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【日本語能力試験(JLPT)のN5レベルの難易度】合格に必要な日本語力や過去の認定率をご紹介

日本人にはあまり馴染みのない「日本語能力試験(JLPT)」。母国語が日本語ではない方にとって、自身の日本語能力がどのレベルなのかを判断するための重要な試験です。

本記事では、日本語能力試験の基本的な情報をはじめ、5つあるレベルの中で最も低いN5レベルを取得するメリットやその難易度、試験の問題例などについて詳しく紹介します。本記事で日本語能力試験(JLPT)について正しい知識を身につけましょう。



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そもそも日本語能力試験(JLPT)とは

疑問 質問

日本語能力試験(JLPT)とは、母語が日本語ではない方が対象の試験で、日本語における「読む力」「聞く力」の能力を測ります。母語が日本語でなければ、国籍が日本でも受験することは可能です。

「日本語能力試験」と「日本語検定」を同じようなテストだと認識している方も少なくありませんが、これらは全く異なるので注意しておきましょう。

【「日本語能力試験」と「日本語検定」の違い】

  • 日本語能力試験:日本語ネイティブではない方の日本語レベルを測る試験
  • 日本語検定:日本人を対象に日本語の知識・運用能力を測る試験

日本語能力試験は「母語が日本語ではない方のための試験」であり、日本語検定は「日本人のための試験」となります。

日本語能力試験は1984年から開催されており、現在では国内に限らず世界87カ国の国・地域で開催されるほどの大規模な試験です。

日本語能力試験(JLPT)のレベル・難易度

日本語能力試験は、N1からN5まで5つのレベルに分けられています。それぞれのレベルで求められる能力は下記の通りです。

レベル 読む力 聞く力
N1 抽象的な文章を読み、内容や構成が理解できる 自然なスピードの会話やニュースを聞き、話の流れを理解し要旨を把握できる
N2 一般的な話題に関する読み物を読み、話の流れ・表現・意図を理解できる 自然に近いスピードの会話・ニュースを聞き、話の流れを理解し要旨を把握できる
N3 新聞や雑誌の見出しから、情報の概要がつかめる 自然に近いスピードの会話を聞き、登場人物の関係性・具体的な話の内容をほぼ理解できる
N4 基本的な漢字や語彙を使用して書かれた文章を読み、内容を理解できる ややゆっくりの会話の内容をほぼ理解できる
N5 日常生活で用いられる定型文などを読んで理解できる ゆっくり短い会話であれば必要な情報が聞き取れる

N1レベルが最も高いレベルになり、N5レベルは試験の中で一番低い難易度です。

N1レベルでは、あらゆる場面で問題なく日本語に対して理解できることが求められています。N5レベルでは、基本的な日本語に対する理解度が求められていますが、難易度はそれほど高くありません。

日本語能力試験(JLPT)のN5レベルを取得するメリット

対策 アイデア

日本語能力試験のN5レベルは、上記でお伝えした通り最も低いレベルです。「一番下のレベルなら取得する必要ない?」「最低レベルは役に立たない?」と考える方も少なくありません。

しかし、N5レベルの取得は日本で働く方にとって非常に大きな武器になります。例えば、EPAに基づく看護師・介護福祉士といった職業の候補者になるために必要なのがN5レベルの日本語能力です。取得すればこの条件をクリアすることになります。

また、こうした限られた業種でなくても、N5レベルの日本語は就職・就学でも有利となることが多いため、取得して損はありません。

日本語能力試験(JLPT)のN5レベルの難易度

日本語能力試験は、日本語における「読む力」「聞く力」の2つを測ることが目的です。最も低いレベルとなるN5レベルでは、基本的な日本語に対してある程度の理解力が求められます。

