「弁理士の資格取得を目指したいけど、難易度は高いの?」
「弁理士の合格率や勉強時間の目安を知りたい」
弁理士試験の難易度について、このような悩みを抱えている方もいるのではないでしょうか。
弁理士は国家資格のなかでも試験数が3つと多く、最終合格率が令和4年度試験で6.1%と高難度の資格です。
(※参照:特許庁公式サイト)
そこで本記事では、弁護士試験の難易度・合格率について解説します。
他資格との難易度比較やおすすめの勉強方法も紹介するので、自分が目指せる資格なのかどうか判断できるでしょう。
また弁理士の勉強を始めたいと思っている方は、専門の講師が重要なところをわかりやすく解説してくれる通信講座の利用がおすすめです。
以下の記事では弁理士の資格勉強ができる通信講座を紹介しているので、合わせてチェックしてみてください。
弁理士試験の難易度は?最終合格率
弁理士試験の最終合格率は、以下の通りです。
試験年 | 受検者数 | 最終合格者数 | 合格率 |
---|---|---|---|
令和4年度 | 2,754人 | 193人 | 6.1% |
令和3年度 | 2,686人 | 199人 | 6.1% |
令和2年度 | 2,259人 | 287人 | 9.7% |
令和元年 | 2,895人 | 284人 | 8.1% |
最終合格率とは、短答式試験・論文式試験・口述式試験のすべてに合格した割合です。
弁理士試験の最終合格率は令和4年~令和元年の4回分を見ても1桁で、高難易度の資格だと言えるでしょう。
また令和4年度の弁理士試験の受験回数内訳をみると、平均3.4回目で合格している方が多い傾向にあります。
(※参照:令和4年度弁理士試験最終合格者統計)
仮に弁理士試験に一発合格できなかったからと諦めず、何度も対策して挑戦することが大切です。
3つの試験それぞれの合格率については、以下で解説しているので確認してみてください。
弁理士試験短答式試験の合格率
弁理士試験において一番最初に行われる短答式試験の合格率は、平均14.5%です。
試験年 | 受検者数 | 合格者数 | 合格率 |
---|---|---|---|
令和4年度 | 2,754人 | 284人 | 10.3% |
令和3年度 | 2,686人 | 290人 | 11.3% |
令和2年度 | 2,259人 | 411人 | 18.2% |
令和元年 | 2,895人 | 531人 | 18.3% |
弁理士試験は最初に短答式試験を合格しなければ次に進めないため、直近の合格率からみても難易度が高い試験だとわかるでしょう。
令和元年の試験と令和4年度の合格率を比較すると、約8%合格率が低下しています。
このことから、「弁理士試験短答試験が年々難しくなっている」という可能性も考えられるでしょう。
弁理士試験合格を目指すなら、短答式試験の対策から始めてみてください。
弁理士試験論文式筆記試験の合格率
弁理士試験論文式筆記試験の合格率は、平均25.4%です。
試験年 | 受検者数 | 合格者数 | 合格率 |
---|---|---|---|
令和4年度 | 655人 | 179人 | 26.3% |
令和3年度 | 805人 | 211人 | 25.1% |
令和2年度 | 1039人 | 265人 | 25.0% |
令和元年 | 1070人 | 279人 | 25.5% |
論文式筆記試験は短答式試験に合格した後に受けられる試験で、平均合格率から見ると4人に1人が合格しています。
同試験は必須科目と選択科目があり、次の口述式試験に進むにはどちらも合格することが条件です。
短答式試験と論文式筆記試験は1ヶ月ほどしか間隔がないため、対策時間の確保も難しいでしょう。
一方で短答式試験は1度合格すると2年間免除されるため、一発合格できなくても次の年の論文式筆記試験から挑戦できます。
弁理士試験は年に1回行われるので、万が一不合格でも次回まで過去問や問題集で対策しましょう。
弁理士試験口述式試験の合格率
弁理士試験口述式試験の合格率は、過去4年分をみると90%を超えています。
試験年 | 口述式受験受検者 | 口述式試験合格者数 | 合格率 |
---|---|---|---|
令和4年度 | 194人 | 193人 | 96.4% |
令和3年度 | 215人 | 199人 | 90.2% |
令和2年度 | 282人 | 287人 | 98.6% |
令和元年 | 295人 | 284人 | 95.6% |
