ICT教材とは?特徴や種類・メリットをわかりやすく解説

2022/08/23(火)

ICT

コロナ禍で休校中、ICT教材を使った授業方法を模索・研究する学校もありました。GIGAスクール構想を受けて生徒用ICT機器が導入された学校も増えつつあります。ICT教材の種類や活用法について知りたい人もいるのではないでしょうか。

この記事ではICT教材の特徴や種類を分かりやすく解説します。ICT教材の導入で得られるメリットやコロナ禍での活用法も紹介するので、ICT教材について詳しく知りたい人は必見です。

ICT教材とは?通常の教材にはない特徴を解説

ICT教材には、今までの教材とは違う特徴が多く含まれています。ここでは主な特徴2つを分かりやすく解説します。

ICT教材とはインターネットの通信技術を活用した教材のこと

ICT教材とは、インターネットを活用した教材のことです。紙媒体ではなく、タブレットやパソコンを使用した学習を行います。リアルタイムでの授業やデジタル教材での問題練習など、多様な学習活動を行えるのが特徴です。

書き込み・音声・映像を活用して学習できる

ICT教材導入により、タブレットへの書き込みや音声・映像教材を見て学習できるようになります。これは紙媒体にはない大きな特徴です。

例えば、教科書の関連動画が見れます。タブレットに直接書き込んだり、英語の発音などの音声を聞いたりすることも可能です。文字だけでは補えない情報を得られ、学びを深められるのも特徴です。

ICT教材の種類は指導の目的別で分かれている

ICT教材を効果的に使うため、指導目的に応じた教材の利用が大切です。ここでは、指導目的別に具体例を交えて解説します。

1.一斉学習

ICT教材は一斉学習にも使用される学習方法です。教師が全体指導で使う場合と、授業中の個別指導に活用する場合に分けて説明します。

<一斉学習のためのICT教材の例>
一斉学習のICT教材には、指導者用デジタル教科書を使う場合があります。教材などを電子黒板に写し、教師が全体に向けて指導するときに使います。写真・動画を見せたいときや、音声を聞かせたいときに使われることが多いです。
一斉学習中に学習者用デジタル教材を使う場合もあります。例えば、問題の解き方を考えるために個人のタブレット上でシミュレーションを行う場合などです。画面上で試行錯誤し答えを探すので、考える力が身に付きます。

2.個別学習

ICT教材は個別学習と相性の良いシステムです。一人ひとりの能力に合わせて学習でき、家庭や塾などでも活用できます。

<個別学習のためのICT教材の例>
授業中の個別学習の例として、インターネットを利用した調べ学習があります。調べる活動の多い総合的な学習の時間などでの活用場面が多いです。AI技術が使われたデジタル教材の活用も個別学習に向いています。間違いの傾向を分析し個人の能力に合った問題を提供できます。音声認識を使えば、英語の発音チェックも可能です。

3.協働学習

ICT教材を使った協働学習で生徒の学びを深めあうことができます。協働学習とは、生徒が主体となり、話し合いをしながら問題解決に向かう方法で、アクティブラーニングの一つとして注目されています。
学習指導要領にある「主体的・対話的で深い学びの実現に向けた授業改善」に関連する学習形態の一つです。

<協働学習のためのICT教材の例>
協働学習では、学習者用デジタル教材を活用した話し合いで活用できます。タブレットに書き込みながらグループ全体の考えをまとめたり、結果を電子黒板に投影し全体発表に使ったりできます。

また、ICT教材の活用で学校の壁を越えた協働学習も可能です。例えば、外部講師の授業を受け、より専門的な学習をする機会を持てます。姉妹校など外国の学校と交流したりする活動もできます。

ICT教材を使用した学習のメリットは?

