非認知能力を測定するBig5とは?幼少期に非認知能力を高めるポイント

2023/10/26(木)

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幼少期から育みたい非認知能力ですが、その計測方法や能力を向上させるための工夫などについて不明点を持つ親御さんもいるのではないでしょうか。そこで本記事では非認知能力について解説していきます。テスト方法や子どもの非認知能力を育てる3つのポイントもまとめましたので、幼少期のお子さまを持つ親御さんはぜひご一読ください。

非認知能力とは数値では表すことが難しい8つの内面スキルのこと

幼児教育でよく耳にする「非認知能力」。非認知能力とは認知能力以外の能力を指し、数値では表すことが難しい8つの内面スキルに分けられます。ここでは8つの内面スキルについてそれぞれ解説していきます。

①自己肯定感

自信を持つことで新しい物事にチャレンジしたり、生きることの楽しさを実感したりすることは、自分の自信を高める=自己肯定感の向上につながります。さまざまな場面で「できる」「もっと頑張れる」「大丈夫」など、自己肯定感は自分をコントロールするために欠かせない内面スキルといえるでしょう。

②意欲的に取り組む力

自ら進んであらゆる経験をすることは、得られるものが大きいといえます。未経験のことや他人がやりたがらないことに対して積極的に取り組むスキルを身に付けるのは、ある程度成長した子どもにとっては負担になるかもしれません。そのため、幼少期から何事にも意欲的に取り組めるスキルを育てておけると良いでしょう。

③やり抜く力(GRIT)

物事をやり抜くために、粘り強さと忍耐力は欠かせません。GRITは生まれ持った才能や環境にかかわらず、学習や運動などに打ち込む経験を通して得た成功体験を積み重ねることで身に付けられる力です。小さな目標でもクリアしていくことで、やり抜く力が鍛えられ自分の自信につながっていくでしょう。

④感情をコントロールする力

この力は、これからさまざまな物事にチャレンジしていく上で大きな影響力を持つため、幼少期から養っていきたい力の1つです。感情をコントロールできることにより、目の前の欲求を我慢したり先延ばしにしたりして、今本当にやるべきことに取り組むことが可能になります。思い通りにいかず諦めそうになったときや、将来の目標に向けて計画的に行動するために必要な力といえるでしょう。

⑤客観的な把握力

あらゆる場面において自分を客観視できることで、問題が生じた際に的確な対応ができます。一例を挙げると、学習面で苦手な課題ができたとき、自分ができるスキルを理解しておくことで不足している部分は何か・補うために何が必要かを考え、正しく対処することが可能になります。

⑥社会適応力

学校生活や社会生活を送る上で、自分の意見を伝えたり相手の気持ちを考えて行動したりする力は必要不可欠です。 社会的能力は、子どもの頃からの他人への思いやりや、周りの大人との人間関係によって身につけられるでしょう。将来のためにコミュニケーション能力やリーダーシップを育てるために社会的能力は欠かせません。

⑦対処能力と回復力

回復力はレジリエンスとも呼ばれています。問題が生じた際に自分の成長の糧として受け入れ、そこから回復する力をレジリエンスつまり「心の弾力性」と呼びます。これから先、子どもが人間関係の悩みを抱え不登校になってしまう可能性も考えられます。しかし、対処能力とレジリエンスがあれば自分で解決できる悩みの幅が広くなるでしょう。

⑧創造力

何かをつくり上げたり工夫したりするために必要不可欠な力ともいえるでしょう。例えば、空き箱・包装紙・落ち葉・木の実といった身近な素材を使用して工作する際に「どのようなものをつくろうか」「つくるためには何が必要か」など試行錯誤する課程では創造力が欠かせません。幼少期から創造力の土台を育むことが大切です。

