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司法書士の難易度はどのくらい高い?試験の合格率や取得に必要な勉強時間を解説

司法書士の難易度は高い?アイキャッチ

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「司法書士の試験の難易度は高いと聞いたけど、それでも受験するべき?」
「司法書士の試験に自分も合格することはできるのかな?」

結論として司法書士試験の合格率は4〜5%前後と低く、非常に難易度の高い試験です。※
※参考:法務省

今記事では合格難易度が高い理由や司法書士を取得するメリット、必要な勉強時間を紹介します。

【司法書士試験の合格難易度が高い理由】

【司法書士の資格を取得するメリット】

【難易度が高い司法書士に受かるために必要な勉強時間】

今記事を最後まで読むことで、司法書士の難易度が高い理由や資格取得のメリットが分かるでしょう。

司法書士の試験合格を目指すには、独学や通信講座などの勉強方法があります。

長期間のモチベーションを維持しながら学習を進めたいのであれば、自分に合う通信講座を選ぶと良いでしょう。

目次

司法書士試験の合格率と合格点からわかる難易度

司法書士試験の合格率は過去5年間で平均4.8%と低く、難易度の高い試験であることがわかります。

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年度合格率合格点
令和4年度5.2%216.5点以上
令和3年度5.1%208.5点以上
令和2年度5.2%205.5点以上
令和元年度4.4%197.0点以上
平成30年度4.3%212.5点以上
引用:法務省

令和4年度の司法書士試験では受験者数12,727名のうち、合格者数は660名でした。

合格者の平均年齢を見ると40歳になっているため、社会人として仕事しながら取得を目指す方が多い試験でしょう。※
※参考:法務省

合格点は280満点中216.5点以上と、司法書士試験の合格には77%以上の正解率が求められます。

このように司法書士試験の合格点の高さと合格率の低さから、「比較的難易度は高い」と言えるでしょう。

司法書士試験の合格難易度が高い理由

ここからは、司法書士試験の合格難易度が高い理由について解説します。

難易度が高い理由をしっかりと理解すれば、受験する前の対策として役立てることができるでしょう。

司法書士の試験は特有の難しさがあるため、よく読んで参考にしてください。

相対評価で合格者が決まるため

司法書士試験は他の一般的な国家試験とは異なり、相対評価で合格者が決まります

一定の点数を超えれば合格できるわけではなく、受験者の上位5%に入る得点を取らなければ合格することができません

また過去の試験データは参考になりますが、去年の合格点をとったとしても次の試験では不合格になる可能性があります。

そのため試験対策を行う際に、どのくらいの点数を目指すか目標を立てづらいのも合格難易度が高い理由の1つです。

3つの基準点を上回らなければいけないため

司法書士試験では、午前の択一問題や午後の択一問題、記述式問題と3つの問題全てで基準点を上回ることが必要です。

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年度午前の部(多肢択一式問題)午後の部(多肢択一式問題)記述式問題
平成30年度105点中78点105点中72点70点中37.0点
平成31年度105点中75点105点中66点70点中32.5点
令和2年度105点中75点105点中72点70点中32.0点
令和3年度105点中81点105点中66点70点中34.0点
令和4年度105点中81点105点中75点70点中35.0点
引用:法務省

3つの問題のうち1つでも基準点を下回ってしまうと、合計得点に関わらず不合格になってしまいます。

令和4年度で基準点を上回った人数の比率は、択一式午前の部が27.75%で午後の部が22.60%、記述式が50.1%と択一式問題の方が難易度が高いです。
※参考:法務省

広い出題範囲をまんべんなく学習しなければならないため、司法書士試験は難しいと言われています。

試験科目が11科目と多いため

司法書士の試験科目は11科目あり、学習範囲が広いため覚える量が多くなります

試験科目一覧
  • 憲法
  • 民法
  • 刑法
  • 商法(会社法含む)
  • 民事訴訟法
  • 民事執行法
  • 民事保全法
  • 司法書士法
  • 供託法
  • 不動産登記法
  • 商業登記法

11科目の中でも出題数の多い主要4科目と、出題数の少ないマイナー科目に分かれます。

【主要4科目】

  • 民法
  • 不動産登記法
  • 商法(会社法)
  • 商業登記法

4つの主要科目は、択一式の問題数のうち7割程度を占める重要な科目です。

また司法書士の試験勉強では、六法全書で条文の意味や倫理構成を正しく理解することが大切です。

司法書士試験では11科目と学習範囲が広いためまんべんなく学ぶのが難しいですが、得点を狙える主要4科目を中心に学習を進めるといいでしょう。

そもそも司法書士試験とは何か?