読む力と聞く力のそれぞれはどの程度の能力が必要となるのか、ここで詳しく見ていきましょう。

【日本語能力試験(JLPT)のN5レベルの難易度】

  • 日本語を読む力
  • 日本語を聞く力

日本語を読む力

N5レベルの「読む力」で求められるのは、ひらがな・カタカナ・日常生活の中で用いられる基本的な漢字を使用した定型文や文章などを読み、その内容を理解する能力です。

800語の語彙と100字の漢字を習得する必要があると言われており、小学校1年生と同等の日本語レベルがなければいけません。

日本語を聞く力

N5レベルの聞く力では、身の回りの日常生活の中でよく出会う場面において、ゆっくりと短い会話であれば必要な情報を問題なく聞き取れる能力が必要です。

例えば「席に座ります」「教科書を開きます」など、日常で使われる簡潔な文章をゆるやかなスピードであれば理解できるのがN5レベルで求められる聞く力になります。

日本語能力試験(JLPT)のN5レベルの合格点と合格率

◯か×か

日本語能力試験のN5レベルの合格点と実際の合格率について気になる方も多くいるのではないでしょうか。ここでは、具体的な合格点と過去のデータから合格率を紹介します。

【日本語能力試験(JLPT)のN5レベルの合格点と合格率】

  • 日本語能力試験(JLPT)のN5レベルの合格点
  • 日本語能力試験(JLPT)のN5レベルの合格率

日本語能力試験(JLPT)のN5レベルの合格点

まずは、合格点について下記の表をチェックしてください。

総合得点 得点範囲 0~180点
合格点 80点
区分別得点 言語知識・読解 得点範囲 0~120点
基準点 38点
聴解 得点範囲 0~60点
基準点 19点

引用:日本語能力試験「よくある質問

N5レベルは、180点満点の試験で80点を取れば合格になります。しかし、総合得点のみで合否が判定されるわけではありません。

総合得点の合格点を満たしながら、区分別得点として「言語・読解」は38点、「聴解」は19点を取らなければいけません。

日本語能力試験(JLPT)のN5レベルの合格率

過去5年間におけるN5レベルの合格率は下記の通りです。

実施年 実施月 合格者数/受験者数
(認定率)
2018年 7月 22,604人/45,366人
(49.8%)
12月 27,167人/59,667人
(45.5%)
2019年 7月 25,317人/53,173人
(47.6%)
12月 27,163人/64,822人
(41.9%)
2020年 12月 13,731人/24,514人
(56.0%)
2021年 7月 8,042人/11,912人
(67.5%)
12月 16,989人/27,264人
(62.3%)
2022年 7月 17,499人/32,359人
(54.1%)
12月 26,267人/55,536人
(47.3%)

引用:日本語能力試験「過去の試験のデータ

過去5年間の9回のデータで計算すると合格率は52%となっており、半数以上の受験者がN5レベルに合格しています。日常生活における基本的な日本語能力を有していれば、N5レベルに合格することは難しくありません。

日本語能力試験(JLPT)のN5レベルの試験情報

日本語能力試験のN5レベルの試験は、「言語知識(文字・語彙)」「言語知識(文法)・読解」「聴解」と3つの科目に分類されます。

言語知識(文字・語彙)の試験時間は20分、言語知識(文法)・読解は40分、聴解は30分です。試験科目それぞれの大問を確認しておきましょう。

試験科目 大問
言語知識・読解 文字・語彙 漢字読み
表記
文脈規定
言い換え類義
文法 文法形式の判断
文の組み立て
文章の文法
読解 短文の内容理解
中文の内容理解
情報検索
聴解 課題理解
ポイント理解
発話表現
即時応答

大問から求められる能力の項目がわかるので必ずチェックしておきましょう。

日本語能力試験(JLPT)のN5レベルの問題例

日本語能力試験の受験を検討している方の中には、「具体的な問題の内容や解答例が知りたい」と考える方も多いのではないでしょうか。

ここでは、日本語能力試験のN5レベルの問題例を3つ紹介します。どんな問題が出題されるのか受験前に知っておきましょう。

【日本語能力試験(JLPT)のN5レベルの問題例3選】

  • 問1.()の ことばは ひらがなで どう かきますか。1・2・3・4から いちばん いい ものを ひとつ えらんで ください。
  • 問2.()の ことばは どう かきますか。1・2・3・4から いちばん いい ものを ひとつ えらんで ください。
  • 問3.()に なにを いれますか。1・2・3・4から いちばん いい ものを ひとつ えらんで ください。

