MEXCBTとは?特徴や利用方法・学習eポータルについても解説

2022/09/27(火)

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MEXCBT(メクビット)は、GIGAスクール構想の次段階として注目されています。教育変革の一翼を担うシステムですが、まだ普及段階のため、内容をくわしく知らない人もいるでしょう。この記事では、MEXCBTがどのようなシステムなのか分かりやすく解説します。MEXCBTの活用に欠かせない学習eポータルについても徹底解説。実際の活用事例も紹介するので、MEXCBTについて知りたい人必見です。

MEXCBT(メクビット)とは?いつから活用されている?


MEXCBTは、2020年にスタートした、これからの教育に欠かせない学習システムです。MEXCBTの概要と、いつから使われ始めたのかについてくわしく解説します。

MEXCBTとは文部科学省が開発した学習システムのこと

MEXCBTとはオンラインで利用できる学習システムを指し、文部科学省が開発しました。公的プラットフォームとして、デジタル学習の基本的仕組みを国主導で制作したものです。GIGAスクール構想により1人1台のICT端末が配布され、学校のインターネット環境も整備されています。ハード面での環境が整った上で、学校以外の場所でも学びの保証ができるソフト面の開発も行われました。MEXCBTは、教材の相互活用を目指した仕組み作りを目標としています。例えば、会社の違うデジタル教材を使っても、学習eポータルの利用で結果を一元管理する、です。MEXCBTは教育のデジタル活用を表す「教育DX」につながるシステムと考えてよいでしょう。

MEXCBTの語源「MEXT」と「CBT」それぞれの意味は?

MEXCBTは、文部科学省を表す「MEXT」とコンピュータ使用型調査を表す「CBT」を合わせた造語です。CBTは「Computer Based Testing」の略で、コンピュータを使って行われるテストを指します。世界の学力調査は筆記型テストからCBTへの移行が進行中。資格検定試験もCBT化が進んでおり、教育現場でのCBT活用が求められています。

2021年11月から全国の一部小中高校でMEXCBTの活用がスタート

MEXCBTは2021年(令和4年)11月から、一部の小・中学校で活用が始まっています。まず、学力調査などの問題を中心に約2,000問搭載し、全国数100校で実証実験が行われました。機能拡充を経て利用する学校が増加。 実際の活用状況を見ながら、今後も内容が充実していくと考えられます。

MEXCBTによって文部科学が目指すのは利便性の向上

文部科学省がMEXCBTを導入・活用することで目指すのは利便性の向上です。デジタル教材などを連携させる学習eポータルを活用し、利便性を上げていく目的があります。文部科学省は、さまざまな教材の連携を目指しています。生徒の実態に合った教材を使って自由に学習できるように、窓口的な役割をするのが学習eポータルです。文部科学省が作った学習システムの標準規格を作り、企業が作成した学習eポータルや教材なども活用していく狙いもあります。

MEXCBTの特徴を解説


MEXCBTを教育現場に取り入れるに参考となる特徴をご紹介します。

場所を問わずにアクセスが可能

MEXCBTを使えば、どんな場所からでもアクセス可能です。オンラインで活用できるため、インターネットと端末があれば学校以外でも利用できます。MEXCBTは国際基準に基づくシステムとして開発されました。問題バンクをオンラインで利用できるため、学校以外の場所でも個人に合った学習が可能。MEXCBTの活用で、感染症や自然災害などで突然休校になってもオンラインで利用できます。

国や地方自治体独自の問題が格納

国や地方自治体独自の問題が搭載されており、生徒に合った問題を選んだり制作できることが期待されています。。利用できる問題は、国が行う学力調査や自治体独自の学力調査など公的機関が制作したものです。動画などを使った問題も格納されており、CBTならではの利点といえます。

自動採点による結果の即時閲覧が可能

解いた問題はその場で自動採点されるので、すぐに結果を見ることができます。自動採点で結果がすぐに分かるので、問題を忘れないうちに解き直しが可能です。これにより、採点に時間を要する紙媒体の欠点を補えます。なお、過去問題との成績比較やクラス成績一覧などは学習eポータルを利用して確認となる見込みです。

MEXCBTの利用方法は?無料で利用可能?


