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【日本語能力試験(JLPT)のN3レベルの難易度】N2・N4との差や実際の合格率・問題例をご紹介

日本語能力を正しく示すことができる「日本語能力試験(JLPT)」には5つのレベルがあり、それぞれの難易度や出される問題は異なります。その中でちょうど中間のレベルとなるのが「N3レベル」です。

本記事では、日本語能力試験の基本的な情報をはじめ、N3レベルの具体的な難易度・合格点・試験問題などについて詳しく解説します。合格率やN3レベルを取得した人の日本語レベルなども紹介するので、自分の力に合っているか判断する材料にしてください。



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日本語能力試験(JLPT)とは?日本語を母語としない人が対象の語学検定試験

日本語能力試験は、日本語に対する理解度を正しく示す指標となる試験です。5つのレベルで受験した方の日本語レベルを判定します。

対象となるのは母語が日本語ではない人で、年齢制限などは設けられていません。また、日本国籍を所有していても、母語が日本語でなければ誰でも試験を受けられます。

日本語能力試験の詳しい試験概要は下記のとおりです。

【日本語能力試験(JLPT)の概要】

  • 英語名称:Japanese-Language Proficiency Test
  • 主催:「独立行政法人国際交流基金」「公益財団法人日本国際教育支援協会」による共催
  • 試験会場:日本を含む世界87カ国・地域
  • 実施月:7・12月の年2回
  • 試験項目:言語知識(文法・語彙・文字)・読解・聴解
  • レベル:5段階に分類されている

日本語能力試験は、「N1」「N2」「N3」「N4」「N5」の5つの段階に分けられており、数字が小さくなればなるほど難易度が高く、最も高いレベルが「N1レベル」になります。

日本語能力試験の受験者数は年々増加している

日本語能力試験は年に2回開催されており、その受験者数は開催当初から年々増加傾向にあります。2018年には受験者数が全世界で100万人を突破し、翌年2019年も110万人以上の受験者数となりました。

2020年は、新型コロナウイルスの影響から12月の試験のみの開催となり、応募者数・受験者数ともに減少しましたが、翌年2021年からは通常通り年2回の開催となり、受験者数は回復傾向となっています。

新型コロナ禍による制限が緩和された2023年は過去最高の約148万人の応募があり、海外応募者数が初めて100万人を突破しました。

また、日本語能力試験は小学生から社会人まで幅広い年齢層が受験しているのもポイントです。前述したように、日本国籍があっても母語が日本語以外であれば受験可能なため、今後もさらに受験者数は増加すると予想されています

日本語能力試験(JLPT)のN3レベルの難易度

日本語能力試験は、日本語の能力として大切な「話す」「聞く」「読む」「書く」の4つの技能のうち、「聞く」「読む」の2つの能力を測るための試験です。

N3レベルはちょうど中間地点に位置していますが、実際にどの程度の難易度となっているのか分からない方は少なくありません。

ここでは、N3レベルの難易度を「読む力」「聞く力」に分けて解説します。

【日本語能力試験(JLPT)のN3レベルの難易度】

  • 日本語を読む力
  • 日本語を聞く力

日本語を読む力

N3レベルにおいて日本語を読む力として求められるのは、「日常的に使われる言葉をある程度理解できているかどうか」が主となります。具体的な内容は下記のとおりです。

【N3レベルにおいて読む力として求められる内容】

  • 日常的な話題について書かれた具体的な内容の文章を読んで理解できる
  • 新聞などの見出しを読んで情報の概要をつかめる

新聞や本を難なく読むことができれば問題ないでしょう。

日本語を聞く

N3レベルでは、日本語を聞く力として「自然に近いスピードの会話を聞き、その話の具体的な内容を登場人物の関係性などと合わせて正しく理解できる力」が求められています

誰かと会話をする際のスピード感を落とすことなく、話の内容・登場人物・人物の関係性などの細かな部分までしっかりと理解する能力が必要です。

日本語能力試験(JLPT)のN3レベルの合格点と合格率

日本語能力試験のN3レベルを受験する方の中で特に気になるのが、合格点と合格率ではないでしょうか。まず、合格点について表を見てみましょう。

総合得点 得点範囲 0~180点
合格点 95点
区分別得点 言語知識
(文法・語彙・文字)
得点範囲 0~60点
基準点 19点
読解 得点範囲 0~60点
基準点 19点
聴解 得点範囲 0~60点
基準点 19点

引用:日本語能力試験「よくある質問・得点と合否判定について

日本語能力試験には、総合得点と区分別得点があり、それぞれに合格点・基準点が定められています。合格するためには、総合得点の合格点・区分別得点の基準点を越えなければいけません。