問1.()の ことばは ひらがなで どう かきますか。1・2・3・4から いちばん いい ものを ひとつ えらんで ください。

「(新しい)くるまですね。」

(1)あたらしい(2)あだらしい(3)あらたしい(4)あらだしい

この問いの答えは「(1)あたらしい」になります。どの解答も似たような言葉となっているため、正しく理解できていなければ正解することはできません。

日本語をなんとなく理解しているけれど言葉を正しく把握できていないケースは少なくないため、文章中の漢字を正しく理解しているかどうかを測ります。

問2.()の ことばは どう かきますか。1・2・3・4から いちばん いい ものを ひとつ えらんで ください。

「あの(ほてる)は ゆうめいです。」

(1)ホラル(2)ホテル(3)ホラハ(4)ホテハ

この問いは「(2)ホテル」が正解です。日本語能力試験では、ひらがな・漢字だけでなくカタカナの能力も求められます。

問3.()に なにを いれますか。1・2・3・4から いちばん いい ものを ひとつ えらんで ください。

「おとうとは へや()そうじを しました。」

(1)が(2)を(3)に(4)の

この問いの答えは「(4)の」です。接続詞は種類がいくつもあるため、前後の文章を読んで正しい言葉を選択できるかどうかが求められます。

日本語能力試験(JLPT)のN5レベルに関するよくある質問

最後に、日本語能力試験のN5レベルに関する質問の中から3つを厳選して紹介します。

【日本語能力試験(JLPT)のN5レベルに関するよくある質問】

  • 日本語能力試験(JLPT)のN5レベルは中国語圏の人が有利?
  • 日本語能力試験(JLPT)のN5レベルは日本人も受けられる?
  • 日本語能力試験の過去問はある?

受験対策を万全にするためにも、ここでお伝えする内容をしっかりと把握しておきましょう。

日本語能力試験(JLPT)のN5レベルは中国語圏の人が有利?

日本語能力試験(JLPT)は中国語圏の方が有利になります。その理由は様々ありますが、特に大きな要因として挙げられるのが「漢字」です。

中国と日本が使用している漢字表記は似ているものが多いため、改めて勉強しなくても意味を理解できるものが少なくありません。

普段の生活で漢字に慣れ親しんでいる中国語圏の人と、全く日常で漢字を使用しない国の人と比較すると、どうしても中国語圏の方が有利になるのが特徴です。

日本語能力試験(JLPT)のN5レベルは日本人も受けられる?

日本語能力試験は、「母語が日本語ではない人」であれば誰でも受けられます。仮に日本国籍を所有していても、母語が日本語以外であれば受験が可能です。年齢制限もないため、学生のうちから受験することもできます。

しかし、国籍が海外であっても母語が日本語の場合は受験することはできないため注意しておきましょう。

日本語能力試験の過去問はある?

過去問はあります。本屋などにも冊子が売っており、公式サイトにも問題例が多く掲載されているため、一度チェックしてみましょう。

公式サイトの問題例では、それぞれのレベル別に挑戦できるため、「自分のレベルがどのくらいなのかよくわからない」という方にもおすすめです。

まとめ:基本的な日本語能力を身につけたら「日本語能力試験(JLPT)N5レベル」を受験しよう!

どれが良い?中学生におすすめの家庭学習(自宅学習)教材の3つの選び方

近年では、海外からの労働者を広く受け入れている日本の企業も多くありますが、仕事の能力が高くても必ず就職できるわけではありません。企業の採用基準では日本語能力試験を条件としているケースも多くあります。

本記事でお伝えしているように、日本語能力試験のN5レベルで求められているのは「基本的な日本語に対するある程度の理解」です。

自分の日本語能力を正しく提示するためにも、日常生活における日本語の理解があれば、ぜひ日本語能力試験を受けてN5レベルを取得しましょう。



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