MEXCBTの問題利用に料金はかかりません。学校が教育委員会を通して利用申し込みを行えば、オンライン上で学習できるようになります。ただし、シングルサインインなどの独自機能は費用が発生する場合もあります。

MEXCBTの活用には学習eポータルも必要


MEXCBTと一緒に利用する学習eポータルとは、どのような機能を持つのでしょうか。役割やリリースされている種類についてくわしく解説します。

学習eポータルの役割は3つ

学習eポータルの役割は「アクセス機能」「結果の可視化機能」「ハブ機能」の3つです。どのような機能なのか具体的に解説します。

1.MEXCBTへのアクセス機能

学習eポータルから簡単に接続できる機能です。蓄積された問題から学習に適した課題を生徒に出題できます。問題バンクに格納されている膨大な問題から、授業中の限られた時間で選ぶのは困難です。教師が事前に課題を選んで出題すると、学習eポータルから提示された課題を選べるようになります。

2.各種学習ツールを一覧で可視化する機能

使用中のさまざまな学習ツールを一覧に表示する可視化機能も学習eポータルの役割です。学習eポータルを使えば、各種教材へのアクセスが簡略化されます。教材が一括管理されているため、アプリなどを探す手間がかかりません。誰にでも直感的に使えるのが利点です。

3.連携のハブとしての機能

学習eポータルは、教材などを連携する役割も果たします。学習eポータルにログインすると、他の教材にも簡単にアクセスできる仕組みです。従来、デジタル教材を導入している学校では適切なIDやパスワードの管理が課題でした。様々な教材のIDやパスワードが違うため、生徒も教師も混乱する場面があったのです。そこで活用できるのがシングルサインイン機能です。各社の教材と連携しているため、学習eポータルへログインするだけで他の教材にも素早くアクセス可能。IDやパスワード管理の手間が減るメリットがあるのです。

現在リリースされている学習eポータルは4種類

学習eポータルは2021年時点で、4社からリリースされています。
・内田洋行「L-Gate」
・NTTコミュニケーションズ「まなびポケット」
・スタディプラス「Studyplus for School」
・日本電気株式会社(NEC)「OPE」
※実証用の学習 e ポータルも無償で利用可能文部科学省がMEXCBTに学習eポータルを持たせなかったのは、企業などの開発競争を促し、より良いシステム作りにつなげる狙いがあるものと考えられます。文部科学省が示した基本機能に加え、利便性の向上を目指し各社オリジナル機能を追加しています。今後は、企業や自治体など学習eポータルへの参入がさらに増える見込みです。使いたいデジタル教材との連携を考え、どの学習eポータルが良いか選択する時代になるでしょう。

MEXCBTと学習eポータルが完結していない理由

MEXCBTと学習eポータルをあえて分けているのは、自治体や学校へ教材選択の裁量権を与えていると推測されます。生徒の現状に合った教材を自由に選び学習eポータルと連携させることができれば、個人に合った指導が実現します。また、学習eポータルを企業に任せることで競争が生まれ、より良いシステム開発につなげる狙いも考えられます。MEXCBTと学習eポータルを分けることで、利便性がアップすると考えたのでしょう。

MEXCBTの実用化

令和2年度から試行されたMEXCBTですが、今後どのような変化を遂げるのでしょうか。MEXCBTの開発についての振り返りと、今後の動向を解説します。

これまで:プロトタイプ版と機能拡充版の開発

令和2年度にMEXCBTのプロトタイプ版が開発されました。当時の問題数は約2,000問で、数百校で実証実験が行われました。この結果をもとに、令和3年度には問題数を約2万5,000問に拡大。希望する小・中高校などで順次活用が開始されています。

これから:新たな機能の追加

MEXCBTには今後新たな機能が追加されるでしょう。現時点では、問題検索方法を増やしたり、記述式問題を教師が採点できるシステムを拡充したりする予定です。自治体や学校などで作成した問題の追加も見込まれます。

MEXCBTの活用事例はこれから

MEXCBTのどこでも使える特徴を利用し、家庭学習や長期休みに活用する学校が多い都も考えられます。実証に参加した学校では、授業中の問題練習や自習時間での活用も報告されています。また、問題印刷の手間がかからないので教師の働き方改革につながっているメリットも。全国学力学習状況調査や英語検定などの過去問にも取り組み、学ぶ力が身についたと感じている学校もありました。高知県では、自治体での学習eポータル開発に乗り出しました。 MEXCBTとAI×アダプティブ学習機能を特徴とした「すらら」を取り入れ、スタディログを活用し個別学習の充実を図っています。

まとめ

MEXCBTはオンラインで学習できるシステムで、世界的な教育のCBT化を意識して作られました。学校以外での学習に使え紙教材にはない「CBTならでは」の問題も搭載し、幅広く活用できるのが特徴です。MEXCBTは学習 e ポータルと組み合わせることで利便性が広がります。今後はさらなる機能の追加が行われるでしょう。この記事を参考に、MEXCBTを活用できるように導入の準備をしておきましょう。

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