導入校事例

学校を学びのハブへ!
- 企業と共に創った探究課題を解決するための探究教材-

惺山高等学校

 

惺山高等学校

惺山高等学校は、1919年に創立され、100年を超える歴史を持つ伝統校である。一方で、山形県内におけるICT教育の推進においてトップランナーとして躍進しており、革新と伝統を兼ね備えた独自の教育スタイルを展開している。同校ではAI教材「すらら」の導入により、生徒個々の学び直しや苦手単元の克服を支援し、基礎学力の向上を目指している。しかし「総合的な探究の時間」においては課題を抱えていた。少子高齢化が進む山形県で、これからの若者に必要な学びとは何か、また主体的に学ぶ力をどのように育てるべきかを模索。「好きを学びに」をキーワードに掲げ、すららネットと共に「総合的な探究の時間」に取り組んでいる。

社会の変化に応じた教育の再構築

現代は「Society 5.0」や「VUCA時代」と呼ばれる、予測困難な変化が次々と訪れる時代である。このような時代において教育現場に求められるのは、知識の暗記にとどまらず、課題発見力、仮説構築力、行動力といった実践的なスキル育成である。
そういった教育の一環として高校では2022年度から「総合的な探究の時間」が誕生した。惺山高校でも「総合的な探究の時間」を通じて、教科横断的な学びを実践し、課題発見から解決に至るプロセスを重視しながら、生徒が主体的に考え行動できる力を育成している。

「すららネット」が目指す自律的学習者の育成

惺山高校で目指す主体性の育成は、すららネットで掲げている自らの目標に向かって学ぶ「自律的学習者の育成」とも密接に関連している。「自律的学習者の育成」とは、生徒が能動的に学習活動に関わり、自ら目標を設定し、学習を調整しながら進めていく学びの形態を指す。ただ、いきなりそのプロセスを実施できる生徒ばかりではない。主体性を身に着けるにはいくつかの段階がある。
「動機付けによりまずはやってみる段階」・「興味を持ち学習を調整、やり遂げる段階」・「それが成功体験につながり他のことにも挑戦する段階」。すららネットでは、このステップに応じてAI教材「すらら」や「Surala My Story」を提供している。

自律的学習者の育成における「すらら」「Surala My Story」の役割

「すらら」はアニメーションによる分かりやすいレクチャーや、学習者の解答に応じて難易度が調整されるドリル、自動採点機能を持つテストで構成されている。この教材は生徒それぞれの学習進捗や特性に応じて柔軟な指導を可能にする。
具体的には読み解くだけの紙教材と違い「見る、聞く、書く、読む、話す」などのいろいろな感覚を使うため、飽きることなくゲーム感覚で楽しく集中して勉強に取り組むことができる。また、一方的な解説ではなく、「わかったかどうかを確かめる質問」を投げかけるインタラクティブな授業(アニメーション動画)を展開して、根本的・概念的な理解が得られるため、ゼロから内容を理解することが可能だ。

これらは主体性を育むステップでいうと、「まずはやってみる段階」の生徒や「興味をもちやり遂げる段階」の生徒のサポートとなり得る。基礎学力の獲得だけでなく、それを実践していくための姿勢を鍛えることができる。
自分が好きなことと社会との繋がりを実感できる「Surala My Story」では、友人・先生・学校外の人々との繋がりの中で自己肯定感や自己効力感を持つことができ、「何のために勉強をするのか」に答えが生まれ、学習の動機づけをサポートできる。
惺山高校では、学習全体を通じて「点数が取りたくて頑張っているうちに勉強の楽しさが分かった、やりたいことが見えてきた。」このような従来の学びだけではなく、自分がやりたいことから逆算して必要な学習を考えるトップダウン型の学びを重要視している。

現場での課題から生まれた「Surala My Story」

「総合的な探究の時間」は、生徒が社会課題などのテーマを自分事として捉え、自ら課題を発見し、解決策を考える力を育む教科である。しかし、課題設定や学びの深度を高める指導は容易ではなく、多くの学校で課題として挙げられている。同校でも同様に、生徒のアウトプットの質を向上させることに悩みを抱えていた。そこで、すららネットに相談を持ち掛けたのだ。
「探究教材(Surala My Story)を時間と労力を割いて一緒に作ってくれることに驚いた。これだけの教材を作ってくれるのは、すららネットしかいない。自分たちの取り組みを第三者が分析して、解決方法を提案してもらえる機会は現場にはほとんどない。」と髙橋亮教諭は語る。