司法書士は、登記業務や供託業務などの書類作成や手続き代行をはじめとする独占業務を扱える国家資格です。

  1. 登記又は供託手続の代理
  2. (地方)法務局に提出する書類の作成
  3. (地方)法務局長に対する登記、供託の審査請求手続の代理
  4. 裁判所または検察庁に提出する書類の作成、(地方)法務局に対する筆界特定手続書類の作成
  5. 上記1~4に関する相談
  6. 法務大臣の認定を受けた司法書士については、簡易裁判所における訴額140万円以下の訴訟、民事調停、仲裁事件、裁判外和解等の代理及びこれらに関する相談
  7. 対象土地の価格が5600万円以下の筆界特定手続の代理及びこれに関する相談
  8. 家庭裁判所から選任される成年後見人、不在者財産管理人、破産管財人などの業務
引用:日本司法書士会連合会

法律の専門家として法務局や裁判所、検察庁などに提出する書類を作成し、企業や個人に代わり手続きします。

他にも成年後見人として認知症の高齢者の権利を守る仕事や、訴訟代理人として簡易裁判所の法廷で弁論を行う仕事もあります。

司法書士になるには、司法書士試験に合格するか法務大臣の認定を受けるかの2通りの方法があり、試験に合格するのが一般的です。

司法書士の仕事内容

司法書士の仕事内容は、不動産登記や商業登記など様々です。

【司法書士の仕事内容】

  • 不動産登記
  • 商業登記/会社設立
  • 相続関連業務
  • 簡易訴訟代理等関係業務
  • 成年後見業務
  • 供託業務
  • 企業法務コンサルティング

不動産登記とは土地や建物に関する情報を登記記録に記載し公開することで、司法書士の仕事は登記についての手続きや申請業務などです。

また会社として認められ信用のある安全な取引が可能な商業登記も、司法書士が行います。

不動産登記や商業登記は専門的な知識が必要になったり時間や手間がかかるので、専門家である司法書士に頼むのが一般的です。

司法書士は、司法書士事務所や官庁、企業や独立開業などさまざまな場所で活躍します。

司法書士の資格を取得するメリット

ここからは、司法書士の資格を取得するメリットについて解説します。

司法書士試験の合格は難易度が高く多くの時間を必要としますが、大きなメリットを享受することができます。

高い年収が期待できる

司法書士資格を取得するメリットとして、高い年収が期待できる点が挙げられます。

令和4年の調査結果をもとにした厚生労働省の情報によると、司法書士における全国の平均年収は971.4万円とされています。※
※参考:職業情報提供サイト

また自分で司法書士事務所を持つ方を対象にした調査では、平均年間売上金額が1,683.5万円でした。

回答数の多い順でみると、最も多かった「1,000〜4,999 万円」が 894 件(35.0%)だった。次いで「200〜499 万円」が 260 件(10.2%)、「500〜749 万円」が 224 件(8.8%)と続いた。平均では 1,683.5 万円となる。

引用:司法書士白書2021年版

以上のようなデータからも司法書士は、高い年収が期待できるため資格の取得を目指す価値があると言えるでしょう。

独立開業がしやすい

司法書士試験合格後は、研修を受けた後に独立開業できます

開業した司法書士は事務所の経営権を持つため、働き方や活動方針などを全て自分で決めることができます。

自宅を事務所として活動する場合、特別な設備がいらないため自己資金だけでも開業することが可能です。

また働く場所を限定されないので、都心部や地方など全国各地で独立開業して活躍できる資格と言えます。

他の国家資格と比較した時の司法書士の難易度は高い?

司法書士試験の難易度は高く、国家資格の中でも難関資格とされています。

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資格名合格率
司法書士約4〜5%
弁護士約3〜4%(予備試験)
約30〜40%(本試験)
税理士約10〜20%
中小企業診断士約4%
社会保険労務士約5%
行政書士約11.5%
参考:法務省-司法書士法務省-司法試験国税庁一般社団法人中小企業診断協会厚生労働省一般財団法人行政書士試験研究センター

合格率では難しいとされる弁護士資格と並び、同じ法律系の資格である行政書士と比べると約3倍ほど合格率に差があります。

また社労士試験と比較すると司法書士試験は筆記試験に加えて口述試験も基準点を超えなくてはいけないため、難易度が高いです。

司法書士試験の合格率は約4〜5%と非常に低いので、合格に向けて入念な対策が必要になります。

難易度が高い司法書士に受かるために必要な勉強時間

難易度が高い司法書士試験に受かるために必要な勉強時間は、約3,000時間が目安とされています。

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受験までの勉強期間1日に必要な勉強時間
1年約8時間
1年半約5時間30分
2年約4時間
2年半約3時間強

司法書士試験に向けて受験に専念できれば、1日約8時間の勉強を1年間継続することで3,000時間に到達します。

しかし社会人の方の場合は、平日3時間、休日に8時間の計算で約2年ほどの期間がかかる見通しです。

合格に向けた勉強が長期間に及ぶため、学習計画をしっかりと立ててモチベーションを維持する必要があります。

独学でも司法書士に合格することはできる?

