも楽しんで取り組める教材もあるので、職員の負担軽減のためにも検討してみてください。

児童養護施設におすすめの学習教材2選

ここからは、児童養護施設におすすめの学習教材を厳選して2種類紹介します。

【児童養護施設におすすめの学習教材2選】

  • すらら
  • 公文

先ほどお伝えしたように、児童養護施設の学習支援は非常に重要ですが、支援のやり方を間違えてしまっては職員の負担を増やすだけで終わってしまいます。

大切なのは、子どもが自分の力で問題を解けるようにするための教材です。無理なく自分のペースで確実に学力を身につけることができる教材を見極めましょう。

1.すらら

引用:すらら

対象年齢 小学生・中学生・高校生
科目 国語・数学・英語・理科・社会
※理科・社会は小学3年生から中学3年生が対象
※英語は中学3年生から高校3年生が対象
料金(税込)

【3教科コース】
4か月継続コース:8,228円/月
毎月支払いコース:8,800円/月

【4教科コース】
4か月継続コース:8,228円/月
毎月支払いコース:8,800円/月

【5教科コース】
4か月継続コース:10,428円/月
毎月支払いコース:10,978円/月

サポートの有無
難易度の調整

すららは、学年に関係なく勉強できる無学年式を採用しており、子ども一人ひとりのレベルに合わせた学習が可能です。苦手な部分や理解できていない単元までさかのぼって学び直すことで、基礎的な学習能力を向上させることができます。

また、可愛らしいキャラクターや心理学でも注目されているトークン・エコノミー方式を採用しており、勉強に苦手意識がある子どもでも楽しんで取り組めるような工夫が施されているのも大きなポイントです。

【トークン・エコノミー方式とは】

「目標に向かい頑張る→頑張りに応じてご褒美(トークン)を獲得する→貯めたトークンで欲しいもの(報酬)を獲得する」という流れのように、頑張るとよいことがあるという方法がトークンエコノミー方式です。

さらに、一人ひとりの学習状況を把握できるのもおすすめできるポイントの一つです。誰がどこまで進んだか、どこでつまずいているかを管理することでより適切なサポートができます。

また、すららはタブレット学習で動画・音声・アニメーションが豊富に使用されており、「勉強しなければ…」と気負わずに遊びの延長で楽しみながら取り組むことが可能です。

2.公文

引用:公文

対象年齢 0歳から大学生・社会人
科目 国語・数学・英語
利用料金

【幼児・小学生】
東京都・神奈川県の教室:7,700円
それ以外の地域:7,150円

【中学生】
東京都・神奈川県の教室:8,800円
それ以外の地域:8,250円

【高校生以上】
東京都・神奈川県の教室:9,900円
それ以外の地域:9,350円

※通信教育の場合別途1,100円が必要

サポートの有無
難易度の調整

全国に教室を展開している公文は、知名度が高く幅広い年齢層の子どもが利用しています。公文式学習は「やればできる」という自己肯定感を高め、自ら挑戦するという強いやる気を培い、可能性の追求を目指す教育です。

子ども一人ひとりの能力に応じ、無理なくできるところからスタートすることによって学習に対する楽しさや達成感を経験し、自分自身の力で学力を向上させ、年齢に囚われずなるべく早い段階で高校教材を学習することを目的としています。

優しい問題から高度な問題へ進むために、徹底したサポートときめ細かなスモールステップで構成されており、個々に合った「ちょうどの学習・ちょうどの内容」をスムーズに進めていくことが可能です。

まとめ:児童養護施設では学習支援で一人ひとりに合った学力向上を目指しましょう!

本記事では、児童養護施設における学習支援の必要性やおすすめの教材を紹介しました。

家庭環境によって適切な学びを受けられていない子どもの数は多く、児童養護施設の入所児童は学習基盤が弱いまま成長しているケースが少なくありません。

年齢問わず、子どもは誰でも平等に学ぶ権利があります。子どもたちの将来を広げ、希望を抱えて大人へと成長していくためにも、正しい学習支援を提供することは児童養護施設の大切な役割です。

安心した生活を送り、自立を促す生活基盤を構築することはもちろんですが、こうした勉強に対する遅れを取り戻せるように徹底したサポートも欠かせません。本記事でお伝えした情報を参考に、入所児童に適した学びを提供できるようにしましょう。



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