高校生向けのSPI対策方法は?出題内容や社会人向けとの違いも紹介

2025/08/25(月)

進路・キャリア教育

SPIは就職活動で多くの企業が採用する適性検査です。高校生向けのSPI-Hから、大学生向けのSPI-U、社会人向けのSPI-Gまで、さまざまな種類があります。本記事では、特に高校生向けのSPI対策に焦点を当て、その特徴や効果的な勉強法を紹介します。普段の授業で学ぶ国語や数学の知識を生かせる一方で、独特の出題形式に戸惑う生徒も多いため、早めの準備が必要です。記事を読むと、高校生に必要な勉強時間の目安や効率的な学習方法が分かるようになるでしょう。

SPIとは?高校生向けの検査はある?


SPIは就職試験でよく使われる適性検査のことです。近年では高校生向けのSPI-H、大学生向けのSPI-U、社会人向けのSPI-Gなど、受検者の経験や学習段階に応じてさまざまな種類が用意されています。

SPI-H(高校生向け)

SPI-Hは、高校生の就職活動で実施される適性検査です。高校での学習内容を基準につくられているため、大学生向けのSPIと比べて無理のない難易度に設定されています。内容は性格検査と基礎能力検査の2つの分野で構成され、検査時間も受検者の負担を考慮して適切な長さになっています。基礎能力検査で確認されるのは、国語や数学の基本的な力です。問題の形式は学校の定期試験とは異なりますが、普段の授業で学んでいる内容がもとになっているので、日頃の学習をしっかり行っていれば十分に対応できる内容です。一方、性格検査では職場での適性を見るため、生徒の性格や考え方を多角的に評価します。対策を始める時期は、就職活動が本格化する3年生になってからがよいでしょう。

SPI-U(大学生向け)

SPI-Uは、就職活動で一般的に使用される適性検査です。主に大学生が受検しますが、専門学校生や短大生、大学院生も広く受検する機会があります。多くの企業が新卒採用でこの形式を採用しています。出題内容は大きく分けて2つです。1つは性格や考え方を見る性格検査、もう1つは基礎学力を確認する能力検査です。他には、英語の実力を測る英語能力検査や、図表を読み解く構造的把握力検査なども含まれています。就職活動で実施される適性検査の中では比較的取り組みやすい部類に入りますが、油断は禁物です。ポイントは、計画的に学習を進めることです。早めの対策を心がけることで、自信を持って検査に臨めるでしょう。

SPI-G(社会人向け)

SPI-Gは、主に社会人のキャリア採用(中途採用)で使用される適性検査です。基本的な構成は性格検査と基礎能力検査の2本立てですが、大学生向けのSPI-Uとは少し異なる特徴があります。最も大きな違いは、「地図」と「方角」に関する問題が含まれていることです。実務経験のある社会人ならではの出題といえるでしょう。また、企業によっては英語力を測る検査が追加されることもあるため、受検の際は事前に出題範囲を確認しておきましょう。近年では、SPI-Gの活用範囲が広がっています。一部の企業では新卒採用でも導入されているほか、契約社員から正社員への登用試験としても使われることがあります。

高校生向けSPIの検査内容


高校生向けのSPIは、大きく分けて2種類の検査があります。1つは受検者の性格や考え方を見る性格検査、もう1つは基礎学力を確認する能力検査です。それぞれの検査で何が問われるのか、具体的に見ていきましょう。

性格検査

性格検査は、受検者の性格やものの考え方を総合的に判断するための検査です。企業が重視するのは、以下のような点です。

・組織への適応力
・協調性
・仕事に対する姿勢など

具体的には、日常生活での行動パターンや判断基準、人との関わり方などについて質問が行われます。例えば、「グループ活動で自分はどんな役割を担うことが多いか」「困っている人を見かけたらどうするか」といった質問に答えていきます。ここで大切なのは、正直に回答することです。自分をよく見せようとして、理想的な答えを選ぶのは逆効果になります。検査には、矛盾した回答を見抜くための仕組みが組み込まれているためです。ありのままの自分を示すことで、企業との相性が正確に判断できます。結果的に、就職後のミスマッチを防ぐことにもつながるでしょう。

能力検査

能力検査では、受検者の基礎学力を総合的に評価します。大きく分けて、言語分野と非言語分野の2つがあります。言語分野は国語力、非言語分野は数学的な思考力を見るものです。出題内容は高校での学習内容がベースになっているので、普段の勉強をしっかりしていれば十分に対応できます。ただし、限られた時間で正確に回答する必要があるため、演習を重ねて解き方に慣れておくことをおすすめします。基礎力を測る試験とはいえ、時間配分も重要なポイントです。「時間さえあったら回答できたのに」と、生徒に後悔させないようにしましょう。注目すべきは、企業によって実施方法が異なることです。性格検査と能力検査をセットで行う一般的なSPI-Hに対し、能力検査だけを実施する企業もあります。この場合、テストの名称はSPI-HではなくGAT-Hです。

高校生向けSPIの出題内容


高校生向けSPIの出題内容は、主に言語と非言語の2分野から構成されています。以下で、2つの分野の出題内容を見ていきましょう。

言語

SPIの言語分野は、30分で55問に回答する形式です。出題内容は多岐にわたり、語句に関する問題と長文読解問題がほぼ半々の割合で出題されます。具体的な出題内容は下記の通りです。

