導入校事例

基礎学力向上と個別最適化を実現する新しい学習支援法    ~ICT活用と業務効率化を通じて~
大阪府立東淀工業高等学校

大阪市の西端にある昭和35年に「東洋一の工業高校」を目指して開校し、長い歴史と伝統を誇る東淀工業高校。卒業生は1万5千人以上にのぼり、国内外で活躍している。
機械工学科、電気工学科、理工学科の3学科を設置し、「誠実」「創造」「勤勉」を校訓に、ものづくり教育や資格取得など多様な教育活動を展開している。
現在、すららネットが提供するAI教材「すらら」を活用した学習を推進中。同校が実践する「すらら」活用法について紹介する。

基礎学力の不足と生徒一人ひとりに合わせた学習支援の必要性に向き合う

基礎学力の不足は、多くの学校において解決すべき重要な課題の1つである。特に、毎年定員割れが続く学校では、学力面での不安を抱える生徒が多く、指導の方針や方法を再考する必要がある。本校でも同様の状態で、「基礎学力を高め、生徒に自信を持たせたい」という目標のもと、学び直しを重視した取り組みを進めている。学び直しでは生徒一人ひとりの得意分野や苦手分野に対応し、適切な学習支援を提供している。具体的にはまず、基礎学力向上を目的とした「基礎講座」を編成した。この講座では、生徒の学習スタイルに合わせて2つのクラスに分けた。1つは生徒が自主的に学習を進めるクラス、もう1つは教員が積極的にサポートするクラスである。この構成により、生徒が自分に合ったペースで学習できる環境を整備した。

また、より個別の学習を進められるよう、従来使用していた共通の国語・数学・英語のドリルを廃止し、ICT教材「すらら」を導入した。「すらら」は、学習内容を個別にカスタマイズできる点が大きな特徴である。「すらら」を活用した結果、普段1桁の得点だった生徒が30点を取ることができるようになったなど、目に見える学力向上が確認されている。これにより、生徒のモチベーションも向上し、基礎学力の底上げにつながっている。

「学び直し」の重要性とICTを活用した個別最適な新しいアプローチ

学び直しの重要性は、基礎学力の不足に悩む学校にとって欠かせないテーマである。生徒が「わからない」状態をそのままにしておくと、学習意欲の低下や学力の格差を生む原因となる。本校では、「すらら」を活用し、生徒一人ひとりが自分のペースで学び直しを行える環境を構築している。

学び直しを成功させるためには、適切な課題を提供し、その進捗を管理する仕組みが必要である。しかし、従来の方法では課題の準備や採点、進捗管理に多くの教員が時間を割く必要があり、さらに特定の教科に負担が集中するなどの課題もあった。これを解決するため、「すらら」を導入した。すららは教員の問題作成や採点の手間をかけず、学習履歴をもとにした生徒個々にカスタマイズされた問題を提供できる。さらに、進捗状況を一覧で管理する機能を備えている。

本校では授業の中で小テストを「すらら」で配信し、授業終了10分前にはGoogleフォームを用いた振り返りを実施している。この取り組みは、PDCAサイクルを活用しながら教員が改善を重ねることで、より効果的な生徒への学習支援を実現している。

教員の負担を軽減するために

個別最適な学習を進める上で、教員の負担軽減は避けて通れない課題である。本校では、業務効率化を図るための取り組みを進めてきた。特に、課題の準備やプリント作成、採点といった業務の効率化に「すらら」が大きく貢献している。「すらら」は、学習内容の反復練習が容易であり、同じような問題を繰り返し解くことで生徒の理解を深められる。また、教員はテスト結果が即時に一覧化され、生徒の学力を迅速に把握することができる。このデータは教員間で共有され、適切な指導計画の策定にも役立てられている。

さらに、「すらら」には漢字の書き取り機能が搭載されている。この機能は、従来教員が口頭で指導しても納得しなかった生徒が、機械による判断を受け入れることで、自らの課題を理解しやすくするという効果を発揮している。こうした機能により、教員は本来の指導に専念できる時間を確保することが可能となった。

教員の評価と今後も生徒が学習に意欲的に取り組むためには

基礎学力の向上はゴールではなく、生徒が自ら学び続ける力を養うためのプロセスである。本校では、評価方法を工夫し、生徒の主体性を引き出す取り組みを実施している。具体的には、評価を「知識・技能(すらら中心)」「思考・判断・表現(問題によってはすららで評価)」「主体的に学習に取り組む態度(教員中心)」の3つに分類している。この評価方法により、生徒の努力や意欲をどの教員でも適切に評価できる仕組みを整備した。

また、生徒の学習意欲を維持するため、「すらら」のアチーブエッグなどのツールを活用し、モチベーション向上につながっている。アチーブエッグとは、学習の進捗に応じて卵が育ち、条件をクリアすれば卵がかえり、ポイントとアバターがもらえる仕組みである。ペットを育てるような楽しさが学習意欲を引き出し、生徒のやる気を継続的にサポートする。この仕組みにより、生徒が自分の進捗を視覚化し、達成感を得ながら学習を進めることができる。

これらの取り組みを通じて、生徒一人ひとりが自信を持って次のステップに進めるよう、学習環境を整え続けている。本校では今後も、生徒と教員が協力しながら、持続的な学力向上を目指していく。
業務負担を減らしつつ、個別最適を進めていきたい方はぜひお問合せください。

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