ICT教材の活用は、教師・生徒にメリットがあります。ICT教材のメリットを教師と生徒に分けて解説します。

教育者にとってのICT教材のメリット

ICT教材の導入により、教育者側にも大きなメリットが得られます。ここでは、主なメリット3つを項目別に解説します。

人件費の削減につながる

ICT教材の導入で人件費の削減につながります。人が行っていた部分をICTで補うため、少ない人手で済むためです。
紙媒体での学習準備は時間と人手のかかる部分です。現在、資料印刷や丸付けを行うスクールサポートスタッフ を導入する教育委員会もあります。ICT教材を使えば電子黒板やタブレットに画像を写せるので、資料印刷の手間が省けます。
仕事量が減るので人を増やす必要がなくなり、雇うための費用も減らせるのです。

教員や塾講師の負担を減らせる

ICT教材で教員や塾講師の負担を減らす効果が期待できます。授業や問題作成・丸付けなどの時間を短縮できるためです。
講師の授業動画を活用すれば、教材研究の手間が省けます。より本格的な知識を提供できるメリットもあるでしょう。人工知能を利用したAIドリル導入では、生徒の苦手分野を分析し効率よく問題を練習することも可能です。

生徒一人ひとりに合わせた指導ができる

ICT教材は生徒一人ひとりに合わせた指導を可能にします。これにより、従来の指導ではこぼれてしまう生徒の学力向上にもつながります。一斉授業でも机間巡視で個別指導を行えますが、クラス全員に行うのは難しいでしょう。その点、ICT教材で一人ひとりのつまずきを分析することが可能です。AIを使ったデジタル教材なら、苦手分野だけに絞った問題練習もできます。苦手な部分が底上げされるので、学力アップが図れます。

学習者にとってのICT教材のメリット

ICT教材の活用は学習者にとってたくさんのメリットがあります。ここでは、主なメリット3つについて解説します。

自分のペースに合わせて学習できる

ICT教材の使用で、生徒のペースで学習できるのが大きなメリットです。紙媒体での一斉指導では限られた時間で授業を進めなければなりません。そのため、理解に時間がかかる生徒を取りこぼしてしまう問題点がありました。
学習者用デジタル教材なら、理解できている部分は時間をかけずに進めたり、逆に苦手な部分は反復して学習したりできます。教師がいない場所でも、理解するまで学べることは紙媒体にない強みです。

実際の映像やネイティブの発音を見聞きできる

映像や英語の発音を確認できるのも、ICT教材を使うメリットです。例えば、英語学習では、発音や口の形・ジェスチャーを知るのが大切です。学習者用デジタル教材の動画再生機能で、ネイティブの発音や動作確認に役立ちます。

場所や時間を選ばずに学習できる

ICT教材は学校以外での学習にも活用できます。学習者用デジタル教材で個別学習も可能なうえに、インターネット回線を使えばオンライン授業への参加もできます。場所や時間を気にせず、学習したいタイミングで勉強できるのもメリットの一つです。

コロナ禍ではICT教材はどう活用されている?

コロナ禍での休校中、ICT教材を活用し教育活動を行った学校もありました。どのように活用されたのか、主な例を3つ紹介します。

自宅で学校にいるときのように授業を受ける

休校中でもICT機器を使い、自宅で授業を受けられる工夫がされました。インターネットを使った授業など、さまざまな取り組みが行われたのです。

会議アプリなどのツールを使えば、顔を見ながら授業を受けられます。リアルタイムでやり取りしながら授業を進めるため、教室に近い雰囲気です。授業動画を作成・配信し、平等に授業が受けられるように工夫した学校もあります。

宿題プリントの代わりとしてICT教材の問題を解く

宿題プリントを配布する代わりに、ICT教材で自主学習を行うケースも見られました。
デジタル教材のシステムを使い、オンラインでの宿題配信が行われたのです。回収や採点・分析まで行えるので、生徒の学力定着度も調べられます。宿題提出はオンラインで行え、登校しなくて済む点もコロナ禍では効果的でした。

-塾や自宅での自習としてICT教材で学習する

ICT教材があれば、外出できない時期でも、学校や塾の課題を自主学習できます。

コロナ禍では学校だけではなく、塾でもICT教材が活用されるようになりました。塾の中には、オンラインで授業提供を行うようになったケースもあります。 AIを使い、専用問題を作成できる機能などを活用し、自主学習できる環境を整えたのです。
授業が受けられなくても自主学習ができれば、学力を維持できます。ICT教材は自主学習でも効果を発揮したのです。

まとめ

ICT教材はインターネットを活用した新たな学習支援方法です。教師の負担を軽減し、生徒の能力に合わせた課題を与えられます。授業中でも自宅でも活用できるのも魅力です。

デジタル教科書の本格導入により、今後ICT教材の活用機会はさらに増えていきます。教師も使いこなすために知識が必要です。ICT教材の効果的な活用について、この記事を参考に考えてみてはいかがでしょうか。

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