非認知能力を高めることで学歴や経済力に良い影響をもたらせる

幼児期に非認知能力を高めることで、学歴や経済力に良い影響を与えるといった研究結果もあります。2000年にノーベル経済学賞を受賞したジェームズ・ヘックマンの「ペリー就学前プロジェクト」によると、幼児教育を受けた子どもは40歳になった時点で社会的成功に関する指標が優れているという結果が出ました。この結果は、幼児教育を受けて認知的な能力を伸ばしたのではなく、幼児期に非認知能力を身に付けたことによるものと考えられます。

非認知能力を可視化するなら「Big5テスト」がおすすめ

数値では表すことが難しい非認知能力。比較や習得進捗を分かりやすく可視化したい場合は「Big5テスト」がおすすめです。

Big5とは性格を構成する5つの要素のこと

Big5(ビッグファイブ)とは、人間の性格を構成する5つの要素を指します。Big5によると個人の性格は以下の5つの要素によって分類できます。

1.Openness(開放性)
2.Conscientiousness(誠実性)
3.Extraversion(外向性)
4.Agreauleness(協調性)
5.Neuroticism(神経症的傾向)

この5つの要素は個人によって異なるため、それぞれの性格の違いや振る舞いに違いが出ると考えられます。

非認知能力はBig5で測定できる

以下のBig5を基準にさまざまな質問に回答することで、各個人の非認知能力を測定できます。

非認知能力を高めるには幼少期から育むのが理想的

非認知能力を高めるためには、以下のように幼少期から脳の成長に合わせて段階的に育んでいくのが理想的だと考えられます。
①0~5歳
規則正しい生活や運動を通して健康的な身体をつくり、生きるための脳を育てる
②6~14歳
勉強・運動・ルールのある難しい遊びなどを通して知性を伸ばす活動に取り組み、人間らしさの脳を育てる
③10~18歳
感情のコントロールや他人に対する思いやりを身に付け、社会の脳を育てる

このように年齢に応じてステップアップしていくのが理想的ですが、どこかの段階で不足してしまった場合は、何歳でもさかのぼってやり直し非認知能力を育むことが可能です。

子どもの非認知能力を育てる3つのポイント

子どもの非認知能力はどのように育てるのでしょうか。ここからは非認知能力を育む3つのポイントを解説します。

①「自分で考える力」を発揮できる遊びを取り入れる

例えば「ごっこ遊び」の場合、まずは各々の役を決めてから役割分担を決めます。よくイメージして、役になりきるためにはどのようにしたら良いか具体的に考えます。その際、想像力・表現力も鍛えられることに加えて、友人と役割を相談し調整することで交渉力や柔軟性も身に付きます。また、友人と協力して1つの物語をつくり上げる際に協調性も育まれるでしょう。
このように自分で考えることにより、遊びを通して非認知能力を伸ばすことにつながります。

②大人の考えを押し付けず自由に取り組ませる

大人が非認知能力を伸ばそうと意識しすぎた場合、必要以上に関わってしまったり、子どものやりたいことを遮断してしまったりする可能性があるため注意が必要です。子どもが興味を持った際は、気の向くままに好きなことをさせてあげましょう。大人から見た子どもの遊びでは、子どもにしか分からない「何らかの思考」が育まれているはずです。非認知能力とは長い時間をかけてじっくりと育んでいくもののため、子どもの意思を尊重し自由に遊ばせ見守ることも大切です。

③友達や家族など周囲との関わりを持たせる

幼少期は長い時間を家族と過ごしますが、登園・登校することで多くの友達や大人と幅広く触れ合う機会が増えていきます。自分でつくった作品を友達に見せたり、協力して作品をつくり上げたりと、他者との関わりの中で学ぶことは実に多いといえます。一方で、意見がぶつかったときには交渉したり、失敗したときには取り返す工夫をしたりして、生活していく上で自然に非認知能力を鍛えられるでしょう。

まとめ

学歴や経済力に良い影響をもたらす非認知能力は、子どもの脳の成長に合わせて段階的に育んでいくのが理想的です。子どもの将来のためには、まずは親御さんがBig5や非認知能力を十分理解した上で、育むポイントを普段の生活や遊びに取り入れていきましょう。

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