・二語の関係
・語句の意味
・熟語の成り立ち
・文節の並び替え
・空欄補充 など

上記の問題は、受検者の語彙力や文章理解力を測ることが目的です。長文読解では、文章の要点を素早く把握する能力が問われます。制限時間内に多くの問題を解く必要があるため、時間配分を意識しながら回答する練習が重要です。

非言語

SPIの非言語分野は、数的処理能力や論理的思考力を測る重要な部分です。40分間で40問の問題に取り組みます。出題内容は多岐にわたり、数列や図形の規則性を見抜く問題、資料から必要な情報を読み取る問題などが含まれます。具体的な出題内容は下記の通りです。

・推論
・表の読み取り
・集合
・場合の数
・確率
・代金の精算
・速度算
・割合の計算など

上記の問題を通じて、受検者の数学的な基礎知識だけでなく、応用力や分析力も評価されます。

多くの人がSPIを難しいと感じる理由


SPIを難しいと感じる理由は主に4つあります。まず、問題形式に慣れていないことが挙げられます。SPIは通常の学力試験とは異なる出題方法を採用しており、初めて触れる人にとっては戸惑いを感じやすいものです。次に、制限時間の短さと問題数の多さがあります。SPIは限られた時間内に多くの問題を解く必要があり、時間配分に苦労する人が多いのが特徴です。また、文系・理系を問わず幅広い分野から出題されることも難しさの要因です。得意分野だけでなく、苦手な分野も克服する必要があります。最後に、正解かどうかが分からないことも挙げられます。SPIは即座に結果が分からないため、不安を感じる人が多いようです。上記の理由を理解し、適切な対策を立てることで、SPIの難しさを克服できるでしょう。

高校生向けのSPI対策方法


高校生向けのSPI対策は、言語、非言語、性格検査の3つの分野に分けて行います。各分野の特性を理解した上で対策することが大切です。

言語分野の対策方法

SPI言語分野の対策には、大きく分けて2つのアプローチがあります。まず、語彙や熟語、ことわざなどの暗記項目に取り組みましょう。これらは知識問題なので、効率的に覚えることが重要です。問題集やアプリを活用し、繰り返し学習することで定着を図ります。暗記項目は、素早く回答できるようになることがポイントです。次に、長文読解の対策では、問題文を読む前に設問を確認するようにしましょう。設問を先に読むことで、文章のどこに注目すべきかが分かり、効率的に回答できます。また、時間配分にも気を付け、長文に時間を取られ過ぎないようにしましょう。

非言語分野の対策方法

SPI非言語分野の対策としては、次の2つのアプローチに分けられます。まず、計算式や組み合わせの問題では、パターン化された解法を身に付けることが重要です。これらの問題は基本的に解き方が決まっているので、繰り返し練習することで、自然と適切な公式やパターンが見えてくるようになります。問題を解く際は、そのパターンを意識しながら素早く回答することを心がけましょう。一方、推論問題には決まったパターンがないため、異なるアプローチが必要です。ここでのコツは、頭の中だけで考えるのではなく、積極的に手を動かすことです。与えられた情報を図式化したり、条件から方程式を立てたりすることで、問題の全体像を把握しやすくなります。

性格検査の対策方法

性格検査で重要なのは、自分らしさを素直に表現することです。企業の求める人物像を意識するあまり、無理に自分を取り繕おうとする方法は、得策ではありません。性格検査には、同じような質問が形を変えて出題されることがあり、無理につくられた回答は矛盾として表れてしまうでしょう。また、仮に合格できたとしても、実際の自分と異なる印象を与えてしまうと、入社後にミスマッチが生じる可能性があります。ただし、明らかに非常識な設問や極端な考え方を問う設問(例:「意見が合わないときは強く主張すれば良い」など)については、たとえ本心で共感する部分があったとしても、社会人として求められる基本的な倫理観に沿って回答することが望ましいでしょう。

SPI対策に必要な勉強時間の目安


SPI対策に必要な勉強時間の目安は、およそ30時間です。効果的に進めるコツは、試験の約1カ月前から毎日1時間程度の学習時間を確保することです。短期間での集中的な学習は避けましょう。例えば、1週間以内で30時間分を詰め込むような方法は、知識の定着が難しく本番で実力を発揮できない可能性が高くなってしまいます。大切なのは、継続的な学習を通じて問題の傾向を把握することです。時間に余裕がある場合は、苦手分野の克服に向けて追加の学習時間を設けることをおすすめします。

まとめ


高校生向けのSPI(SPI-H)は、就職活動における重要な適性検査の1つです。大学生向けのSPI-Uと比べて問題の難易度は抑えられていますが、言語分野と非言語分野の基礎力、そして社会人としての基本的な資質が問われます。効果的な対策のポイントは、言語分野では国語の基礎学力の向上、非言語分野では数学の基本問題の反復練習にあります。性格検査については、無理に企業の期待に合わせようとせず、素直な自分を表現することが重要です。本記事の内容を参考に、SPI対策を行ってみてください。

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