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ルールメイキングとは?取り組むべき理由や進める上でのポイントを解説

2023.11.17

学校・教員だけでなく、生徒が主体的に学校づくりに関わるルールメイキング。近年、ルールメイキングを導入している学校が増加しつつありますが、ルールメイキングの認知度はまだ低いことがうかがえます。そこでこの記事では、ルールメイキングの概要や取り組むべき理由、進める上でのポイントについて解説します。また、ルールメイキングの参考事例についてもご紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。

ルールメイキングとは生徒が主体的に関われる学校づくりのための取り組み

ルールメイキングとは、学内で決められている校則に関してコミュニケーションを通じて見直し、生徒が主体的に関われる学校づくりのための取り組みのことです。校則に対する抗議ではなく、疑問に思う校則について1人の生徒が声を挙げ、生徒や教員との間でコミュニケーションを重ねていきます。ルールメイキングは2019年、認定NPO法人カタリバが取り組みをはじめました。経済産業省「未来の教室」実証事業として採択されている事業でもあります。

多くの学校がルールメイキングに取り組む3つの理由

多くの学校では、生徒を主体としたルールメイキングが行われています。生徒がルールメイキングに取り組む理由は、学校全体の校則・ルールへの疑問と不信感があるからです。ここからは、教員・学校目線でルールメイキングに取り組む理由を3つご紹介します。

①探究学習やプロジェクト学習の教材になるため

ルールメイキングは、教員・学校目線の観点ではなく、生徒の観点による内容がメインです。そのため、生徒が身の回りで感じる課題に対する探究学習やプロジェクト学習の教材のひとつといえるのです。実際に探究学習やプロジェクト学習の時間で、ルールメイキングに関する教材が活用されている事例もあります。

②学校のイメージ向上のため

ルールメイキングに取り組むことで、周りからは教員が校則・ルールを決めるのではなく、生徒が主体となって学校づくりに関わっているといった印象が抱かれやすくなります。そのため、地域内でのイメージチェンジやブランディングを狙い、ルールメイキングに取り組む学校も増加傾向にあります。

③生徒の人権保護のため

近年、過度な生徒指導や教育指導などにより生徒の人権が侵害されているとして、ブラック校則を変えていこうといった動きが活発化しています。生徒の意見に対して教員側が批判や対抗をしていては、今のブラック校則を肯定していることになります。それでは、生徒1人1人が学校に不信感を感じるでしょう。ルールメイキングを活用し、生徒の意見を学校づくりに反映させていくことが、現在の教育現場では必要になります。

ルールメイキングをはじめるまでの4ステップ

ここからは、ルールメイキングを始める4ステップを解説します。ルールメイキングを始めようと考えている方は、ぜひ参考にしてください。

ステップ①ルールメイキングについて知る

初めに、ルールメイキングについて知りましょう。ルールメイキングを知るためにはNPOカタリバが運営しているサイト「RULE MAKING」を参考にしましょう。サイトではルールメイキングに関するコンテンツが掲載されており、校内・校外での生徒の取り組みを見ることができます。

ステップ②ルールメイキングのイベントに参加して体験する

次に、ルールメイキングのイベント・ワークショップに参加して体験してみましょう。イベント・ワークショップには生徒と教員が一緒に参加します。イベント・ワークショップは生徒と一緒に校則を考えるきっかけを得られたり、ルールメイキングを知れたりする良い機会です。積極的に参加し、ルールメイキングを取り入れる際の参考にしましょう。

ステップ③実際にルールメイキングに取り組む

最後は、実際にルールメイキングに取り組みましょう。ルールメイキングでは、立ち上げから取り組みに関するルール決めなどの、仕組みづくりが必要です。1人で仕組みづくりを行うのは非常に大変であるため、積極的に「RULE MAKING」のサポートを活用しましょう。

ルールメイキングを進める上で大切にしたい7つのポイント

次に、ルールメイキングを進める上で大切にしたいポイントを9つご紹介します。ルールメイキングをより良いものにするためでもあるので、ぜひ確認しておきましょう。

①疑問を持ったら発言できる環境をつくる

ルールメイキングを進める上では、発言しやすい環境づくりがポイントです。ルールメイキングは、校則やルールに関して疑問を持ったところから始まります。疑問に関しては、生徒・教員だけではなく、保護者なども声を挙げる権利があります。より良い学校にするためにも、疑問を持ったら発言できる環境をつくりましょう。

②生徒が安心していられる場所にする

発言しやすい環境づくりのためには、生徒・教員間での関係性が大切です。ルールメイキングでは、生徒や教員がコミュニケーションを取り、学校づくりに関わっていきます。そのため、関係性がない状態で進めるとルールメイキングを進めていく上で障壁になってしまいます。ルールメイキングをより良いものにするためにも、まずは関係性を築き、1人1人が安心していられる場所をつくりましょう。