司法書士試験は難関資格に分類されますが、独学での合格も不可能ではありません

ただし合格までに多くの時間を要する点や合格率が低い点を考えると、相当の努力が必要になるでしょう。

独学で本格的に勉強する前にまずは短期間の学習を始め、自分に合っている勉強方法かどうか確認してみることがおすすめです。

また司法書士試験の試験合格を独学で目指すのが難しいと感じたら、通信講座での学習や予備校に通うことも考えましょう

司法書士試験の概要や受験費用

ここからは、司法書士試験の概要について解説します

司法書士試験の合格を目指すなら、試験の概要を押さえておくことが大切です。

しっかりと目を通したうえで、ぜひ参考にしてください。

司法書士試験の受験資格・受験費用

司法書士試験には受験資格はなく、性別や学歴を始め職歴や年齢にも制限がありません。

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受験資格なし
受験8,000円
参考:令和5年度司法書士試験受験案内書

司法書士試験は難関資格ではありますが、受験料の8,000円を払えば誰でも挑戦できる資格です。

受験料の支払いは、郵便局やコンビニで収入印紙を購入し、貼り付けして申し込みます。

ただし試験合格後に司法書士として登録する際に、欠格事由に当てはまる場合は業務を行うことができません。

欠格事由

第五条 次に掲げる者は、司法書士となる資格を有しない。

 禁錮以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなつてから三年を経過しない者

 未成年者

 破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者

 公務員であつて懲戒免職の処分を受け、その処分の日から三年を経過しない者

 第四十七条の規定により業務の禁止の処分を受け、その処分の日から三年を経過しない者

 懲戒処分により、公認会計士の登録を抹消され、若しくは土地家屋調査士、弁理士、税理士若しくは行政書士の業務を禁止され、又は税理士であつた者であつて税理士業務の禁止の懲戒処分を受けるべきであつたことについて決定を受け、これらの処分の日から三年を経過しない者

引用:司法書士法

司法書士の登録を行うには、以下の書類が必要です。

【登録に必要なもの】

  • 司法書士登録申請書
  • 司法書士会入会届
  • 司法書士名簿
  • 誓約書
  • 司法書士試験合格証書
  • 特別研修修了確認シート
  • 履歴書
  • 印鑑届出書
  • 戸籍謄本
  • 身分証明書
  • 登記されていないことの証明書など
  • 職印と認印

また司法書士の登録には登録免許税の収入印紙代が30,000円、登録手数料が現金で25,000円かかります。

司法書士試験の試験内容

司法書士試験の試験内容は、筆記試験と口述試験があります。

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試験の種類試験内容
筆記試験(1) 憲法、民法、商法(会社法その他の商法分野に関する法令を含む。)及び刑法に関する知識
(2) 不動産登記及び商業(法人)登記に関する知識(登記申請書の作成に関するものを含む。)
(3) 供託並びに民事訴訟、民事執行及び民事保全に関する知識
(4) その他司法書士法第3条第1項第1号から第5号までに規定する業務を行うのに必要な知識及び能力
口述試験・不動産登記及び商業(法人)登記に関する知識(登記申請書の作成に関するものを含む。)
・その他司法書士法第3条第1項第1号から第5号までに規定する業務を行うのに必要な知識及び能力
引用:令和4年度司法書士試験受験案内書

試験は全部で11科目あり筆記試験は択一式のみの午前の部と、択一式と記述式の午後の部に分かれます。

口述試験は受験生1名に対して面接官2名の、受験生に質問する形の試験です。

筆記試験と口述試験の出題科目は重複するためあらためて学習する科目はありませんが、問題なく回答できるように練習しておきましょう。

司法書士試験の出願から合格発表までの流れ

司法書士試験の出願から合格発表までの流れを、令和5年度の日程で説明します。

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受験申請受付期間5月8日(月)~5月19日(金)
筆記試験7月2日(日)
筆記試験の結果発表日程10月10日(火)
口述試験10月23日(月)
最終合格者の発表日程11月10日(金)
引用:令和5年度司法書士試験受験案内書

司法書士試験を受験するためには、受験申請受付期間の間に願書の提出が必要です。

願書は次の3つの方法で、手に入れられます。

  • 法務局で受け取る
  • 法務局に郵送で請求する
  • 予備校で受け取る

自分が願書を受け取りやすい方法を選ぶようにしましょう。

筆記試験の受験会場は全国約15ヶ所にあり、居住地とは関係なく会場を選ぶことが可能です。

また口述試験の受験地は、全国8ヶ所のどこかの法務局が指定されます。

筆記試験と口述試験の合格発表は発表日の午後4時に、受験地の法務局の掲示か法務省のホームページで確認できます。

司法書士試験と司法試験は何が違う?

