「すらら」によるSPI対策で学生の希望する就職を叶える
清風情報工科学院
清風情報工科学院は、1932年設立の大阪電気学校をルーツに持つ歴史ある専門学校。「安心、信頼、尊敬される人物になる」という教育方針にもとづいて、知識や技術習得に加えて人間教育にも力を注ぐ。学生の一人暮らし支援、専攻を決定する前の1年生が複数科を経験できる「ぐるぐる」といったユニークな制度を持つ。「世界で活躍するプロに育てる」という考えから価値ある取り組みを続け、社会に貢献し、企業で活躍する人材を育成する。学生の希望をかなえ、高い就職率の実現に力を尽くす清風情報工科学院 就職センター 友金牧人センター長に「すらら」活用のポイントをきいた。
学生の気持ちを落とさず学びのブランクを補うために「すらら」を選ぶ
不登校経験のある学生や、通信制で学んできた学生、海外で育った学生には、日本国内での学びにブランクが存在することが時折ある。こういった学生が清風情報工科学院に入学してプログラミングやデザインなどの専門性の高い技能を身に付け、面接や制作物は高い評価を得ているのにも関わらず、基礎学力不足によって希望する企業、職種に届かないケースもかつては多かった。「『面接での評価は高いのですが、入社試験がねぇ…』」という企業からの電話を受けるのが、とてもつらかった」センター長は振り返る。
小中学生に人気の高い紙教材を使って学生らのブランクを埋めようと試みた。入社試験で採用を勝ち取ってほしい一心だった。
◆膨大なプリントと涙を落とした学生
紙のプリントは膨大で教員らが採点を行うことは現実的でなかった。学生の抜けている学びはバラバラだが、個々の学生に合わせた出題といった対応は到底できない。膨大なプリントを解いて隣の席の学生とそれらを交換し採点させた。
「この試みは成功しなかった」センター長は語る。ある日、計算問題を解きながら涙を落としている学生を目にした。プログラミングやデザインを学ぶために入学したのに、「なぜこんなことをやらなければならないのか」といった悔しさ、できないことを隣席の学生に見られる恥ずかしさからか「もうやりたくない」という学生たちの拒否反応を強く感じた。
◆学生の気持ち落とさず、入社試験を突破できる方法はないだろうか『すらら』採用へ
「すらら」と出会った時には、すがるような気持ちだった。ペーパーレス化の実現もありがたいが、何より学生の状態を変えたいと強く願った。「とにかく学生の気持ちを落とすことなく入社試験に受かれば良い」悩みをぶつけると、すららネットの担当者は親身に提案を繰り返してくれたという。そして共同で学生のために最適な学習法を作り上げた。
学生にとっては「やりたいこと」ではないからぼやく、でも明るくなった
企業の入社試験の傾向を毎年調査研究して、「すらら」の配信課題やテストを入社試験での頻出範囲だけに絞り込む。
「すらら」なら、教員はワンクリックで課題を配信するだけで、学生1人1人に個別最適化された問題が出される。課題やテストの結果を他の学生に見られずに1人で取り組める点も良い。ただ、学生が集中したいのは自分の専門分野なので、基礎学力の補完学習はやりたいことではない。「なんでこんなことせなあかんねん」ぼやきも聞こえるが、それでも「すらら」になってからは学生の表情が明るくなった、とセンター長も笑顔を見せる。
1社内定がゴール、「すらら」の反復学習で就職までに完成すればよい
具体的には前期・後期の開始時と終了前、つまり3カ月毎に「すらら」で国語と数学の定期試験を実施している。出題範囲は入社試験に必要なものだけで毎回変わらない。試験の間の3カ月間は解けなかった部分を反復学習する期間だ。週90分の授業でひたすら「すらら」に取り組む。このセットを2年次以降も同じように繰り返す。テストを受けて「すらら」の自動出題課題をこなし続ける、これだけをやって入社試験までに対応できるだけの学力が着けば良いのだ。ゴールが見えずに継続させられるのは学生が嫌がるので「1社目内定」が決まれば「すらら」は終わってよいと明確に示しているのもポイントだ。
得点の伸びや学習過程を評価、学校長から表彰も「すららネット賞」
学びのブランクには不登校など様々な事情が背景にあるので得点だけで評価されたら学生は苦痛に感じるだろう。ブランクは入社試験までに「すらら」で埋めていくという考えで、最初のテストの得点は問わず、そこからどれだけ得点を伸ばしたのか、どれだけ反復学習をしたのか、学習過程を評価することにした。
成績評価だけでなく「すららネット賞」という表彰機会も設けている。やはり得点に関係なく、定期試験の伸びが顕著であることや、学習時間と量を考慮しコツコツと努力をしている学生が選ばれて学校長から表彰される。
ある年に表彰を受けた学生は「忘れていただけで、自分はもともとわかっていたのだけど」と照れながらも自信をのぞかせた。その学生は希望をかなえ、テレビCMも放映している大手IT企業への就職を実現したという。
データに基づいた就職指導は「すらら」活用の大きなメリット
「すらら」は学生の成績推移など学習ログをデジタル管理できる点に大きなメリットがあると友金センター長。企業のSPI試験の合格レベルや傾向は把握しているので、学生の希望進路と乖離があれば試験に向けて追加課題を指示したり、志望企業の変更を検討したりといったことができるからだ。データに基づいていることで精度が上がり、指導教員も自信をもって助言できるようになった。不採用を繰り返して学生が自信喪失するようなこともなくなった。
2019年の「すらら」導入以降、大手有名企業や上場企業への就職が増加傾向にある。例えば、すららテストの推移が36.6点→78.4点の学生は、入学時には分数の理解が不十分であったが、念願のゲーム会社に就職した。中学校で不登校を経験し、その間の学習不足にコンプレックスを抱えていた学生も、45.2点→67.8点と点数を上げ、入学時に想像もしていなかった大手IT企業への就職を決めた。毎年の就職率は97〜98%と高く、大半の学生が希望職種に就いているという。
子ども達の将来の可能性を広げるために奮闘は続く
不登校など様々な理由で学習機会を奪われた子どもがいる。その結果として、就職や将来の選択の自由が減ってしまう現実がある。その子ども達の可能性を広げられることができるかは、これからの日本の大きな課題だと友金センター長は語る。学びにブランクがある学生でも就職の可能性を広げるために『すらら』活用法を作り上げてきた。2022年度の新入生は前年の2倍もの人数になった。復習課題のフォローやモチベーションアップなど更なる工夫が必要だと頭を悩ませ続ける。「やりたくない」という学生の気持ちにも理解を示しつつ「勉強が好きになってくれなんて言わない。でも就活で不利にならんといてくれ」と学生らを想う心からの言葉が印象的だ。