仮に、総合得点がいくら高得点であっても、区分別得点のいずれか1つでも基準点未満となってしまった場合は不合格となります

次に、N3レベルの合格率を確認しましょう。


実施年 実施月 合格者数/受験者数
(認定率)
2019年 7月 53,666人/136,250人
(39.4%)
12月 48,355人/143,894人
(33.6%)
2020年 12月 53,149人/98,208人
(54.1%)
2021年 7月 37,118人/77,183人
(48.1%)
12月 37,219人/82,283人
(41.5%)
2022年 7月 35,332人/75,210人
(47.0%)
12月 35,332人/75,210人
(37.3%)
2023年 7月 59,479人/136,237人
(43,7%)
12月 57,733人/164,700人
(35.1%)

引用:日本語能力試験「過去の試験のデータ

N3レベルの過去5年間における合格率は、平均して「42,2%」です。2020年は1度のみの開催となっていますが、半数以上の54.1%の合格率となっています。

日本語能力試験の中間レベルのN3は、合格率が著しく低いといったことはなく、2~3人に1人の割合で合格できるレベルです。

日本語能力試験(JLPT)のN3レベルの試験情報

N3レベルの詳しい試験情報について紹介します。まずは試験の項目とそれぞれの試験時間を見ていきましょう。

【日本語能力試験N3レベルの試験概要】

  • 言語知識(文字・語彙):30分
  • 言語知識(文法):70分
  • 聴解:40分

N2・N1レベルの場合、言語知識における試験は「文字・語彙・文法」が分けられることなく、言語知識として1つの試験に含まれており、試験時間は110分となっています。その一方、N3レベルは「文字・語彙」で30分・「文法」で70分と試験が分けられているのがポイントです。

文字・語彙・文法・聴解ごとの大問も確認しましょう。

試験科目 大問
言語知識・読解 文字・語彙 漢字読み
表記
文脈規定
言い換え類義
用法
文法 文法形式の判断
文の組み立て
文章の文法
読解 短文の内容理解
中文の内容理解
長文の内容理解
情報検索
聴解 課題理解
ポイント理解
概要理解
発話表現
即時応答

N3レベルの詳しい試験概要は上記のとおりです。試験を受ける際には、それぞれの科目ごとの試験内容や時間について正しく把握しておきましょう。

日本語能力試験(JLPT)のN3レベルの問題例

勉強をしている様子

「日本語能力試験はどんな問題が出される?」「試験概要は理解したけれど具体的な問題を解いてみたい」など、試験の問題に関してもっと詳しく知りたい方は少なくないのではないでしょうか。

公式サイトでレベルごとに問題例を解くことができるので、ぜひ一度チェックしてみてください。まずは本記事でN3レベルの例題を解いてみましょう。

【日本語能力試験(JLPT)のN3レベルの問題例】

  • 問1.()のことばの読み方として最もよいものを、1・2・3・4から一つ選びなさい
  • 問2.()のことばを漢字で書くとき、最もよいものを、1・2・3・4から一つ選びなさい
  • 問3.()に入れるのに最もよいものを、1・2・3・4から一つ選びなさい

問1.()のことばの読み方として最もよいものを、1・2・3・4から一つ選びなさい

漢字の読みを問う問題です。正しい読みと似ている読み方の中から正しい答えを選択します。

「山本さんはクラスの(代表)に選ばれた。」

(1)たいひょう(2)だいひょ(3)だいひょう(4)たいひょ

この問いの答えは「(3)だいひょう」となります。このように選択肢が難しくなっているため、漢字の読み方を曖昧に覚えているだけでは正しい答えを選択できません

問2.()のことばを漢字で書くとき、最もよいものを、1・2・3・4から一つ選びなさい

正しい漢字を選択肢の中から選ぶ問題です。

「困っているときに、先生に(たすけて)いただきました。」

(1)助けて(2)守けて(3)支けて(4)協けて

この問いの答えは「(1)助けて」です。(2)は「まもる」・(3)は「ささえる」・(4)は「きょうりょく」など、自分にとってプラスになる意味としては同じ部類となるため、深く理解できていなければ正しい漢字を選択できません。

問3.()に入れるのに最もよいものを、1・2・3・4から一つ選びなさい

適切な単語を選んで文章を完成させる問題です。

「()寝たので、気持ちがいい。」

(1)すっかり(2)ぐっすり(3)はっきり(4)ぴったり

この問いの答えは「(2)ぐっすり」です。それぞれの単語は響きが似ているため、しっかり意味を理解できていなければ正解できないでしょう。

日本語能力試験(JLPT)のN3レベルに関するよくある質問

疑問符

日本語能力試験のN3レベルについてもっと深く知りたい方のために、よくある質問の中から知っておくべき大切な内容となる2つをピックアップしました。

本記事でお伝えした情報とともに、ここで紹介する内容もしっかりと把握しておきましょう。

【日本語能力試験(JLPT)のN3レベルに関するよくある質問3選】

  • 日本語能力試験(JLPT)のN3レベルを取得した人の実際の日本語レベルは?
  • N3レベルとN2・N4レベルの差は?
  • 日本語能力試験(JLPT)の受験手続きはどうやる?

