「レジリエンスとは一体何のこと?」「レジリエンスってどうやって鍛えるの?」
近年よく耳にします。レジリエンスとはどのような意味なのか、どのように鍛えるのかについて解説していきます。レジリエンスが高い人や低い人の特徴や効果についても説明します。この記事を読みレジリエンスについて理解が深まれば幸いです。
レジリエンスとは?言葉の意味や間違えやすい用語を解説
レジリエンスとは心理学用語の一つです。レジリエンスの概要と、間違えやすい用語について詳しく解説します。
レジリエンスとは心理学用語のこと
レジリエンスは、ストレスに対する「回復力」を指す心理学用語です。同じストレスの要因を受けても、レジリエンスが高い人と低い人とでは反応が異なります。例えば、テストで低い点数をとった際に、レジリエンスが高い人は比較的すぐに立ち直り、努力し続けられます。一方、レジリエンスが低い人は心がくじけてやる気を無くしやすい傾向にあります。
レジリエンスを理解するのにかかせない「危険因子」「保護因子」について
レジリエンスを理解するためには「危険因子」と「保護因子」という用語を理解する必要があります。
ストレス源となる「危険因子」
危険因子とは、ストレス源となるもののことです。
例えば、災害・病気・険悪な家庭環境・人間関係のトラブルなど、安易に避けられないものを指します。レジリエンスを高めることで、危険因子にも対応できるようになります。
立ち直りを促進する「保護因子」
保護因子とは、立ち直りを促進するためのものです。例えば、友人や恋人などの相談相手・良好な人間関係などが挙げられます。保護因子が多いほど、レジリエンスが高まります。
レジリエンスと間違えやすい用語集
レジリエンスと意味を間違えやすい用語として、以下が挙げられます。
・メンタルヘルス
・ストレス耐性
・ハーディネス(頑強性)
メンタルヘルスは、ストレスを和らげるサポートのことです。レジリエンスが「回復力」と表せるのに対し、メンタルヘルスは「回復」と表せます。
ストレス耐性は、どれだけストレスに耐えられるかのことです。ストレス耐性が高いほど、ストレスに我慢できます。
ハーディネス(頑強性)は、ストレスに対して跳ね返す力のことです。ハーディネスが高くても、いざストレスに負けると立ち直ることは困難です。一方、レジリエンスはストレスを受け止められます。
レジリエンスを構成する3つの因子
レジリエンスは3つの因子(要素)から構成されています。
・新奇性追求
・感情調整
・肯定的な未来志向
構成因子①新奇性追求
新奇性追求とは、様々な物事への興味関心のことを言います。
何事にも興味関心を持ち、新しい活動に挑戦しようとする気持ちとも捉えられます。
構成因子②感情調整
感情調整とは、感情をコントロールすることです。
特に、「悲しい」「辛い」などのネガティブな感情に対する調整を指します。
構成因子③肯定的な未来志向
肯定的な未来志向とは、将来に対する期待のことです。
漠然と期待するだけではなく、具体的に計画や目標を立て、精神的回復を図ります。
レジリエンスが高い人って?低い人の特徴も解説
子供のレジリエンスが高いか低いか気になる人も多いでしょう。ここでは、レジリエンスが高い人と低い人の特徴を解説します。子供がどちらに当てはまるのか確認してみましょう。
レジリエンスが高い人の特徴を解説
レジリエンスが高い人は、ストレスを抱えてもすぐに立ち直ることができます。レジリエンスが高い人は以下の6つです。
・考え方が柔軟
・気持ちの切り替えができる
・楽観的
・周りと良好な関係を築けられる
・挑戦を続ける
・自分の良い面を理解している
レジリエンスが高い人は、自分だけでなく周りにも良い影響を与えられます。
レジリエンスが低い人の特徴を解説
レジリエンスが低い人は、ストレスを抱えていると心が折れやすくなってしまいます。レジリエンスが低い人は以下の6つです。
・考え方が凝り固まっている
・気持ちの切り替えができない
・誰かに相談しない
・一喜一憂しやすい
・挑戦をしない
・悪い面ばかり見てしまう
これらの特徴に当てはまる方は、レジリエンスが低い傾向にあります。自身の特徴を把握し、ストレスに向き合うようにしましょう。
レジリエンスを高めることで望める効果
レジリエンスが高いと、仕事や勉強において様々なメリットが得られます。レジリエンスを高めることで、下記のような効果を望めます。
・集中力の向上
・思考力・問題解決能力の向上
