「中小企業診断士試験の難易度はどのくらいだろう」
「中小企業診断士の勉強時間やおすすめの勉強方法を知りたい」
上記のような悩みを抱えている人も多いのではないでしょうか。
結論令和4年度の中小企業診断士試験の合格率は18.7%で、約5人に1人しか受からない割合です。
※参照:中小企業診断協会「令和4年度 第2次試験結果」
合格率から考えても中小企業診断士試験の難易度は高く、入念な試験対策が欠かせません。
今回は中小企業診断士の難易度の高さや勉強時間・おすすめの勉強法について解説します。
【中小企業診断士の合格を目指すための勉強法】
また効率的に中小企業診断士の試験勉強を進めたいと考えている人は、通信講座の活用がおすすめです。
通信講座は中小企業診断士試験業界に精通した講師が重要ポイントをわかりやすく解説してくれます。
下記では中小企業診断士の試験対策が可能な通信講座を紹介しているので、本記事とあわせてチェックしてみてください。
中小企業診断士の試験は難易度が高い?合格率から分かる難しさ
直近5年分の中小企業診断士試験の1次試験・2次試験の合格率を見ると、毎年20%を下回っているのが分かりました。
試験年度 | 受験者数 | 合格者数(1次試験) | 合格者数(2次試験) | 合格率 |
---|---|---|---|---|
令和4年度 | 24,778人 | 5,019人 | 1,625人 | 18.7% |
令和3年度 | 24,495人 | 5,839人 | 1,600人 | 18.3% |
令和2年度 | 20,169人 | 5,005人 | 1,175人 | 18.4% |
令和1年度 | 21,163人 | 4,444人 | 1,088人 | 18.3% |
平生30年度 | 20,116人 | 3,236人 | 905人 | 18.8% |
中小企業診断士試験の平均合格率は約18.5%で、おおよそ5人に1人の割合でしか受からない試験になります。
同試験は1次試験と2次試験があり、どちらも合格しなければ資格を取得できません。
合格率が20%も満たない理由は中小企業診断士の試験科目が多く、幅広い範囲の勉強が必要な点があげられます。
中小企業診断士試験の出題科目は、以下のリストの通りです。
- 経済学・経済政策
- 財務・会計
- 企業経営理論
- 運営管理(オペレーション・マネジメント)
- 経営法務
- 経営情報システム
- 中小企業経営・中小企業政策
※参照:中小企業庁
中小企業診断士の試験は7科目から出題されるため、入念な試験対策が必要になります。
中小企業診断士の試験を受けようと考えている人は、年齢別や職業別の合格率も参考にしてみてください。
年齢別で中小企業診断士の試験合格率を比較すると20代が1番高い
中小企業診断士試験の試験合格率を年齢別に比較すると、20代が1番高い結果でした。
平均受験者数 | 令和4年度合格率 | 令和3年度合格率験者数 | 令和2年度合格率 | 令和元年合格率 | |
---|---|---|---|---|---|
20歳未満 | 9人 | 20% | 13.33% | 9.09% | 0% |
20代 | 903人 | 23.71% | 25.44% | 26.45% | 21.78% |
30代 | 2,364人 | 22.92% | 24.92% | 23.55% | 21.62% |
40代 | 2,380人 | 16.95% | 15.36% | 14.03% | 17.72% |
50代 | 1,695人 | 12.28% | 9.73% | 9.41% | 12.61% |
60代 | 494人 | 8.22% | 3.28% | 2.88% | 7.98% |
70代 | 38人 | 5.55% | 0% | 4.87% | 8.70% |
20代の平均合格率は約24.34%・2番目に高い30代の平均合格率も約23.25%となるため、約4人に1人が合格している計算になります。
40代や50代以降など年齢を重ねるほど合格率は低下し、60代では10%を切る状態です。
ただし40代や50代以降の人も合格している人はいるので、年齢問わず中小企業診断士の資格取得は狙えると考えましょう。
中小企業診断士を受験した人たちの職業の中で1番合格率が高いのは政府系金融機関勤務
中小企業診断士を受験した人たちの職業の中で、1番合格率が高いのは「政府系金融機関勤務」です。
職業別の中小企業診断士試験の合格率・平均受験者数は、表を確認してみましょう。
平均受験者数 | 令和4年度合格率 | 令和3年度合格率 | 令和2年度合格率 | 令和元年合格率 | |
