導入校事例

リメディアル教育で教員・保育士を目指す学生の進路実現を後押し
広島文化学園大学

広島文化学園大学は、1964年に広島文化女子短期大学として設置認可を受け、広島県広島市、呉市など4つのキャンパスに、4学部6学科、2研究科を擁す私立大学。学芸学部子ども学科は、小学校・特別支援学校・幼稚園の教員や保育士といった教育保育に必要な免許・資格を活かした就職率70%を誇る。
「すらら」を活用したリメディアル教育を必修科目に取り入れ学生の基礎学力向上をはかり進路実現を後押しする、学芸学部子ども学科 八島美菜子教授、伊藤駿講師に話をきいた。

広島文化学園大学 長束キャンパス

多様な入試制度によって重要性を増したリメディアル教育

学生の個性、能力、学校への適性、意欲を総合的に評価する総合型選抜入試(旧AO入試)や学校推薦型選抜による入学者が増加し、学力のみに偏重せず、主体性・多様性・協働性といった人物評価ができるようになった。ただ一方で、学力試験による一般型選抜と比較し学生の基礎学力不足という課題があり、不足を補う効果的なリメディアル教育の重要性は八島教授ら子ども学科教員全体の共通認識となった。

広島文化学園大学
学芸学部子ども学科
八島美菜子教授

 

子ども学科では、大半の学生が小学校、特別支援学校、幼稚園の教員や保育士を目指す。学生を指導する伊藤講師は、「1、2年生は将来に向けてまだ迷いがある様子だが、教育実習を経て3年生になると目標が定まって採用試験に向け本腰を入れる学生が多い。その時に基礎学力不足によって間に合わない、進路をあきらめるということが決してないように1、2年生のうちに確実に中学校卒業レベルまで引き上げておくことが大切だ」と力を込めた。

 

広島文化学園大学 
学芸学部子ども学科 
伊藤駿講師

ICT教材への期待、「すらら」に出会う

かつては、1年生の必修科目で、市販の中学英数国の問題集を解く時間を設けたり、読後感想文を書かせたり、教員らの自作問題による試験を実施したりしていた。当初は4名の教員がほぼゼミ毎に実施するため、学年として統一したプログラムになっておらず、学力の把握、効果の検証も困難であった。試行錯誤を続ける中、八島教授は効果的に基礎学力向上を図れる教材を探し求めて、ログがしっかり残り、効果測定や検証が可能なICT教材への移行を模索していた。学生らが卒業後に教員になればICTを活用した授業が必須であることからもICT教材が適切だと考えた。

そのような時、偶然目にしたダイレクトメールで「すらら」を知る。リメディアル教育の実績、学力差の大きい学生に個別最適化された課題配信機能、学生が自学できる仕組みから2019年度末に採用が決まる。まずは1年生前後期の必修科目「基礎ゼミナール」の中で活用し、子ども学科で統一感をもって基礎学力を底上げしてゆこう、と取り組みが始まった。

1年生の必修科目「基礎ゼミナール」で「すらら」課題を単位取得の条件に

2020年は、1年生から「すらら」の活用が始まった。初回の「基礎ゼミナール」の授業は、スムーズに「すらら」で自学するために必要なICTリテラシーからだ。オフィスツールの使い方、ファイル管理、数式の入力方法などを学ぶ。以降は授業時間外の課題として学生らは「すらら」で自学する。各教科担当教員が小学校6年生までの国算英の課題を作り、主担当の伊藤講師が管理画面で学生に配信し進捗や成績を管理する。2021年度から2年生にも導入し2年間を通して基礎学力を身につける体制とし、同様に「基礎ゼミナール」で中学校3年生までの英数国を学ぶ。子ども学科全体で学生の基礎学力向上のために連携して取り組んでいるのだ。組織全体で課題を共有し取り組めると成功につながりやすいと、すららネットの担当者が指摘する。

管理画面では学生の学習状況が一目瞭然だ。進みが芳しくない学生は、「基礎ゼミナール」で顔を合わせた時に伊藤講師をはじめとするチューター教員が直接指導するのだという。学生らのモチベーションとしては、自身の学力向上を実感することももちろんだが、「すらら」の課題が「基礎ゼミナール」の単位取得の最低条件になっていることも影響が大きい。学生らがさらに高いレベルの学びを要求し「すらら」の追加課題に取り組めば加点もある。このように「すらら」を厳格に単位取得や成績といった仕組みに組み込むことで学生の学習を促し、その効果を確かなものとする意図が見える。

プレテスト、ポストテストで効果測定、いずれの層も国数の学力が向上

学び始める前の学力把握のため1、2年生ともに前期の初回授業内で「前期プレテスト」を実施する。15コマの最後の授業では同内容の「前期ポストテスト」、後期も同様に初回に「後期プレテスト」、15コマ目に「後期ポストテスト」を実施している。「プレテスト」「ポストテスト」の結果を比較分析し、「すらら」の効果を検証し論文にまとめ、次年度以降に活かす。

2020年度の1年生のテストの検証結果からは、国語と数学(算数)で平均点の向上が見られ、いずれの層の学生も得点が伸びていることがわかった。特に国語は下位層の学生の割合が減少し、上位層が60%にまで増加。数学は、50-60点代以上の層が50%を超え、80点代以上の層も20%と上位層の増加が顕著だった。課題は30点台以下の学生が一定数いることだ。英語はもともと得意であった学生の順調な伸びが見られる一方で苦手な学生の対策が必要だとわかった。それでも「それぞれに最適化された教材が提供されることによって教員による指導が必要な学生に焦点をあてて指導ができるようになった」と伊藤講師は振り返る。

このように数値を示し、課題や効果を共有することで学科教員全体のスムーズな連携も実現するのであろう。他学部でも「すらら」によるリメディアル教育に興味を示しているという。

すらら学習前(Pre)に比べすらら学習後(Post)は、低得点者層が減少し、高得点者層が増加している。
(八島教授、伊藤講師ら共著「オンライン教材を活用した大学初年次リメディアル教育の検討― 学力診断テスト結果の分析を通して ―」より引用)

 

「すらら」でICTリテラシーと基礎学力をつけて進路を実現してほしい

「統一された環境で『すらら』に取り組めるよう、2022度の新入生からノートパソコンの購入を推奨する方針です。教員免許取得にICT活用教育に関する科目の履修が必要になったこともあります。学生らが目指す教職の現場では様々なシーンでICT活用が進んでいます。学生たちは普段スマートフォンを活用することが多いですが、パソコンにも慣れ親しんで社会で必要なツールとして使えるようになってほしいです。ICT活用の入り口として『すらら』から始めて、前半の2学年で基礎学力を固め、後半の学年では自分の夢を実現するためにパソコンを活用できるようになってほしい。『すらら』のレクチャー動画は学生らが将来夢をかなえて授業をする際のお手本としても着目させたいです」八島教授は学生らへの想いを語った。

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