口述式試験は論文式筆記試験に合格した方が受験できるもので、表からわかる通り10人に9人以上が合格しています。
合格率が高い理由の1つは、論文式筆記試験から口述試験まで4~5ヶ月ほど期間が空くためでしょう。
受検期間は4~5ヶ月空きますが、口述式試験の対策は早め早めに取り組むことをおすすめします。
弁理士試験の合格者内訳
弁理士試験の最終合格者の内訳を、令和4年度弁理士試験を参考に「年齢・性別・職業・出身系統」と分けて紹介します。
これから弁理士試験に挑戦しようか考えている方は、年齢や職業を確認し自分の属性でも目指せるのかチェックしてみてください。
年齢別内訳
弁理士試験合格者の年齢別内訳は、以下の通りです。
年齢 | 合格者数 | 合格者割合(%) |
---|---|---|
10代 | 0人 | 0% |
20代 | 66人 | 34.2% |
30代 | 70人 | 36.3% |
40代 | 43人 | 22.3% |
50代 | 13人 | 6.7% |
60代 | 1人 | 0.5% |
70代 | 0人 | 0% |
80代 | 0人 | 0% |
合計 | 193人 | 100% |
弁理士試験最終合格者で最も多いのは30代の36.3%で、次に20代が34.2%となります。
30代は転職やキャリアをステップアップしたい年齢でもあるため、資格取得を目指す人が多いのかもしれません。
令和4年度弁理士試験の合格者のなかで最年長は60代であり、定年近くになっても弁理士に合格できることがわかります。
弁理士試験は年齢制限がないため、弁理士になりたい方はこれから受験勉強を始めてみてください。
性別内訳
下記に表は、弁理士試験の合格者を性別で内訳したものです。
性別 | 合格者数 | 合格者割合(%) |
---|---|---|
男性 | 133人 | 68.9% |
女性 | 60人 | 31.1% |
合計 | 193人 | 100% |
令和4年度弁理士試験最終合格者統計をみると、男性133人・女性60人と2倍ほど差があります。
合格者に理系出身者が多いことも、男性の割合が多い要因です。
しかし弁理士は女性も活躍できる職業のため、性別問わず活躍できるでしょう。
職業別内訳
令和4年度弁理士試験最終合格者の職業別内訳は、以下の通りです。
職業 | 合格者数 | 合格者割合(%) |
---|---|---|
会社員 | 88人 | 45.6% |
特許事務所 | 64人 | 33.2% |
公務員 | 9人 | 4.7% |
教員 | 0人 | 0人 |
法律事務所 | 4人 | 2.1% |
学生 | 6人 | 3.1% |
自営業 | 2人 | 1.0% |
無職 | 12人 | 6.2% |
その他 | 8人 | 4.1% |
合計 | 193人 | 100% |
最も多いのは会社員の88人で、次いで特許事務所が64人という結果です。
弁理士は特許申請書類の作成サポートを行う役割があるので、特許事務所で弁理士の資格を取得したい方が増えている可能性があります。
また弁理士試験は合格を目指すにあたり、予備校や通信講座を利用するため学習費がかかってしまうがのデメリットです。
そのため学生の受験は難しく、社会人になってから挑戦する方が多いと考えられるでしょう。
出身系統別内訳
理工系・法文系といった、出身系統別の内訳を紹介します。
出身系統 | 合格者数 | 合格者割合(%) |
---|---|---|
理工系 | 148人 | 76.7% |
法文系 | 29人 | 15% |
その他 | 16人 | 8.3% |
合計 | 193人 | 100% |
出身系統の内訳をみると、理工系76.7%と法文系より61.7%も高いことがわかります。
特許出願は最新発明や化学などの分野多く、理系の知識が必要になってくることも理工系出身者が多い理由の一つでしょう。
理工系だから合格できるわけではありませんが、基礎知識として試験合格に役立つ可能性もあります。
法文系・その他の方も基礎から徹底的に勉強すると合格を目指せるため、出身系統は参考程度に確認しておいてください。
弁理士と他の資格の難易度比較
以下では、弁理士と他資格の難易度を比較しました。
資格名 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
---|---|---|---|
弁理士 | 2,754人 | 193人 | 6.1% |