アウトプットの質向上のために実施したこと

探究学習のプロセスでは、まず自己分析を通じて生徒自身の興味を見つけ出すことから始める。次に、その興味を深めるための対話や調査活動を行い、自分なりの疑問をテーマとして設定する。その後、社会課題との関連性を見出しながら、自分なりの答えを探していく。最後には、これまでのプロセスをスライドにまとめ、他者と共有しフィードバックを受ける。
この一連の流れにより、探究の深度を高めると同時に、思考力や発信力を養成する。だがそもそも、生徒たちの思考が追いついていない段階で無理に社会課題を結びつけてしまうと、生徒自身の興味関心との乖離を生んでしまう。そこで、惺山高校とすららネットでは「生徒自身が本当にやりたいと思えるテーマ設定を行うこと」を重要視した。探究でのテーマ設定に関わるスキルを定義しているのが、「Surala My Story」であり、特に意識したのが「言語化を通じて自己理解を深めること」である。

言語化と自己理解の重要性

探究学習において、言語化は自己理解を深める第一歩である。
「Surala My Story」では全12回のワーク中、6回を自己理解とその言語化に当てる。進め方としては対話を基調とし、自分とは異なる視点で意見や質問をもらうことでメタ認知を深め、自己理解や自己肯定感の醸成に繋げていく。そして心理的安全性を高めながら、生徒が自信を持って学びに取り組む姿勢を育てていく。言語化のプロセスは、単なるアウトプットではない。生徒が自身の興味や価値観を整理し、他者に伝えることで、さらに深い学びが生まれることに繋がるのだ。

初めての先生でも授業ができるオペレーション

授業自体はどの先生でも授業ができるオペレーションとなっている。
授業の冒頭に解説の動画を10分間視聴し、「すらら」と同じく分かりやすいレクチャーにより、スモールステップのスキルインプットできる。その後、実際のワークに進む流れとなっており、学んだスキルを即座に実践できる内容になっているため、生徒は自分の興味や価値観を整理し、深い学びを得ることができる。
具体的には、

①探究の基本的なフレームワーク思考をゲーム形式で学ぶ。これによりクラス全体の心理的安全性を高め、対話を重ねやすい環境を作る。
②自己分析を通じて興味分野を見つけ、マインドマップの作成を行う。この過程では他のメンバーから付箋でコメントをもらいながら対話を深めていく。
③興味と分野を掛け合わせたテーマ設定を行い、調査活動をどのような方法で進めることが適切か考える。
④プロセス全体をスライドにまとめて発表し、フィードバックを受け、その後実践に移っていく。

このような流れで進めていく。AI教材「すらら」とも共通する点だが、スモールステップで丁寧に学習を進めることができる。

探究の時間を通して生徒は大きい夢を描けるように


惺山高等学校の探究学習を通じて、生徒は自身の将来や社会の課題について主体的に考え、大きな夢を描けるようになる。たとえば、ジェンダー問題をテーマに探究を行った生徒は、将来の目標として女性支援に取り組む仕事を選び、その実現に向けて大学進学後も努力を続けている。
この結果を受け、髙橋亮教諭は「自分の夢を語れている。本当に学びの主体者になっていく子たちがしっかり現れていると感じた。」と、嬉しそうに語る。このように、「Surala My Story」は生徒が自分の夢や目標を明確にし、社会で活躍する力を育む土台となる。

未来を切り拓く教育への挑戦

惺山高等学校の取り組みは、教育現場全体に影響を与える可能性を秘めている。生徒が「Surala My Story」を通じて、本当にやりたいと思えるテーマ設定をすることで、答えのない問いに挑み続ける思考力や行動力を身に着ける。先生や大人が好みそうなテーマを選ぶのではなく、自分軸をはっきりとさせたテーマ設定が鍵となるため、コンテンツに頼りすぎない教師力も重要だ。
また、その土台となる基礎学力も「すらら」を通じた指導でしっかり定着させることで自己調整力を持ち、主体的な人材を育てることにつながっている。すべての生徒にとって、学びは人生を豊かにする力である。惺山高等学校が掲げる「学びのハブ」としての使命は、これからも進化を続けるであろう。

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