---|---|---|---|---|---|
経営コンサルタント自営業 | 97人 | 12.72% | 12.06% | 13.68% | 10.29% |
税理士・公認会計士等自営業 | 265人 | 16.90% | 17.94% | 15.51% | 16.23% |
その他自営業 | 169人 | 16.08% | 16.30% | 15.78% | 12.06% |
経営コンサルタント事業所等勤務 | 216人 | 17.03% | 21.31% | 26.19% | 19.64% |
民間企業勤務 | 4,975人 | 18.74% | 17.54% | 16.55% | 18.12% |
政府系金融機関勤務 | 148人 | 19.27% | 19.76% | 26.89% | 18.80% |
政府系以外の金融機関勤務 | 749人 | 20.35% | 18.55% | 19.30% | 16.18% |
中小企業支援機関 | 123人 | 12.90% | 19.01% | 13.79% | 13.51% |
独立法人・公益法人等勤務 | 103人 | 17.54% | 16.12% | 13.54% | 21.52% |
公務員 | 300人 | 17.45% | 19.40% | 15.23% | 27.10% |
研究・教育 | 34人 | 13.51% | 24.39% | 3.12% | 24.14% |
学生 | 128人 | 16.26% | 21.30% | 18.86% | 14.86% |
その他(無職を含む) | 573人 | 10.04% | 10.73% | 10.59% | 14.10% |
1番高い政府系金融機関勤務の人の平均合格率は約21.18%、2番目に高い経営コンサルタント事務所等勤務の人は21.04%でした。
政府系金融機関や経営コンサルタント事務所関係等勤務は、約5人に1人の割合が合格している計算です。
合格率が高い職種は中小企業診断士試験の範囲でもある経営や制作・運営管理などに携わる機会が多いため、事前知識があり学習をスムーズに進めやすいと考えられます。
専門知識があるほど合格率が高まるので、入念に試験勉強を行ってください。
中小企業診断士の資格取得を目指す際の勉強時間
中小企業診断士の試験科目別勉強時間の目安を、以下の表にまとめました。
試験科目 | 勉強時間の目安 |
---|---|
経済学・経済政策 | 100時間 |
財務・会計 | 180時間 |
企業経営理論 | 150時間 |
運営管理(オペレーション・マネジメント) | 150時間 |
経営法務 | 80時間 |
経営情報システム | 80時間 |
中小企業経営・中小企業政策 | 60時間 |
スタディングによると、中小企業診断士の勉強時間の目安は800~1,000時間とされています。
※参照:スタディング「中小企業診断士講座」
なかでも試験科目の財務・会計は経営資金に関する計算問題が出題されるため、180時間程度の勉強が必要です。
さらに企業経営理論や運営管理は150時間程度の勉強時間が必要なので、優先して勉強時間を割きましょう。
人によって得意・不得意が異なるので、勉強スケジュールを調整しながら資格取得を目指してください。
難易度の高い中小企業診断士の合格を目指すための勉強法
中小企業診断士の資格取得を目指したい人におすすめの勉強法は、全部で4つあります。
【難易度の高い中小企業診断士の合格を目指すための勉強法】
それぞれの勉強法について解説するので、これから試験勉強を始める人は確認してみましょう。
基礎を重点的に覚える
中小企業診断士の試験合格を目指す場合は、専門用語・知識などの基礎知識を身につけられる勉強をしましょう。
同試験で出題される企業経営理論・中小企業政策・経済政策などの試験では、日常生活では聞き馴染みのない専門用語が多く登場します。
基礎知識がないとテキストや問題を読んでいても内容の理解が難しいうえに、2次試験の口述試験で苦戦する可能性も高いです。
内容の理解を高めるためにも、専門用語・知識などの基礎を重点的に覚えていくことが大切です。
直近5年分の過去問を解く
難易度の高い中小企業診断士のおすすめ勉強法は、直近5年分の過去問を解くことです。
過去問は実際に中小企業診断士試験で出題された問題になるため、試験問題の雰囲気をつかめます。
ただし古い情報は本番の試験に役立たないので、過去問は5年以内に限定してください。
中小企業診断士の公式サイトでは、平成19年度から令和5年度までの第一次試験の過去問が公開されています。