司法書士 | 12,727人 | 660人 | 5.1% |
税理士 | 28,853人 | 5,626 | 19.5% |
行政書士 | 47,850人 | 5,802 | 12.13% |
公認会計士 | 18,789人 | 1,456人 | 7.7% |
社労士 | 40,633人 | 2,134人 | 5.3% |
他の国家資格と比較すると、弁理士は難易度の高い試験だとわかります。
弁理士の合格率が低い理由は試験内容の難しさだけでなく、合格まで3つの試験をクリアする必要があるためです。
難易度の高さから独学は難しく徹底的な対策が必要なため、予備校や通信講座などを利用しましょう。
通信講座は必要な教材が揃い、自分のペースで勉強できるので社会人におすすめです。
弁理士試験の概要
弁理士試験の受験資格や受験の流れを、下記の表にまとめました。
受験資格 | 特になし(年齢、学歴、国籍は関係ありません) |
受験手数料 | 12,000円(税込) |
受験地 | 短答式筆記試験:東京、大阪、仙台、名古屋、福岡 論文式筆記試験:東京、大阪 口述試験:東京 |
試験の流れ | 受験願書提出:3月中旬~4月上旬 短答式試験:5月中旬~下旬 論文式筆記試験(必須科目):6月下旬~7月上旬 論文式筆記試験(選択科目):6月下旬~7月上旬 口述試験:10月中旬~下旬 最終合格発表:10月下旬~11月上旬頃 |
弁理士試験は年齢・学生・国籍などの受験資格はなく、受験手数料を払うと誰でも挑戦できます。
しかし受験地は首都圏や大阪・名古屋などに限られているため、これらの近くに住んでいない方は遠方での受験になるので注意が必要です。
論文式筆記試験に合格すると口述試験まで4ヶ月~5ヶ月ほど期間が空くため、試験日まで対策を行いましょう。
弁理士試験は約1年通して行う試験のため、挑戦するには学習計画を立てることが重要です。
弁理士試験に合格するまでに必要な勉強時間
弁理士試験に合格するまでの必要な時間な勉強時間を、各通信講座を参考に紹介します。
通信講座名 | 必要な勉強時間 |
---|---|
資格のTAC | 2,000時時間~3,000時間 |
アガルートアカデミー | 3,000時間~ |
スタディング | 3,000時間~ |
弁理士試験に合格するまで必要な勉強時間は、少なくとも2,000~3,000時間必要とされています。
3,000時間は1年間1日10時間の勉強が必要になる計算で、人によっては2年以上かかることもあるでしょう。
通信講座を利用すれば合格したい年にあわせたコースが用意されているため、カリキュラム通りに進めると2,000~3,000時間で弁理士試験に挑戦可能です。
勉強時間が個人差もあるので、参考程度に覚えておきましょう。
弁理士に合格するためのおすすめ勉強法
弁理士に合格するためのおすすめ勉強法は、2つあります。
勉強方法が分からない方は、以下2つを参考にしてみてください。
過去問を繰り返し解く
弁理士の勉強をするには参考書だけでなく、過去問を繰り返し解きましょう。
過去問を繰り返し解くことで出題傾向がわかり、試験内容に合わせた対策が可能です。
特許庁公式サイトでも過去問を確認できますが、科目別・解答別にWEBページがあり問題と解答を照らし合わせると時間がかかります。
そのため参考書や通信講座に用意されている過去問を活用すると、問題と解答を同時に用意でき時間をかけず勉強に取り組めるでしょう。
弁理士は年1回しか試験を行われず法律の改正などもあるため、通信講座や市販のテキストに同封されている過去問を活用してみてください。
通信講座を利用する
効率よく勉強したいなら、通信講座を利用しましょう。
通信講座は必要な教材が揃っていて、勉強に必要な時間を計画通りに進められるカリキュラムもあります。
テキストや過去問だけでなく講師の動画講義を視聴できるので、難しい内容も理解しやすいでしょう。
通信講座は一問一答の問題集やスキマ時間に学習できるスマホ教材もあり、効率よく勉強できます。
場所や時間に縛られず勉強できる点も、日常生活と両立して取り組みたい方のメリットです。
弁理士をどのように勉強するか悩んでいる方は、通信講座を利用してください。
弁理士試験の難易度に関するQ&A
弁理士試験の難易度に関するQ&Aをまとめました。
難易度に関する疑問を解決しておくと、スムーズに勉強に取り掛かれるでしょう。
弁理士の偏差値どのくらい?