③現在の校則が設けられた背景を理解する

ルールメイキングでは、現在の校則が設けられた背景を理解することも重要です。全ての校則には、設けられた背景が存在します。背景について理解することで、新たな学校づくりに生かされます。現在の校則を否定するだけではなく、なぜ現在の校則が設けられたのかその背景を理解しましょう。

④目的を明確にして手段を議論する

ルールメイキングを進める際、目的を明確にして手段を議論しましょう。学校の校則は、目的を実現するための手段です。そのため話し合いを行う際に、「校則はなぜ必要か」「校則の目的は何か」など、まずは目的を明確にしましょう。その後目的を実現するための今の校則(手段)が妥当といえるのかどうかを議論する必要があります。議論し、提案を続けることで、ルールメイキングがより良いものになっていきます。

⑤対立する意見が出ても理解し合う

ルールメイキングの中で対立意見が出たときのことを想定し、事前に話し合いのルールを決めておくことも必要です。さまざまな生徒や教員でコミュニケーションを取っていると、複数の意見が出ます。意見や価値観がぶつかった際、否定してしまうと話し合いが上手くいきません。より良いルールメイキングにするためにも、対立する意見・価値観を持っていても互いに理解し合うという共通認識を持っておくとよいでしょう

⑥取り組みを誰でも見られる状態にする

ルールメイキングを進める際、取り組みを誰でも見られる状態にしましょう。一部の人だけで校則を決めてしまうことは、今までの校則の決め方と変わりません。ルールメイキングでは、学校全体がより良い方向に向くことを目的としています。それには、生徒や教員が新たな校則に納得する必要があります。納得してもらうためにも、取り組みを誰でも見られる状態にしましょう。

⑦完成したら学校外にも公開する

一度つくった校則・ルールは常にアップデートを心掛けましょう。校則は一度つくればよいものではなく、時々に合わせて生徒や教員が納得できるものをつくる必要があります。ルールメイキングで完成した校則は、学校外にも公開することで今後校則が議題にあがりやすくなります。また、学校のブランディングにも有効です。

ルールメイキングの成功事例〜安田女子中学高等学校〜

最後に、安田女子中学高等学校の成功事例についてご紹介します。これからルールメイキングの導入を考えている方は、ぜひ参考にしてください。

「変わらず大切にしたいもの」と「検討余地のあるもの」を話し合う

安田女子中学高等学校では、「変わらず大切にしたいもの」と「検討余地があるもの」の話し合いが行われました。これらの話し合いは、正しい方向に校則を変えていくことを意識した上で、根気強く何度も行われたそうです。話し合いや生徒へのアンケートなどで集めた意見をもとに「緊急性」「重要性」から見直す校則を下記の3つに絞りました。

・スマートフォンの持ち込みについて
・放課後の立ち寄りについて
・保護者同伴でないと許可されていない場所への出入りについて

「少人数制」や「KJ法」を使った意見を言いやすい環境づくり

安田女子中学高等学校では、3つの校則の見直しを行うために「少人数制」や「KJ法」を使った意見を言いやすい環境づくりを取り入れていました。KJ法とは、それぞれがカード形式でアイデアを出し、グループ化してまとめて可視化していく情報収集の方法のことです。「少人数制」や「KJ法」は、さまざまな意見が出やすい話し合いに有効です。安田女子中学高等学校のルールメイキングでは、自分の意見を発言し、可視化する大切さを学び、共有後にフィードバックが行われました。

学校全体に興味を持ってもらうような戦略を立てる

安田女子中学高等学校では、ルールメイキングにおいて学校全体に興味を持ってもらえるような工夫も施しています。例えば、新たな校則について反対意見を持っていそうな生徒を集めたり、先生を会議に呼んだりなど、さまざまな戦略が立てられています。また、保護者へのアンケートや県警へのヒアリングなど学外にも手を伸ばしています。学校の全体に興味を持ってもらうような戦略を立てたことで、学校の誰もが納得し、運用しやすい校則を確立させ、2021年4月から適用が始められました。

校則改訂とその背景を理解してもらう

安田女子中学高等学校では校則を変えただけではなく、校則が変わったことと背景を理解してもらえるようなキャッチコピーを全校生徒に伝えました。ルールメイキングは、生徒が主体的に関われる学校づくりの取り組みです。ルールメイキングに取り組んだ安田女子中学高等学校では、全ての生徒にルールメイキングに参加するきっかけをつくろうと考え、校則改訂と背景について理解してもらう機会を設けたのです。

まとめ

ルールメイキングは今までの校則の決め方を大きく変える手法です。生徒が主体的に学校に働きかけ、学校づくりに大きく関わっていきます。しかし、まだまだルールメイキングの認知度は低く、障壁があります。少しでも障壁を崩し、ルールメイキングを取り入れやすい環境をつくっていくためにも、ぜひ本記事を参考にしてください。

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