試験問題の雰囲気をつかみ類似問題にも対応できるように、直近5年分の過去問は解きましょう。
60%の合格基準に達するように勉強する
中小企業診断士を勉強するときは、60%の合格基準に達するための学習がおすすめです。
同試験の合格基準は1科目60%以上が基準となっているため、4割の問題は解けなくても合格できます。
※参照:中小企業庁
一から十まで覚えるのに越したことがありませんが、すべての内容を理解するには膨大な時間がかかるでしょう。
さらに満点合格を狙って勉強を進めると、試験日までに学習が間に合わない可能性があります。
すべての内容を覚えようとせず、難易度が高い問題や過去問で出題されていない分野は後回しで学習を進めてください。
口述試験のシミュレーションをする
中小企業診断士の勉強法として、口述試験のシミュレーションをしておきましょう。
中小企業診断士の口述試験は面接官が2~3人いる状態で実施されるため、緊張してしまう人も少なくありません。
緊張した状態で口述試験に挑むと雰囲気に飲み込まれてしまいやすく、頭に入れていた内容を忘れてしまう可能性があります。
アガルートアカデミーによると口述試験は筆記試験の事例をもとに出題されるため、おさらいをしておくと落ち着いて対処できるでしょう。(※1)
※1参照:アガルートアカデミー
試験会場の雰囲気にのまれないためにも、中小企業診断士の勉強として口述試験のシミュレーションをしてください。
中小企業診断士の難易度は他の国家資格と比較すると低い?
他の似ている国家資格と比較しても、中小企業診断士だけが合格率が低いわけではありません。
中小企業診断士と似ている他の国家資格は、表を確認してみてください。
令和4年度合格率 | 中小企業診断士と似ている部分 | |
---|---|---|
中小企業診断士 | 18.7% | ー |
公認会計士 | 7.7% | ・財務・会計 ・経営学・経済政策 |
税理士 | 18.8% | ・財務・会計 |
不動産鑑定士 | 16.4% | ・経営学・経営政策 |
応用情報技術者 | 24.3% | ・経営情報システム |
税理士や不動産鑑定士は、中小企業診断士同様約5人に1人の割合でしか合格できない資格です。
中小企業診断士と似ている国家資格の公認会計士はさらに合格率が低く、約10人に1人の割合でしか合格できていない状況になります。
難易度が高いのは中小企業診断士だけではないので、モチベーションを高く持って試験に挑みましょう。
難易度の高い中小企業診断士の資格取得後の就職先やキャリアアップ
中小企業診断士の資格を取得したあとの就職先・キャリアアップは、全部で3つあげられます。
それぞれの就職先・キャリアについて解説するので、参考にしてみてください。
金融機関
中小企業診断士資格取得後の就職先は、金融機関があげられます。
金融機関は法人に融資する際に返済能力があるのか財務状況や経営状況を分析するため、正しい分析力が必要です。
中小企業診断士は財務・会計や経営政策など、融資をする際に必要な知識が身につきます。
融資業務に必要な知識を身に付けている人材として評価されるため、中小企業診断士の資格取得後の就職先として金融機関も視野に入れてみてください。
コンサルティング会社
コンサルティング会社は、中小企業診断士の資格取得後にあげられる就職先です。
中小企業診断士はコンサルティング会社で働く際に必要な、経営政策や運営管理・経済学などを学びます。
同資格を取得しているとコンサルティング業に必要な基礎知識を持っていると判断されるため、採用面接で評価される可能性があるでしょう。
難易度が高い中小企業診断士の資格取得ができた後は、コンサルティング会社への就職も検討してみてください。
その他一般企業
中小企業診断士の資格取得後の就職先では、金融機関やコンサルティング会社以外の一般企業もあげられます。
中小企業診断士は資格の中でも高難度に位置付けられるため、目標に向けて努力できる人物と評価を得られるでしょう。
さらに経営戦略や財務会計など、企業を運営するうえで重要な経営者目線に立って物事を考えられる人物と評価される可能性もあります。
優秀な人物と評価してもらえる可能性があるので、中小企業診断士の資格取得を検討してみてください。
中小企業診断士の難易度に関するよくある質問
中小企業診断士の難易度に関するよくある質問は、4つあります。
それぞれの質問について解答しているので、気になる悩みがある人はチェックしてみてください。
中小企業診断士は英語力も必要と聞いたのですがなぜですか?