司法書士試験と司法試験の違いは、試験合格後に就ける職業や受験資格などです。

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比較項目司法書士試験司法試験
就ける職業司法書士弁護士
検察官
裁判官
受験科目憲法
民法
刑法
商法(会社法含む)
民事訴訟法
民事執行法
民事保全法
司法書士法
供託法
不動産登記法
商業登記法
【基本科目】
憲法
行政法
民法
商法
民事訴訟法
刑法
刑事訴訟法

【選択科目】
(8科目から1つ選択)
倒産法
租税法
経済法
知的財産法
労働法
環境法
国際関係法(公法系)
国際関係法(私法系)
受験資格なし法科大学院を修了する
予備試験に合格する
合格率約4〜5%約3〜4%(予備試験)
約30〜40%(本試験)
引用:法務省-司法書士試験法務省-司法試験

司法書士試験に合格すると司法書士として働くことができ、弁護士試験に合格すると弁護士・検察官・裁判官として働けます。

また司法書士試験は筆記試験と口述試験を2日間で実施しますが、司法試験は4日間かけて行われるのが特徴です。

司法書士と弁護士は共通する仕事内容に「法律に関する書類作成」などがありますが、扱える業務の幅は弁護士の方が広くなります

そのため司法書士資格を取得した後に、弁護士資格を目指すというキャリアアップも考えられます。

将来就きたい職業を元に、司法書士試験か司法試験かを選ぶと良いでしょう。

司法書士の難易度の高さに関するよくある質問

ここでは、司法書士に関するよくある質問について解説します

司法書士試験合格を目指す上でよくある質問なので、よく読んで参考にしてください。

司法書士になるには何年かかる?

司法書士試験に合格するためには約3,000時間必要と言われているため、1日平均約4時間の勉強を2年ほど続ける必要があります

ただし知識が全くない状態で始めれば、3,000時間以上かかる可能性も考えられます

また仕事をしながら司法書士を目指す場合は、学習時間を確保するのが難しいでしょう。

人によって個人差はありますが、仕事が忙しい場合でも学習計画を立てて取り組むことが大事です。

司法書士と税理士はどちらが難しい?

司法書士試験と税理士試験を比べた場合には、一般的に司法書士試験の方が難しい傾向にあります

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資格名司法書士試験税理士試験
合格率3.5%約10〜20%
試験科目憲法
民法
刑法
商法(会社法含む)
民事訴訟法
民事執行法
民事保全法
司法書士法
供託法
不動産登記法
商業登記法
簿記論
財務諸表論
法人税法
所得税法
相続税法
酒税法
消費税法
固定資産税
事業税
住民税
国税徴収法
引用:法務省国税庁

司法書士試験と税理士試験ともに11科目から出題されますが、内容は大きく異なります

また税理士試験は絶対評価ですが、司法書士は相対評価で点数が決まるため難易度が高くなりやすいです。

司法書士試験の難易度を大学の偏差値で表すといくつ?

司法書士試験の難易度を大学の偏差値で表すと、目安として慶應大学・早稲田大学・上智大学と同じようなランクになります。※
※参考:アガルート

もちろん司法書士試験と大学入試では試験の内容が異なり学部によっても比べ方が変わるため、あくまで参考としての比較です。

司法書士試験合格と東大合格を比べた場合には、同じ程度か東大合格の方が難易度が高くなるでしょう。

とはいえ難関大学を出た人が司法書士試験に落ちることもあるので、一概にはどちらの難易度が上かは言い切れません。

あくまで目安として、司法書士試験の難易度と大学入試の偏差値を比べると良いでしょう。

司法書士の試験対策を万全に行うなら通信講座がおすすめ

この記事では、司法書士試験の合格難易度が高い理由や資格を取得するメリットについて解説しました。

司法書士試験に合格するには約3,000時間の勉強や、広い範囲の学習が必要です。

ただし司法書士資格を取得すれば、高い年収や独立開業を狙えるようになります。

司法書士試験に向けて万全に対策したい方は、自分のペースで学習を進められる通信講座を選ぶと良いでしょう。

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