日本語能力試験(JLPT)のN3レベルを取得した人の実際の日本語レベルは?

N3レベルを取得した方の日本語レベルは、「文法が理解できて語彙が正しく読める」となります。

日本語能力試験は「話す能力」「書く能力」を測定できないため、読む・聞く以外の力が低いケースは珍しくありません。また、N3レベルを取得したからといって、どんな場面においても適応できるかどうかはまた別の話になります。

ビジネス面や日本文化への理解に不安があることも少なくないです。特にビジネスでは、敬語・尊敬語・謙譲語などの多くの言い回しがあったり、メールや電話におけるマナーや暗黙のルールなどがあるため、N3レベルを取得したからといって全てにおいて問題がないとは言えません

N3レベルとN2・N4レベルの差は?

N3レベルは5つの難易度の中でちょうど真ん中に位置しています。N3レベルで求められる能力は、基本的に日常レベルの日本語です。新聞・ニュース・会話なら正しく理解できる能力が求められており、高くも低くもない難易度の日本語能力と言えます。

では、その上下の「N2レベル」「N4レベル」で求められる能力はどの程度なのかを詳しくみていきましょう。

N2レベル
  • 日常以上のレベルが求められる
  • 日常的な内容に限らず、複雑な内容となっている新聞・ニュース・会話の内容をほぼ理解できる
N4レベル
  • 日常会話がやや把握できる能力が求められる
  • 簡単な会話・新聞・ゆっくり話された身近なニュースに関しての内容を理解できる

日本語能力試験(JLPT)の受験手続きはどうやる?

日本語能力試験の受験手続きは、日本で受ける場合と海外で受けるケースで手順が異なります。まず日本で受ける場合、流れとしては下記のようになります。

時期 手順
7月試験の場合:2月上旬~
12月試験の場合:7月上旬~
日本国際教育支援協会の公式サイトを確認し、試験の実施日程をチェックする
7月試験の場合:3月中旬~
12月試験の場合:8月中旬~
日本国際教育支援協会の公式サイトからMyJLPTに登録する
※登録はいつでも可能
7月試験の場合:3月下旬~4月中旬
12月試験の場合:8月下旬~9月中旬
  • 日本国際教育支援協会の公式サイトから申し込む
  • 受験料の支払いを行う
7月試験の場合:6月中旬
12月試験の場合:11月中旬
受験票が届く
7月試験の場合:7月上旬
12月試験の場合:12月上旬
試験実施
7月試験の場合:9月上旬
12月試験の場合:2月上旬
  • 日本国際教育支援協会から試験結果の通知が届く
  • 合否関係なく受験した全員に送られる
  • 受験合格者にのみ日本語能力認定書を交付

日本で受験する場合、「日本国際教育支援協会」を通して試験を受けるための手続きを進めていきます。試験の結果は、登録したMyJLPTにログインすることで確認することも可能です。

海外で受験する場合は日本とは手順が少し異なるため、下記をチェックし正しく把握しておきましょう。

時期 手順
試験を受ける国や地域の実施場所や機関について調べる
実施機関への申し込み方法を確認し、受験案内(願書)を入手する
7月試験の場合:3月~4月頃
12月試験の場合:8月~9月頃
  • 受験案内をしっかりと読んで内容を把握し、機関の指示に従い申し込む
  • 受験料の支払いを行う
受験実施機関から受験票が届く
7月試験の場合:7月上旬
12月試験の場合:2月上旬
試験実施

7月試験の場合:9月頃
12月試験の場合:3月頃

それぞれの実施機関から試験結果が届く

海外で受験する場合、まずは試験を開催する国や地域を調べ、それぞれの実施機関を調べてください。願書はなるべく早く入手しておくと安心です。

試験結果が送付される際には、受験者全員に「日本語能力試験認定結果及び成績に関する証明書」が送られてきます。

まとめ:日常レベルの能力が求められる「N3レベル」を取得して日本語に対する深い理解を示しましょう!

本記事では、日本語能力試験のN3レベルの難易度や試験概要などを詳しくお伝えしました。

日本語能力試験は日本語における「読む力」「聞く力」を示すことができる試験です。企業の中には応募条件に一定のレベル以上を提示しているケースもあり、日本語能力を示すための大切な判断ポイントと言えます。

N3レベルは真ん中の難易度となっており、取得すれば多くの企業では優遇されるでしょう。また、「特定技能ビザ」を取得する際にも役立ちます。

N1・N2レベルと比べると能力としては落ちてしまいますが、本記事を参考にまずは中間のN3レベルの取得を目指してください。



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