スタディングの見解によると、中小企業診断士に英語力が必要な理由はグローバル化による影響といわれています。
※参照:スタディング
楽天のように日系企業で公用語を英語にしている会社もあるため、英語力が身についていると中小企業診断士としての活躍の場を広げられるでしょう。
英語力以外にも中国語など他の言語を話せるようになると、仕事の幅・量が増える可能性があります。
中小企業診断士として活躍の幅を広げたい場合は、英語や中国語など語学習得も検討してみてください。
中小企業診断士の難易度・偏差値目安はいくらですか?
アガルートアカデミーによると、中小企業診断士の難易度を偏差値に当てはめると大体62相当です。
偏差値62は、明治大学・青山学院大学・中央大学などと同じぐらいだと考えるとわかりやすいでしょう。
※参照:アガルートアカデミー
しかし中小企業診断士試験は大学試験などのように偏差値として表すのは難しく、あくまでも目安の数値になります。
偏差値は参考程度に確認し、入念に試験対策をしながら勉強を始めてみてください。
中小企業診断士の資格があっても無意味って聞いたのですが本当ですか?
結論として中小企業診断士の資格取得は、無意味ではありません。
同資格が無意味だといわれている理由は、他の国家資格と比べて独占業務がなかったり資格がなくてもコンサルタント業務に従事できたりするためです。
しかし中小企業診断士の資格を取得していると、あらゆる観点からの分析・コンサルティングができると判断してもらえるため仕事の幅や量を広げられるでしょう。
中小企業診断士の資格は企業の財務状況などを分析をする知識を持っている証になるため、実績がないときも評価してもらいやすいです。
中小企業診断士の2次試験は受かる気がしないのですがどのように対策したらいいですか?
中小企業診断士の2次試験対策の筆記試験は、満点合格を意識せず60点合格を意識しながら解きましょう。
筆記試験の出題形式は記述式となっていて、さまざまな事例を把握して解答しなければなりません。
満点合格を狙って1問ずつ解答していると、時間制限がきて最後まで解けない状態になる可能性もあります。
過去問などの解答例を参考にして、解答手順や定型句・言葉のバリエーションを増やしておくと時間をかけずに解けるでしょう。
また試験当日は、面接官2人~3人いる中で進められるので、緊張から内容が忘れてしまわないように練習してください。
中小企業診断士試験は難易度が高いので入念に対策しよう!
中小企業診断士試験は、合格率が約18.7%と約5人に1人しか受からない難易度が高い資格です。
※参照:中小企業診断協会「令和4年度 第2次試験結果」
難関資格を合格するためには、1次試験と2次試験どちらの対策も重要になります。
難易度の高い中小企業診断士の合格を目指すために、おすすめの勉強法を試してみましょう。
【中小企業診断士の合格を目指すための勉強法】
さらに効率良く中小企業診断士の試験合格を目指したい場合は、通信講座の活用をおすすめします。
通信講座は講師が重要ポイントを指導してくれるため、初学者の人でもわかりやすいでしょう。
中小企業診断士の試験合格を目指している人は、通信講座もぜひチェックしてみてください。