・周囲に対してポジティブな働きかけ
・リスクの回避
レジリエンスを鍛える方法とポイント
学校生活や家庭の状況によってはストレスを抱えることもあるかと思いますが、レジリエンスの高さは、そうしたハードルを乗り越えるためにも有効です。またレジリエンスは鍛えることで高められます。ここでは、レジリエンスを鍛えるためのポイントを3つ解説します。指導の際の参考にしてみてください。
ポイント①ABCD理論を理解し、感情のコントロールをする
1つ目のポイントは、ABCD理論を理解し、感情のコントロールをすることです。
ABCD理論とは、感情をコントロールするために必要な要素の頭文字から付けられた名称です。
A(Activating Event):状況
B(Belief):考え方
C(Consequence):感情行動
D(Dispute):非合理的な考え方に対する反論
物事や状況は自分の考え方次第で良くも悪くも変容します。この考え方に起因して、感情や行動を引き起こすのです。一見、ネガティブな感情はその状況によって生まれると思われるでしょう。しかし、実際は状況に対する考え方がネガティブな感情を生んでいるのです。ここで重要となるのが「非合理的な考え方に対する反論」です。「非合理的な考え方に対する反論」を考えることで、凝り固まった考え方から脱することができます。そして、状況に対する適切な考え方・感情が生まれるのです。
ポイント②自分の力を信じられる自己効力感を向上させる
2つ目のポイントは、自己効力感を向上させることです。
自己効力感とは「やればできる!」といったようなポジティブな感情のことを言います。自己効力感が高い人は、自分の力を信じ、困難にも立ち向かうことが可能です。一方、自己効力感が低い人は「どうせ自分には無理だ…」とすぐに諦めてしまいます。自己効力感は成功体験を積み重ねることで高められます。ただ、いきなり大きな成功体験を得ることは難しいでしょう。そこで、小さな成功体験を積み重ねることがおすすめです。例えば、「単語1,000個覚える」という目標を持っていたとします。この時、いきなり1,000個を覚えることは困難です。そこで「1週間で100個覚える」という小さな目標を設定します。このように目標を設定することで、成功体験を重ねることができ、自己効力感を向上させられます。
ポイント③自分に価値を感じられる力、自尊感情を高める
3つ目のポイントは、自尊感情を高めることです。
自尊感情とは、自分に価値を感じられる力のことです。あなたは自分の価値や強みを問われた際、すぐに答えられますか?すぐに答えられると自尊感情が高いということになります。この際、他人と比較しないようにしましょう。自分自身の長所・短所を認めて初めて自尊感情は高まります。
子供の頃からレジリエンスを鍛えることはできる
レジリエンスは子供の頃から鍛えることができます。子供がレジリエンスを鍛えるには、学習教材「すらら」がおすすめです。ここでは、「すらら」について解説します。
「やり抜く力」を育成するのに役立つ学習教材「すらら」
すららは、一人ひとりの習熟度に合わせて進められるICT教材です。独自のAIにより一人ひとりに合った問題を提示してくれるため、「問題が全くわからない…」という事態になりにくくなっています。そのため、着実に自信を身につけられます。また、楽しく学べるゲーミフィケーション機能も搭載されています。このシステムにより、子供が楽しみながら「やり抜く力」を育成することが可能です。
生徒の進捗を確認しながらサポートができ、自己調整学習の育成が望める
すららには、学習管理機能も備わっています。学習管理機能では、生徒の目標やその達成状況、その他の学習状況を管理することが可能です。また、「何を学習するのか」「どこまで進めるのか」という学習計画を、生徒と先生どちらの画面からでも作成できます。そのため、生徒の進捗を確認しながらサポートができ、自己調整学習の育成が望めます。
まとめ
ストレスが多いこの時代、ストレスに対応する力を養うことが求められています。ストレスとともに生きていくためには、感情をコントロールすることが必要です。レジリエンスを鍛えることで、自分だけでなく周りにも良い影響を与えられます。レジリエンスは子供の頃から鍛えることが可能です。例えば、AI×アダプティブ学習「すらら」を活用すれば、生徒に「やり抜く力」を養えます。自信をつけることで、生徒自ら率先して学習をすすめるようになるでしょう。