アガルートアカデミー公式サイトの情報によると、弁理士の偏差値は66~67程度です。
(※参考:アガルートアカデミー公式サイト)
偏差値66は「慶応義塾大学・早稲田大学」などの難関校と同じくらいの難易度と考えられるので、弁理士の資格取得は簡単ではないでしょう。
(※参考:進研ゼミ高校講座公式サイト)
しかし受験資格に学歴は関係ないため、偏差値だけで挑戦を諦めるのはもったいないです。
弁理士を目指すなら自分に合う勉強方法を見つけて、合格を目指しましょう。
弁理士と弁護士はどっちが難しい?
弁理士と弁護士を比較すると、弁護士のほうが少しだけ難しいといえます。
弁護士になるには司法試験を受験するための司法試験予備試験に合格する必要があり、令和4年の合格率は3.63%です。
以下では、弁理士と弁護士になるために必要な司法試験予備試験の受験者数や合格率(令和4年度)を表にしました。
合格率からみると司法試験予備試験の方が難しく見えますが、どちらも合格率が10%を下回っており資格取得は難しいと言えるでしょう。
また勉強時間に関しても弁理士約3,000時間、司法試験予備試験は3,000~8,000時間と合格するまでにかなりの時間がかかります。
参照:アガルート
どちらも簡単に合格できる資格ではないので、通信講座などを利用して合格を目指しましょう。
弁理士の年収は?
弁理士の年収は971.4万円で、全体の約70%が正社員として勤務しています。
(※参照:厚生労働省公式サイト)
自営業・フリーランスとして活動する方もいますが、全体の27.9%と正社員の半分以下です。
弁理士を目指す方はまず正社員としての勤務を前提に考えて、将来的に収入アップを目指す方は独立を考えると良いでしょう。
弁理士試験合格者の出身大学は?
以下では、令和4年度弁理士試験の弁理士試験合格者の多い大学を5つ紹介します。
大学名 | 合格人数 | % |
---|---|---|
東京大学 | 21人 | 10.9% |
京都大学 | 16人 | 8.3% |
東京工業大学 | 11人 | 5.7% |
大阪大学 | 8人 | 4.1% |
東北大学 | 6人 | 3.1% |
合格者が多い大学は東京大学で、全体の10.9%です。
令和4年度弁理士試験最終合格者統計をみるとさまざまな大学が記載されていて、どの大学も合格者1~3人程度となっています。
そのため東京大学・京都大学・東京工業大学など、二桁の合格者がいる大学は徹底的な対策が行われている可能性があるでしょう。
弁理士試験の難易度は高いので受験対策を徹底しよう!
弁理士の合格率は、令和4年度弁理士試験で6.1%と難易度が高い資格です。
高難易度資格といわれる弁護士や行政書士の合格率より低いため、合格するには入念な対策が必要でしょう。
また弁理士試験は、「短答式試験・論文式筆記試験・口述式試験」のすべてに合格しなければいけません。
弁理士試験に合格するための、おすすめ勉強方法は以下の2つです。
弁理士試験を合格するためにおすすめ勉強法
通信講座は必要な教材が揃っていて、メールや面談などで講師からのサポートを受けながら勉強できます。
弁理士の難易度が高く挑戦するか悩んでいる方は、通信講座で勉強を始めてみてください。